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【発明の名称】 ワゴンデスク
【発明者】 【氏名】加藤 雅士
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区淡路町1丁目6番11号 株式会社イトーキ内

【氏名】田阪 朋彦
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区淡路町1丁目6番11号 株式会社イトーキ内

【要約】 【課題】多機能ワゴンデスクを提供する。

【解決手段】ワゴンデスク10Aの直方体形の箱形状に形成された本体部21の天板29の前側上部には平盤形状に形成された作業板30が上面の位置を調整可能に配設されており、作業板30の下方には平面視が作業板30と略同一形状を有する収納部27が配設されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 直方体形の箱形状に形成された本体部の前側上部に作業板が配設されており、平面視が前記作業板の平面視と略同一の収納部が前記作業板の下方に配設されていることを特徴とするワゴンデスク。
【請求項2】 前記作業板はその上面が前記本体部の天板の上面と面一になるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のワゴンデスク。
【請求項3】 前記作業板の上面は前記本体部の天板の上面よりも上方に突き出して、机の天板の上面と面一になるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のワゴンデスク。
【請求項4】 前記作業板は前記本体部に進退自在に装着された最上段の引出しの前板に対して昇降自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1、2または3に記載のワゴンデスク。
【請求項5】 前記本体部の天板の一部は昇降自在に構成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のワゴンデスク。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワゴンデスクに関し、特に、オフィスワークの変化やそれに伴うオフィス机の変化に対応することができるワゴンデスクに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のワゴンデスクは、袖付き机を構成したり、脇机として使用したりするのに好適なように構成されている。すなわち、袖付き机を構成する場合には、ワゴンデスクは平机の両脚板間の一方の脚板に接近されて配置される。他方、脇机として使用される場合には、ワゴンデスクは平机の両脚板間の空間から引き出されて外側に配置される。したがって、従来のワゴンデスクは平面視の形状が平机の両脚板間に納まるように直方体形状に設定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、IT(情報技術)の発展の伴うオフィスワークの変化により、オフィスの机にはパーソナルコンピュータや情報端末が設置されるのが一般的になるため、従来の平机の両脚空間に納まるワゴンデスクでは、マウス等を操作するための余裕のスペース、記憶媒体や書類および附属機器等の収納スペースが不足するという問題点が発生する。
【0004】本発明の目的は、オフィスワークの変化やそれに伴うオフィス机の変化に対応することができるワゴンデスクを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るワゴンデスクは、直方体形の箱形状に形成された本体部の前側上部に作業板が配設されており、平面視が前記作業板の平面視と略同一の収納部が前記作業板の下方に配設されていることを特徴とする。
【0006】前記した手段に係るワゴンデスクが、例えば、平机の両脚板間の一方の脚板に接近されて配置されると、作業板が本体部から前方へ水平に突き出るため、その作業板をパーソナルコンピュータや情報端末のマウス等を操作するための作業台として使用することができる。また、作業板の下方に配設された収納部には記憶媒体や書類および附属機器等を収納することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に即して説明する。
【0008】本実施の形態において、本発明に係るワゴンデスク10は、図2に示されているように、オフィスで通常に使用される一般的な平机1における左右で一対の脚2と2との間、天板3および幕板4によって画成される天板下方空間5に挿入し得る直方体形の箱形状に構成されている。
【0009】すなわち、図1および図2に示されているように、本実施の形態に係るワゴンデスク10は型鋼および塗装スチール板等が使用されてスポット溶接等の手段により直方体形の箱形状に構築された本体部11を備えており、本体部11の前後方向の寸法(奥行)は平机1の奥行と略等しく設定され、左右方向の寸法(横幅)は平机1の左右方向の寸法(横幅)の約三分の一程度に設定されている。本体部11の下面の四隅にはワゴンデスク10を移動させるための四個のキャスタ12がそれぞれ取り付けられおり、ワゴンデスク10のキャスタ12を含めた高さは平机1の高さよりも天板3の分だけ低く設定されている。本体部11の左右の側面のうち一方の側面(以下、左側面とする。)には引出し口13が開設されており、引出し口13には上中下の三段の引出し14、15、16が、それぞれ左右方向に進退自在に挿入されている。
