| 【発明の名称】 |
人体硬質表面部用ブラシ |
| 【発明者】 |
【氏名】本田康文
【氏名】河田俊嗣
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| 【要約】 |
【課題】歯の表面には大きさが約1マイクロメートルの無数の凹部が存在しており同部に色素が入り込むが,従来のブラシや歯磨剤はこの凹部の大きさよりも大きいため入り込むことは不可能である.本発明では,この凹部に入り込める歯ブラシを提供する.
【解決手段】歯ブラシは,樹脂成形された本体15と,第1実施例で述べたメラミンフォームで構成されたブラシ部材13とからなっている.本体15には,電動モータを組み込んだ使用者が手に持つ駆動部17に嵌合取付けする着脱部16と,ブラシ部材13を固着する取付け部14が形成されている.取付け部14には複数の段部が形成され,発泡体13の内部に差し込んだ状態で発泡体を接着剤で接着固定されている.発泡体13の取付け部14を着脱部16から伸びる柄の部分よりも大径とすることにより発泡体13との接着を確実にすることが可能となる.また,この発泡体は柔らかいために歯を傷つけることがない. |
【特許請求の範囲】
【請求項1】歯など人体の硬質表面部に接触させて汚れを除去するブラシ部材と,このブラシ部材を取り付ける支持部材とを有するブラシにおいて,ブラシ部材を支持部材に固着した樹脂性発泡体で構成するとともに,この樹脂性発泡体の気泡と気泡を隔離するの構成壁の厚さを平均0.5マイクロメートル以下とし,この構成壁が人体硬質表面部の微細凹部に入り込んだ汚れを機械的にかき出す機能を有するものとしたことを特徴とする人体硬質表面部用ブラシ. 【請求項2】樹脂性発泡体がメラミンフォームで,構成壁の厚さが平均0.2マイクロメートル以下であることを特徴とする請求項1記載の人体硬質表面部用ブラシ. 【請求項3】支持部材に樹脂性発泡体を固着する取付部と,ブラシを駆動する駆動源に係合させる係合部とを設けるとともに,樹脂性発泡体の取付部への固着を接着剤でなしたことを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載の人体硬質表面部用ブラシ. 【請求項4】支持部材を樹脂で構成するとともに,その取付部に段部を形成し,この段部が樹脂性発泡体の内部に嵌入された状態で支持部材と樹脂性発泡体が固着されていることを特徴とする請求項1及び請求項3記載の人体硬質表面部用ブラシ.
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は歯科分野におけるブラッシングに係り,特に歯に対する生体外由来のタバコのヤニやコーヒー,紅茶,緑茶等による後天的な着色に対して好適な着色除去機能を発揮するブラシに関する.さらに,爪などの体表表皮角化部の汚れなどにも効果を発揮する. 【0002】 【従来の技術】人体の硬質部表面の中でも特に歯の表面の着色は目立ち,日常においてもあるいは歯科臨床においてもこれを気にする患者は少なくない.図1〜3に示すように,歯は,エナメル質1,象牙質2,歯髄3よりなり,その表面部であるエナメル質1は基本的にはエナメル象牙境から表面に向かって放射状に走る数百万本の柱状のエナメル小柱4から構成されており,このエナメル小柱4はエナメル芽細胞のトームス突起の出現によって形成される.しかし,小柱の起源となるエナメル芽細胞は,歯の萌出後,咬耗などにより消失する運命にあり,エナメル質表面6すなわち歯の表面6には外径が平均1マイクロメートルの凹部,穴5が無数に形成される. 【0003】歯の色の変化は,歯の表面への沈着物,歯の表面への着色あるいは歯の硬組織内への着色,歯質の色調変化による狭義の変色がある.これらの原因は大きく2つに分けられる.前者は生体外由来,すなわちタバコのヤニやコーヒー,紅茶,緑茶に含まれる色素などの外因性因子による後天的な着色であるのに対し,後者は生体内由来,すなわち歯髄壊死や先天異常あるいは胎児期に母親が摂取したテトラサイクリンなどの抗生物質による内因性因子である.このような歯の色の変化の中でも日常的に患者が気にされるものは,主に外因性因子による歯の表面への沈着物や着色であることは臨床現場あるいは市販されている様々な種類の歯磨き剤を見ても明らかである. 