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【発明の名称】 脱衣棚
【発明者】 【氏名】服部 克人
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成建設株式会社内

【氏名】加藤 宣勝
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成建設株式会社内

【要約】 【課題】立上る際等の手掛りをコストアップを招くことなく備えて、且つその手掛りが衣服の収納や施設利用等といった本来の機能を害することなく設ける。

【解決手段】脱衣棚1には、仕切板5及び棚板6であって収納口付近に手掛りとなる開口部7が仕切板5及び棚板6を加工して直接形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 衣服が収納される収納空間が板に仕切られて形成されている脱衣棚において、前記板の少なくとも1枚に、当該板自体を加工して板自体に直接手掛り部が形成されていることを特徴とする脱衣棚。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣服が収納される脱衣棚に関し、特に障害者施設及び特別養護老人ホーム等の諸施設における浴室、又は公衆浴場、スポーツジム或いはゴルフ場等の浴室に設置されている脱衣棚に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、障害者施設及び特別養護老人ホーム等の諸施設における浴室、又は公衆浴場、スポーツジム或いはゴルフ場等の浴室等には、衣服等を収容する目的で脱衣棚が設置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、浴室等の施設を利用する者は、立上る際等の姿勢を安定させるために脱衣棚の棚板を手掛りとして使用する場合がある。特に、体の不自由な人、老人等は脱衣棚の棚板を手掛りとして利用する場合が多い。しかし、棚板をつかんだ手がすべってしまい体のバランスを崩してしまい、さらにこれがけがに至ってしまう場合がある。特に、浴室に設けている場合には手が濡れていたりするので手がすべる可能性が高い。
【0004】一方、安全に利用できるように脱衣棚に手摺等を後付けするなどの対策もとられている。例えば、図6に示すように、手摺110が脱衣棚100に後付けされている場合がある。手摺110は、図7に示すように、脱衣棚100の仕切板101や棚板102への取り付け部111と、手掛りとして機能する部分112とから構成されている。なお、取り付け部111には、ねじ止め等により取り付けるための取り付け用孔111aが適宜形成されている。
【0005】しかし、脱衣棚100の収納機能を維持する必要性から、後付けされた手摺110は通路側に突出されたものになるので、その手摺110が通行の邪魔になり、さらには手摺110が体にあたるなどの問題がある。また、後付けはコストアップにつながる。以上のように、脱衣棚には利用者が立上る際等に利用できる手掛かりがなかったり、手摺があったとしてもそれが後付けのものであるために必ずしもその効果が有効に作用しているとはいえなく、また、バリアフリー対応上からも問題を残すものであった。
【0006】そこで、本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、立上る際等に利用できる手掛りをコストアップを招くことなく備えて、且つその手掛りが衣服の収納や施設利用等といった本来の機能を害することなく設けられている脱衣棚の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するために、請求項1記載の脱衣棚は、衣服が収納される収納空間が板に仕切られて形成されている脱衣棚において、前記板の少なくとも1枚に、当該板自体を加工して板自体に直接手掛り部が形成されていることを特徴としている。ここで、前記板としては、収納空間を横方向で仕切る仕切板や収納空間を縦方向で仕切る棚板が挙げられる。加工して形成する手掛り部としては、板を削るなどして形成する開口部、凹部等や、そのような開口部、凹部等を板材と一体として形成するものが挙げられる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態は、障害者施設及び特別養護老人ホーム等の諸施設における浴室、又は公衆浴場、スポーツジム或いはゴルフ場等の浴室に設置されている脱衣棚に本発明を適用したものである。
【0009】図1及び図2は、その脱衣棚1の構成を示しており、図1は斜視図であり、図2は横方向からみた断面図である。脱衣棚1は、図1に示すように、背板2の上下端にそれぞれ天板3及び底板4を備えており、天板3と底板4とからなる空間の横方向を仕切る複数の仕切板5と縦方向を仕切る複数の棚板6とを備えている。脱衣棚1は、このように天板3と底板4とからなる空間を仕切板5と棚板6とで仕切ることで複数の収納部(収納空間)が形成されている。なお、脱衣棚1には、図2に示すように、扉9が設けられているものであってもよい。例えば、脱衣棚1の各構成要素は、木材、樹脂材等によって形成されている。
【0010】そして、この脱衣棚1は、図1及び図2に示すように、仕切板5や棚板6であってその収納口の付近に手掛り部となる開口部7が設けられている。ここで、開口部7の形状は、仕切板5に設けられているものでは、縦方向に延びた略楕円形状とされており、また、仕切板5に設けられているものでは、横方向に延びた略楕円形状とされている。