【0010】本体部11の正面(以下、前面とする。)の下部には、収納部としてのボックス17を着脱自在に装着するためのブラケット18が固定されており、ボックス17は上面が開口し下面が閉塞した半円形の筒形状に形成されている。すなわち、ボックス17は図面や書類を収納する書類収納用ボックスや、オフィスのごみを収納するごみ箱として任意に使用することができるように構成されている。
【0011】本体部11の上面に据え付けられた天板19の正面側の端(以下、前端とする。)には、平面視が半円形の平盤形状に形成された作業板20が一体的に突設されている。すなわち、天板19は後方前円形の平盤形状に一体的に形成されており、半円形の前端部が作業板20を実質的に構成している。ボックス17の半円形は作業板20の半円形と一致するように設定されている。
【0012】次に、前記構成に係るワゴンデスク10の使用方法並びに作用および効果を説明する。
【0013】図2に示されているように、ワゴンデスク10は平机1の天板下方空間5に三段の引出し14、15、16が内側を向いた状態で、右脚2に接近されて挿入される。この状態において、ワゴンデスク10の天板19の前端部に形成された半円形の作業板20は平机1の天板3の前端辺における右端部から突き出た状態になっている。
【0014】パーソナルコンピュータ6が平机1に設置される場合には、図2に想像線で示されているように、天板3の右端部に配置されることが多く、この場合には、マウス7は右側に配置されることになる。この際、図2に示されているように、半円形の作業板20は平机1の天板3の前端辺における右端部から突き出た状態になっているため、マウス7は作業板20の上に配置することができる。したがって、マウス7は右手で容易に操作することができるとともに、平机1の天板3の上を広く活用することができる。
【0015】ここで、作業板20は平机1の天板3の前端辺から突出しているが、半円形の平盤形状に形成されているため、パーソナルコンピュータ6のオペレータ等の平机1の使用者が着席したり起立したりする際に、天板3の前端辺における右端部から突き出た作業板20が使用者の障害になることはなく、マウス7が脱落したりする事故の発生を未然に防止することができる。
【0016】また、収納部としてのボックス17は作業板20の半円形と実質的に等しい半円形筒形状に形成されていることにより、作業板20から外側に突き出ないため、作業板20と同様に使用者の障害にならない。
【0017】ワゴンデスク10を平机1の外側で使用したい場合には、マウス7を平机1の天板3の上に置いてから、ワゴンデスク10を平机1の天板下方空間5から前方に引き出せばよい。この際、本体部11の下面に四個のキャスタ12が取り付けられているため、ワゴンデスク10は容易に引き出すことができる。
【0018】図3は本実施の形態に係るワゴンデスクの他の使用例を示す斜視図である。すなわち、図3においては平机1Aの天板3Aの前端辺の右端部に曲線部8が形成されており、本実施の形態に係るワゴンデスク10はこの曲線部8の天板下方空間5内にパーソナルコンピュータ6のモニタと対応するように斜めの向きで設置されている。図3に示されているように、ワゴンデスク10の前端部を構成した半円形の作業板20が平机1Aの前端辺の曲線部8になじむため、ワゴンデスク10は平机1Aの天板3Aに対して斜めの向きに設置することができる。
【0019】このようにワゴンデスク10が斜めの向きに設置されると、平机1Aの使用者はパーソナルコンピュータ6に正対して座ることができるため、パーソナルコンピュータ6はきわめて操作し易くなる。しかも、平机1Aの天板3Aの上面は中央部から左端部までを広く活用することができる。
【0020】なお、一端部に作業板20が一体に形成された天板19の本体部11に対する取付方向を前後入れ換えることにより、左袖用のワゴンデスク10を容易に構成することができる。すなわち、左袖用のワゴンデスク10は平机1の天板下方空間5に左脚2に接近されて挿入されて使用されることになるが、この使用状態において、三段の引出し14、15、16が内側(右側)を向いた状態になる。つまり、本実施の形態に係るワゴンデスク10は左右兼用に構成することができる。この場合、収納部としてのボックス17を取り付けるためのブラケット18は本体部11の前面および後面の両方に予め配設しておくことが望ましい。また、ボックス17にワゴンデスク10の本体部11に磁着するマグネット(図示せず)を取り付けておくと、ブラケット18を省略することができる。
【0021】図4は本発明の第二の実施の形態であるワゴンデスクを示しており、(a)は斜視図、(b)は作業板が下降した状態の主要部の一部切断正面図、(c)は作業板が上昇した状態の主要部の一部切断正面図である。図5はそのワゴンデスクの使用例を示す斜視図である。
