| 【発明の名称】 |
昇降テーブル |
| 【発明者】 |
【氏名】矢島 伊智郎 【住所又は居所】静岡県浜松市西山町1370番地 ヤマハリビングテック株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】高さ調整作業が繁雑であるとテーブル設置後に殆ど調整がされることがなく、実質上天板高固定のテーブルとして使用されてしまう。
【解決手段】支持脚に設けた天板の昇降機構に対して動力伝達機構によって動力を伝達する。無端ベルトやロープを介して動力を伝達すれば、単一駆動源によって複数の支持脚の昇降機構を動作させることができる。また、キッチンテーブルにおける水など、昇降テーブルの使用場所に特有の駆動源を使用すれば容易に駆動源を確保することができる。このような駆動源によれば人手によらず自動で天板を昇降させることができる。従って、昇降テーブル設置後においても容易に天板高を調整することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 天板を支持するとともに当該天板を昇降可能な昇降機構を備えた支持脚の当該昇降機構に対して所定の動力伝達機構を介して所定の動力源からの動力を伝達して上記天板を昇降させる昇降テーブルであって、上記動力源はモータであり、上記動力伝達機構は当該モータの回転駆動力を所定の無端ベルトを介して各支持脚の昇降機構に伝達する機構であり、当該昇降機構は当該伝達された駆動力を上記天板を昇降させる直線運動に変換する機構であることを特徴とする昇降テーブル。 【請求項2】 上記昇降機構はナットとネジが組となったネジ部を備えており、上記動力伝達機構は上記無端ベルトが掛架されるとともに天板と略平行に配設されたプーリを介して上記ナット又はネジのいずれかに回転駆動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載の昇降テーブル。 【請求項3】 上記昇降機構は上記天板に略平行に配設された回転軸と当該回転軸が挿通されるとともにその回転とともに回転軸に沿って移動するナット部と当該ナット部の一部において上記天板に略垂直な面で回動部材の一端を回動可能に支持する回動支持部とを有する回動昇降部を備えており、上記支持脚は上記天板に対して相対的に移動不能に固定される上支持脚と当該上支持脚に対して相対的に上下動可能に連結されるとともに上記天板に略垂直な面で上記回動部材の他端を回動可能に支持する下支持脚とを備えており、上記動力伝達機構は上記無端ベルトが掛架されるとともに天板と略垂直に配設されたプーリを介して上記回転軸に回転駆動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載の昇降テーブル。 【請求項4】 上記昇降機構は上記天板に略平行に配設された回転軸と当該回転軸の回転力によって回転されるピニオンと当該ピニオンに咬合するとともにその回転に伴って上記天板を昇降させるラックとを有するラックピニオン部を備えており、上記動力伝達機構は上記無端ベルトが掛架されるとともに天板と略垂直に配設されたプーリを介して上記回転軸に回転駆動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載の昇降テーブル。 【請求項5】 上記昇降機構は上記天板に略平行に配設された回転軸と支持脚上下に配設されるとともに少なくとも一方が当該回転軸の回転力によって回転される1対のプーリと当該1対のプーリに掛架されるとともにその上下動に伴って上記天板を昇降させる対プーリ用無端ベルトとを有する送り部を備えており、上記動力伝達機構は上記無端ベルトが掛架されるとともに天板と略垂直に配設されたプーリを介して上記回転軸に回転駆動力を伝達することを特徴とする請求項1に記載の昇降テーブル。 【請求項6】 上記昇降機構において上記動力伝達機構から動力が伝達される部材上には上記天板と一体に構成された部材が上下動可能に載置されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の昇降テーブル。 【請求項7】 天板を支持するとともに当該天板を昇降可能な昇降機構を備えた支持脚の当該昇降機構に対して所定の動力伝達機構を介して所定の動力源からの動力を伝達して上記天板を昇降させる昇降テーブルであって、上記昇降機構は上記天板とともに昇降する動滑車と当該天板及び又は支持脚に取り付けられた定滑車とに掛架されたロープを有する滑車部を備えており、上記動力伝達機構は上記ロープを巻取り巻戻し可能なロープ巻回部にて当該ロープを巻取り巻戻すことによって上記天板を昇降させる直線運動に変換する機構であることを特徴とする昇降テーブル。 【請求項8】 上記支持脚は略鉛直方向に配向されるとともに天板昇降時に互いに略逆方向へ相対的に移動する動滑車支持柱と床面当接柱とを備えており、動滑車支持柱と床面当接柱との少なくとも一方に回動可能に取り付けられるとともに上記ロープの通常掛架時に当該ロープと当接するように付勢された係合片が取り付けられており、動滑車支持柱と床面当接柱とにおいて当該係合片が付勢される方向の複数位置に当該係合片と係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の昇降テーブル。 【請求項9】 上記動力伝達機構のロープ巻回部は、モータによって天板下の一カ所でロープを巻回することを特徴とする請求項8に記載の昇降テーブル。 【請求項10】 上記昇降機構は、上記天板上昇後に当該天板の位置を保持する天板位置保持部を有することを特徴とする請求項1〜請求項9に記載の昇降テーブル。 【請求項11】 天板を支持するとともに当該天板を昇降可能な昇降機構によって上記天板を昇降させる昇降テーブルであって、上記昇降機構の動力源は圧力シリンダであり、当該圧力シリンダのロッドを上昇下降させる駆動力を伝達することにより上記天板を昇降させることを特徴とする昇降テーブル。 【請求項12】 上記天板は当該天板の縁部にて上方に屈曲した水返し部を備えており、一方が水返し部上方に取り付けられるとともに他方が当該水返し部に取り付けられ、上記天板の昇降とともに伸縮する伸縮部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の昇降テーブル。 【請求項13】 上記天板の一部にはシンクが設けられるとともに当該シンク下部からシンク上部へ取水する取水管とシンク上部からシンク下部へ排水する排水管とが配設されており、上記取水管と排水管とは可撓性のある筒状の流水管を介在されつつ天板下方の壁面及び又は床面に設けられた取水部と排水部とに連結され、当該流水管は上記天板の最上位置及び最下位置でその伸縮に基づく流水管抜け方向の力を作用させない長さであることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれかに記載の昇降テーブル。 【請求項14】 上記天板の一部にはシンクが設けられるとともに当該シンク下部からシンク上部へ取水する取水管とシンク上部からシンク下部へ排水する排水管とが配設されており、天板下方の壁面及び又は床面には取水部と排水部とが配設されており、上記取水管と取水部との開口部が略鉛直線上で互いに向かい合い、上記排水管と排水部との開口部が略鉛直線上で互いに向かい合うようにして配設されるとともにこれらの互いに向かい合う開口部が蛇腹状の流水管にて連結され、当該流水管は上記天板の最上位置及び最下位置でその伸縮に基づく流水管抜け方向の力を作用させないように伸縮することを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の昇降テーブル。