| 【発明の名称】 |
再生ロール状ブラシの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】大原 康之 【住所又は居所】愛知県知立市牛田町裏新切43番地1 槌屋ティスコ 株式会社内
【氏名】三好 康弘 【住所又は居所】愛知県知立市牛田町裏新切43番地1 槌屋ティスコ 株式会社内
【氏名】松本 信行 【住所又は居所】愛知県知立市牛田町裏新切43番地1 槌屋ティスコ 株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】使用済みロール状ブラシを再利用することができ、資源の有効利用を図ることができる再生ロール状ブラシの製造方法を提供する。
【解決手段】交換後、回収された使用済みのブラシ20には除去処理が施され、ベロア材22のパイル糸24に付着した微細粉粒体が除去されるようになっている。除去処理が施された後、ブラシ20には一次起毛処理が施されている。この一次起毛処理は、外周面上に複数本の針34が突設された起毛ローラ31にブラシ20を回転させながら摺接させ、パイル糸24を引っ掻くことにより行われており、使用時に毛倒れしたパイル糸24は一次起毛処理で起毛されている。そして、一次起毛処理後のブラシ20のパイル糸24を捌いてその形態を整え、毛先を切り揃えることによって再生ロール状ブラシが製造されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基布及び同基布上に起毛されたパイル糸を備える帯状をなすベロア材を支軸の周面に巻回して形成され、画像形成装置内で微細粉粒体に接触する可動体に前記パイル糸を接触させた状態で回転可能に支持されて使用された使用済みロール状ブラシに対し、ベロア材に付着した微細粉粒体を除去するための除去処理と、毛倒れしたパイル糸を起毛させるための起毛処理とを施して製造することを特徴とする再生ロール状ブラシの製造方法。 【請求項2】 前記除去処理及び起毛処理を施した後、パイル糸の毛先を切り揃えるためのシャーリング加工を施すことを特徴とする請求項1に記載の再生ロール状ブラシの製造方法。 【請求項3】 前記除去処理を微細粉粒体に帯電した静電気を消去するために除電雰囲気下で施すことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の再生ロール状ブラシの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えば画像形成装置内に設けられたクリーニングブラシ、帯電ブラシ、現像ブラシ等のロール状ブラシのうち、回収された使用済みロール状ブラシを再生して製造される再生ロール状ブラシの製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、上記ロール状ブラシは、基布及び同基布上に起毛されたパイル糸を備える帯状をなすベロア材を、表面がニッケルメッキされた鉄、アルミニウム等の金属よりなり、表面に接着剤が塗布された丸棒よりなる支軸の表面に螺旋状をなすように巻回し、接着して形成されている。当該ロール状ブラシは、パイル糸の先端を感光ドラムの表面に摺接させながら回転することにより、それぞれ特有の機能を発揮するようになっている。このロール状ブラシは消耗品であり、パイル糸が感光ドラムに摺接された状態が長期間続くことによりパイル糸が毛倒れしたり、パイル糸にトナーが固着したり等してその機能を十分に発揮することができなくなる。このため、ロール状ブラシは定期的に新たなものと交換されるようになっている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のように画像形成装置内から回収された使用済みロール状ブラシは回収コスト、再生コスト等を合わせた製造コストが嵩む等の理由により、現在のところ再利用はされておらずそのまま廃棄されている。しかし、近年では省資源化が重要な課題となっており、従来であれば廃棄物とされていたものを再利用することによって資源の有効利用が図られている。そして、ロール状ブラシにおいても、資源の有効利用を図るためには使用済みのものを廃棄することなく、再利用する必要があった。 