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【発明の名称】 物品収納什器
【発明者】 【氏名】栗原 実良

【要約】 【課題】天板の高さや平坦度等の調節を、床面の状態に左右されることなく、什器本体と独立して容易に行いうるようにする。

【解決手段】物品収納部を有する本体収納部(什器本体)3と、その上部に設けられる天板4とからなり、天板4の下面の四隅部に、上下方向を向くめねじ筒16を設け、該各めねじ筒16に、支持ピン11の上端部に形成されたおねじ部17を回動可能に螺合するととともに、各支持ピン11の下端部を、本体収納部3にめねじ筒16と対向するように穿設された有底の支持筒20内に、回動可能に遊嵌する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 物品収納部を有する什器本体と、その上部に設けられる天板とからなり、前記什器本体の上端と天板の下面との対向面の四隅部のいずれか一方に、上下方向を向くめねじ孔を設け、該各めねじ孔に、支持ピンの一端部に形成されたおねじ部を回動可能に螺合するととともに、前記各支持ピンの他端部を、什器本体または天板に前記めねじ孔と対向するように穿設された有底孔に、回動可能に遊嵌したことを特徴とする物品収納什器。
【請求項2】 支持ピンのおねじ部に、締付け時において什器本体または天板に圧接する支持ピンの回り止め部材を螺合してなる請求項1記載の物品収納什器。
【請求項3】 支持ピンにおける有底孔内に嵌合される端部の端面を球面とした請求項1または2記載の物品収納什器。
【請求項4】 有底孔内に、有底をなす硬質の支持筒を嵌着し、この支持筒に、支持ピンの他端部を遊嵌してなる請求項1〜3のいずれかに記載の物品収納什器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高さ調節可能な天板を備えるキャビネット等の物品収納什器に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばキャスタを備えるワゴン形のキャビネットにおいて、天板の高さを調節可能とすることは、他の机等に付帯して使用する際などに、キャビネットの天板のレベルを、机等の天板と同一面に整合させ、連続した広い作業面を形成しうるので便利である。
【0003】従来のキャビネットにおいては、本体収納部と天板との間に、リンク等よりなる高さ調節機構を設けて、天板の高さを調節したり、天板を固定として、本体収納部の下端の四隅にアジャスタを設け、これを調節することにより、キャビネット全体を上下動させ、天板の高さを調節したりしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のリンク等よりなる高さ調節機構を用いて天板の高さを調節するものにおいては、高さ調節機構の構造が複雑で、かつ部品点数も多いため、高価なものとなっている。
【0005】また、本体収納部に対し、天板全体の高さを調節するようになっているため、床面が傾斜していたり、凹凸面となっていたりすると、天板も床面と同様に傾斜してしまい、机等の天板の上面と同一面に整合させることが不可能となる。
【0006】一方、上述した本体収納部の下端にアジャスタを備えるキャビネットにおいては、天板の高さをアジャスタにより高く調節すると、キャスタが床面より浮き上がるため、キャビネットを他の場所に移動させるには、その都度アジャスタを元に戻す必要があり、その作業が面倒である。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、床面の状態に左右されることなく、天板の高さや平坦度を、什器本体と独立して簡単に調節しうるようにした安価な物品収納什器を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 物品収納部を有する什器本体と、その上部に設けられる天板とからなり、前記什器本体の上端と天板の下面との対向面の四隅部のいずれか一方に、上下方向を向くめねじ孔を設け、該各めねじ孔に、支持ピンの一端部に形成されたおねじ部を回動可能に螺合するととともに、前記各支持ピンの他端部を、什器本体または天板に前記めねじ孔と対向するように穿設された有底孔に、回動可能に遊嵌する。
【0009】(2) 上記(1)項において、支持ピンのおねじ部に、締付け時において什器本体または天板に圧接する支持ピンの回り止め部材を螺合する。
【0010】(3) 上記(1)または(2)項において、支持ピンにおける有底孔内に嵌合される端部の端面を球面とする。
【0011】(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、有底孔内に、有底をなす硬質の支持筒を嵌着し、この支持筒に、支持ピンの他端部を遊嵌する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本発明を適用したワゴン形のキャビネットの斜視図、図2は、同じく正面図を示すもので、キャビネット(1)は、下端の四隅部にキャスタ(2)を備える本体収納部(3)と、その上部に取付けられた天板(4)とからなっている。
【0013】本体収納部(3)は、左右の側板(5)(5)との間の下端と中間部に、底板(6)と棚板(7)を取付けて構成され、かつそれらの後方の開放面は、両側板(5)の後端部間に取付けた後面板(8)により閉塞されている。
【0014】上記天板(4)、側板(5)、底板(6)、棚板(7)及び後面板(8)により囲まれた空間部は、前面が開放された物品収納部となっている。
【0015】両側板(5)の上端面には、合成樹脂等よりなる縁部材(9)が固着され、それらの前後の端部には、上記天板(4)の取付孔(10)が穿設されている。
【0016】上記天板(4)は、本体収納部(3)の前後左右の寸法よりも若干大きい横長矩形をなし、その下面の四隅部には、上記縁部材(9)の取付孔(10)を貫通して側板(5)に挿入可能な支持ピン(11)が、次のようにして突設されている。