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、昇降テーブルに関し、特に、複数人で共用して好適な昇降テーブルに関する。 【0002】 【従来の技術】テーブル天板の高さ調整法として従来から固定式および可変式の調整法が知られている。固定式においては、テーブル天板の支持脚下端を切断して天板を低くし、支持脚下端にスペーサを介在させて天板を高くする。また、可変式においては、ゴム等の台座に雄ネジが突設されたアジャスターを天板の支持脚下端に螺合し、当該アジャスターを人為的に回して支持脚下端とアジャスターの台座との距離を調整することによって天板の高さを調整する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上述した従来のテーブルにおいては、高さ調整作業が繁雑なためテーブルが一旦設置されるとそれ以後は殆ど調整がされることなく、実質上天板高固定のテーブルとして使用されてしまう。家庭等でテーブルが実際に使用される環境においては、通常幅広い年齢の複数人がテーブルを使用し、また、テーブル上で行う作業によっては天板高が一定であると良好な作業性を確保できないことがある。本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、設置後においても容易に天板高を調整可能な昇降テーブルの提供を目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、天板を支持するとともに当該天板を昇降可能な昇降機構を備えた支持脚の当該昇降機構に対して所定の動力伝達機構を介して所定の動力源からの動力を伝達して上記天板を昇降させる昇降テーブルであって、上記動力源はモータであり、上記動力伝達機構は当該モータの回転駆動力を所定の無端ベルトを介して各支持脚の昇降機構に伝達する機構であり、当該昇降機構は当該伝達された駆動力を上記天板を昇降させる直線運動に変換する機構である構成としてある。 【0005】すなわち、モータの回転駆動力を無端ベルトを介して各支持脚の昇降機構に伝達するのでモータへの電源オン・オフのみで自動で天板を昇降させることができ、非常に容易に天板高を調整することができる。また、アジャスターの回転などの人為的作業が不要のため、天板や昇降テーブルを持ち上げる必要もなく、子供から老人まで非常に容易に天板の昇降を実施可能であり、複数人が使用する共用テーブルに使用して好適である。 【0006】ここで、動力伝達機構は無端ベルトによって複数の支持脚にモータの回転駆動力を伝達することができればよく、種々の構成が採用可能である。例えば、支持脚周辺に配設されたプーリを無端ベルトによって回転させ、昇降機構によって当該プーリの回転を天板の昇降運動に変換する構成が採用可能である。この昇降機構において天板を昇降させることができればよく、プーリの回転面は天板に平行、垂直いずれであっても良いし、むろん回転面はこれらに限られない。また、無端ベルトはモータの回転駆動力を伝達することができればよく、樹脂製のベルトや金属製のワイヤやチェーンであっても良い。 【0007】昇降機構及び動力伝達機構の一例として請求項2にかかる発明では、上記昇降機構はナットとネジが組となったネジ部を備えており、上記動力伝達機構は上記無端ベルトが掛架されるとともに天板と略平行に配設されたプーリを介して上記ナット又はネジのいずれかに回転駆動力を伝達する構成としてある。すなわち、ナットとネジの組み合わせにおいてはいずれか一方を回転させると他の一方が回転面に略垂直に進退するので、プーリを介してナット又はネジのいずれかに回転駆動力を伝達すれば、その回転面に垂直な昇降運動を容易に生成することができ、この昇降運動にて容易に天板を昇降させることができる。 【0008】さらに、昇降機構及び動力伝達機構の一例として請求項3にかかる発明では、上記昇降機構は上記天板に略平行に配設された回転軸と当該回転軸が挿通されるとともにその回転とともに回転軸に沿って移動するナット部と当該ナット部の一部において上記天板に略垂直な面で回動部材の一端を回動可能に支持する回動支持部とを有する回動昇降部を備えており、上記支持脚は上記天板に対して相対的に移動不能に固定される上支持脚と当該上支持脚に対して相対的に上下動可能に連結されるとともに上記天板に略垂直な面で上記回動部材の他端を回動可能に支持する下支持脚とを備えており、上記動力伝達機構は上記無端ベルトが掛架されるとともに天板と略垂直に配設されたプーリを介して上記回転軸に回転駆動力を伝達する構成としてある。 【0009】すなわち、下支持脚は床面に当接して昇降テーブルを支持しており、回動支持部にて回動部材の一端を支持し、下支持脚にて回動部材の他端を回動可能に支持する構成において、回動支持部が備えられたナット部を天板に略水平な回動軸に沿って移動させると、下支持脚が支点となって不動となり上支持脚が上下動する。従って、ナット部の水平方向運動を容易に天板の昇降運動に変換することができる。 【0010】さらに、昇降機構及び動力伝達機構の一例として請求項4にかかる発明では、上記昇降機構は上記天板に略平行に配設された回転軸と当該回転軸の回転力によって回転されるピニオンと当該ピニオンに咬合するとともにその回転に伴って上記天板を昇降させるラックとを有するラックピニオン部を備えており、上記動力伝達機構は上記無端ベルトが掛架されるとともに天板と略垂直に配設されたプーリを介して上記回転軸に回転駆動力を伝達する構成としてある。すなわち、ラックピニオン機構によれば、回転力を容易にその回転面に略垂直に進退する運動へ変換することができ、ラックの昇降運動を天板に伝達すれば容易に天板を昇降させることができる。 【0011】さらに、昇降機構及び動力伝達機構の一例として請求項5にかかる発明では、上記昇降機構は上記天板に略平行に配設された回転軸と支持脚上下に配設されるとともに少なくとも一方が当該回転軸の回転力によって回転される1対のプーリと当該1対のプーリに掛架されるとともにその上下動に伴って上記天板を昇降させる対プーリ用無端ベルトとを有する送り部を備えており、上記動力伝達機構は上記無端ベルトが掛架されるとともに天板と略垂直に配設されたプーリを介して上記回転軸に回転駆動力を伝達する構成としてある。すなわち、1対のプーリの少なくとも一方が回転されると対プーリ用無端ベルトがプーリ間で進退する。従って、この進退するプーリ用無端ベルトに天板あるいは天板と一体になった部材を固定すれば容易に天板を昇降させることができる。 【0012】さらに、請求項6にかかる発明は、上記昇降機構において上記動力伝達機構から動力が伝達される部材上には上記天板と一体に構成された部材が上下動可能に載置されている構成としてある。すなわち、動力伝達機構から動力が伝達される部材は当該動力によって上下動するが、この部材に対して天板と一体に構成された部材は別体であり載置されているので、上昇時には動力が直接伝達されるものの下降時には動力が直接伝達されるわけではなく、天板は自重によって下降する。従って、天板に作業者の衣服等が引っかかったり、天板進路に障害物がある場合などに無理矢理天板下降力が作用することを防止可能である。 【0013】上述のようにネジとナットの組やプーリ間に掛架された無端ベルトなどによって昇降運動を形成させる他にも種々の手法にて昇降運動を形成することができる。その構成例として請求項7にかかる発明は、天板を支持するとともに当該天板を昇降可能な昇降機構を備えた支持脚の当該昇降機構に対して所定の動力伝達機構を介して所定の動力源からの動力を伝達して上記天板を昇降させる昇降テーブルであって、上記昇降機構は上記天板とともに昇降する動滑車と当該天板及び又は支持脚に取り付けられた定滑車とに掛架されたロープを有する滑車部を備えており、上記動力伝達機構は上記ロープを巻取り巻戻し可能なロープ巻回部にて当該ロープを巻取り巻戻すことによって上記天板を昇降させる直線運動に変換する機構である構成としてある。