【0004】この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、使用済みロール状ブラシを再利用することができ、資源の有効利用を図ることができる再生ロール状ブラシの製造方法を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の再生ロール状ブラシの製造方法の発明は、基布及び同基布上に起毛されたパイル糸を備える帯状をなすベロア材を支軸の周面に巻回して形成され、画像形成装置内で微細粉粒体に接触する可動体に前記パイル糸を接触させた状態で回転可能に支持されて使用された使用済みロール状ブラシに対し、ベロア材に付着した微細粉粒体を除去するための除去処理と、毛倒れしたパイル糸を起毛させるための起毛処理とを施して製造することを特徴とするものである。 【0006】請求項2に記載の再生ロール状ブラシの製造方法の発明は、請求項1に記載の発明において、前記除去処理及び起毛処理を施した後、パイル糸の毛先を切り揃えるためのシャーリング加工を施すことを特徴とするものである。 【0007】請求項3に記載の再生ロール状ブラシの製造方法の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記除去処理を微細粉粒体に帯電した静電気を消去するように除電雰囲気下で施すことを特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。まず、ロール状ブラシを使用する画像形成装置の構成について説明する。 【0009】図5は画像形成装置を概念的に示した図である。画像形成装置内において可動体としての感光ドラム11は支持軸11aにより回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。感光ドラム11の周囲にはその上方位置から回転方向に向かって順番に帯電部12、露光部13、現像部14、転写部16、クリーニング部18が配設されている。前記帯電部12、現像部14及びクリーニング部18には、ロール状ブラシより形成された帯電ブラシ12a、現像ブラシ14a及びクリーニングブラシ18aがそれぞれ内装されている。これら帯電ブラシ12a、現像ブラシ14a及びクリーニングブラシ18aは、それぞれの表面を感光ドラム11の表面に摺接させながら回転することができるように各部内に支持されている。 【0010】感光ドラム11の表面は、帯電ブラシ12aにより帯電されて露光部13により静電潜像が形成された後、現像ブラシ14aから微細粉粒体としてのトナー15が供給される。そして、転写部16で感光ドラム11及び転写部16間に供給された記録用紙17にトナー15による可視像が転写された後、クリーニングブラシ18aにより感光ドラム11の表面に残留するトナー15が除去されるとともに、残留する電荷が消去されて除電される。つまり、ロール状ブラシより形成された帯電ブラシ12a、現像ブラシ14a及びクリーニングブラシ18aは、感光ドラム11の帯電、トナー15の供給及びトナー15の除去と除電のようなそれぞれ特有の機能を発揮するようになっている。 【0011】次に、ロール状ブラシの構成について説明する。図3及び図4に示すように、ロール状ブラシ20(以下、単にブラシ20とも記載する)はアルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキされた鉄等の金属製の丸棒よりなる支軸21と、同支軸21の表面に接合された帯状をなすベロア材22とから構成されている。このベロア材22は、織布よりなる基布23と、同基布23に対してその表面で起毛するようにパイル織りで織り込まれた複数本のパイル糸24とを備えている。ベロア材22の基布23及びパイル糸24には動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有する、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素樹脂等よりなる合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維等が用いられる。