【0017】図3に示すように、天板(4)の下面の左右両端部には、前後方向を向く帯状の支持金具(12)が、複数の皿ねじ(13)により、天板(4)の下面と同一面をなすように固定され、その前後の端部に穿設された通孔(14)、及びこの通孔(14)と連通するように天板(4)の下面に形成された上向きの凹孔(15)には、下端に鍔部を有するめねじ筒(16)が、下方より圧嵌されている。
【0018】上記各支持ピン(11)の下端部は、テーパ状の小径部(11a)となっており、かつその下端は球面としてある。
【0019】各支持ピン(11)は、その上端部外周面に刻設されたおねじ部(17)を、上記めねじ筒(16)に螺合することにより、天板(4)の下方に突出した態様で取付けられている。
【0020】各支持ピン(11)のおねじ部(17)には、ほぼ厚肉円板状をなす回り止め部材としての固定用つまみ(18)が螺合され、この固定用つまみ(18)を底面視時計方向に回転すると、その中央部上面がめねじ筒(16)の下面に圧接することにより、支持ピン(11)の回動が阻止され、その反対に反時計方向に回転すると、支持ピン(11)の回動が許容されて、上下の突出長を調節することができる。
【0021】各支持ピン(11)の下端部の小径部(11a)は、縁部材(9)の取付孔(10)を回動自在に貫通して、側板(5)の上端部の凹孔(19)に嵌合された金属又は硬質合成樹脂よりなる有底円筒形の支持筒(20)に遊嵌され、下端が支持筒(20)の内底面により受支されるようになっている。
【0022】なお、縁部材(9)の取付孔(10)及び支持筒(20)の内径は、支持ピン(11)が若干傾動しうるように、その外径よりも僅かに大としてある。
【0023】天板(4)を本体収容部(3)の上部に取付けるには、固定用つまみ(18)を緩めて各支持ピン(11)を回動させ、その突出長を等しく調節したのち、それらを側板(5)の4個の取付孔(10)に挿入し、固定用つまみ(18)により支持ピン(11)の回動をロックすればよい。
【0024】これにより、天板(4)は、本体収納部(3)の上端より若干離間した状態で水平に支持される。
【0025】天板(4)の高さを、他の机等の天板の高さと整合させる際も、上述の要領で支持ピン(11)の突出長を調節すればよい。
【0026】また、床面の傾斜や凹凸により、天板(4)の上面が傾いた際においても、4個の支持ピン(11)の突出長は、それぞれ独立して調節可能であり、しかもねじにより微調節しうるため、いずれかの支持ピン(11)を操作するだけで、天板(4)の上面を容易に平坦面とすることができる。
【0027】上記天板(4)の高さ調節時において、支持ピン(11)を回動させる際、その下端は球面とされ、硬質の支持筒(20)の内底面と点接触しているため、摩擦抵抗が小さく、容易に回動させることができる。
【0028】また、天板(4)の平坦度を調節する際も、支持ピン(11)は、下端を中心として容易に傾動することができる。
【0029】図4は、天板(4)の高さ調節手段の変形例を示すもので、上記実施形態と逆の構成としてある。
【0030】すなわち、縁部材(9)を省略した側板(5)に凹孔(21)を形成し、この凹孔(21)に、上端に鍔部を有するめねじ筒(22)を圧嵌するとともに、天板(4)の下面の上向きの凹孔(23)内に、支持筒(24)を圧嵌し、支持ピン(25)の下端部に形成したおねじ部(26)を上記めねじ筒(22)に螺合させ、かつ同じく上端部のテーパ状の小径部(25a)を、支持筒(24)に、上端の球面部の頂端が奥端面と当接するように回動自在に挿入してある。
【0031】固定用つまみ(18)は、上下逆向きとしておねじ部(26)に螺合され、これを締付けることにより、支持ピン(25)の回動がロックされる。このような構造としても、各支持ピン(25)を回動すると、上方への突出寸法が変化するので、天板(4)の高さを調節することができる。
【0032】なお、上記実施形態のような縁部材(9)を設ける際には、その取付孔(10)に、支持ピン(25)のおねじ部(26)が螺合するめねじを形成し、めねじ筒(22)を省略してもよい。また、この際には、固定用つまみ(18)による支持ピン(25)のロックが支障なく行われるように、縁部材(9)の上面を平坦面とするのがよい。
【0033】本発明は、キャスタ(2)のないキャビネットにも適用しうることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、支持ピンを回動させて什器本体または天板よりの突出寸法を変えるだけで、天板の高さを自在に調節しうるため、他の机等の天板の高さと容易に整合させることができる。
【0035】また4個の支持ピンは独立しており、かつ天板の高さの調節も什器本体と独立して行いうるので、床面の状態に左右されることなく、天板を容易に平坦面とすることができる。さらに、支持ピンの突出長の調節は、ねじ式であるので、天板の高さの微調節も容易である。高さ調節機構の構造が簡単であるため、コスト低減が可能となる。
【0036】請求項2記載の発明によれば、使用中に支持ピンが回動して天板の高さが変化したり、天板ががた付いたりするのが防止される。
【0037】請求項3記載の発明によれば、支持ピンの端面が有底孔の奥端面と点接触し、摩擦抵抗が小さくなるので、支持ピンの回動操作が容易となる。
【0038】請求項4記載の発明によれば、有底孔の奥端面が摩耗するのを防止しうるとともに、支持ピンの回動操作がより容易となる。
【出願人】 【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社岡村製作所
【出願日】 平成13年11月29日(2001.11.29)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2003−159127(P2003−159127A)
【公開日】 平成15年6月3日(2003.6.3)
【出願番号】 特願2001−364234(P2001−364234)