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【発明の名称】 棚および棚受用ブラケット
【発明者】 【氏名】増田 勝一
【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内

【氏名】中西 靖
【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内

【要約】 【課題】単式であっても複式のような利用の態様を的確に実現できるようにした棚を提供する。

【解決手段】左右に離間して位置する一対の支持体1と、これら支持体1,1間に配置される棚板2と、棚板2を支持すべく各支持体1に設けられる棚受用ブラケット3a、3bとから棚を構成するに際して、棚受用ブラケット3a、3bを、支持体1に取り付けられる本体部31と、支持体1の奥行寸法D0に対して半分の奥行幅D1の棚板2を同奥行方向に位置決め状態で支持する棚支持部32とを具備してなるものにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】左右に離間して位置する一対の支持体と、これら支持体間に配置される棚板と、棚板を支持すべく前記各支持体に設けられる棚受用ブラケットとを具備してなるものにおいて、前記棚受用ブラケットは、支持体に取り付けられる本体部と、支持体の奥行寸法よりも小さい奥行幅の棚板を同奥行方向に位置決め状態で支持する棚支持部とを具備していることを特徴とする棚。
【請求項2】棚受用ブラケットの棚支持部は、支持体の奥行方向の一端側へ偏位した位置において棚板を支持するものであり、当該棚受用ブラケットに支持された棚板に隣接する奥行方向他端側の棚空間を開放し得るようにしている請求項1記載の棚。
【請求項3】棚支持部は、当該棚受用ブラケットを支持体に装着した状態で奥行方向両端部より立ち上がる位置決め用の起立片を具備し、この起立片によって棚板の奥行方向の位置決めを行うようにしている請求項1又は2記載の棚。
【請求項4】前記棚板の奥行幅が、支持体の奥行寸法の半ピッチ相当に設定されている請求項1〜3記載の棚。
【請求項5】前記棚板の奥行幅が、支持体の奥行寸法の1/3ピッチ相当に設定されている請求項1〜3記載の棚。
【請求項6】前記各支持体は、奥行方向に隣接する一対の支柱を具備し、各々の支柱は、鉛直方向に沿って棚受用ブラケットを取り付けるための複数の係合孔を配列開口させたものである請求項1〜5記載の棚。
【請求項7】前記支持体は、奥行方向に連続する板状のものであり、その奥行方向に離間した少なくとも2箇所に、鉛直方向に沿って複数の係合孔を配列開口させたものである請求項1〜5記載の棚。
【請求項8】請求項1〜7記載の棚を構成するものであって、一対の支持体にそれぞれ装着され、支持体に取り付けられる本体部と、支持体の奥行寸法よりも小さい奥行幅の棚板を同奥行方向に位置決め状態で支持する棚支持部とを具備することを特徴とする棚受用ブラケット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラックを始めとして棚構造を有する各種の什器として好適に利用可能な棚及びそのための棚受用ブラケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】棚の種別として、単式・複式がある。単式は、前後左右に計4本の支柱を備えた棚本体を具備し、この棚本体の前後支柱間にそれぞれ棚受用ブラケットを取り付けて、左右の棚受用ブラケット間に棚板を掛け渡すことにより利用に供するようにしたものである。これに対して、複式は、例えば奥行方向に3本以上の支柱を備え、これらの支柱の何れの支柱間に棚受用ブラケットを取り付けるかによって、奥行方向に棚本体の全巾のもののみならず1/2巾あるいは1/3巾の棚板を部分的に掛け渡すこともできるようにしている。棚受には、適宜の位置に切り起こし等により形成した起立片が設けてあり、棚板を所定位置に位置ずれしないように保持することができるようにしている。
【0003】単式の棚には構造簡素である利点があり、複式の棚には棚本体の平面積よりも小さい棚板を取り付けることで棚板の配置を必要部分のみに制限し、棚板の存在しない部分の開放された棚空間に背丈の大きい物品を配置するなど、デッドスペースを生じさせない棚空間の有効利用、種々のバリエーションに富んだ利用態様が可能になる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、単式の棚であっても、複式のように棚空間の有効利用、バリエーションに富んだ利用の態様が実現できれば便利である。