特に、帯電ブラシ12a、クリーニングブラシ18a等のようにブラシ20が帯電機能、除電機能等を必要とする場合には、繊維に導電性を付与した導電性繊維が用いられる。また、基布23の裏面には合成樹脂製のコーティング剤より形成されたコーティング層25が設けられている。そして、当該ブラシ20は、支軸21の表面に接着剤を塗布し、その上にベロア材22を螺旋状をなすように巻回することによりロール状に形成されている。 【0012】上記ブラシ20は、ベロア材22のパイル糸24の先端を感光ドラム11の表面に摺接させながら回転することにより、前に挙げたような特有の機能を発揮するようになっている。同ブラシ20は、感光ドラム11に摺接された状態が長期間続くことにより、パイル糸24が毛倒れしたり、パイル糸24にトナー15が付着したり等してパイル糸24がその機能を十分に発揮することができなくなる。このため、ブラシ20は定期的に新たなものと交換されるようになっている。そして、画像形成装置内から回収された使用済みのブラシ20は、再生ロール状ブラシを製造するために再利用され、当該再生ロール状ブラシが新たなブラシ20として画像形成装置で利用される。 【0013】次いで、上記の再生ロール状ブラシの製造方法について説明する。再生ロール状ブラシは、使用済みのブラシ20に対して再生処理を施すことによって製造されている。当該再生処理は、使用済みのブラシ20に対し除去処理を施す工程と、使用済みのブラシ20に対し起毛処理を施す工程と、除去処理及び起毛処理を施した後のブラシ20に対しシャーリング加工を施す工程とを備えている。 【0014】前記除去処理は、エアーブロー装置又は真空吸引装置を使用して施される。このエアーブロー装置は、使用済みのブラシ20に対し、所定圧力のエアーを吹き掛けるためのものである。これとは逆に、真空吸引装置は、使用済みのブラシ20に対し真空吸引を行うためのものである。そして、エアーブロー装置又は真空吸引装置によりエアーの吹き掛け又は真空吸引が行なわれた使用済みのブラシ20からは、そのベロア材22に付着した微細粉粒体が除去される。 【0015】前記エアーブロー装置を使用して除去処理を施す場合、ブラシ20の全体にエアーを吹き掛ける方法と、ブラシ20の一部にエアーを吹き掛ける方法とが必要に応じて選択される。例えば、前に挙げた現像ブラシ14a及びクリーニングブラシ18aは常時トナー15が接触されるため、ブラシ20の全体にエアーを吹き掛ける方法が好ましく、帯電ブラシ12aはトナー15に接触する機会が少ないことから一部にエアーを吹き掛ける方法が好ましい。エアーを吹き掛ける方向は、ブラシ20の軸線方向に沿う方向とすることが好ましい。これはブラシ20の径方向からエアーを吹き掛けた場合、吹き飛ばされた微細粉粒体がベロア材22の表層から内奥へと入り込んでしまうおそれがあるためである。 【0016】吹き掛けるエアーは冷風及び温風のいずれであってもよい。特に、この除去処理の工程で微細粉粒体を除去するのみならず、パイル糸24の毛起こしも行う場合には温風を使用することが好ましい。この場合、エアーの温度は、好ましくは60〜100℃である。温度が60℃未満の場合、パイル糸24を十分に毛起こしすることができないおそれがある。100℃より高い場合、パイル糸24が熱変形してしまうおそれがあり、却ってパイル糸24の並びの不揃い、毛倒れ等の不具合を発生してしまったり、微細粉粒体のうちトナー15がパイル糸24に再付着してしまったり等する可能性がある。 【0017】吹き掛けるエアーの圧力は、好ましくは0.098〜0.5MPaである。圧力が0.098MPa未満の場合、微細粉粒体を十分に除去することができず、0.5MPaより高くしてもこれ以上は微細粉粒体の除去能力は向上せず、却ってパイル糸24の並びが不揃いになったり、パイル糸24が抜けたりする等の不具合を生じるおそれがある。また、エアーを吹き掛ける時間は、好ましくは5〜200秒である。時間を5秒未満とした場合、微細粉粒体を十分に除去することができず、200秒より長くしてもこれ以上は微細粉粒体の除去能力は向上せず、却って製造時間が長くなることにより生産量が低下したり、製造コストが嵩む等の不具合を生じるおそれがある。 