【0004】従来,歯の表面の外因性因子による後天的な着色に対しては,歯磨剤を含んだペーストと歯ブラシを用いることによるブラッシングか,あるいは歯科医院での歯磨剤を含んだペーストとラバーカップあるいはロビンソンブラシを装着した歯科用コントラアングルを用いたブラッシング,さらには研磨パウダーを水と同時に勢いよく吹きかけるエアーブラスト装置(特開平9-276292参照)などにより一応の着色除去効果が得られる. 【0005】 【発明が解決しようとする課題】歯科治療のために歯科医院あるいは大学病院などを訪れる患者の中にも従来の方法でのブラッシングでは除去できない歯の表面の着色を気にしている方が多くいる.本発明は,このような歯の表面の着色を誰もが容易に除去できるブラシを提供することを課題とする. 【0006】歯の表面には先に述べた様に大きさが平均1マイクロメートルの凹部が無数に存在し,この凹部に色素などが沈着しそれが広範囲に及ぶと目に見える着色となる.この着色に対して,従来の方法では一様の着色除去効果は得られるものの,歯ブラシの毛先や歯磨剤粒子の大きさがこの凹部よりも大きいため,同部に入り込んだ着色を除去することは極めて困難であるという問題点と,この着色を無理に除去しようとするために長時間のブラッシングを要し,結果としてブラシの毛先や歯磨剤により歯の表面を傷つけてしまうかあるいは従来の方法で着色が除去できたとしても歯磨剤や歯ブラシの毛先で凹部の底部と同じレベルまで歯を削ってしまうという問題点があった.本発明は,歯の表面の無数に存在する微細な凹部に沈着した物でも,その表面を削ることなく除去できるブラシを提供することを目的とするものである. 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題を解決する,歯など人体の硬質表面部に接触させて汚れを除去するブラシ部材と,このブラシ部材を取り付ける支持部材とを有するブラシにおいて,ブラシ部材を支持部材に固着した樹脂性発泡体で構成するとともに,この樹脂性発泡体の気泡と気泡を隔離するの構成壁の厚さを平均0.5マイクロメートル以下とし,この構成壁が人体硬質表面部の微細凹部に入り込んだ汚れを機械的にかき出す機能を有するものとしたことを特徴とする人体硬質表面部用ブラシを提供するものである. 【0008】 【発明の実施の形態】以下,本発明の実施例を図4〜図7に基づいて説明する. 【0009】第5図は,本発明の第1実施例を示すもので,使い捨ての手用歯ブラシの側面図である.この歯ブラシは,ブラシ部9,ブラシを支持する支持部10,使用者が手に持つ把持部11より構成される.樹脂製の一体物の本体と,そのブラシ部9に接着剤により固着された樹脂性発泡体で形成されたブラシ部材とから構成されている.この発泡体には,メラミンをフェノールや尿素等の架橋剤を用いることにより形成されたメラミンフォームで,その構造は図4に示すようになっている.このメラミンフォームは,気泡7の間の隔壁,すなわちフォーム構成壁の厚さ8が,歯の表面にある微細な凹部(図3の5)より充分小さく,平均0.5マイクロメートル以下,好ましくは平均0.2マイクロメートル以下に形成されている.使用者が,把持部11を持ってブラシ部材に水を含ませ歯の表面に当てブラッシングをすると,発泡体の薄い構成壁が歯の微細な穴に入り込み,凹部内の着色あるいは沈着物を機械的にかき出す.また,この発泡体は柔らかいために歯を傷つけることがない.さらに,この発泡体は使用するごとに磨耗して減っていくために使い捨てである.発泡体の磨耗により生じた断片は,使用後うがいをすることにより吐き出される.さらに,この発泡体に香料などを含ませることが可能である. 【0010】第6図は,本発明の第2実施例を示すもので,電動歯ブラシの交換用使い捨て歯ブラシを示すものである.歯ブラシは,樹脂成形された本体15と,第1実施例で述べたメラミンフォームで構成されたブラシ部材13とからなっている.本体15には,電動モータを組み込んだ使用者が手に持つ駆動部17に嵌合取付けする着脱部16と,ブラシ部材13を固着する取付け部14が形成されている.取付け部14には複数の段部が形成され,発泡体13の内部に差し込んだ状態で発泡体を接着剤で接着固定されている.発泡体13の取付け部14を着脱部16から伸びる柄の部分よりも大径とすることにより発泡体13との接着を確実にすることが可能となる.また,この発泡体は柔らかいために歯を傷つけることがない.さらに,この発泡体は使用するごとに磨耗して減っていくために,ブラシ部材13とそれを固着する取付け部14を着脱部16から外し交換する.発泡体の磨耗により生じた断片は,使用後うがいをすることにより吐き出される.さらに,この発泡体に香料などを含ませることが可能である. 