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【発明の名称】 収納構造、収納補助具及び脚体
【発明者】 【氏名】坂口 順一
【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内

【要約】 【課題】プロジェクタ台等の収納すべき部材を、簡単な構造でワゴン等に付帯させて収納する。

【解決手段】収納すべき部材6が、部材本体61と、この部材本体61を使用姿勢にした状態で支持する脚体62とを具備するものであって、前記脚体62を利用して係り合い部Kを形成しておき、前記部材本体61を収納姿勢Qにした状態で前記係り合い部Kを所定の収納補助具7に係り合わせることによって、収納すべき部材6を収納補助具7に支持させ得るようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】収納すべき部材が、部材本体と、この部材本体を使用姿勢にした状態で支持する脚体とを具備するものであって、前記脚体を利用して係り合い部を形成しておき、前記部材本体を収納姿勢にした状態で前記係り合い部を所定の収納補助具に係り合わせることによって、収納すべき部材を収納補助具に支持させ得るようにしたことを特徴とする収納構造。
【請求項2】水平に延びる1又は複数の棒状体又は板状体からなり、前記係り合い部を上方から引掛けることにより、前記部材を吊り下げ得るものであることを特徴とする請求項1記載の収納構造に用いることのできる収納補助具。
【請求項3】前記係り合い部の鉛直面に当接又は近接する揺動禁止面を有し、前記部材を揺動不能に又は略揺動不能に吊り下げ得るものであることを特徴とする請求項1記載の収納構造に用いることのできる収納補助具。
【請求項4】支柱や壁等の基体に取り外し可能に支持させたものであることを特徴とする請求項1記載の収納構造に用いることのできる収納補助具。
【請求項5】収納すべき部材本体に設けられ、この部材本体を使用姿勢にした状態で支持するものであって、前記部材本体を収納姿勢にした状態で、所定の収納補助具に係り合うことの可能な係り合い部を形成していることを特徴とする脚体。
【請求項6】線状体を屈曲又は湾曲させることにより形成していることを特徴とする請求項5記載の脚体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロジェクタ台等を支持する脚体を利用して当該プロジェクタ台等の収納を好適に行う収納構造等に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、プロジェクタやそのプロジェクタを載置するためのプロジェクタ台を、天板を有するワゴン等の移動家具に置いて会議や講義に利用することが行われている。しかして、このようなプロジェクタ台等は、大概ワゴンと一緒に使用されるため、非使用時にワゴンと分離して収納しておくよりも、ワゴンに常に付帯させておくことが望ましい。そこで非使用時にもこれらプロジェクタ台等をそのままワゴン上に置いておくといったことがしばしば行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プロジェクタ台等は、通常それほど頻繁に使用するものではないため、非使用時でも常にプロジェクタ台等をワゴン上に置いておくことは、ワゴンの使用効率の点からいって好ましいものではない。
【0004】かといって、例えばプロジェクタ台等を収納するための収納ボックスをワゴンに設けるといったことをすると、コスト面における不利益や構造複雑化を招くうえ、違う目的でワゴンを用いる場合に、収納ボックスが無用のものとなってしまう懼れも生じる。
【0005】こういった収納上の問題点は、ワゴンとプロジェクタ台との関係のように、一方の物品は他方の物品と対にして用いる場合が多く、他方の物品は単独でもしばしば用いるといった関係を有するものに共通する。
【0006】そこで本発明は、このような関係を有する一方の物品の非使用時における収納問題を解決することを主たる課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、収納すべき部材が、部材本体と、この部材本体を使用姿勢にした状態で支持する脚体とを具備するものであって、前記脚体に係り合い部を設け、前記部材を収納姿勢にした状態で前記係り合い部を所定の収納補助具に係り合わせることにより当該部材を前記収納補助具に支持させ得るようにしたことを特徴とする収納構造である。
