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【発明の名称】 歯ブラシ
【発明者】 【氏名】林 功
【住所又は居所】大阪府大阪市港区波除5丁目7番6号 アイザ・プランニング株式会社内

【要約】 【課題】ローラ式の歯ブラシの操作方向の違いによるブラッシング性能のばらつきを抑制すること。

【解決手段】本発明の歯ブラシ1は、柄部材2の先端部にローラ状のブラシユニット3を装着したものであって、ブラシユニット3が、柄部材2の先端部に回転自在に装着される軸部材6と、軸部材6に装着可能な環状のリング部13から多数本のブラシ線材14を放射状に延出してなる複数のブラシエレメント7と、ブラシエレメント7よりも小径で、かつ、ブラシエレメント7相互間に装着されるスペーサ部材8とを備え、ブラシ線材14の先端が積層方向に変形しやすくなっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 柄部材の先端にロール状のブラシユニットを回転自在に取付けてなる歯ブラシにおいて、所定長に揃えた多数本のブラシ線材を放射状に配列した円盤状ブラシエレメントを複数エレメント積層してロール状のブラシユニットを構成すると共に、各ブラシエレメント間にブラシエレメントよりも小径で各ブラシエレメントの先端毛先間に積層方向で微小隙間を維持するスペーサ部材を介装したことを特徴とする歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯ブラシに関し、より詳しくは、柄部材の先端部にロール状のブラシユニットを装着したローラ式の歯ブラシに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の歯ブラシ21について、図1及び図2を用いて説明する。この歯ブラシ21は、柄部材22の先端部にロール状のブラシユニット23を装着したローラ式のもので、ブラシユニット23を回転させることにより、歯の表面に付着した歯垢の除去及び歯茎のマッサージといったブラッシング性能を高めたものである。
【0003】ブラシユニット23は、軸部材24の外周面に多数本のブラシ線材25を軸方向に等間隔(密接状態)で、かつ、軸部材24の円周方向に放射状に植毛したものである。ブラシ線材25の先端相互間には、ブラシユニット23の円周方向に微小隙間があるから、ブラシユニット23の回転に追従してブラシ線材25が円周方向に変形し易くなっている。すなわち、ブラシ線材25が変形すると、その復元時のブラッシング作用が期待でき、しかもブラシユニット23が回転すると、ブラシ線材25の変形が連続して起こるから、ゴシゴシと強い力で歯磨きをする必要がなくなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の歯ブラシ21では、ブラシ線材25の先端がブラシユニット23の軸方向に密接状態になっているから、ブラシ線材25の先端部は、円周方向と比較して軸方向に変形し難い構成であった。このため、ブラシユニット23の軸方向に動作させた場合のブラッシング性能が、柄部材22の長手方向に動作させた場合と比較して低くなるおそれがあった。
【0005】本発明はかかる課題に鑑み創案するに至ったものであって、その目的は、ブラシ線材の先端自由度を高めて、歯ブラシの操作方向の違いによるブラッシング性能のばらつきを抑制することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る歯ブラシは、柄部材の先端にロール状のブラシユニットを回転自在に取付けてなる歯ブラシにおいて、所定長に揃えた多数本のブラシ線材を放射状に配列した円盤状ブラシエレメントを複数エレメント積層してロール状のブラシユニットを構成すると共に、各ブラシエレメント間にブラシエレメントよりも小径で各ブラシエレメントの先端毛先間に積層方向で微小隙間を維持するスペーサ部材を介装している。これにより、ブラシエレメントの積層方向(ブラシユニットの軸方向)へのブラシ線材の変形容易性が高まるので、歯ブラシの操作方向の違いによるブラッシング性能のばらつきを抑制することが可能になる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明に係る歯ブラシ1の一実施形態について説明する。
【0008】図1は、本発明に係る歯ブラシ1を例示している。同図のように、この歯ブラシ1は、柄部材2の先端部にロール状のブラシユニット3を装着したもので、ブラシユニット3を歯に押圧しつつ、柄部材2の長手方向に動かすことによりブラシユニット3が回転するようになっている。
【0009】柄部材2は、木材や竹材、或いはプラスチック(例えば、ポリプロピレン)などの合成樹脂材で構成された部材であって、棒状に形成された把持部4の先端にブラシユニット3の装着部5を形成したものである。装着部5は、図1及び図3のように、ブラシユニット3の背面側(図面下側)を覆い、かつ、ブラシユニット3より大径に形成された円弧部5aの両端からブラシユニット3の側面に沿って枢支部5bを立設した部位である。装着部5の外形は、滑らかな凸面状に形成されており、口腔内を傷付けないようになっている。枢支部5bの先端部は、後述するスペーサ部材8、押え板9及びリング部13のうち最も大径のものと同径又はそれより大径の円弧状に形成されており、枢支部5bの内面側には、当該円弧の中心に対応してブラシユニット3の軸孔5cが形成されている。