【0011】第7図は,本発明の第3実施例を示すもので,歯科用コントラアングルに装着する交換用使い捨て歯ブラシを示すものである.歯ブラシは,プラスチックで成形されたプラスチックバー19と第1実施例で述べたメラミンフォームで構成されたブラシ部材18とからなっている.プラスチックバー19には複数の段部が形成されており,発泡体18の内部に差し込んだ状態で発泡体と接着剤で接着固定されている.段部をバー19の径よりも大径とすることにより発泡体18との接着を確実にすることが可能となる.歯科用コントラアングル本体20〜22はブラシ18, 19を装着するためのヘッド部20,モータを組み込んだ術者が手に持つ把持部21,モータコード部と接続するための着脱部22からなる.ブラシ部18, 19は,コントラアングル本体のヘッド部20に,ラウンドバーやフィッシャーバーなどと同様に嵌合固定される.この発泡体18は使用するごとに磨耗して減っていくために,ブラシ部18, 19はヘッド部ら外し患者ごとに交換するため衛生的である.発泡体が磨耗するため断片が生じるが,術中は歯科用バキュームを使用するために吸引され,かつ施術後うがいをすることにより吐き出される.さらに,この発泡体に香料などを含ませることが可能である. 【0012】 【発明の実施の形態】以下,本発明の実施例の実験結果を図8から図12に基づいて説明する. 【0013】本実験の対象歯としては,外因性着色を有する抜去下顎前歯あるいは大臼歯を用いた. 【0014】本実験では,図6に示す電動歯ブラシを用いた.この電動歯ブラシは,樹脂成形された本体15と,第1実施例で述べたメラミンフォームで構成されたブラシ部材13とからなっている.本体15には,電動モータを組み込んだ使用者が手に持つ駆動部17に嵌合取付けする着脱部16と,ブラシ部材13を固着する取付け部14が形成されている.取付け部14には複数の段部が形成され,発泡体13の内部に差し込んだ状態で発泡体を接着剤で接着固定されている. 【0015】ブラシ部材として先に述べた樹脂性発泡体を1.3 cm x 1.3 cm x 3.0 cmのブロックにしたものを使用した. 【0016】ブラシ部材としての樹脂性発泡体の中央部に設けてある直径0.6 cm高さ2.5 cmの筒状の穴に支持部先端を挿入し,ブラッシング時に樹脂性発泡体が回転したり,抜け出したりしないように支持部と樹脂性発泡体は固着した.また固着力を強くするために,支持部の先端は14のように作製し,固着剤が支持部先端に接する表面積を増加させてある. 【0017】人体硬質表面部用ブラシを用いた対象歯の着色除去効果の検討を行った.抜去歯(下顎切歯)の唇側面着色部に対して,樹脂性発泡体を装着した電動歯ブラシにより,ブラッシング圧は40〜50 gとして,0, 15, 30, 45, 60秒および60秒以上(60秒後より約2分間)ブラッシングを行い,それぞれの時間における着色除去効果を実体顕微鏡を用いて,弱拡,中等度,強拡の3種類の拡大率で写真撮影し観察した. 【0018】樹脂性発泡体の使用による歯の表面へのダメージを検討するために,ブラッシング後の歯の表面像を実体顕微鏡を用いて,強拡大率にて写真撮影し観察した. 【0019】人体硬質表面部用ブラシを用いた対象歯の着色除去について(図8) 樹脂性発泡体を装着した電動歯ブラシで,唇側面に着色を有する抜去下顎前歯のブラッシングを行ったところ,15秒でかなり着色は除去され時間とともに除去効果も増大した.トータル180秒のブラッシングでほぼ完全に着色は除去された.しかし,実質欠損部には大きな凹凸面が存在し,着色を十分に除去することは困難であった(図8-21).使用後の樹脂性発泡体にはわずかに茶褐色の着色物が付着しており,消しゴムのように樹脂性発泡体が小さくなっていることが認められた. 【0020】樹脂性発泡体の歯の表面への影響について樹脂性発泡体によるブラッシング後に,実体顕微鏡で歯の表面の着色を観察していた際,一部に傷のようなものが認められた.元々ついていたものか,メラミンフォームを使用したことによりできたものかは定かではなかった.実験時は,横磨きを行っており,これによりできたものかも知れないために,縦磨きも同様に行ったが縦の傷は認められなかった. 【0021】樹脂性発泡体による着色除去効果の数値化について着色除去効果を明らかにするために,図8の0, 15, 30, 45, 60秒および60秒以上のそれぞれの強拡写真をトレーシングペーパーにトレースし,それを画像スキャナーにて取り込み,画像解析ソフトウェア(NIH image)を用いることにより数値化し,クリケット・グラフ(cricket graph)を用いてグラフ化した.