【0008】このようなものであれば、プロジェクタ台等の収納すべき部材を収納姿勢にして、例えばワゴン等に設けた収納補助具に係り合わせるだけで前記部材を収納することができるようにしているので、収納補助具を、前記係り合い部を係り合わせる機能のみを少なくとも有した簡易な構造物により構成することができる。また前記係り合い部が脚体を利用して形成されているので、部材側に専用の係り合い部を設ける必要がなく、コストアップや構造複雑化を防止することができる。
【0009】収納補助具の具体的な実施態様としては、水平に延びる1又は複数の棒状体又は板状体からなり、前記係り合い部を上方から引掛けることにより、前記部材を吊り下げ得るものを挙げることができる。
【0010】また、吊り下げ収納時の部材の安定性を向上させるには、収納補助具が、前記係り合い部の鉛直面に当接又は近接する揺動禁止面を有し、前記部材を揺動不能に又は略揺動不能に吊り下げ得るものであることが望ましい。
【0011】収納補助具を使用しない場合にも対応できるようにするには、この収納補助具を、支柱や壁等の基体に取り外し可能に支持させておくことが好ましい。さらに、ブラケット等の中間支持部材を介して支柱や壁等の基体に支持させる場合には、前記中間支持部材を基体から取り外した状態でのみ、収納補助具の中間支持部材に対する着脱を可能としておけば、収納保持の安定性を損なうことなくユーザ側での取り扱いの自由度をより広げることができる点でより好適である。
【0012】脚体にクッション性を持たせ、使用姿勢における部材本体の支持状態及び収納姿勢における部材本体の収納状態を好適なものとするには、脚体が線状体を屈曲又は湾曲させることにより形成しているものであることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】図1〜図3は本実施形態に係るワゴンを示したものである。
【0015】このワゴンWは、左右に離間して配置した一対のワゴン脚体1と、これらワゴン脚体1の上端に取り付けた天板2と、この天板2の使用端縁から前下方に離間させて配置した取手3と、前記各ワゴン脚体1の中間部間に支持させた棚板4と、天板2の後方に若干離間させて配置した背面板5とを具備してなり、前記天板2上にプロジェクター等を載せて、会議等で特に好適に用いることができるようにしたものである。
【0016】ワゴン脚体1は、前後に延びる矩形板状をなすベース11と、このベース11の前後端部にそれぞれ取り付けたキャスタ12と、このベース11の上面中央部から鉛直上方に起立させた支持部材たる支柱13とを具備するものである。
【0017】しかしてこの支柱13は、後方から見た斜視図である図4に示すように、前方、後方及び内側方に開口した上下に延びる縦溝13d、13b、13cを有する中空の支柱本体131と、縦長のフック孔Fを上下に一列貫通させている等厚縦長帯状のスリットバー132とからなるものであり、前記前縦溝13d及び後縦溝13bに上方からそれぞれスリットバー132をスライド挿入してこれら縦溝13d、13bの開口を閉止するとともに、挿入した各スリットバー132により支柱13の前壁及び後壁がそれぞれ形成されるようにしてある。また内側方に形成した縦溝13cは、配線挿通に用いることができ、配線カバー14を取り付けて閉塞することができるようにしてある。
【0018】天板2は、その使用側端縁を前方に膨らむように湾曲させた平板状のものであって、その下面両側縁部を、中間支持部材たる天板支持ブラケット6を介して前記各支柱13の上端にそれぞれ取り付けている。
【0019】取手3は、天板2の使用端縁と平行をなすように湾曲させた円筒状のものであり、天板2の前縁より前方に延出させた各天板支持ブラケット6の先端部間に一体に横架させてある。
【0020】棚板4は、矩形平板状をなすものであって、前記支柱13の中間部に取り付けた棚板支持ブラケット41を介して、支柱13の内面間に挟み込ませるようにして支持させている。
【0021】背面板5は、天板2と略等幅をなす薄板状のもので、その上端が天板2の上面より若干上方にまで延び、その下端が支柱13の中央近傍と同一高さになるようにその大きさ及び取付位置を設定している。また、その内面には、コンセントや配線等を保持可能な配線保持具52を固定している。さらに本実施形態では、図3に示すように、背面板5の一方の側縁部を、対応する一方の支柱13の後フック孔F(B)に取り外し可能に引掛けた第1の背面板支持ブラケット51に蝶番Tを介して取り付け、この背面板5を鉛直軸回りに開閉可能に構成している。なお、他方の支柱13の後フック孔F(B)には、前記第1の背面板支持ブラケット51と同様な構造を有する図示しない第2の背面板支持ブラケットを取り外し可能に引掛けており、この第2の背面板支持ブラケットに、背面板5の他方の側縁部に取り付けたマグネットMが離脱可能に吸着されるようにしてある。
