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【発明の名称】 部材取付構造及び抜脱禁止部材
【発明者】 【氏名】坂口 順一
【住所又は居所】大阪市東成区大今里南6丁目1番1号 コクヨ株式会社内

【要約】 【課題】支持部材に対し中間支持部材を引掛けて取り付け、その中間支持部材に被支持部材を支持させるようにしたものにおいて、単純な部品を利用できて組立にも負担が生じず、なおかつ強度的にも有利な部材取付構造及び前記中間支持部材の抜け止め用に用いる抜脱禁止部材を提供する。

【解決手段】支持部材13に引掛けた中間支持部材6の抜脱可能方向への移動を禁止する抜脱禁止部材7を、前記中間支持部材6に重ね合わせて配置するとともに、これら抜脱禁止部材7及び中間支持部材6を、それらの重合領域において共通の止着具B1を用いて前記被支持部材2に固定するようにした
【特許請求の範囲】
【請求項1】支持部材に対し、中間支持部材を引掛けて取り付け、その中間支持部材に被支持部材を支持させるようにしたものであって、前記支持部材に引掛けた前記中間支持部材の抜脱可能方向への移動を禁止する抜脱禁止部材を、前記中間支持部材に重ね合わせて配置するとともに、これら抜脱禁止部材及び中間支持部材を、共通の止着具を用いて前記被支持部材に固定するようにしたことを特徴とする部材取付構造。
【請求項2】脚等の支持部材に設けたフック孔等の被係合部に、フック爪等の係合部を有した中間支持部材を引掛けて下動不能に取り付け、この中間支持部材に天板等の被支持部材を支持させるようにしたものであって、支持部材に引掛けた前記中間支持部材上に重ね合わせて配置され、その上動を禁止する抜脱禁止部材を、前記支持部材の上面に取り付けておき、この抜脱禁止部材上に配置した被支持部材に、前記抜脱禁止部材及び中間支持部材を下方から挿入した共通の止着具たるねじを用いて固定するようにしたことを特徴とする部材取付構造。
【請求項3】中間支持部材及び抜脱禁止部材にそれぞれ貫通孔を設け、これら貫通孔に挿入したねじを、被支持部材に設けた雌ネジ部にねじ込むようにしている請求項2記載の部材取付構造。
【請求項4】被支持部材が天板であって、下方からねじこんだ前記ねじが天板の上面に突出しないように構成している請求項2乃至3記載の部材取付構造。
【請求項5】前記中間支持部材に設定した支持面の全面又は略全面が、抜脱禁止部材によって覆われるようにしている請求項1乃至4記載の部材取付構造。
【請求項6】抜脱禁止部材が平板状をなすものである請求項1乃至5記載の部材取付構造。
【請求項7】支持部材に引掛けられた状態で被支持部材を支持するブラケット等の中間支持部材に対し、その抜脱可能方向への移動を禁止するものであって、前記支持部材に引掛けられた中間支持部材と重合した状態で、前記被支持部材に共通の止着具により固定されるものであることを特徴とする抜脱禁止部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天板等の被支持部材を、脚等の支持部材にブラケット等の中間支持部材を介して支持させる際に用いる部材取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、脚等の支持部材にフック孔を設けておき、このフック孔に、例えば下向きのフック爪を有したブラケットを引掛けるとともに、このブラケットに天板等の被支持部材を取り付けるようにした部材取付構造が知られている。
【0003】ところで、このようにフック孔にフック爪を引掛けるだけの構造であると、被支持部材が不測の力により上動した場合に、フック孔とフック爪との係り合いが解除され、被支持部材が脱落してしまう懼れがある。
【0004】そのため、フック孔にフック爪を引掛けた後、そのフック爪が上動して抜脱することを禁止する抜脱禁止部材を取り付けるようにしたり、あるいはフック爪やフック孔の形状に工夫を凝らしたりして、抜け止めを防止するようにしたものも開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の抜脱禁止部材は、フック爪を引掛けたフック孔に形成される残りの隙間部分を埋めることにより、ブラケットの抜け止めを図るようなものであるため、部材そのものが微細かつ精緻なものになりがちであるうえ、組立や強度の点からも不都合が生じやすいという不具合がある。一方、フック爪やフック孔の形状に工夫を凝らしたものでは、汎用性がなくなるうえ、構造上複雑なものとなる懼れが生じる。