【0018】当該除去処理で除去される微細粉粒体には、前に挙げたトナー15以外に紙粉、ステアリン酸亜鉛等よりなる研磨材、塵埃、ベロア材22の特にパイル糸24から発生する毛屑等も含まれる。画像形成装置内でこれら微細粉粒体には高い割合で静電気が帯電されており、エアーの吹き掛け及び真空吸引のみでは微細粉粒体を十分に除去することができなくなるおそれがある。このため、除去処理は除電雰囲気下で施すことが好ましい。除去処理を除電雰囲気下で施す方法には、微細粉粒体が帯電された極性と異なる極性になるようにブラシ20を正極性又は負極性に帯電させる方法と、空気をイオン化するためのエアーイオナイザー等を使用し、除去処理を施すための装置内部、作業台上等を除電する方法とが挙げられる。特に、エアーの吹き掛けにより除去処理を施す場合には、微細粉粒体が帯電された極性と異なる極性になるように吹き掛けるエアーをイオン化し、除電効果を付与する方法も挙げられる。 【0019】前記起毛処理は、除去処理の後で使用済みのブラシ20に施され、毛倒れしたパイル糸24を起毛させるために行われる。この起毛処理は、パイル糸24を針状体で引っ掻いて大まかに起毛させるための一次起毛処理を施す工程と、水蒸気の熱と圧力を利用してパイル糸24を捌きつつ、その斜毛方向、並び、形状等を整えながら起毛させるための二次起毛処理を施す工程とを備えている。この実施形態では使用済みのブラシ20に対し、一次起毛処理を施した後、二次起毛処理を施すものとする。 【0020】図1(a),(b)は、一次起毛処理で使用される針状体としての起毛ローラ31を示す概略図である。起毛ローラ31は、回転軸32により回転可能に支持された円筒状をなすドラム33と、同ドラム33の外周面上から突設された複数本の針34とから構成されている。この針34は、鉄、銅、ステンレス鋼等の金属を用いて形成してもよいし、あるいはポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル等の合成樹脂を用いて形成してもよい。当該起毛ローラ31は、図示しない駆動機構により回転軸32を中心に所定の回転速度で回転可能に構成されている。起毛ローラ31の両側部前方にはそれぞれ回転移動装置35が配設されるとともに、両回転移動装置35の間には、使用済みのブラシ20が支持されている。これら回転移動装置35は、図示しない駆動機構が内装されており、使用済みのブラシ20を一定方向(図1(b)中では時計方向)に回転させるようになっている。 【0021】両回転移動装置35は、起毛ローラ31に対して使用済みのブラシ20を接近及び離間させることができるように構成されている。回転移動装置35により起毛ローラ31に接近した状態で、使用済みのブラシ20は起毛ローラ31の針34の先端にパイル糸24を接触させることができるように配設される。そして、この状態で回転する起毛ローラ31に対し、使用済みのブラシ20が回転することにより、起毛ローラ31の針34にパイル糸24が引っ掻かれ、起毛されるようになっている。 【0022】起毛ローラ31において、針34の線径は、好ましくは0.02〜2mmである。線径が0.02mm未満の場合、針34の強度が十分でなくパイル糸24を引っ掻くときに折れるおそれがあり、2mmより太い場合、パイル糸24を引っ掻くことができなくなるおそれがある。ドラム33の外周面上からの針34の高さは、好ましくは2mm以上である。高さが2mm未満の場合、パイル糸24を十分に引っ掻いて起毛させることができなくなるおそれがある。ドラム33の外周面上における針34の密度は、好ましくは10〜10000本/cm2である。密度が10本/cm2未満の場合、パイル糸24を十分に引っ掻くことができず、10000本/cm2より多い場合、パイル糸24の抜け、切れ等のような不具合が発生してしまうおそれがある。 【0023】一次起毛処理を行う際、起毛ローラ31は必要に応じて使用済みのブラシ20と同じ方向又は異なる方向に回転するように切り換えられる。例えば、パイル糸24が毛倒れした方向に使用済みのブラシ20が回転する場合、使用済みのブラシ20が酷く毛倒れした状態ならば、起毛ローラ31はパイル糸24を毛羽立たせるように使用済みのブラシ20と同じ方向に回転される。