【0022】しかして本実施形態では、図4〜図9に示すように、プロジェクタ等を載置可能な収納すべき部材たるプロジェクタ台6と、補助具支持ブラケット8を介してワゴンWに取り付けた収納補助具7との間に収納構造が形成されるようにし、この収納構造を利用してプロジェクタ台6を非使用時にワゴンWに付帯させて収納できるようにしている。
【0023】詳述すると、プロジェクタ台6は、図5〜図7に示すように、上面をプロジェクタ載置面として用いることのできる部材本体61と、この部材本体61の下面に取り付けられ、使用姿勢Pにおいて基体を支持する脚体62とを具備するものである。
【0024】部材本体61は、中空平板状をなす底部材611と、この底部材611と平面視同一輪郭をなす中空平板状の傾斜台612と、この傾斜台612を底部材611に対して傾動させるための傾動機構613とを具備し、前記底部材611の前面に取り付けた操作部614を回転操作することによって前記傾斜台612を、底部材611に対し任意の傾斜角度で保持できるようにしたものである。
【0025】脚体62は、例えば金属製の線状体を湾曲させてなるもので、前記底部材611の下面四隅にそれぞれ設けてある。より具体的に各脚体62は、底部材611の下面に溶接等により接合され、当該下面中央部から縁部に向かって延びる接合部621と、この接合部621の先端、すなわち底部材611の下面縁部近傍から下方に湾曲する湾曲部622と、この湾曲部622から再び接合部621と平行に底部材611の中央に向かって延びる接地部623とを具備したものであり、これら接合部621、湾曲部622及び接地部623によって正面視、内方に向かって開口する横向きのU字形が形成されるようにしてある。そして、側縁部を上下(いずれを上にしてもよい)にして起立させた収納姿勢Qにすると、その収納姿勢Qにおける上側に位置する脚体62の内面が、後に詳述する収納補助具7に上方から引掛け得る係り合い部Kとしての形状をなすようにしてある。
【0026】一方、収納補助具7は、図4、図5、図8、図9に示すように、3本の棒状体71からなるもので、これらは各端部を中間支持部材たる補助具支持ブラケット8を介して基体たる前記支柱13にそれぞれ取り付けられる。そして、取付状態では、これらは水平に延びるとともに、互いに等距離離間した状態となるようにしてある。また、隣り合う棒状体71間の離間距離は、前記接地部623及び接合部621の延出寸法よりも小さくなるように設定してある。
【0027】棒状体71は、断面円形状をなすものである。しかして、その径は、前記脚体62を構成する接合部621と接地部623との離間寸法と略同一又は若干小さく設定してあり、その長さは、各支柱13の内側面間の距離寸法より若干小さく設定してある。
【0028】補助具支持ブラケット8は、縦に直列させた2つの下向きフック爪81と、これら下向きフック爪81を一体に支持するフック爪支持板82と、このフック爪支持板82から直交して屈曲させた背板83と、この背板83から直交して屈曲させた補助具挿通板84とからなる断面視コの字状をなすものであり、前記下向きフック爪81を、支柱13のフック孔Fに取り外し可能に引掛けて取り付けることができるようにしてある。しかして、前記補助具挿通板84には、各棒状体71を挿通可能な棒状体挿通孔84aが縦に3個設けてあり、これらに前記各棒状体71の端部を挿通させて溶接等により固定してある。
【0029】このように構成した収納構造の利用方法について以下に説明する。
【0030】まず収納補助具7を支柱13間に取り付ける。具体的には、前記棒状体の各端部に固定した補助具支持ブラケットを各支柱13のフック孔Fに引掛ける。なお、本実施形態では、収納補助具7が天板2の下方空間を無用に浸食しないように支柱13の後フック孔F(B)に引掛けることにより、支柱13の後側に棒状体71が配置されるようにしているが、場合によっては前フック孔F(F)に引掛けるようにしてもよい。
【0031】その後、このようにして支柱13に横架させた収納補助具7に対し、収納姿勢Qにしたプロジェクタ台6を、その脚体62を上方から引掛けることにより取り付ける。
【0032】この状態では、脚体62の湾曲部622内面(収納姿勢Qでは下面)が、最上段の棒状体71の上面に当たってプロジェクタ台6の下方への落下が防止される。また、本実施形態では、脚体62の接地部623及び接合部621の長さ寸法を、隣り合う棒状体71の離間距離よりも長く設定しているので、揺動禁止面たる接合部621と接地部623との内面が、鉛直面たる少なくとも2以上の棒状体71の外面に当たってこれらを挟み込み、取り付けたプロジェクタ台6の揺動を禁止する。
