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【発明の名称】 配膳カート
【発明者】 【氏名】田中 努
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】内田 朋宏
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】間瀬 徳太郎
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】水野 文夫
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【要約】 【課題】庫内冷却用冷却ユニットのメンテナンス性を向上させ、ユニットに故障等が発生しても簡単に修理できるようにする。

【解決手段】複数の区画室を具え、それらに、それぞれ異なる食材が盛り付けられた食器が載せられたトレーを収納する。配膳カートの配送中や待機中に庫内を冷却したり、調理中に非加熱料理を冷却したりするための冷却ユニット8を本体ベース20の下に設ける。その取り付けのため、本体ベース20に吊り金具27、冷却ユニット8に引っ掛け板28を設けて、本体ベース下面と冷却ユニット上面との間に間隔を空け、前後方向へスライド可能な状態で支持する。そして、本体ベース20と冷却ユニット8との間に冷気漏れを防ぐシール材26を介在させ、締め付けボルト29により締め付ける。故障時には、冷却ユニット8だけを取り外して修理できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 それぞれ異なる食材が盛り付けられた複数の食器が所定の位置に載せられたトレーを収納する複数の区画室と、該区画室内に冷気を供給する冷却ユニットとを具え、該冷却ユニットの左右両側上縁部から水平方向に突出する引っ掛け板を延設し、該引っ掛け板を前後方向へスライド可能な状態で左右両側から支持し、本体ベース下面と冷却ユニット上面との間に間隔を空けて支持する吊り金具を本体ベースの下面に設け、本体ベースと冷却ユニットとの間に冷気をシールするシール材を介在させ、締め付け手段により冷却ユニットを本体ベースの下面に締め付けることにより冷却ユニットを本体ベースの床下に固定することを特徴とする配膳カート。
【請求項2】 前記締め付け手段としてボルトを用いたことを特徴とする請求項1記載の配膳カート。
【請求項3】 前記締め付け手段としてフック型ファスナーを用いたことを特徴とする請求項1記載の配膳カート。
【請求項4】 前記冷却ユニットの下端部に、上下方向に螺合する高さ調整ボルトを設けたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の配膳カート。
【請求項5】 前記高さ調整ボルトの下端面を半球状に突出させたことを特徴とする請求項4記載の配膳カート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病院や老人ホーム等において給食の加熱及び配膳を行うための配膳カートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】病院の入院患者用食事は、それぞれの患者の病状に合わせて多彩なメニューを用意する必要があるが、従来は、それぞれの病院内に厨房を設け、そこで病院自らが調理して提供するか、あるいは、調理を外部の調理会社に依頼して提供するようにしていた。
【0003】しかし、そのように、それぞれの病院毎に調理を行うには、設備的及び人的に無駄が大きく非効率的である。そこで、それを解決するため、特許第2644187号公報(A47B 31/02)には、図6に示すような給食システムが提案されている。
【0004】調理センター41では、複数の病院からの注文に応じて種々の料理が調理され、クックチル処理が施された後、食器と共にパックされる。それらパックされた料理は、クールワゴン44に収納された状態で配送用冷蔵冷凍車43に載せられて、それぞれの病院42に配送される。
【0005】クールワゴン44が納品されたら、病院42では、クールワゴン44を引き続き冷蔵状態に保持しながら給食時刻まで待つ。そして、給食時刻が近づいたら、各患者に対応するメニューに従って、クールワゴン44から料理を取り出して、それぞれの患者毎にトレー47の上に配置し、それぞれ配膳カート45の所定の区画室46に収納する。