すなわち、動滑車と定滑車との組によれば両滑車に掛架されたロープを進退させることによって容易に動滑車の上下運動を生成することができ、この上下運動を天板に伝達すれば容易に天板を昇降させることができる。 【0014】さらに、請求項8にかかる発明では、上記支持脚は略鉛直方向に配向されるとともに天板昇降時に互いに略逆方向へ相対的に移動する動滑車支持柱と床面当接柱とを備えており、動滑車支持柱と床面当接柱との少なくとも一方に回動可能に取り付けられるとともに上記ロープの通常掛架時に当該ロープと当接するように付勢された係合片が取り付けられており、動滑車支持柱と床面当接柱とにおいて当該係合片が付勢される方向の複数位置に当該係合片と係合する係合部が設けられている構成としてある。 【0015】すなわち、上記ロープが上記動滑車および定滑車に適正に掛架されているとき(通常時)に係合片はロープと当接し、通常のロープの進退に当たりその進退を妨げることなくロープと摺動する。ロープが何らかの原因によって切断されたときにはロープが通常の進退通路から脱落し、上記係合片が係合部と係合する。従って、この状態においては動滑車支持柱と底面当接柱とが相対的に移動しないので、天板を昇降させることがなく、急激な天板の落下を防止することができる。ここで、むろん動滑車支持柱は天板とともに移動する動滑車を支持する支柱であって天板に固定されており、底面当接柱は底面に当接する支柱であり、双方で支持脚を構成する。 【0016】さらに、請求項9にかかる発明は、上記動力伝達機構のロープ巻回部は、モータによって天板下の一カ所でロープを巻回する構成としてある。すなわち、一般的に複数の支持脚を有するテーブルにおいては、支持脚数と昇降機構との数が同数であることが必須ではないものの、複数の昇降機構を備えるのが好適である。複数の昇降機構のそれぞれでロープを巻回すると巻回用のモータが複数必要であるとともに巻回量を同期させる必要があって構成が煩雑になるところ、一カ所でロープを巻回すると単独のモータで構成可能であるとともに巻取りおよび巻戻し量の同期も容易であり、構成が簡易である。 【0017】さらに、請求項10にかかる発明は、上記昇降機構は、上記天板上昇後に当該天板の位置を保持する天板位置保持部を有する構成としてある。すなわち、天板位置保持部によって天板の位置を保持することにより、天板を安定させることができるとともに、上記ロープ等の昇降機構に対して常時テンションがかかることを防止し、ロープの耐久性を延ばすことができる。また、天板の落下を防止することもできる。ここで、天板位置保持部においては天板の位置を保持することができればよく、種々の構成が採用可能である。例えば、上記動滑車支持柱と底面当接柱とをブレーキパッドで挟み込んで保持するブレーキ機構や天板の昇降に伴って相対的に移動する動滑車支持柱と底面当接柱との間にラチェット機構を設ける構成等が採用可能である。 【0018】上述のように滑車の組で天板を昇降させる他にも種々の手法にて昇降運動を形成することができる。その構成例として請求項11にかかる発明は、天板を支持するとともに当該天板を昇降可能な昇降機構によって上記天板を昇降させる昇降テーブルであって、上記昇降機構の動力源は圧力シリンダであり、当該圧力シリンダのロッドを上昇下降させる駆動力を伝達することにより上記天板を昇降させる構成としてある。 【0019】すなわち、圧力シリンダにおいてはそのロッドを容易に進退させることができ、当該ロッドの進退運動を天板に伝達することにより、容易に天板を昇降させることができる。圧力シリンダにおいては油圧や水圧を使用することができ、油圧シリンダは工場等の作業テーブルの動力源として好適であり、水圧シリンダは家庭内、特にキッチンや洗面台など水を常用するとともに水源が容易に確保可能な場所のテーブルとして好適である。キッチンにおいては必ず水道等の水廻り設備を備えており、当該水廻り設備用の水を流用して水圧シリンダに供給すると子供からお年寄りまで複数人が使用するキッチンの天板を昇降させ、作業性を著しく向上可能であって好適である。 【0020】さらに、請求項12にかかる発明は、上記天板は当該天板の縁部にて上方に屈曲した水返し部を備えており、一方が水返し部上方に取り付けられるとともに他方が当該水返し部に取り付けられ、上記天板の昇降とともに伸縮する伸縮部が設けられている構成としてある。すなわち、キッチンや洗面台等の天板には奥側や壁際に水が流入しないように、天板縁部を上方に屈曲させて水返し部としている。水返し部を設けてあっても、天板を昇降させるには当該水返し部とその奥側の壁等に隙間が必要となるので、この隙間への水の流入をも防ぐのが好ましい。そこで、水返し部とその上方とに伸縮部を設け、天板の昇降とともに水返し部とその奥側の壁等に生じる隙間が外側に露出しないようにした。この結果、天板を昇降可能に構成しつつも水の流入を効果的に防止することが可能となる。 【0021】さらに、請求項13にかかる発明は、上記天板の一部にはシンクが設けられるとともに当該シンク下部からシンク上部へ取水する取水管とシンク上部からシンク下部へ排水する排水管とが配設されており、上記取水管と排水管とは可撓性のある筒状の流水管を介在されつつ天板下方の壁面及び又は床面に設けられた取水部と排水部とに連結され、当該流水管は上記天板の最上位置及び最下位置でその伸縮に基づく流水管抜け方向の力を作用させない長さである構成としてある。 【0022】すなわち、キッチンや洗面台等には水廻り設備が備えられ、取水管や排水管が配設される。取水管や排水管は天板下方において壁や床面に固定されるが、取水管や排水管の総てが硬い筒体であると天板を昇降させることができないし、可撓性のある管を介在させていても天板の昇降とともにテンションがかかると抜けや破損の原因となり不都合である。そこで、天板の最上位置及び最下位置でその伸縮に基づく流水管抜け方向の力を作用させない長さの可撓性流水管を採用しており、これによって流水管の抜けや破損を防止している。具体的には、天板の最上位置においてシンクの取水管(及び排水管)から取水部(及び排水部)への長さが無テンション状態の流水管長より短くなるよう構成し、天板の最下位置において流水管の撓みによって流水管同士が接触しないように構成すること等にて実現可能である。 【0023】さらに、請求項14にかかる発明は、上記天板の一部にはシンクが設けられるとともに当該シンク下部からシンク上部へ取水する取水管とシンク上部からシンク下部へ排水する排水管とが配設されており、天板下方の壁面及び又は床面には取水部と排水部とが配設されており、上記取水管と取水部との開口部が略鉛直線上で互いに向かい合い、上記排水管と排水部との開口部が略鉛直線上で互いに向かい合うようにして配設されるとともにこれらの互いに向かい合う開口部が蛇腹状の流水管にて連結され、当該流水管は上記天板の最上位置及び最下位置でその伸縮に基づく流水管抜け方向の力を作用させないように伸縮する構成としてある。 【0024】すなわち、かかる構成によれば流水管が取水管と取水部とを結ぶ略鉛直線上および排水管と排水部とを結ぶ略鉛直線上を大きくはみ出さないので、天板の昇降によって天板下に載置あるいは保管されている物品を移動させたりすることがない。また、流水管が蛇腹状であることにより天板の昇降とともに伸縮し、天板の最上位置及び最下位置で大きなテンションを作用させることが無く、流水管の抜けや破損を防止することができる。 