【0011】仕切板5や棚板6が木材で形成されている場合には、開口部7は、仕切板5や棚板6が削られて形成されており、また、仕切板5や棚板6が木材で形成されている場合には、開口部7は、仕切板5や棚板6を削ることで形成されたり、或いは仕切板5や棚板6を製造する際に一体として形成されている。このように脱衣棚1に開口部7を設けることによって、利用者は、立上る際等にはその開口部7を手掛りとすることで、姿勢を安定させて立上ることができる。
【0012】これにより、利用者は手がすべって体のバランスを崩してけがをしてしまうこともなくなるので、施設はその利便性が向上されたものになる。特に、浴室に設けている場合には手が濡れていたりするが、このような場合でも脱衣棚1は確実な手掛りを備えたものとして提供されるものになる。これにより、体の不自由な人、老人等にとっても利便性の高い施設を提供することができるようになる。
【0013】また、手掛りは、仕切板5や棚板6に設けた開口部7とされていることから、通行の邪魔になることもなく、また、仕切板5や棚板6を加工することで孔を設けただけのものなので簡単な構成でコストアップも招かない。なお、前述の実施の形態の説明に限定されないことはいうまでもない。すなわち、前述の実施の形態では、仕切板5や棚板6に貫通させた開口部7を設けた場合について説明したが、仕切板5や棚板6に貫通させることなく凹部を設けるようにしてもよい。このように凹部としても手掛りとして機能し、開口部7の場合と同様な効果を得ることができる。
【0014】また、手掛りとして機能する形状が把手であってもよい。図3は、その手掛りの一例であり、仕切板5や棚板6に把手20を設けた脱衣棚を示す。図4は、図3中の矢視A−Aの把手20の断面を示す。図4に示すように、把手20は、仕切板5の側面5bに対して凹形状をなし、仕切板5の端部5a側から収納部の奥側に突出するように突出部20aを設けた形状とされている。すなわち例えば、把手20は、タンス等の引き出しの把手として使用されているいわゆる彫り込み把手の形状をなしている。
【0015】このような把手20が棚板6にも設けられている。すなわち、棚板6には、棚板6の側面6bに対して凹形状をなし、棚板6の端部6a側から収納部の奥側に突出するように突出部20aを設けた形状をなす把手20が設けられている。このような把手20を仕切板5や棚板6に設けることで、利用者が把手20の突出部20aをつかむことができるので、開口部7の場合と同様な効果を得ることができるようになる。
【0016】また、把手20を備える場合には、その棚板6でも設置位置を下側面或いは裏面とすることで、ゴミだまりになってしまうことを防止しつつ手掛りとしての機能を発揮させることができる。また、図5に示すように、把手20は、仕切板5の側面5b或いは棚板6の側面6bに対して突出形状をなすとともに、仕切板5の端部5a側或いは棚板6の端部6aから収納部の奥側に突出するように突出部21aを設けた形状であってもよい。このような形状とすることでも前記把手20と同様な効果を得ることができる。
【0017】なお、前述した把手20のように凹形状として突出部20aを設けた形状とすれば、脱衣棚の収納機能を害することない手掛りを設けることができるという効果はある。すなわち、前記把手20は、仕切板5や棚板6の側面5b,6bから突出してしまうような部分がないので、収納の際に邪魔になることもない。また、前述の実施の形態では、仕切板5と棚板6との両方に開口部7等を設けているが、仕切板5又は棚板6の少なくとも一方に設けるようにしてもよい。
【0018】また、手掛り部は仕切板5や棚板6に設けることに限定されるものではない。例えば、天板であってもよい。これは、例えば、低い高さの脱衣棚の場合に有効である。さらに、手掛り部を設ける箇所については、脱衣棚の美観や脱衣棚の機能或いは手掛りとしての効果面を考慮して決定するようにしてもよい。また、設備或いは脱衣棚1に、手掛りをなす部分が設けられている表示をすることで、脱衣棚に形成されている開口部7、凹部或いは把手20,21が手掛りとしての機能することを利用者に知らせることができ、それの有効的な利用を図ることができる。
【0019】また、前述の実施の形態では、脱衣棚を障害者施設及び特別養護老人ホーム等の諸施設における浴室、又は公衆浴場、スポーツジム或いはゴルフ場等の浴室に設置されている場合について説明したがこれに限定されるものではない。すなわち、他の施設或いは家庭用に提供できる脱衣棚にも本発明を適用することができる。
【0020】なお、手掛り部が仕切板5又は棚板6を加工して形成した場合について説明したが、手掛り部を部品としてこれを仕切板5又は棚板6に取り付けるようにしてもよい。例えば、前述した把手20,21のような形状をなす部品を仕切板5又は棚板6に取り付けるといったようにである。この場合でも、少なくとも通行の邪魔にならないように手掛りを設けることができるという効果はある。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、衣服が収納される収納空間を形成する板の少なくとも1枚に、当該板自体を加工して板自体に直接手掛り部が形成されていることで、立上る際等に利用できる手掛りをコストアップを招くことなく提供することができ、且つその手掛りを衣服の収納や施設利用等といった本来の機能を害することなく設けることができる。
【出願人】 【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿一丁目25番1号
【出願日】 平成14年4月2日(2002.4.2)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
【公開番号】 特開2003−289961(P2003−289961A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−99900(P2002−99900)