【0006】配膳カート45では、それぞれの区画室46の中に、トレー47の上の各料理48に対応した位置に遠赤外線ヒータ49が設けられていて、それぞれのヒータがタイマにより所定時間通電され、それぞれの料理48が最適な状態に加熱される。その状態で各病室に運んで行き、それぞれの患者に提供される。このようにすれば、それぞれの患者に合った料理を、設備的及び人的な無駄を削減しながら効率的に提供できる。
【0007】また、配膳カートの内部に圧縮機,凝縮器,蒸発器等からなる冷却ユニットを設け、区画室内にトレーを収納したまま配送し、配送中及び待機中は、上記冷却ユニットから区画室内に冷気を供給して冷蔵状態を保ち、時間が来たら加熱調理を行うようにした配膳カートも開発されている。そのような配膳カートを用いれば、上記給食システムのような、給食前にクールワゴン44から料理を取り出し、トレー47の上に配置し、配膳カート45の所定の区画室46に収納するというような面倒な作業が不要になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その配膳カートでは、冷却ユニットは配膳カートの内部に固定配置していたため、冷却ユニットに故障等が発生したとき、冷却ユニットが収納されている部分の蓋を開け、冷媒を回収し、配管を外してから修理を行わなければならず、非常に手間がかかるという問題点があった。
【0009】本発明は、そのような問題点を解決すること、すなわち、冷却ユニットのメンテナンス性を向上させ、ユニットに故障等が発生しても簡単に修理できるようにすることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため、請求項1に記載の配膳カートは、それぞれ異なる食材が盛り付けられた複数の食器が所定の位置に載せられたトレーを収納する複数の区画室と、該区画室内に冷気を供給する冷却ユニットとを具え、該冷却ユニットの左右両側上縁部から水平方向に突出する引っ掛け板を延設し、該引っ掛け板を前後方向へスライド可能な状態で左右両側から支持し、本体ベース下面と冷却ユニット上面との間に間隔を空けて支持する吊り金具を本体ベースの下面に設け、本体ベースと冷却ユニットとの間に冷気をシールするシール材を介在させ、締め付け手段により冷却ユニットを本体ベースの下面に締め付けることにより冷却ユニットを本体ベースの床下に固定することを特徴とする。このようにすると、冷却ユニットのメンテナンス性が向上し、ユニットに故障等が発生しても簡単に修理できるようになる。
【0011】また、請求項2に記載の配膳カートは、前記締め付け手段としてボルトを用いたことを特徴とする。このようにすると、あまり強い力を使うことなく冷却ユニットを本体ベースに締め付けることができる。
【0012】また、請求項3に記載の配膳カートは、前記締め付け手段としてフック型ファスナーを用いたことを特徴とする。このようにすると、冷却ユニットを本体ベースに間単に締め付けることができる。
【0013】また、請求項4に記載の配膳カートは、前記冷却ユニットの下端部に、上下方向に螺合する高さ調整ボルトを設けたことを特徴とする。このようにすると、簡単な構造で、冷却ユニットの高さ調整ができるとともに、メンテナンス時にユニットを取り外したり取り付けたりする際の上げ下げを一人で行うことができる。
【0014】また、請求項5に記載の配膳カートは、前記高さ調整ボルトの下端面を半球状に突出させたことを特徴とする。このようにすると、床面との間の滑りが良くなって、冷却ユニットを配膳カート本体側に押し込むのが容易になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の配膳カートの一例を示す図であり、図2は、その水平断面図である。図1,図2において、1はコントロールユニット収納部、2はコントロールパネル、3,4は扉、5は加熱プレート、6は区画室、7は仕切板、8は冷却ユニット、9は蒸発器、10は冷却ファン、11は冷気供給ダクト、12は吸気ダクト、13はパワーアシスト車輪、14はキャスター、15はハンドル、16はトレー、17は加熱用食器、18は非加熱用食器、19は冷気回収ダクトである。
【0016】配膳カートの庫室は、前後左右にそれぞれ二分されており、また、縦方向は加熱プレート5により区切られていて、多数の区画室6が形成されている。各区画室6には、それぞれに食材を盛り付けた食器を載せたトレー16が収納されるようにしている。トレー16上の食器は、浜底面に銀ペーストよりなる導電層が設けられた加熱用食器17とそのような導電層のない非加熱用食器18とが左右に分けられており、非加熱用食器18が内側になるようにしている。観音開きの扉3,4は、カートの前面と後面に設けられていて、前後からトレー16を出し入れできるようにしている。