【0005】ところが、上記のように単式の棚は、棚受が前後左右に全巾の棚板を支持する棚受構造であるため、半幅の棚板を載せると、本来の支持領域の範囲で棚板の位置ずれが生じ、不安定な使用状態となることが避け難い。また、棚板を載せない部分において起立片が露出し、見栄えが損なわれるばかりか衣類等を引っ掻ける恐れもある。
【0006】本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、単式であっても複式のような利用の態様を的確に実現できるようにした棚およびそのための棚受用ブラケットを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を達成するために、左右に離間して位置する一対の支持体と、これら支持体間に配置される棚板と、棚板を支持すべく各支持体に設けられる棚受用ブラケットとから棚を構成するに際して、棚受用ブラケットを、支持体に取り付けられる本体部と、支持体の奥行寸法よりも小さい奥行幅の棚板を同奥行方向に位置決め状態で支持する棚支持部とから構成したものである。本体部は、支持体の奥行寸法に略等しい奥行寸法とすることが的確な取り付け状態を得る上で望ましいが、支持体への取り付けが適切化できれば、支持体の奥行寸法よりも小さい奥行寸法のものとすることを妨げるものではない。
【0008】このようにすれば、必要な部分のみに棚板を配し、棚板の不要な部分の棚空間を棚板に遮られることなく開放して、その部位に背丈の大きい物品を収納するなど、デッドスペースを生じさせないような棚空間の有効利用が可能になる。しかも、この棚受用ブラケットは、幅狭の棚板を奥行方向に位置決め支持する棚支持部を備えており、奥行方向に位置ずれが生じないため、バリエーションに富んだ棚板の架設状態をとっても、棚板が容易にずれたり外れたりする不都合を有効に回避することができる。また、奥行幅が支持体の奥行寸法にほぼ等しい全幅の棚板を取り付けるための棚受用ブラケットとの間で本体部の構造を共通化しておけば、支持体への取付構造を一本化でき、利用形態のバリエーションもより豊富なものにすることができる。
【0009】棚空間を種々の態様で有効活用する機能を端的に実現するためには、棚受用ブラケットの棚支持部を、支持体の奥行方向の一端側へ偏位した位置において棚板を支持するものとし、当該棚受用ブラケットに支持された棚板に隣接する奥行方向他端側の棚空間を開放し得るようにしておくのがよい。
【0010】棚支持部の位置決め機能を具現するための簡易な構成としては、当該棚受用ブラケットを支持体に装着した状態で奥行方向両端部より立ち上がる位置決め用の起立片を具備し、この起立片によって棚板の奥行方向の位置決めを行うようにしているものが挙げられる。
【0011】以上に適用し得る棚板の奥行幅は、支持体の奥行寸法の半ピッチ相当であるもの、1/3ピッチ相当であるもの、或いは必要に応じてこれら以外のピッチ相当であるもの等が挙げられる。
【0012】具体的な形態としては、奥行方向に隣接する一対の支柱から支持体を構成し、各々の支柱に鉛直方向に沿って棚受用ブラケットを取り付けるための複数の係合孔を配列開口させたものや、支持体を奥行方向に連続する板状のものとし、その奥行方向の奥行方向に離間した少なくとも2箇所(好ましくは両端近傍)に鉛直方向に沿って棚受用ブラケットを取り付けるための複数の係合孔を配列開口させたものが挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0014】この実施形態の棚は、スチール製のもので、左右に離間して位置する一対の支持体1と、これら支持体1、1間に配置される棚板2と、棚板2を支持する棚受用ブラケット3a、3bとから構成される。
【0015】支持体1は、奥行方向に隣接する一対の支柱11の上端部間及び下端部間を横架材10(図3参照)を介して連結したものであり、各々の支柱11は、少なくとも棚板2が配置される側の面11aに鉛直方向に沿って複数のスリット状の係合孔11bを配列開口させている。左右に離間して対向する(すなわち棚板2の左右両端を支持する)支持体1、1間も、各々の支持体1を構成する支柱11同士が上端部間及び下端部間を図示しない横架材によって連結されている。そして、全体として4本の支柱11が相互に連結されていわゆる単式の棚本体を構成し、構造体としての自立性を呈している。