図9は樹脂性発泡体による着色除去効果(下顎前歯)をグラフにて示している.0秒での歯面の着色度が91.6%であったのに対し,15秒ではそれが29.4%,30秒で27.0%,45秒で20.9%,60秒で9.5%,180秒で0.4%となった.15秒でかなり着色は除去され時間とともに除去効果も増大した.トータル180秒のブラッシングでほぼ完全に着色は除去された(図9). 【0022】歯磨剤ペーストを用いたブラッシングと樹脂性発泡体を用いたブラッシングとの着色除去効果の比較について抜去歯(下顎大臼歯)の頬面着色部に対して,歯磨剤入りペーストを用いたブラッシングとメラミンフォームを用いたブラッシングとの着色除去効果の違いについて検討を行った.まず,電動歯ブラシのブラシ部には従来のブラシがついたものを装着し,毛先に小豆大の歯磨剤入りペーストを盛った.前実験と同様に,ブラッシング圧は40〜50 gとし,0, 15, 30, 45, 60秒および60秒以上(60秒後より約2分間)ブラッシングを行った.それぞれの時間における着色除去効果は,実体顕微鏡を用いて,弱拡,中等度,強拡の3種類の拡大率で写真撮影し観察した.次に,電動歯ブラシの支持部(ブラシ部を含む)を樹脂性発泡体を装着したものに交換し,前実験で用いたものと同じ歯,同じ部位に対してブラッシングを60秒以上(約3分間)行い,着色除去効果は,実体顕微鏡を用いて,弱拡,中等度,強拡の3種類の拡大率で写真撮影し観察した.なお,この場合は歯磨剤入りペーストは用いず,水を含ませただけである. 【0023】歯磨剤ペーストを用いたブラッシングとメラミンフォームを用いたブラッシングとの着色除去効果の比較について(図10) 従来のブラシ部を装着した電動歯ブラシに歯磨剤入りのペーストを盛り,頬側面に着色を有する抜去下顎大臼歯のブラッシングを行ったところ,30秒まではほとんど変化が認められなかったが,45秒でわずかに着色が除去され,それ以降はほとんど変化がなかった.引き続き,電動歯ブラシのブラシ部を樹脂性発泡体を装着したものに交換して3分間ブラッシングを行ったところ,完全除去には至らなかったものの,かなりの着色除去効果が認められた(図11). 【0024】抜去下顎大臼歯に対する歯磨剤入りペーストを用いた電動歯ブラシによる着色除去効果と樹脂性発泡体による着色除去効果の数値化について着色除去効果を明らかにするために,図10の0, 15, 30, 45, 60秒および60秒以上のそれぞれの強拡写真をトレーシングペーパーにトレースし,それを画像スキャナーにて取り込み,画像解析ソフトウェア(NIH image)を用いることにより数値化し,クリケット・グラフ(cricket graph)を用いてグラフ化した.歯磨剤入りペーストを用いた電動歯ブラシによる着色除去効果(下顎大臼歯)および樹脂性発泡体による着色除去効果をグラフにて示す.0秒での歯面の着色度が64.5%であったのに対し,15秒,30秒ではそれそれぞれ56.5%,57.3%とわずかに低下した.45秒で42.0%,60秒で40.5%,180秒でも32%(約1/2)までにとどまった.しかしながら,その後樹脂性発泡体を用いてブラッシングすることによりトータル180秒のブラッシングで着色度は11.1%(約1/3)にまで減少した(図12). 【0025】 【発明の効果】本発明のブラシによれば,歯などの表面を傷つけることなく汚れを効果的に落とすことができる.
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| 【出願人】 |
【識別番号】302013210 【氏名又は名称】本田 康文 【識別番号】302013195 【氏名又は名称】河田 俊嗣
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| 【出願日】 |
平成14年4月24日(2002.4.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−310352(P2003−310352A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−122498(P2002−122498) |
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