これとは逆に、使用済みのブラシ20が若干程度毛倒れした状態ならば、起毛ローラ31はパイル糸24を撫で付けるように使用済みのブラシ20と異なる方向に回転される。 【0024】起毛ローラ31の回転数は3000rpm以下とすることが好ましい。回転数を3000rpmより多くするとパイル糸24の抜け、切れ等のような不具合を生じるおそれがある。起毛ローラ31の回転数は毛倒れの程度に応じて調整され、その下限は特に規定されないが、起毛ローラ31の回転を停止させ、ブラシ20のみを回転させても一次起毛処理を行うことが可能であることから0rpmである。 【0025】一次起毛処理を施される使用済みのブラシ20は、パイル糸24の全てがブラシ20の回転方向に沿って毛倒れしているとは限らず、一部のパイル糸24がブラシ20の軸線方向に沿うようにして毛倒れしている可能性がある。このような場合、パイル糸24が十分に起毛されていない箇所が発生し、当該箇所が不良となってしまうおそれがある。このため、使用済みのブラシ20は前記回転移動装置35により、その軸線方向に沿って往復動することができるように構成されている。そして、使用済みのブラシ20を回転及び往復動させながら起毛ローラ31に摺接させることにより、パイル糸24をその全体がほぼ一定方向に延びるように起毛させることが可能となる。 【0026】図2(a)は、使用済みのブラシ20に二次起毛処理を施す状態を示す概略図である。二次起毛処理は、前に挙げた一対の回転移動装置35の間に使用済みのブラシ20を支持し、同ブラシ20を一定方向に回転させながらブラシ20の表面にノズル36から所定圧力の水蒸気を吹き掛けて施される。水蒸気が吹き掛けられた使用済みのブラシ20は、パイル糸24が捌かれることによってその絡みを取り除かれるとともに、水蒸気による外力と熱エネルギーによってパイル糸24の斜毛方向、並び、形状等が整えられ、起毛される。 【0027】この二次起毛処理を施す場合、ブラシ20の全体に水蒸気を吹き掛ける方法と、ブラシ20の一部に水蒸気を吹き掛ける方法とがあり、パイル糸24の毛倒れの状態に応じて選択される。水蒸気を吹き掛ける方向は、ブラシ20の軸線方向に沿う方向とすることが好ましい。これはブラシ20の径方向から水蒸気を吹き掛けた場合、却ってパイル糸24が毛倒れしてしまうおそれがある。ブラシ20の回転数は3000〜10000rpmとすることが好ましい。回転数を3000rpm未満とするとパイル糸24を十分に起毛させることができず、10000rpmより多くするとパイル糸24の並びの不揃い、毛倒れ等の不具合を生じるおそれがある。 【0028】吹き掛ける水蒸気の温度は、好ましくは80〜100℃である。温度が80℃未満の場合、パイル糸24を十分に起毛させることができず、100℃より高い場合、パイル糸24が熱変形してしまうおそれがあり、却ってパイル糸24の並びの不揃い、毛倒れ等の不具合を発生してしまう可能性がある。水蒸気の圧力は、好ましくは0.098〜0.5MPaである。圧力が0.098MPa未満の場合、パイル糸24を十分に起毛させることができず、0.5MPaより高くした場合、却ってパイル糸24の並びが不揃いになったり、パイル糸24が抜けたりする等の不具合を生じるおそれがある。また、水蒸気を吹き掛ける時間は、好ましくは10〜120秒である。時間を10秒未満とした場合、パイル糸24を十分に起毛させることができず、120秒より長くした場合、パイル糸24を起毛させる効果は向上せず、却って製造時間が長くなることにより生産量が低下したり、製造コストが嵩む等の不具合を生じるおそれがある。 【0029】上記の起毛処理を施した後の使用済みのブラシ20は、パイル糸24の並び、基布23の表面からの立ち上がりが不均一となっているおそれがある。このような場合には一部の箇所でブラシ20の表面からパイル糸24の毛先が突出してしまうため、この突出したパイル糸24によりブラシ20全体の感光ドラム11に対する接触が不均一になってしまうおそれがある。そして、このブラシ20の表面から突出するパイル糸24をなくすため、シャーリング加工が施される。 【0030】図2(b)は、使用済みのブラシ20にシャーリング加工を施す状態を示す概略図である。