【0016】棚板2は、左右の支柱11の内法寸法に略等しい左右幅Wと、支持体1の奥行寸法(つまり奥行方向に対をなす支柱11間の外法寸法)D0のほぼ半幅、厳密には半幅よりも若干小さい奥行幅D1とを有するもので、板金素材を塑性変形加工することによって、前壁2a、後壁2b、底壁2c及び上壁2dを有したものとして構成されている。
【0017】棚受用ブラケット3a、3bは、前記一対の支持体1の棚支持側の面11aに装着されるもので、支持体1の奥行寸法D0とほぼ同寸、厳密には若干小さい奥行寸法D2の本体部31と、前述した奥行幅D1の棚板2を同奥行方向に位置決め状態で支持する棚支持部32とを具備している。本体部31は、板金素材を塑性変形加工することによって構成されたもので、前記奥行寸法D2(これは前後の支柱11の係合孔11b間のピッチに略等しい値)の鉛直壁31aと、この鉛直壁31aの奥行方向両端部において上縁から支柱11側へ折り曲げて突出させた下向き鉤形をなす係合爪31bと、これらの係合爪31bの奥行方向中間部分において上縁から前後支柱間空間へアングル状に折り曲げた補強片31cとからなっている。一方、棚支持部32は、前記鉛直壁31aの奥行方向一端側へ偏位した半幅領域において下縁から棚板3側へ水平に延出させた棚受面32aと、この棚受面32aの奥行方向両端に起立状態で設けた起立片32b、32cとを具備している。奥行方向ほぼ中央に位置する起立片32bは棚受面32aの端部を上方に折り曲げたものであり、奥行方向端部側の起立片32cは鉛直壁31aの端部を棚板3側に折り曲げたものであって、起立片32b、32c間の内法寸法D3は棚板3の奥行幅D1に略合致させてある。
【0018】そして、この棚受用ブラケット3の一対の係合爪31bを各々対応する支柱11の係合孔11bに挿入し、その位置で落とし込むことによって、鉛直壁31aの背面を支柱11の係合孔11bが設けられた面11aに密着されて装着することができるようにしている。
【0019】なお、棚受用ブラケット3aと棚受用ブラケット3bとは、棚支持部32が設けられている奥行位置が対応しなければならないため、この実施形態では鏡面対称の関係にある2種類のブラケットとして用意されている。なお、左右の支持体1、1間において半幅の棚板3を奥行方向の奥側へ偏位させて取り付ける場合には、右側に棚受用ブラケット3aを用い、左側に棚受用ブラケット3bを用いるが、奥行方向の手前側へ偏位させて取り付ける場合には、右側に棚受用ブラケット3bを用い、左側に棚受用ブラケット3aを用いればよく、効率良い利用が可能である。
【0020】そして、これら左右の棚受用ブラケット3a、3b間に、前述した棚板2を架け渡して取り付けるようにしている。棚板2は、前述したように棚受用ブラケット3a、3bの一対の起立片32b、32c間に前壁2a、後壁2bを密着させて嵌め込み、棚受面32a上に底壁2cを載せ置いて取り付けられ、上壁2dを棚面とするものであり、その状態で起立片32b、32cの先端は棚面2dよりも上方へ突出しない寸法関係に設定されている。勿論、一対の起立片32b、32cを両側から抱くようにして外側に嵌め込む関係に設定することも可能である。
【0021】このようにすれば、必要な部分のみに棚板2を配し、棚板2の不要な部分の棚空間を棚板2に遮られることなく開放して、その部位に背丈の大きい物品Xを収納するなど、デッドスペースを生じさせないような棚空間の有効利用が可能になる。図3では、一定ピッチでブラケット3a、3bを交互に使用した結果、奥行方向の前方半幅、後方半幅に千鳥状に棚板2を配置して、棚の取付ピッチの実質的に2倍の背丈Hの物品Xを収納し得るようにしているものである。勿論、目的用途に応じ、どの高さ位置において前後何れの奥行位置に棚板を配置するかは自由であり、これ以外にも種々の態様で棚板2を取り付けることができる。しかも、この棚受用ブラケット3a、3bは、幅狭の棚板2を奥行方向に位置決め支持する棚支持部32によって棚板2に奥行方向への位置ずれを生じさせないものであるため、バリエーションに富んだ棚板2の架設状態を採用しても、棚板2が容易にずれたり外れたりする不都合を有効に回避することができる。さらに、奥行幅D1が支持体1の奥行寸法D0にほぼ等しい全幅の棚板を取り付けるための図示しない棚受用ブラケットとの間で本体部31の構造を共通化しておけば、支持体1への取付構造を一本化できる上に、何れの棚受用ブラケット(従って全巾、半巾何れの棚板)を使用するかも自由となり、利用形態のバリエーションもより豊富なものにすることができる。