【0025】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、非常に容易に天板高を調整することができ、複数人が使用して好適な昇降テーブルを提供することができる。また、請求項2〜請求項5にかかる発明によれば、容易に天板を昇降させることができる。さらに、請求項6にかかる発明によれば、無理な天板下降力が作用することを防止可能である。さらに、請求項7にかかる発明によれば、非常に容易に天板高を調整することができ、複数人が使用して好適な昇降テーブルを提供することができる。さらに、請求項8にかかる発明によれば、急激な天板の落下を防止することができる。 【0026】さらに、請求項9にかかる発明によれば、単独のモータで構成可能であるとともに巻取りおよび巻戻し量の同期も容易であり、簡易に構成可能となる。さらに、請求項10にかかる発明によれば、ロープに対して常時テンションがかかることを防止し、ロープの耐久性を延ばすことができる。また、天板の落下を防止することもできる。さらに、請求項11にかかる発明によれば、非常に容易に天板高を調整することができ、複数人が使用して好適な昇降テーブルを提供することができる。さらに、請求項12にかかる発明によれば、天板を昇降可能に構成しつつも水の流入を効果的に防止することが可能となる。さらに、請求項13にかかる発明によれば、流水管の抜けや破損を防止することができる。さらに、請求項14にかかる発明によれば、流水管の抜けや破損を防止することができる。 【0027】 【発明の実施の形態】ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。 (1)昇降テーブルの構成:(2)昇降機構の構成:(3)動力伝達機構の構成:(4)第1実施形態の変形例:(5)第2実施形態:(6)第2実施形態の変形例:(7)第3実施形態:(8)第3実施形態の変形例:(9)第4実施形態:(10)第4実施形態の変形例:【0028】(1)昇降テーブルの構成:図1は、本実施形態にかかる昇降テーブルの斜視図である。昇降テーブル10は4本の支持脚20に一体的に構成された保護筐体30とその上で昇降する天板40を備えている。支持脚20は略角柱の部材でありその下端に角柱軸に沿って図示しない雌ネジが設けられるとともに雄ネジが突設された台座21aが螺合されており、当該台座21aにて支持脚相互の高さ調整が可能なアジャスターを構成している。 【0029】各支持脚20の上部には保護筐体30が取り付けられており、支持脚20の上部に形成された後述する昇降機構および動力伝達機構を外側に露出させないようにして各部を保護している。天板を昇降させるためには、後述する昇降機構において支持脚20に対して相対的に移動して天板を昇降させる部位と支持脚20に対して相対的に移動しない部位とが存在すれば良く、この意味で保護筐体30は必須ではないが上記各部の保護としては好ましい。また、保護筐体30と支持脚20とは一体的に構成されており、本実施形態において昇降機構が保護筐体30内に備えられているので、昇降機構は支持脚20に備えられていると言える。 【0030】保護筐体30の一面にはスイッチ部31が設けられており、後述する動力伝達機構のモータに接続されている。すなわち、上スイッチ部31aの押し込み操作によってモータを一方に回転させ、下スイッチ部31bの押し込み操作によってモータを他方に回転させて、天板40を昇降させることができる。天板40は、板状矩形の部材であり、昇降テーブルの上面を構成している。 【0031】(2)昇降機構の構成:図2は、昇降機構の説明図であり上記保護筐体30はA−A断面図にて示している。同図に示すように、保護筐体30の大部分は密であるが、一部に空洞が設けられており、支持脚20の上部にボールネジ機構22が備えられている。ボールネジ機構22は、保護筐体30の上下に設けられた軸受32a,bに回転可能に支持されることによって支持脚20の角柱軸に沿って配向された雄ネジ22aと当該雄ネジ22aに対し挿通されたナット41aを有する連結部41とから構成されている。 【0032】雄ネジ22aの外周面には図示しないボールが相対的に転動可能な溝が形成されており、ナット41aの内周面には図示しないボールが相対的に転動可能な溝が形成されている。また、ナット41aはその内周面の溝と雄ネジ22a外周面の溝との間に図示しないボールを介在させつつ雄ネジ22aに挿通されている。従って、雄ネジ22aが回転することによってナット41aを紙面上下方向に進退させることができる。 【0033】雄ネジ22aの上部にはプーリ50が固定されており、当該プーリ50の回転とともに雄ネジ22aが回転するようになっている。プーリ50には無端ベルト51が掛架されており、後述するモータの回転駆動力が伝達されて当該無端ベルトが移動し、プーリ50が正逆回転するようになっている。ナット41aを有する上記連結部41は保護筐体30の空洞部開口から上方へ突出されており、連結部41は天板40に連結されている。 【0034】従って、プーリ50の回転と共に雄ネジ22aが回転することによって上記連結部が昇降し、天板40を昇降させる力を作用させることができる。上述のように支持脚20は合計4本設けられており、上記図2に示す昇降機構も4本の支持脚20に設けられている。各支持脚20の昇降機構において、動力伝達機構がプーリ50の同期を取りながら回転させることによって天板40が昇降するようになっている。 【0035】(3)動力伝達機構の構成:図3は、動力伝達機構の要部構成を示す透視斜視図であり、保護筐体30内における動力伝達機構の要部を抜き出して示している。本実施形態においては、保護筐体30の略中央に配設されたモータ54の回転駆動力が上記プーリ50および他のプーリ52,53に掛架された無端ベルト51を介して伝達される。各プーリ50,52,53はその回転面が天板40面に略平行になるように配設されており、プーリ50は上記雄ネジ22aを軸として回転可能であるとともに、プーリ52は天板40面に略垂直に配設された軸に固定され、当該軸を中心に回転可能である。 【0036】プーリ53はモータ54の回転軸に固定されており、当該回転軸を中心に回転可能である。上記プーリ50,52,53および無端ベルト51が図3のように配設されることにより、総ての雄ネジ22aを同期させ、かつ同方向に正逆回転させることができる。また、モータ54は上記スイッチ部31に接続されており、利用者は上記上スイッチ部31aによって天板40を上昇させ、下スイッチ部31bによって天板40を下降させることができる。従って、本発明にかかる昇降テーブル10は、全く人力を使用することなく天板40を昇降させることができ、昇降テーブル10の設置後においても気軽に、非常に容易に高さ調整を行うことができる。 【0037】(4)第1実施形態の変形例:上記第1実施形態においてはボールネジ機構によってナットを昇降させ、その昇降力によって天板40を昇降させていたが、むろんボールネジ機構による部材の移動は相対的なものであり、ナットの上下動以外にもネジ上下動によって天板40を昇降させるように構成することも可能である。図4は、かかる場合の昇降機構の説明図である。この変形例においては昇降機構の構成が上記第1実施形態と異なっており、他の構成は第1実施形態とほぼ同様である。図4においては、第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付している。この例においては、保護筐体300が上記天板40に取り付けられており、天板40とともに昇降する。 【0038】図4は、上記保護筐体300を断面にて示している。保護筐体300内には上記第1実施形態と同様に無端ベルト51とプーリ50,52,53のための空間が形成されており、上記図3と同様の動力伝達機構が形成される。