シャーリング加工を施す装置は略円柱状をなすロータリー刃44を備えている。ブラシ20は前に挙げた一対の回転移動装置35の間に回転可能に支持されるとともに、ロータリー刃44に対して接近及び離間することができるように構成されている。ブラシ20がロータリー刃44に接近した状態で、ブラシ20の表面から突出したパイル糸24の毛先がロータリー刃44に接触されることにより切断され、パイル糸24の毛先が切り揃えられる。また、同シャーリング加工は、パイル糸24の毛先を切り揃える目的だけでなく、経時変化等によるパイル糸24の先端の劣化部分を取り除く目的で施してもよい。この場合、パイル糸24の先端の劣化部分がロータリー刃44に接触され、切断されるようにパイル糸24はその毛先が切り揃えられる。そして、シャーリング加工が施された使用済みのブラシ20は、再生ロール状ブラシとして再生され、同再生ロール状ブラシがその交換時に新たなブラシ20として画像形成装置内に内装される。 【0031】シャーリング加工を施す場合、ブラシ20の回転数は、好ましくは10〜500rpmであり、ロータリー刃44の回転数は、好ましくは50〜1000rpmである。それぞれの回転数を10rpm未満、50rpm未満とするとパイル糸24の毛先を十分に切り揃えることができず、500rpm、1000rpmより多くするとパイル糸24の毛先の不揃い等の不具合を生じるおそれがある。 【0032】前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。 ・ 実施形態の再生ロール状ブラシは、交換時に回収された使用済みのブラシ20を利用し、同使用済みのブラシ20に再生処理を施すことによって製造されている。この再生処理は、使用済みのブラシ20に付着したトナー15等の微細粉粒体を除去するための除去処理と、使用済みのブラシ20の毛倒れしたパイル糸24を起毛させる起毛処理とを備えている。そして、これら除去処理及び起毛処理を施すことにより、使用済みのブラシ20に新品のブラシ20とほぼ同等の機能を発揮させることが可能となる。従って、再生ロール状ブラシの材料として使用済みブラシ20を再利用することができ、資源の有効利用を図ることができる。加えて、再生ロール状ブラシの原材料は使用済みブラシ20であり、新たにベロア材22、支軸21等を製造しなくてもよいことから、その分製造コストを低減することができる。また、使用済みブラシ20を再利用することにより、使用済みブラシ20の廃棄量を抑えることができ、これを廃棄する際に嵩む処理コストの低減を図ることができる。 【0033】・ 除去処理及び起毛処理後のブラシ20にはシャーリング加工が施されている。このため、除去処理及び起毛処理でパイル糸24の並び、基布23の表面からの立ち上がりが不均一となった場合でも、その毛先を切り揃え、ブラシ20のパイル糸24の先端を感光ドラム11の表面に均一に接触させることができる。また、このとき経時変化等によるパイル糸24の先端の劣化部分を取り除くこともできる。従って、再生ロール状ブラシを使用した場合に得られる転写画像を良好なものとすることができる。 【0034】・ さらに、除去処理は、ブラシ20に付着した微細粉粒体に帯電する静電気を消去するように除電雰囲気下で行われている。このため、ブラシ20のパイル糸24に付着した微細粉粒体を静電気に影響されることなく良好かつ効率よく除去することができる。 【0035】・ 起毛処理の一次起毛処理は、回転するブラシ20を針又は櫛歯を有する針状体としての起毛ローラ31に摺接させ、そのパイル糸24を針又は櫛歯で引っ掻いて起毛することにより行われる。この一次起毛処理において、パイル糸24を引っ掻くとき、同パイル糸24は針又は櫛歯によりその根元部分から毛先までをしごかれる。そして、パイル糸24がしごかれるとき、針又は櫛歯によってベロア材22の内奥に入り込んだ微細粉粒体をベロア材22の表面に掻き出すことが可能となる。従って、一次起毛処理除去処理では、毛倒れしたパイル糸24を起毛させることができ、これに加えてベロア材22の内奥に入り込んだ微細粉粒体を掻き出し、ブラシ20の清浄度を向上させることができる。 