【0022】とりわけ、この実施形態では、棚受用ブラケット3a、3bの棚支持部32を、支持体1の奥行方向の一端側へ偏位した位置において棚板2を支持するものとし、当該棚受用ブラケット3a、3bに支持された棚板2に隣接する奥行方向他端側の棚空間を開放するようにしているため、棚空間の奥行方向手前又は奥方に開放空間を集中的に形成することができ、背丈の高い物品を収納するスペース等を有効に確保することができるほか、その様な物品の出し入れもし易いものになる。
【0023】また、本実施形態においては、棚受用ブラケット3を支持体1に装着した状態で奥行方向両端部より立ち上がる位置決め用の起立片32b、32cを具備し、これらの起立片32b、32cによって棚板2の奥行方向の位置決めを行うようにしているため、簡素な構造で棚板2の位置ずれを防止することができるほか、棚板2はこれらの起立片32b、32cの間に密着して嵌め込まれ、その状態で起立片32b、32cの先端は棚面2dよりも上方へ突出しないようにしてあるため、予め半幅の棚板の取り付けが予想される部位に起立片を常に突出させておくような手法を採用する場合に比べて、起立片32b、32cに衣類等を引っ掛けることも有効に回避することができる。
【0024】さらに、本実施形態の棚板2は、奥行幅が支持体1の奥行寸法の半ピッチ相当であり、奥行方向の前方、後方いずれの側から使用するときにも同様の使い勝手となるため、居住空間の中央に配置して両側から使用するような態様、或いは、棚空間を二人で半分づつ使用するような利用態様に有効となる。勿論、1/3ピッチ相当であるものや、それ以外の比率によるものであっても、目的・用途に応じて本発明の機能を有効に発揮させることができる。
【0025】特に、本実施形態の具体的な形態として、奥行方向に隣接する一対の支柱によって支持体を構成し、各々の支柱に鉛直方向に沿って棚受用ブラケットを取り付けるための複数の係合孔を配列開口させているため、配置の自由度が大きく、本発明の効果を如何なく発揮させることができる。
【0026】なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0027】例えば、上記実施形態の支持体は支柱タイプのもので構成されていたが、奥行方向に連続する側板タイプのもの、例えば書架等にも同様に適用することができる。
【0028】また、本明細書に言う「奥行方向」は説明の便宜上の方向であって、必ずしも図示例のように棚の短辺方向のみを指称するものではない。
【0029】さらに、棚受用ブラケットに予め予備の爪や棚支持部を設けたり、爪を逆に掛け止めることができるように構成して、棚支持部を上下反転させて左右で共用できるように構成する可能性も追求することができる。
【0030】また、奥行方向を1/3ピッチとするときは、奥行方向の両側へ偏位した位置、中央位置の3箇所に選択的に棚板を取り付けることができるようになる。
【0031】さらにまた、必要な強度が損なわなければ、棚受要ブラケットを、本体部と、この本体部の奥行方向複数箇所に設定した係合位置の中から一の係合位置を選択して着脱可能に取り付け可能な棚支持部とから構成して、棚受用ブラケットの共用化、これによる部品点数の削減を図ることもできる。
【0032】また、棚受用ブラケットには、支持体の奥行寸法よりも小さい奥行寸法のものを用いることもできる。この場合にも、棚支持部と棚板との係わり構造を工夫すれば、棚板を支持体の奥行方向の両端に偏位させて取り付けることは可能である。また、支持体の奥行寸法に対して略半巾の本体部、この本体部に対して更に半巾の棚板といった寸法関係で本発明を適用することも可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明した構成により、単式であっても複式のような利用の態様を的確に実現できるようにした新規有用な棚およびそのための棚受用ブラケットを提供することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
【出願日】 平成14年3月29日(2002.3.29)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博 (外1名)
【公開番号】 特開2003−289953(P2003−289953A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−97026(P2002−97026)