【0017】各区画室6の底面を構成する加熱プレート5は、内部所定位置に複数の誘導加熱コイルが埋め込まれている。そして、各区画室6に収納されるトレー16は、加熱プレート5の後端縁の周壁と扉3,4により前後方向の位置が決められ、加熱プレート5の左右両側縁の周壁により左右方向の位置が決められて、加熱プレート5の誘導加熱コイルに対して常に一定の位置に載置される。また、トレー16の上の各加熱用食器17は、位置決め手段により常に所定の位置になるように載せられており、結局、それぞれの加熱用食器17は、常に、各誘導加熱コイルに対応した位置に配置され、誘導加熱コイルに高周波電流が流されると導電層に渦電流が流れて熱が発生し、食器が加熱される。
【0018】さらに、各区画室6内には、区画室6を左右に二分して外側部分の加熱空間6aと内側部分の冷蔵保持空間6bに分けられるように仕切板7が設けられており、その加熱空間6aに加熱用食器17が置かれ、冷蔵保持空間6bに非加熱用食器18が置かれるようにしている。そして、加熱空間6a内で各誘導加熱コイルにより加熱用食器17が加熱される間、冷蔵保持空間6bには、配膳カートの底部に設けられた冷却ユニット8の蒸発器9で冷却された冷気が、冷却ファン10により冷気供給ダクト11を介して供給される。冷気供給ダクト11から冷蔵保持空間6bに供給された冷気は、冷気回収ダクト19を介して吸気ダクト12に戻り、再び蒸発器9により冷却されて冷気供給ダクト11に送られる。そのように冷気が循環して非加熱用食器18が冷却される。その結果、区画室6の中では、非加熱用食器18の食材を冷蔵しながら、加熱用食器17の食材の加熱が可能になる。
【0019】なお、この配膳カートは、ハンドル15を引くと、電動のパワーアシスト車輪13が走行をアシストするため、小さな力で配膳カートを移動させることができるようになっている。そして、パワーアシスト車輪13は、高さ寸法が比較的大きくなるため、配膳カート本体の床下には比較的大きな空間ができる。
【0020】そこで、本発明の配膳カートでは、冷却ファン10は、カート本体内に設けられるが、冷蔵保持空間6bに冷気を供給するための冷却ユニット8は、配膳カート本体の床下に設け、しかもその着脱を容易にして冷却ユニット8のメンテナンス性を向上させることとした。
【0021】図3は、冷却ユニットの支持構造を示す図である。図3において、符号8〜12は、図1のものに対応しており、20は本体ベース、21は圧縮機、22は凝縮器、23は凝縮器ファン、24はドレンタンク、25は断熱箱体、26はシール材、27は吊り金具、28は引っ掛け板、29は締め付けボルト、30は高さ調整ボルト、31は冷気回収口、32は冷気供給口、33は蒸発器整流板である。
【0022】冷却ユニット8の左右両側上縁部から水平方向に突出させて引っ掛け板27,27を延設している。一方、本体ベース20の下面には、引っ掛け板27,27を左右両側から前後方向へスライド可能な状態で支持し、本体ベース下面と冷却ユニット上面との間に間隔を空けて冷却ユニット8を支持する断面クランク状の吊り金具28,28を設けている。
【0023】冷却ユニット8は、冷媒回路が配膳カート本体とは独立しており、冷媒配管についての処理を行うことなく本体ベース20への着脱ができる。また、電源は、配膳カート本体に設けたコネクタから取ることができる。そして、冷却ユニット8を本体ベース20に取り付ける際には、まず、高さ調整ボルト30を調整して引っ掛け板28の高さが吊り金具27より高くなるようにする。高さ調整ボルト30の下端部は半球状になっていて、床面の上を滑りやすくなっている。そこで、両側の吊り金具27,27と引っ掛け板28,28を合わせ、床面をスライドさせながら冷却ユニット8を配膳カート側に押し込む。
【0024】そして、本体ベース20と冷却ユニット8との間に冷気の漏れを防止するためのシール材26を介在させ、締め付けボルト29,29,29により締め付けることにより、シール材26を圧縮させながら冷却ユニット8を本体ベース20の床下に固定支持する。