【0033】なお、図示例では、プロジェクタ台6を収納補助具7の前方に引掛けるようにしているが、もちろん後方からでも構わない。また、湾曲部622を最上段の棒状体71に引掛ける必要はなく、例えば2段目や3段目のものに引掛けてもよい。
【0034】このように構成した本実施形態によれば、棒状体71という極めて簡易な構造物を利用してプロジェクタ台6をワゴンWに付帯させて収納することができる。また係り合い部Kが脚体62を利用して形成されているので、プロジェクタ台6に専用の係り合い部を設ける必要がなく、コストアップや構造複雑化を防止することができる。
【0035】さらに、収納補助具7の取付位置を、支柱13の前面及び後面に設けたフック孔Fを利用して、上下方向のみならず前後にも変えられるようにしているので、使用者の望む最も適切な位置にプロジェクタ台6を収納することができる。
【0036】加えて、本実施形態では脚体62に線状体を用いているので、その若干の弾性変形によるクッション性をも得られる。
【0037】なお、本発明は以上に説明した実施形態に限られるものではない。
【0038】例えば、収納すべき部材は、プロジェクタ台に限らず、プロジェクタそのものや他にも種々考えられるのはいうまでもない。また、収納すべき部材を保持するものも、ワゴンに限られず、各種の家具が考えられる。しかして、ワゴンとプロジェクタ台との関係のように、収納すべき部材が他方の物品と対にして用いる場合が多く、他方の物品は単独でもしばしば用いるといった関係を有するものに本発明を適用すれば、本発明特有の効果が特に顕著となる。
【0039】さらに、脚体の形状や素材にも種々の変形例が考えられる。例えば、図10に示すように、脚体62を板材を湾曲させて形成し、係り合い部Kが前記実施形態と同様、脚体の形状そのもので実現されるようなものとしてもよいし、図11に示すように、中空の脚体62の底壁に係り合い部たるスリットKを形成したようなものでもよい。
【0040】また、前記実施形態では、収納補助具たる各棒状体の端部に補助具支持ブラケットを溶接固定していたが、これらを固定しない態様も考えられる。その場合には、まず棒状体71の各端部に、前記補助具支持ブラケット8の補助具挿通板84に設けた棒状体挿通孔84aを通す。この状態では、補助具支持ブラケット8は、外方に引き抜くだけで棒状体71から取り外すことができる。
【0041】次に、各補助具支持ブラケット8を支柱13のフック孔Fに引掛ける。
【0042】すると支柱13に引掛けられた各補助具支持ブラケット8の左右離間距離を変えることができなくなるため、各棒状体71は、各補助具支持ブラケット8のフック爪支持板82の内面によって左右の動きを規制され、抜脱することができなくなる。逆に言えば、各補助具支持ブラケット8を支柱13から取り外した状態でのみ、前記棒状体71の補助具支持ブラケット8に対する着脱が可能となる。
【0043】このようにしておけば、ユーザ側で棒状体71の本数を変更することが可能となり、取り扱いの自由度がより大きくなる。
【0044】もちろん収納補助具は、係り合い部の形状に合わせて種々の変形が可能であり、例えば、図10に示すような板状のもの7でもよいし、図11に示すようなフック爪形状のもの7であってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明によれば、プロジェクタ台等の収納すべき部材を収納姿勢にして、例えばワゴン等に設けた収納補助具に係り合わせるだけで前記部材を収納することができるようにしているので、収納補助具を、前記係り合い部を係り合わせる機能のみを少なくとも有した簡易な構造物により構成することができる。また前記係り合い部が脚体を利用して形成されているので、部材側に専用の係り合い部を設ける必要がなく、コストアップや構造複雑化を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
【識別番号】300093548
【氏名又は名称】有限会社望織意匠設計
【住所又は居所】大阪府柏原市石川町6−22
【出願日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博 (外2名)
【公開番号】 特開2003−88437(P2003−88437A)
【公開日】 平成15年3月25日(2003.3.25)
【出願番号】 特願2001−284199(P2001−284199)