【0006】そこで本発明は、単純な部品を利用できて組立にも負担が生じず、なおかつ強度的にも有利な部材取付構造及びそれに用いる抜脱禁止部材を提供すべく図ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、支持部材に対し中間支持部材を引掛けて取り付け、その中間支持部材に被支持部材を支持させるようにしたものであって、前記支持部材に引掛けた前記中間支持部材の抜脱可能方向への移動を禁止する抜脱禁止部材を、前記中間支持部材に重ね合わせて配置するとともに、これら抜脱禁止部材及び中間支持部材を、それらの重合領域において共通の止着具を用いて前記被支持部材に固定するようにしたことを特徴とする部材取付構造及びそれに利用する抜脱禁止部材である。
【0008】このようなものであれば、抜脱禁止部材が中間支持部材と重ね合わせて配置されるようなものであるため、その形状を、例えば平板状にするなど、単純でおおざっぱなものとすることができる。また、中間支持部材と抜脱禁止部材とが重なり合うので、被支持部材に対する支持強度を無理なく増大させることができる。さらに、これら抜脱禁止部材及び中間支持部材を、ねじによって被支持部材に共締めする等、共通の止着具を用いて前記被支持部材に固定するようにしているので、組立上の負担軽減を図ることもできる。
【0009】より具体的には、脚等の支持部材に設けた被係合部たるフック孔に、係合部たるフック爪を有したブラケット等の中間支持部材を引掛けて下動不能に取り付け、この中間支持部材に天板等の被支持部材を支持させるようにしたものであって、支持部材に引掛けた前記中間支持部材上に重ね合わせて配置され、その上動を禁止する抜脱禁止部材を、前記支持部材の上面に取り付けておき、この抜脱禁止部材上に配置した被支持部材に、前記抜脱禁止部材及び中間支持部材を下方から挿入した共通の止着具たるねじを用いて固定するようにしたことを特徴とする部材取付構造又はこれに用いる抜脱禁止部材を挙げることができる。
【0010】このようなものであれば、抜脱禁止部材が支持部材の上面に取り付けられるため、その上に配置された被支持部材に対して、前記中間支持部材とともに発揮する支持強度をさらに向上させることができる。
【0011】組立上好適なねじの締着態様としては、中間支持部材及び抜脱禁止部材の重合領域にそれぞれ貫通孔を設け、これら貫通孔に挿入したねじを、被支持部材に設けた雌ネジ孔にねじ込むようにしているものが挙げられ、特に被支持部材が天板である場合には、下方から挿入した前記ねじを天板の上面に突出しないように構成したものであることが、外観や使い勝手の面から好ましい。
【0012】被支持部材に対する支持の安定性や強度的な観点からは、前記中間支持部材に設定した支持面の全面又は略全面が、抜脱禁止部材によって覆われるようにすることが望ましい。
【0013】実施上極めて好ましい態様としては、抜脱禁止部材を平板状をなすものとしておくことがよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】本実施形態に係る部材取付構造は、図1〜図4に示すようなワゴンWに適用したものである。
【0016】このワゴンWについて簡単に説明しておくと、このものは、左右に離間して配置した一対の脚体1と、これら脚体1の上端に取り付けた天板2と、この天板2の使用端縁から前下方に離間させて配置した取手3と、前記各脚体1の中間部間に支持させた棚板4と、天板2の後方に若干離間させて配置した背面板5とを具備するものである。
【0017】脚体1は、前後に延びる矩形板状をなすベース11と、このベース11の前後端部にそれぞれ取り付けたキャスタ12と、このベース11の上面中央部から鉛直上方に起立させた支持部材たる支柱13とを具備するものである。
【0018】しかしてこの支柱13は、図5に示すように、前方、後方及び内側方に開口した上下に延びる縦溝13d、13b、13cを有する中空の支柱本体131と、縦長のフック孔Fを上下に一列貫通させている等厚縦長帯状のスリットバー132とからなるものであり、前記前縦溝13d及び後縦溝13bに上方からそれぞれスリットバー132をスライド挿入してこれら縦溝13d、13bの開口を閉止するとともに、挿入した各スリットバー132により支柱13の前壁及び後壁がそれぞれ形成されるようにしてある。また内側方に形成した縦溝13cは、配線挿通に用いることができ、配線カバー14を取り付けて閉塞することができるようにしてある。