【0022】図4に示されているように、本実施の形態に係るワゴンデスク10Aにおいては、上中下の三段の引出し24、25、26が本体部21の前面に開設された引出し口23にそれぞれ前後方向に進退自在に挿入されており、半円形の平盤形状の作業板30が長方形の平盤形状の天板29から切り離されて上段の引出し24に昇降自在に取り付けられている。すなわち、図4(b)および(c)に示されているように、上段の引出し24の前板24aの内部の左端部および右端部には左右で一対のガイドパイプ31、31がそれぞれ垂直に据え付けられており、両ガイドパイプ31、31には作業板30の下面の左右両端部に垂下された左右で一対の支柱32、32がそれぞれ摺動自在に挿入されている。両支柱32、32の中間部には上段係合穴33および下段係合穴34がそれぞれ没設されており、両ガイドパイプ31にはボールプランジャ35が上段係合穴33および下段係合穴34にそれぞれ係合するように設置されている。
【0023】そして、図4(b)に示されているように、ボールプランジャ35が上段係合穴33に係合した状態においては、作業板30は上段の引出し24の前板24aの上に当接されて保持された状態になっており、この状態において、作業板30の上面は図4(a)に示されているように、本体部21の上面に一致した状態になっている。
【0024】他方、図4(c)に示されているように、支柱32がガイドパイプ31から引き上げられてボールプランジャ35が下段係合穴34に係合した状態においては、作業板30は上段の引出し24の前板24aの上面から浮いて保持された状態になり、この状態において、作業板30の上面は図5に示されているように、ワゴンデスク10Aが天板下方空間5に挿入された平机1の天板3の上面に一致した状態になっている。このように、作業板30の上面が天板3の上面に面一になっていると、平机1と作業板30との間の段差が無くなるため、マウス(図2参照)の操作性等が向上することになる。
【0025】中段の引出し25には半円形リング形状の把手25aが取り付けられており、下段の引出し26には収納部としての半円形筒形状のボックス27が取り付けられている。22はキャスタである。
【0026】図6は本発明の第三の実施の形態であるワゴンデスクを示しており、(a)は正面図、(b)は側面図である。図7(a)は同じく平面図、(b)は天板の上昇時の側面図である。図8はそのワゴンデスクの使用例を示す斜視図である。
【0027】図6および図7に示されているように、本実施の形態に係るワゴンデスク10Bにおいては、本体部41には段差部41aが形成され、本体部41の前面の段差部41aよりも下部に開設された引出し口43には中段の引出し45および下段の引出し46がそれぞれ前後方向に進退自在に挿入されており、半円形の平盤形状の作業板50がワゴンデスク10Bの後述する天板51から切り離されて、本体部41の段差部41aよりも上側になる前端部上面に前方に張り出されて水平に取り付けられている。作業板50の下側には上段の引出しすなわち収納部の役目を果たすトレイ44が支軸44aによって回転自在に支持されている。トレイ44は略楕円形の皿形状に形成されており、閉鎖状態においては図7(a)に破線で示されているように作業板50の下方空間へ収納された状態になっており、開放状態においては図7(a)に想像線で示されているように作業板50の下方空間から支軸44aを中心に回転されて引き出されるようになっている。
【0028】中段の引出し45には半円形リング形状の把手45aが取り付けられており、中段の引出し45の奥行は本体部41の奥行の約半分に設定されている。中段の引出し45の奥行は短いため、中段の引出し45は奥行一杯まで使用可能に設定する場合にはダブルサスペンション構造に構成することが望ましい。本体部41の中段の引出し45の後方にはバックポケット49が形成されている。バックポケット49は上面が開放した直方体の穴形状に形成されており、書類等の物品を上から収納し得るようになっている。
【0029】下段の引出し46には収納部としての半円形筒形状のボックス47が取り付けられており、ボックス47の下面の前端部には本体部41のキャスタ42とは別のキャスタ48が取り付けられている。下段の引出し46の奥行は本体部41の奥行と略等しく設定されている。下段の引出し46のボックス47には専用のキャスタ48が取り付けられているので、下段の引出し46はダブルサスペンション構造に構成しなくてもよい。また、キャスタ48はボックス47の自重を支持することができるので、収納部としてのボックス47の収納容積を大きく設定することができる。
【0030】ワゴンデスク10Bの天板51は本体部41の段差部41aの上に配置されており、本体部41の両側部に内蔵した天板昇降装置を構成する支持部材52、52によって前後中間部を支持されて、天板51の下面の両側に設置された操作レバー53、53を操作することによって高さを調節し得るようになっている。ここで、天板昇降装置の構成としては、特に限定されないが、特開平11−46869号公報に開示されているような構造を採用することができる。すなわち、天板昇降装置としては、上端が天板51に固定されて本体部41に昇降自在に支持された支持部材52、52の高さを規定するラック機構と、このラック機構のピニオンの回転および停止を操作レバー53、53の操作に追従して制御するラチェット機構とを備えており、操作レバー53、53の操作によってラチェット機構を係脱することにより、天板51を支持部材52、52を介して昇降させるように構成されているものを、採用することができる。