プーリ50は雄ネジ220aに固定されており、プーリ50の回転を当該雄ネジ220aに伝達するようになっている。雄ネジ220aの外周面には図示しないボールが相対的に転動可能な溝が形成されており、支持脚20の上部に固定されたナット41aの内周面には図示しないボールが相対的に転動可能な溝が形成されている。 【0039】従って、雄ネジ220aがその外周面の溝とナット410a内周面の溝との間に図示しないボールを介在させつつナット410aに挿通されることにより、雄ネジ220aの回転とともに雄ネジ220aが上下動する。雄ネジ220aの上端は軸受220bにおいて回転可能、脱落不能に支持されており、雄ネジ220aの上下動に伴って天板40を昇降させることができる。かかる構成により、上記第1実施形態と同様のスイッチ部31で利用者が容易に天板40の高さ調整を行うことができる。尚、本変形例においては支持脚20の上端においてナット410aの脇から上端に突出する回転防止突起20aが設けられ、保護筐体300において当該回転防止突起20aに対応する位置には当該回転防止突起20aが挿入される挿入穴300aが設けられている。かかる構成によって、上記雄ネジ220aの回転に伴って支持脚20が回転してしまうことが無く、雄ネジ220aの回転力を天板の昇降力に確実に変換可能である。 【0040】また、上記第1実施形態およびその変形例においては、ボールネジ機構によって天板40の上下動双方に積極的に力を作用させていたが、天板40を自重によって下降させることもできる。図5は、かかる場合の昇降機構の説明図である。この変形例においては昇降機構の構成が上記第1実施形態と異なっており、他の構成は第1実施形態とほぼ同様である。図5においては、第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付している。この例におけるボールネジ機構および動力伝達機構は上記第1実施形態と同様である。 【0041】但し、ボールネジ機構の雄ネジ22aに挿通されるナット411aと柱状部材411とは別体に構成されており、柱状部材411はナット411aに載置されているのみである。従って、ナット411a上昇時には柱状部材411に対して上昇力が直接的に作用すると共に天板40を上昇させるが、ナット411aの下降時には柱状部材411に対して下降力が直接的に作用することはない。保護筐体301は第1実施形態とほぼ同様であるが、天板40から下方に延びる上記柱状部材411の周りの空洞は、ナット411aの移動領域を除き当該柱状部材411の径とほぼ同径であるとともに、その内径にストッパ材412が取り付けられている。 【0042】このストッパ材412は、柱状部材411と摺動するとともに柱状部材411に所定の摩擦力を付与する部材であり、ナット411aの上昇時には容易にこの摩擦力に抗して柱状部材411も上昇されるが、下降時にはナット411aの下降速度より遅く柱状部材411が下降するように、すなわち、天板40の自重で落下するように摩擦力を与えるようになっている。従って、天板の下降時に作業者の衣服等が引っかかったり、天板進路に障害物がある場合などに無理矢理天板40が下降することがない。 【0043】(5)第2実施形態:上記第1実施形態においては、モータの回転駆動力を天板面に略平行な回転面を有するプーリに伝達し、天板面に略垂直な回転軸を回転させていたが、容易に昇降可能なテーブルを構成するに当たり、必ずしも回転軸を天板面に略垂直にする必要はない。図6は、回転軸を天板面に略水平に配向させた場合の実施形態について、その要部を示す一部断面図である。この第2実施形態においても上記第1実施形態と同様に構成可能な部位があり、同様な部位は上記第1実施例と同符号を付して説明する。 【0044】図に示すように、支持脚200は天板40に対して相対的に移動しないように保護筐体302に対して固定された上支持脚210aと当該上支持脚210aに対して相対的に上下動可能に連結された下支持脚210bとを備えている。上支持脚210aと下支持脚210bとは略矩形板状部材であり、上支持脚210aの下部は空洞であって下支持脚210bを挿入可能である。また、上支持脚210aの下部の一面には上支持脚210aの長手辺に略平行な長穴210a1が設けられている。下支持脚210bにおいては、上記長穴210a1の内周径と略同一径の2つの突起210b1が取り付けられており、上側の突起210b1には回動部材201の下端が回動可能に支持されている。 【0045】当該回動部材201の上端にはナット部421aが回動可能に取り付けられている。ナット部421aの上部は、上記ナット41a等と同様に内周溝にボールを保持しながら雄ネジ221aに挿通可能に構成されている。すなわち、本実施形態においては支持脚200を上支持脚210aと下支持脚210bとから構成することによって天板40の移動方向を上下方向のみに規制している。従って、回動部材201の回動力が天板40を水平方向に移動させる力として消費されることなく、回動力を確実に昇降力に変換することができる。 【0046】雄ネジ221aは本実施形態にかかる昇降テーブルの天板40の対面する2辺に沿って配設されており、保護筐体302内で回転可能に軸止されている。さらに、雄ネジ221aの端部にはプーリ500が固定されるとともに、当該プーリ500には無端ベルト510が掛架され後述する動力伝達機構によってモータの回転駆動力が伝達されると共にプーリ500および雄ネジ221aを回転させる。従って、この雄ネジ221aの回転によってナット部421aが雄ネジ221aに沿って進退し、回動部材201が回動して天板40を昇降させることができる。 【0047】図7は、第2実施形態における動力伝達機構の要部構成を示す透視斜視図であり、保護筐体302内における動力伝達機構の要部を抜き出して示している。第2実施形態においては、回転面が天板40面に略垂直になるように配設された各プーリ500,520,530に無端ベルト510a,510bが掛架されており、当該無端ベルト510a,510bを介して保護筐体302の略中央に配設されたモータ540の回転駆動力が伝達される。ここにおいてもプーリ500,520,530および無端ベルト510a,510bが図7のように配設されることにより、2本の雄ネジ221aを同期させ、かつ同方向に正逆回転させることができる。モータ540は上記スイッチ部31に接続され、利用者は上スイッチ部31aと下スイッチ部31bによって天板40を昇降させることができる。 【0048】雄ネジ221aは、その中央でカップリング部材221bにて連結され、連結された2本の軸が一体となって回転するようになっている。カップリング部材221bの両側において、各軸の溝は互いに逆向きかつ同ピッチで形成してある。従って、ナット部421aの初期位置を雄ネジ221aの中心に対して点対称とすることにより、雄ネジ221aの両端に挿通されるナット部421aが雄ネジ221aの回転に伴って互いに逆向きに進退するとともに、互いに同期して進退する。この結果、天板40の面を傾斜させることなく昇降させることができる。 【0049】(6)第2実施形態の変形例:上記第2実施形態においては天板40に対して略水平に配向させた軸をボールネジ機構の雄ネジとして使用することによって天板40を昇降させていたが、むろん他の種々の機構によって天板40を昇降させることができる。図8は、ラックピニオン機構を昇降機構として採用した変形例にかかる説明図である。この変形例においては昇降機構の構成が上記第1実施形態と異なっており、動力伝達機構は上記第2実施形態とほぼ同様に構成可能であるが、本変形例において雄ネジに溝は不要である。