【0019】天板2は、その使用側端縁を前方に膨らむように湾曲させた平板状のものであって、その下面両側縁部を、中間支持部材たる天板支持ブラケット6を介して前記各支柱13の上端にそれぞれ取り付けている。本実施形態では、図5に示すように、この天板2の下面各側縁部の前部、中間部、後部の3箇所に、それぞれ下方に開口し雌ネジ部を形成するナット部材N1、N2、N3がそれぞれ埋め込んであり、後ほど詳述するが、これらナット部材N1、N2、N3に止着具たる天板取付ねじB1を締着することにより、前記天板支持ブラケット6等に天板2を固定できるようにしている。
【0020】取手3は、天板2の使用端縁と平行をなすように湾曲させた円筒状のものであり、天板2の前縁より前方に延出させた各天板支持ブラケット6の先端部間に一体に横架させてある。
【0021】棚板4は、矩形平板状をなすものであって、前記支柱13の中間部に取り付けた棚板支持ブラケット41を介して、支柱13の内面間に挟み込ませるようにして支持させている。
【0022】背面板5は、天板2と略等幅をなす薄板状のもので、その上端が天板2の上面13aより若干上方にまで延び、その下端が支柱13の中央近傍と同一高さになるようにその大きさ及び取付位置を設定している。また、その内面には、コンセントや配線等を保持可能な配線保持具52を固定している。さらに本実施形態では、図3に示すように、背面板5の一方の側縁部を、対応する一方の支柱13の後フック孔F(B)に取り外し可能に引掛けた第1の背面板支持ブラケット51に蝶番Tを介して取り付け、この背面板5を鉛直軸回りに開閉可能に構成している。なお、他方の支柱13の後フック孔F(B)には、前記第1の背面板支持ブラケット51と同様な構造を有する図示しない第2の背面板支持ブラケットを取り外し可能に引掛けており、この第2の背面板支持ブラケットに、背面板5の他方の側縁部に取り付けたマグネットMが離脱可能に吸着されるようにしてある。
【0023】しかして本実施形態では、図5、図6に示すように、支持要素たる支柱13に、被支持要素たる天板2を取り付けるために、以下に示す部材取付構造を適用している。
【0024】すなわち、この部材取付構造は、前記支柱13に天板支持ブラケット6を引掛けて下方移動不能に取り付けるとともに、前記天板支持ブラケット6の抜脱可能方向である上向きの移動を禁止する抜脱禁止部材7を前記支柱13に取り付け、前記支柱13と抜脱禁止部材7と天板2とを共通の止着具たる天板取付ねじB1を用いて一体に固定するようにしたものである。
【0025】詳述すれば、天板支持ブラケット6は、起立板61と、この起立板61の上縁から内方へ一体に折り曲げてなる水平支持板62と、前記起立板61の後端から後方に一体に突出した下向きフック爪FFとを具備してなるもので、前記支持板62の前後部の2箇所には、それぞれ天板取付ねじ挿通孔621、622が貫通させてある。そして、前記下向きフック爪FFを前記支柱13の前フック孔F(F)に引掛けることにより、この天板支持ブラケット6を、支柱13から前方に延出させた状態で、当該支柱13に下動不能に取り付け得るようにしている。
【0026】しかして、この天板支持ブラケット6を所定のフック孔F(F)に引掛けて取り付けた状態では、支持面たる前記水平支持板62の上面62aと、支柱13の上面13aとが同一高さとなるように設定してある。また、なお、前記起立板61の先端部は、前述したように天板2より前方に延びて、そこに取手3を一体に取り付けてある。
【0027】抜脱禁止部材7は、前後方向に長い矩形等厚平板状をなすもので、その外縁後部には、支柱取付ねじ貫通孔71が一対設けてある。また、その内縁部にはその前部、中間部及び後部の3箇所にそれぞれ天板取付ねじ貫通孔72、73、74が貫通させてある。
【0028】しかして、前記支柱取付ねじ貫通孔71に上方から支柱取付ねじB2を挿通するとともに、その支柱取付ねじB2を支柱13の上面13aに開口するめねじ孔134に締め付けることにより、その下面が支柱13の上面13aに密着して当該支柱13に固定されるようにしてある。なお、本実施形態では、支柱取付ねじ貫通孔71は皿孔であり、支柱取付ねじB2に皿ビスタイプのものを用いて、締め付けた支柱取付ねじB2の頭部が抜脱禁止部材7の上面より上方に突出しないようにしてある。
【0029】また、この抜脱禁止部材7を支柱13に固定した状態では、抜脱禁止部材7は、当該支柱13より前方かつ内方に延出することとなるが、その延出部分が、支柱13に引掛けた前記天板支持ブラケット6の支持面62aを上方から完全に覆いつつ密接して、この抜脱禁止部材7と支持板62とが上下に重なり合うようにしている。