【0010】ブラシユニット3は、図3のように、軸部材6に複数のブラシエレメント7及びスペーサ部材8(ともに一部にのみ符号を付す。)を交互に装着すると共に、ブラシエレメント7及びスペーサ部材8の外側から押え板9を装着したものである。ブラシエレメント7のリング部13、スペーサ部材8及び押え板9は、木材、竹材、プラスチック(例えば、ポリプロピレン)又は金属などで構成するとよい。
【0011】軸部材6は、図4(A)(B)のように、ブラシエレメント7及びスペーサ部材8を装着するブラシ装着部10の両端から軸孔5cに挿入する枢軸部11を軸方向に延設したものである。ブラシ装着部10は、ブラシエレメント7及びスペーサ部材8の内形に対応して形成され、例えば同図(B)の如く軸心直角断面形状を矩形状に形成してもよい。枢軸部11は、軸心直角断面形状が円形状に形成され、その基端部には押え板9を螺着するための雄螺子部12が形成されている。
【0012】ブラシエレメント7は、図5(A)(B)のように、リング部13の外周部に所定長に揃えた多数本のブラシ線材14(一部にのみ符号を付す。)を放射状に植毛したものである。リング部13は、外形が円形状で、かつ、内形が矩形状に形成された円盤状の部材である。ブラシ線材14は、リング部13の外周部から放射状に、即ちリング部13の半径方向外側に向けて延在しており、接着又は溶着などの適当な手法で植毛されている。なお、ブラシ線材14としては、豚毛やナイロンが代表的であるが、これらに限らず種々の素材を使用してもよい。
【0013】スペーサ部材8は、図6(A)(B)のように、外形が円形状で、かつ、内形が矩形状に形成された円盤状の部材であって、ブラシエレメント7を相互に離間させるためのものである。すなわち、各ブラシエレメント7に植毛された一群のブラシ線材14を少なくともスペーサ部材8の厚さの分だけブラシエレメント7の積層方向に離間させることで、ブラシ線材14の先端部が積層方向に変形するための微小隙間を維持することができる。スペーサ部材8の外径は、ブラシエレメント7のリング部13よりも大径で、かつ、ブラシエレメント7よりも小径であって、例えばブラシ線材14の1/3〜2/3がスペーサ部材8の半径方向外側に延在する程度が妥当である。すなわち、リング部13の外周部よりも半径方向外側に延在させることにより、ブラシ線材14の根元から所定位置までの積層方向の変形を抑制してブラシ線材14の先端の変形による復元力を高めることができる。なお、スペーサ部材8は、リング部13よりも大径でなくてもよく、リング部13と同径又は小径であってもよい。
【0014】押え板9は、図7(A)(B)のように、軸部材6に装着したブラシエレメント7及びスペーサ部材8が積層方向に摺動するのを防止するための部材であって、内径を枢軸部11と略同径の円環状に形成すると共に、内周面に雄螺子部12と螺合する雌螺子部15を形成した部材である。また、図3のように、押え板9の直ぐ内側にブラシエレメント7が装着されている場合には、外径をスペーサ部材8又はリング部13のうち大径のものと対応して形成するのが望ましい。なお、押え板9の直ぐ内側にスペーサ部材8が装着されている場合には、押え板9の外形はスペーサ部材8と同径又はそれより小寸に形成すればよい。
【0015】本発明は前述の如く構成され、ブラシエレメント7相互間にスペーサ部材8を装着したので、ブラシ線材14の先端がブラシエレメント7の積層方向に変形するための微小隙間を確保でき、歯ブラシ1の操作方向の違いによるブラッシング性能のばらつきを抑制することができる。
【0016】また、ブラシエレメント7相互間に所定の隙間が形成されているから、従来の歯ブラシ21と比較してブラシユニット3に詰まったゴミを除去しやすいというメンテナンス上の利点もある。
【0017】以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば柄部材2の形状や装着部3の形状、ブラシエレメント7及びスペーサ部材8を軸部材6に固定する構造、或いはブラシエレメント7及びスペーサ部材8の個数や大きさなど、適宜変更してもよい。また、ブラシエレメント7は、全体として円盤状であればよく、必ずしもリング部13を円盤状に形成しなければならない訳ではない。さらに、個々のブラシエレメント7の径は相違していてもよい。
【0018】また、ブラシユニット3を装着部5に取付ける構造も適宜変更可能で、例えば軸部材6を軸孔5cに固定し、ブラシエレメント7自体が回転するような構造であってもよい。かかる場合にはブラシ装着部10の軸心直角断面形状及びブラシエレメント7の内形状が円形状になる。さらに、スペーサ部材8は、軸部材6と一体に成形してもよく、かかる場合にはブラシエレメント7を半円環状に形成して当該半円環状のブラシエレメント(図示略)を2つ一組として軸部材6の所定位置に接着又は溶着などの適当な手法で取付ければよい。
【0019】
【発明の効果】本発明は前述の如く、ブラシエレメント相互間にスペーサ部材を設けたので、ブラシ線材の先端が積層方向に変形するための微小隙間を確保でき、歯ブラシの操作方向の違いによるブラッシング性能のばらつきを抑制することができる。
【出願人】 【識別番号】502172021
【氏名又は名称】アイザ・プランニング株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市浪速区桜川2丁目3番28号
【出願日】 平成14年5月14日(2002.5.14)
【代理人】 【識別番号】100064584
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 省吾 (外5名)
【公開番号】 特開2003−325229(P2003−325229A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−138622(P2002−138622)