【0025】シール材26は、図4に平面図を示すように、冷気回収口31と冷気供給口32の部分を切り取って、冷気回収口31と冷気供給口32の周囲全体を囲うように設けられ、締め付けボルト29によって締め付けられた後は、冷気回収口31と冷気供給口32の周囲から冷気が漏れ出すのを防止する。また、締め付けボルト29,29,29は、図4に示すように、冷却ユニット8の前後上縁から水平方向に張り出すように設けた固定板34に設けたボルト孔35に通して取り付ける。
【0026】冷却ユニット8に故障が発生した場合には、上記コネクタを外し、締め付けボルト29を外してから冷却ユニット8を引き出すことにより簡単に配膳カート本体から取り外すことができ、修理作業も容易に行うことができる。
【0027】また、本発明の配膳カートでは、冷却ユニット8を締め付けボルト29で固定した後でも、常時、吊り金具27が引っ掛け板28の下側にあるため、仮に締め付けボルト29が外れるようなことがあっても、冷却ユニット8が脱落することがなくなる。
【0028】なお、上記実施形態では、冷却ユニット8を本体ベース20に締め付ける手段としてボルトを用いた場合で説明したが、その他の手段を採用することもできる。 図5は、締め付け手段としてフック式ファスナーを用いた例を示す図である。本体ベース20の下面にフック係止片36を取り付け、冷却ユニット8にはフック式ファスナー本体37を取り付ける。フック式ファスナー本体37は、軸37aを中心にして回動自在になっており、また、中間部に設けた軸37bに、バネ性のフック片37cを回動自在に設けている。このようなフック係止片36とフック式ファスナー本体37は、冷却ユニット8の左右複数箇所に設ける。
【0029】この冷却ユニット8を本体ベース20に取り付ける際、吊り金具27,27と引っ掛け板28,28を合わせ、床面をスライドさせて冷却ユニット8を配膳カート側に押し込み、本体ベース20と冷却ユニット8との間にシール材26を挿入するところまでは上記実施形態と同様である。そして、図5(イ)に示すように、フック式ファスナー本体37を上方に上げてフック片37cをフック係止片36の係止孔36aに引っ掛ける。その後、フック式ファスナー本体37を下方に回動させる。その結果、図5(ロ)に示すように、冷却ユニット8が上方に引き上げられてロックされる。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、次に記載するような効果を奏する。すなわち、請求項1に記載の配膳カートは、冷却ユニットの左右両側上縁部から水平方向に突出させて引っ掛け板を延設し、該引っ掛け板を前後方向へスライド可能な状態で左右両側から支持し、本体ベース下面と冷却ユニット上面との間に間隔を空けて支持する吊り金具を本体ベースの下面に設け、本体ベースと冷却ユニットとの間に冷気をシールするシール材を介在させ、締め付け手段により冷却ユニットを本体ベースの下面に締め付けることにより冷却ユニットを本体ベースの床下に固定するようにした。その結果、冷却ユニットの着脱が簡単になって、冷却ユニットのメンテナンス性が向上し、ユニットに故障等が発生しても簡単に修理作業ができるようになる。
【0031】また、請求項2に記載の配膳カートは、前記締め付け手段としてボルトを用いたので、あまり強い力を使うことなく冷却ユニットを本体ベースに締め付けることができる。
【0032】また、請求項3に記載の配膳カートは、前記締め付け手段としてフック型ファスナーを用いたので、冷却ユニットを本体ベースに間単に締め付けることができる。
【0033】また、請求項4に記載の配膳カートは、前記冷却ユニットの下端部に、上下方向に螺合する高さ調整ボルトを設けたので、簡単な構造で、冷却ユニットの高さ調整ができるとともに、メンテナンス時にユニットを取り外したり取り付けたりする際の上げ下げを一人で行うことが可能になる。
【0034】また、請求項5に記載の配膳カートは、前記高さ調整ボルトの下端面を半球状に突出させたので、床面との間の滑りが良くなって、冷却ユニットを配膳カート本体側に押し込むのが容易になる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【出願日】 平成14年1月30日(2002.1.30)
【代理人】 【識別番号】100100963
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 陽男
【公開番号】 特開2003−219917(P2003−219917A)
【公開日】 平成15年8月5日(2003.8.5)
【出願番号】 特願2002−20930(P2002−20930)