【0030】次に、かかる部材取付構造を利用して天板2を支柱13に取り付ける取付手順を以下に説明する。
【0031】まず、天板支持ブラケット6のフック爪FFを、その水平支持板62の上面62aと支柱13の上面13aとが同一高さとなるように、各支柱13の所定のフック孔にそれぞれ引掛ける。
【0032】次に、抜脱禁止部材7に設けた支柱取付ねじ貫通孔71に上方から支柱取付ねじB2を挿通するとともに、その支柱取付ねじB2を支柱13の前記ねじ孔134に締め付けることにより、抜脱禁止部材7を各支柱13の上面13aに密着固定する。なお、このように支柱13に取り付けられた抜脱禁止部材7は、前記スリットバー132の上方への抜け止めの役割をも担う。
【0033】しかして、このように天板支持ブラケット6と抜脱禁止部材7とをそれぞれ支柱13に取り付けると、上述したように、天板支持ブラケット6の支持板62上に、抜脱禁止部材7が重なり合うとともに、その重合領域において、前記支持板62に設けた2つの天板取付ねじ貫通孔621、622と、抜脱禁止部材7に設けた前2つの天板取付ねじ貫通孔72、73とが重なり合う。
【0034】このようにした後、天板2を抜脱禁止部材7上に載せ置く。しかして、天板2の下面各側縁部には、その前部、中間部、後部の3箇所に、下方に開口するナット部材N1、N2、N3がそれぞれ埋め込まれているところ、これらナット部材のうち前2つN1、N2には、前記重合する天板取付ねじ貫通孔621、72、622、73に、下方から挿通させた天板取付ねじB1を締着する。このことにより、抜脱禁止部材7及び天板支持ブラケット6が、天板2に共締めされてこれらが固定される。
【0035】一方、前記ナット部材のうち、後ろのものN3には、抜脱禁止部材7に設けた後部の天板取付ねじ貫通孔74のみに下方から挿通させた天板取付ねじB1を締着する。このことにより、抜脱禁止部材7が天板2に締着されて補助的に固定される。
【0036】したがって、このように構成した本実施形態によれば、抜脱禁止部材7が平板状の単純な形状であるにも拘わらず、確実に天板支持ブラケット6の抜け止めを図ることができ、ひいては、天板2の上方へのがたや抜けを確実に防止することができる。
【0037】また、天板2を、天板支持ブラケット6の支持板62と抜脱禁止部材7とが重合して支持するうえ、本実施形態では、抜脱禁止部材7を支柱13の上面13aに載せ置き、その上に天板2を載置しているため、対荷重性にも特に優れたものとすることができる。
【0038】さらに、天板支持ブラケット6の支持板62と抜脱禁止部材7とが、共通する天板取付ねじB1により下方から天板2に共締めできるため、組立にも大きな負担が生じることはない。
【0039】なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、ワゴンのみならず、棚やデスク等に本発明を適用しても同様の作用効果を奏し得るものである。また、支持部材は支柱のみならずパネルや壁体等でもよいし、被支持部材も天板に限られるものではない。もちろん、中間支持部材もブラケット以外のものでもよいのはもちろんである。さらにこれらの形状も前記実施例に限られるものではないことはいうまでもない。
【0040】その他本発明は以上に詳述した図示例に限られず、種々の変形が可能である。
【0041】
【発明の効果】以上に詳述したように本発明によれば、抜脱禁止部材7が中間支持部材と重ね合わせて配置されるようなものであるため、その形状を、例えば平板状にするなど、単純でおおざっぱなものとすることができる。また、中間支持部材と抜脱禁止部材7とが重なり合うので、被支持部材に対する支持強度を無理なく増大させることができる。さらに、これら抜脱禁止部材7及び中間支持部材を、ねじによって被支持部材に共締めする等、共通の止着具を用いて前記被支持部材に固定するようにしているので、組立上の負担軽減を図ることもできる。
【出願人】 【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市東成区大今里南6丁目1番1号
【識別番号】300093548
【氏名又は名称】有限会社望織意匠設計
【住所又は居所】大阪府柏原市石川町6−22
【出願日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博 (外2名)
【公開番号】 特開2003−88430(P2003−88430A)
【公開日】 平成15年3月25日(2003.3.25)
【出願番号】 特願2001−284198(P2001−284198)