第1実施形態および第2実施形態と同様の構成には同様の符号を付して説明する。 【0050】この例においては、天板40の下面下方に配向突設される柱状部材413は保護筐体303の支持脚20直上に形成された挿通穴に挿通されている。当該柱状部材413の一面には溝が形成されており、当該溝の配向方向には当該溝に咬合するようにピニオン413aが配設される。当該ピニオン413aは図7とほぼ同様な動力伝達機構のプーリ500間に配設された回転軸222に固定されている。当該回転軸222にはプーリ500も固定されているので、無端ベルト510a,510bを介してプーリ500が回転されることによってピニオン413aも回転する。従って、このピニオン413aの正逆転によって上記柱状部材413の溝を介して当該柱状部材413に上下動力を作用させることができ、当該柱状部材413に連結された天板40を昇降させることができる。 【0051】さらに、図9は昇降機構として他の構成を採用した場合の説明図である。図9の昇降機構においては、上記変形例のようなラックピニオン機構ではなく、無端ベルトの移動力で柱状部材414を上下動させるようにしてある。この昇降機構以外の構成は上記変形例とほぼ同様である。すなわち、動力伝達機構は上記変形例と同様であって、プーリ500は溝のない回転軸222に固定されており、無端ベルト510a,510bを介してプーリ500が回転され、当該回転軸222が回転する。この回転軸222にはプーリ414aが固定されており、当該回転軸222の回転とともにプーリ414aも回転する。 【0052】プーリ414aの直下においては、その回転面と略同一回転面を有するプーリ414bがプーリ414aと対を形成するように配設されており、プーリ414a,bには無端ベルト415が掛架されている。従って、上記プーリ500および回転軸222の回転とともにプーリ414a,bも回転する。柱状部材414の下端は略直角に屈曲されており、当該屈曲端は無端ベルト415の一方に取り付けられている。このため、上記プーリ414a,bの回転とともに無端ベルト415が進退すると、上記柱状部材414が上下動し、天板40が昇降する。 【0053】(7)第3実施形態:上記第1および第2実施形態においては、プーリおよび回転軸の組み合わせによってモータの回転力を昇降機構に伝達して天板40を昇降させていたが、昇降機構としては他の構成も採用可能である。例えば、動滑車と定滑車との組み合わせにロープを掛架した機構を昇降機構として採用可能である。図10は、天板に一体として構成された部材に動滑車を取り付けて天板を昇降させる実施形態の要部を示す一部断面図である。ここにおいても上記第1実施形態と同様の構成については同符号を付して説明する。 【0054】本実施形態において、支持脚202は2つの略矩形平板状部材から構成されており、一方の動滑車支持柱202aは天板40の下面において下方に向けて垂設されており、他方の底面当接柱202bは底面に当接される部材であって、両者は摺動可能に連結される。すなわち、図11に示すように動滑車支持柱202aの中央にはその長辺に沿って平行の長穴203が空けられており、底面当接柱202bの一面には挿通部204a,bが突設されており、これらの挿通部204a,bを上記長穴203に対して挿通可能である。 【0055】挿通部204a,bが長穴203に対して挿通された状態においては抜止205が挿通部204a,b先端に取り付けられ、動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとを分離不能かつ長穴203に沿って摺動可能に連結する。動滑車支持柱202aの下端には動滑車206bが取り付けられており、動滑車支持柱202aの上部には定滑車206aが取り付けられている。また、底面当接柱202bの上部にはロープ係止部206cが取り付けられている。 【0056】定滑車206aおよび動滑車206bは動滑車支持柱202aの側面からせり出すように突設した支持部に回転可能に軸止されており、本実施形態においては、これらの定滑車206aおよび動滑車206bによって動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとを相対的に移動させている。すなわち、動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとが摺動可能に連結された状態において、ロープ207の一端がロープ係止部206cに係止され、下方に延ばされるとともに動滑車206bに掛架され、さらに上方に延ばされて定滑車206aに掛架される。 【0057】定滑車206aに掛架されたロープ207は天板40の中央方向に延びており、後述する動力伝達機構によって巻取りと巻戻しが行われる。上述のように動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとが長穴203に沿って摺動可能であることから、ロープ207の巻き取りがなされると当該ロープ207は上記ロープ係止部206cと動滑車206bとを近づけようとする力を作用させ、動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとが摺動し動滑車支持柱202aが上昇するようにして天板40を上昇させる。ロープ207の巻戻しがなされると動滑車支持柱202aが下降し天板40を下降させる。 【0058】本実施形態において支持脚202は天板40の4隅に配設されており、上記動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとの摺動面が天板40の角を結ぶ対角線方向を向いている。従って、各支持脚202のロープ207は天板40の中央に集められる。図12は、本実施形態においてロープ207の巻取り及び巻戻しを行う動力伝達機構を示す要部分解斜視図である。本実施形態における保護筐体305は、モータ541およびギヤボックス542からなるロープ巻回部を主に保護する筐体であり、4カ所の連結部306を介して天板40の下部に連結されている。図12は、保護筐体305を当該連結部306にて切断した状態を示している。 【0059】保護筐体305の上面中央には矩形の開口部307が設けられており、各角にはプーリ307aが回転可能に支持されている。当該開口部307の内部にはギヤボックス542が備えられており、上記各支持脚202から保護筐体305の中央に向けられた各ロープ207が上記プーリ307aに掛架されるとともに当該ギヤボックス542に集められる。ギヤボックス542内には図示しないウィンチが備えられており、各ロープ207は当該ウィンチに巻き付けられている。当該ギヤボックス542には上記モータ541が連結されており、当該モータ541の回転力によってウィンチが正逆回転することによって、各ロープ207について同期を取りながら巻取りと巻戻しを行う。従って、この巻取り巻戻し操作によって天板40を傾斜させることなく昇降させることができる。 【0060】(8)第3実施形態の変形例:上記第3実施形態においても種々の変形例を採用することができる。図13,14は、ロープ207の切断による天板40の落下防止機構を採用した変形例を示す説明図である。図13は当該変形例にかかる動滑車支持柱と底面当接柱とを示す斜視図であり、図14はこれらのB−B断面図である。これらの図において第3実施形態と同様の構成については同符号にて示している。本変形例においては天板40の落下防止のためにラチェット機構208を採用しており、動滑車支持柱202aの下部には係合片208aが配設され、底面当接柱202bの下部には複数の係合部208bが設けられている。 