【0031】また、ワゴンデスク10Bの天板51は前側天板部51aと後側天板部51bとに前後に二分割されており、前側天板部51aと後側天板部51bとは中央の傾斜面で噛合されている。前側天板部51aは支持部材52、52に固定されているが、後側天板部51bは支持部材52、52に回動自在に取り付けられている。すなわち、後側天板部51bの後端部は支持部材52、52の後端部にヒンジ54によって回転自在に枢支されている。後側天板部51bは本体部41のバックポケット49に対向されて、これを開閉する蓋体を兼ねるように構成されている。
【0032】さらに、後側天板部51bの下面における自由端部にはハンドル55が架設されている。図8に示されているように、後側天板部51bが開放された状態で、ハンドル55は本体部11の上側後方に位置した状態になることにより、ワゴンデスク10Bを手で押して移動させるためのハンドル55を構成するようになっている。この状態において、後側天板部51bはバックポケット49を開放させた状態になるため、ワゴンデスク10Bは丸めた図面や書類等の転がり易い物品等をバックポケット49に収納した状態で安全に搬送することができる。また、下降した状態の前側天板部51aには書籍や厚い書類等の重量のある物品を載せることができる。
【0033】なお、本実施の形態に係るワゴンデスク10Bの平机に対する使用方法や作用および効果は第二の実施の形態または第一の実施の形態に準ずる。
【0034】すなわち、予め、ワゴンデスク10Bの高さが平机1の高さに対して作業板50の上面と天板3の上面と面一になるように設定されている場合には、天板51が本体部41に対して図6(b)に示されているように下降された状態で、ワゴンデスク10Bが平机1の天板下方空間5に挿入されると、図5によって参照されるように、作業台50の上面は天板3の上面と一致した状態になる。この状態においては、平机1の上面のスペースはワゴンデスク10Bの作業板50の平面視の面積分だけ広がり、平机1の収納スペースは作業板50の平面視と略同一の下方スペースすなわちトレイ44およびボックス47の収納スペースの分だけ増加することになる。ちなみに、天板51が本体部41に対して上昇された図7(b)で参照されるような状態においては、ワゴンデスク10Bは平机1の天板下方空間5から前方に引き出され、作業板50および天板51の上面と平机1の天板3の上面とが一致された状態で使用されることになる。この場合には、平机1の上面がワゴンデスク10Bの平面視の面積分だけ広がった状態になる。
【0035】他方、予め、ワゴンデスク10Bの高さが平机1の高さに対して作業板50の上面が天板3の下面よりも低くなるように設定されている場合には、天板51が図7(b)に示されているように本体部41に対して下降された状態で、ワゴンデスク10Bが平机1の天板下方空間5に挿入されると、図2によって参照されるように、作業板50の上面と天板3の上面との間には段差が形成された状態になる。このように作業板50の上面と天板3の上面との間に段差はあるが、この場合にも、平机1の上面のスペースはワゴンデスク10Bの作業板50の平面視の面積分だけ広がり、また、平机1の収納スペースは作業板50の平面視と略同一の下方スペースすなわちトレイ44およびボックス47の収納スペースの分だけ増加した状態になっている。
【0036】なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0037】例えば、第三の実施の形態において、天板は二分割して後側天板部を開閉自在に構成するに限らず、一枚板に構成して昇降させるように構成してもよい。
【0038】ワゴンデスクの使用方法は前記実施の形態に係る使用例に限定されるものではなく、オフィスのワークに対応して適宜に設定することができる。
【0039】前記実施の形態では、ワゴンデスクが平机に使用される場合につき説明したが、本発明に係るワゴンデスクはこれに限らず、オフィスで使用される片袖机や両袖机等のオフィス机全般に適用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、様々なオフィスワークに対応することができるワゴンデスクを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000127282
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区淡路町1丁目6番11号
【出願日】 平成12年9月19日(2000.9.19)
【代理人】 【識別番号】100085637
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 辰也
【公開番号】 特開2003−289951(P2003−289951A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2003−132508(P2003−132508)