【0061】係合片208aは、屈曲した板状部材から構成され、一端が支持部208cに回動可能に支持されている。係合部208bは底面当接柱202bの側面に垂直な面およびこの面と鋭角的に交差する傾斜面とから構成される溝であり、各溝において上記側面に垂直な面が下側に位置し、傾斜面が上側に位置している。係合片208aは図14の反時計回り方向に付勢されており、同図左側に示すように通常状態において上記定滑車206a,動滑車206b,ロープ係止部206cに掛架されたロープ207の間に配設される。従って、通常状態においては動滑車支持柱202aに近い方のロープ207に当接するようになっている。 【0062】何らかの理由によってロープ207が切断された場合には当該ロープ207の張力が解除される。従って、図14の左に示すように係合片208aの付勢力に抗して同係合片208aの回動を抑える部位が無くなり、係合片208aが回動して図14の右に示すように係合部208bに係合する。各係合部208bの下部は上述のように底面当接柱202bの側面に垂直な面であるから、係合片208aの係合により動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとの相対運動を停止させることができ、天板40の落下を防止することができる。 【0063】この他にも天板40の落下を防止するために種々の変形例を構成可能である。例えば、上記図13に示すラチェット機構208の反対側や動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとの摺動面にラチェット機構を設け、天板40の上昇時には自由上昇を可能にし、下降時にはラチェット機構の係合を解除しなければ天板40を下降させることができないように構成することもできる。他にも、天板40の上昇後にブレーキパッドによって動滑車支持柱202aと底面当接柱202bとを挟み込んで天板40の高さを所定高で維持するような構成等を採用可能である。 【0064】(9)第4実施形態:上記実施形態は天板40が矩形のテーブルであり、食卓等に使用して好適であるが、他にも種々の形態のテーブルに対して本発明を適用することができる。図15は本発明にかかる昇降テーブルを組み込んだキッチン100の概略斜視図である。尚、以降の説明において図15の左右方向をキッチン100の左右方向、同図の上下方向をキッチン100の上下方向とし、左右,上下の各方向に直交する方向を図15に示すように手前、奥方向とする。 【0065】本実施形態においてキッチン100は概略矩形状であり、その矩形状上面に天板400が配設される。天板400の上面において、キッチン100の奥側には水返し部401が設けられている。水返し部401は天板400の奥側に突設されるとともにキッチン100の奥側の辺に略平行である。キッチン100の左側には引出収容部101が配設されている。引出収容部101は上下方向に三段の引出によって構成されており、各引出は上方が開口した矩形状の部材である。引出の手前側には取っ手が設けられており、各引出をそれぞれ手前側に引きだし、開口部を露出させて食器や調理道具等を収容することができる。 【0066】キッチン100の右側にはシンク402と収容部102とが配設されている。シンク402は、上方に開口する略矩形のステンレス系金属の基体から構成され、天板400に設けられた穴から開口部が上方を向いて露出するようになっている。また、シンク402には上部奥側に水栓具402aが設けられ、底部奥側に排水口402bが設けられており調理道具や食材の洗浄等を行うことができる。シンク402の下方の空間は収容部102となっている。収容部102の手前側は扉になっており、手前側に開くことができる。収容部102には同扉を開けて調理道具等を収容することができる。 【0067】当該収容部102においては、シンク402に対して水を供給し、またシンク402からの水を排水するための機構を収容している。図16は、本実施形態にかかるキッチン100の分解一部透視斜視図である。水栓具402aの下部には取水管402a1が設けられており、可撓性のある樹脂製の流水管403aが接続される。流水管403aは両端で開口した管であり、他方の開口はキッチン100の奥側壁面に設けられた取水部404aの開口と接続される。排水口402bの下部には排水管402b1が設けられており、可撓性のある樹脂製の流水管403aが接続される。流水管403bは両端で開口した管であり、他方の開口はキッチン100の奥側壁面に設けられた取水部404bの開口と接続される。 【0068】また、引出収容部101および収容部102の上端かつ天板400の下方には当該引出収容部101および収容部102の蓋となる板材103が設けられている。当該板材103においては、シンク402の直下にはシンク402を上下動可能にする開口部103aが設けられている。すなわち、シンク402は天板400に固定され、天板400とともに上下動するので、天板400の昇降とともにシンク402が板材103と干渉しないように開口部103aが設けられている。 【0069】キッチン100の左右端および奥側の上部には動力伝達機構550が配設されている。動力伝達機構550においてはキッチン100の左右端上部において手前奥方向に配向された図示しない回転軸が設けられており、図示しないモータの回転駆動力がキッチン100の奥側上部に配設されたプーリおよび無端ベルトにて伝達され、2本の回転軸が同期しながら回転するようになっている。この回転軸の回転力は図示しないギアによって当該回転軸に略直角に配向した支持軸223に伝達される。この支持軸223には所定のネジ溝が設けてあり、上記ギアによって回転されるとともに上下動するようになっている。また、支持軸223はキッチン100の略四隅に配設されており、天板400に対して自由に回転可能かつ分離不能に取り付けられている。 【0070】従って、上記モータの回転駆動力は図示しない回転軸を介して支持軸223に伝達され、この結果支持軸223が上下動して天板400を昇降させることができる。動力伝達機構550の左手前側にはスイッチ310が設けてあり、利用者はこのスイッチ310に設けられたボタン操作によってモータの正逆回転を制御可能、すなわち、天板400の昇降を制御することができる。本実施形態においては、キッチン100が水を常用する家具であることを考慮して上述の実施形態に加えて水対策を施してある。 【0071】すなわち、天板400が昇降する関係上、キッチン100奥側の水返し部401上部を樹脂等によって固定的に覆うような水漏れ対策を施すことができないので、本実施形態においては図15に示すように伸縮部401aによって天板400の奥側に水が進入しないように構成している。伸縮部401aの上部はキッチン100を施工する奥側の壁面に設けられた突出部401bに取り付けられ、当該伸縮部401aの下部は水返し部401上端に取り付けられている。この伸縮部401aは蛇腹状に形成されており、この蛇腹は天板400の昇降動範囲で伸びきったり完全に縮んだりすることの無いように形成されている。従って、天板400の昇降動に伴って自由に伸縮し、常に水返し部401を覆って水の侵入を防ぐことができる。 【0072】本実施形態において、天板400の昇降動にともなって天板400と板材103とが離間しうるので、これら天板400と板材103との間から水が進入することを防止する構成も採用している。すなわち、キッチン100の手前において天板400の下端と板材103の上端には蛇腹状に形成された伸縮部401cが取り付けられており、上記伸縮部401aと同様に天板400の昇降動範囲で伸びきったり完全に縮んだりすることの無いように形成されている。従って、天板400の昇降動に伴って自由に伸縮し、常にキッチン100の手前を覆って水の侵入を防ぐことができる。 【0073】さらに、上記流水管403a,bは、天板400の昇降動に起因して抜けないような長さに予め調整してある。図17は天板400が最上位置にある状態におけるキッチン100のC−C断面図であり、図18は天板400が最下位置にある状態におけるキッチン100のC−C断面図である。上述のように流水管403a,bは可撓性を有しているので、撓みながら天板400の昇降に追従するが、図17に示す天板400の最上位置において流水管403a,bは伸びきらず、多少の余裕を持って撓んでいる。従って、天板400の昇動に伴って流水管403aが取水管402a1および取水部404aから抜ける方向に力を作用させることがない。同様に、昇動に伴って流水管403bが排水管402b1および排水部404bから抜ける方向に力を作用させることがない。 【0074】図18に示す天板400の最下位置において流水管403a,bは流水管403a,b自身や壁面等に接触しないような長さになっており、天板400の下降動にともなって新たな物理的接触が生じないようになっている。従って、天板400の下降動に伴って流水管403aが取水管402a1および取水部404aから抜ける方向に力を作用させることがないし、下降動に伴って流水管403bが排水管402b1および排水部404bから抜ける方向に力を作用させることがない。尚、天板400の最下位置において流水管403a,403bが屈曲してU字状にならないように長さを調整してあり、排水等が流水管403a,403b内にトラップされないようにしてある。 【0075】(10)第4実施形態の変形例:上記第4実施形態においては、天板400の昇降動に起因して流水管403a,bが抜けないように当該流水管403a,bの長さを調整していたが、抜け防止のためには流水管を蛇腹状の管とする構成等種々の態様が採用可能である。また、収容部102内で流水管が大きく動くと流水管によって収容部102内の収容物が移動されることも考えられる。そこで、流水管が収容部102内の収容物と接触しないように構成すること等も可能である。 【0076】図19はこのような構成を採用した変形例にかかるキッチンにおいて天板400が最下位置にある状態の断面図である。同図において流水管405a,bと取水部406aと排水部406bとカバー407とが上記第4実施形態と異なっている。すなわち、取水部406aの開口部は上記取水管402a1開口部の鉛直線上に存在し、流水管405aは蛇腹状に形成された管であって一方端が取水管402a1の開口部に、他方端が取水部406aの開口部に接続されている。排水系も同様であり、排水部406bの開口部が上記排水管402b1開口部の鉛直線上に存在し、排水管405bは蛇腹状に形成されるとともに一方端が排水管402b1の開口部に、他方端が排水部406bの開口部に接続されている。 【0077】この構成にて天板400を昇降させると、流水管405a,bは略鉛直線上で伸び縮みするので、天板400の昇降によって流水管405a,bが取水管402a1および排水管402b1の鉛直線上から大きくはずれることが無く、収容部102内の収容物に接触することを防止可能である。収容物への接触を防止するためには上述のような構成で充分である場合も多いが、本変形例ではさらに確実に接触防止策が施されており、流水管405a,bの周りにはカバー407が設けられている。 【0078】カバー407は略矩形状であり取水系および排水系のための空間を確保するために上方に向けて開口した開口部407aを備えるとともに、キッチンの手前側の壁面下部に取水部406aの操作を行うための操作用開口部407bを備えている。カバー407は上記流水管405a,bを概略覆うように形成されているので、流水管405a,bが多少撓んで取水管402a1および排水管402b1の鉛直線上からずれたとしても、収容部102内の収容物と接触することはあり得ない。従って、天板400を昇降させたとしても、収容物を移動させたり収容物を押して収容部102の扉を半開きにさせたりすることがない。 【0079】また、上記第4実施形態および上記変形例では、天板400の昇降動作の駆動源がモータであったが、むろん他の駆動源を使用して天板を昇降させても良い。図20は水圧シリンダを使用して天板を昇降させる変形例にかかる動力伝達機構の概略図である。本変形例においては、天板420の四隅に水圧シリンダ230が設けられており、そのロッド軸は天板420面に対して略垂直に配設される。すなわち、この例ではロッドの上下動によって天板420を昇降させる。各水圧シリンダ230に接続された配水管は並列的に形成された昇圧経路および降圧経路に接続されている。 【0080】昇圧経路においては経路内に逆止弁231aが設けられ、当該逆止弁231aと水圧シリンダ230との間の昇圧経路内にバルブ232aが設けられている。昇圧経路の端部には水圧シリンダ230においてロッドを上昇させる水圧を有する水源が接続されており、逆止弁231aは当該水源方向への水流発生を防止する。この構成により、バルブ232aを空けたときには水圧シリンダ230が昇圧され、ロッドを介して天板420が上昇する。 【0081】一方、降圧経路にも経路内に逆止弁231bが設けられ、当該逆止弁231bと水圧シリンダ230との間の降圧経路内にバルブ232bが設けられている。降圧経路の端部には水圧シリンダ230においてロッドを下降させる水圧を有する排水部が接続されており、逆止弁231bは水圧シリンダ230方向への水流発生を防止する。この構成により、バルブ232bを空けたときには水圧シリンダ230が降圧され、ロッドを介して天板420が上昇する。 【0082】このような水圧シリンダ230においては配管内の流体が水であり、上記キッチンには水廻り設備等の配管が本質的に必要なため通常の設備に必ず水源および排水系が確保されている。そこで、この水源の水を流用することにより容易に水圧回路を形成することができる。むろん、水圧シリンダのみならず油圧シリンダ等によって天板が昇降する作業台等を構成することもできる。 【0083】以上述べてきたように、本発明においては、支持脚に設けた天板の昇降機構に対して動力伝達機構によって動力を伝達する。無端ベルトやロープを介して動力を伝達すれば、単一駆動源によって複数の支持脚の昇降機構を動作させることができる。また、キッチンテーブルにおける水など、昇降テーブルの使用場所に特有の駆動源を使用すれば容易に駆動源を確保することができる。このような駆動源によれば人手によらず自動で天板を昇降させることができる。従って、昇降テーブル設置後においても容易に天板高を調整することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】392008529 【氏名又は名称】ヤマハリビングテック株式会社 【住所又は居所】静岡県浜松市西山町1370番地
|
| 【出願日】 |
平成13年11月28日(2001.11.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096703 【弁理士】 【氏名又は名称】横井 俊之 (外1名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−159122(P2003−159122A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月3日(2003.6.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−362332(P2001−362332) |
|