【0036】なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。 ・ 例えば、起毛ローラ31を構成するドラム33にヒータ等を有する加熱装置を内装する等して針34を加熱し、この状態で一次起毛処理を施してもよい。このように構成した場合、針34を介してパイル糸24が加熱されることにより熱変形するため、パイル糸24を効率よく、確実に起毛させることができる。また、この場合の加熱温度は、好ましくは80℃以下である。加熱温度を80℃より高くすると、パイル糸24が必要以上に熱変形されるおそれがあり、却って毛倒れの状態が悪化するおそれがある。加熱温度の下限は特に規定されないが、加熱することなく一次起毛処理を施す場合があることから室温であり、好ましくは10〜20℃である。 【0037】・ 実施形態では使用済みのブラシ20に対し、一次起毛処理を施した後、二次起毛処理が施されているが、これに限らず使用済みのブラシ20に対し、一次起毛処理と二次起毛処理とを同時に施してもよい。すなわち、使用済みのブラシ20を起毛ローラ31に摺接させ、その針34でパイル糸24を引っ掻きながら、ノズル36から水蒸気をブラシ20の表面に吹き掛けてもよい。このように構成した場合、再生ロール状ブラシの製造時間を短縮化することができ、生産量の向上と製造コストの低減を図ることができる。 【0038】・ 例えば、帯電ブラシ12a等のように使用時には感光ドラム11に対してパイル糸24が極僅かしか接触しておらず、使用後においてもパイル糸24がほとんど毛倒れしていない使用済みのブラシ20も存在する。このように、パイル糸24がほとんど毛倒れしていない使用済みのブラシ20に対して再生処理を施す場合、起毛処理で一次起毛処理を省略し、二次起毛処理のみを施すように構成してもよい。このように構成した場合、工程を簡略化することにより、生産量の向上と製造コストの低減を図ることができる。 【0039】・ 実施形態では使用済みのブラシ20に対し、除去処理の後で起毛処理を施したが、これに限らず除去処理と起毛処理とを同時に施すように構成してもよい。例えば、ブラシ20を起毛ローラ31に摺接させながら真空吸引又はエアーの吹き掛けを行うことにより、パイル糸24を起毛させるとともに、これに付着した微細粉粒体を除去してもよい。あるいは、ブラシ20を起毛ローラ31に摺接させながら真空吸引又はエアーの吹き掛けを行うとともに、水蒸気をブラシ20の表面に吹き掛けることにより、パイル糸24の起毛と洗浄及び微細粉粒体の除去を行うように構成してもよい。 【0040】・ 例えば、起毛処理後においてパイル糸24の毛先が揃っており、ブラシ20の表面からほとんど突出していなかったり、先端部分がほとんど劣化していなかったり等するのであれば、シャーリング加工を省略し、起毛処理後のブラシ20を再生ロール状ブラシとしてもよい。このように構成した場合、シャーリング加工を省略した分、製造時間の短縮化を図ることができるとともに、製造量を向上させることができる。 【0041】・ ロール状ブラシは実施形態で挙げた帯電ブラシ12a、現像ブラシ14a及びクリーニングブラシ18aに限らず、画像形成装置に内装されているものであれば、例えば転写部16に設けられる図示しない転写ローラ等としてもよい。なお、ロール状ブラシを転写ローラとした場合、これに対する可動体は図示しない転写ベルトとなる。 【0042】・ 針状体は起毛ローラ31に限らず、例えば図6に示すように、シート状をなす基材33a上に複数本の針34が植毛された針布31a等としてもよい。この他にも、例えば平面から見て長方形状をなす板状体の長側縁から複数本の櫛歯が板状体の短手方向へ延びるように延設された櫛体等としてもよい。 【0043】さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。 (1) 前記起毛処理は、複数本の針又は櫛歯を有する針状体を使用して同針状体に使用済みロール状ブラシを回転させながら接触させ、そのパイル糸を引っ掻くことにより行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の再生ロール状ブラシの製造方法。このように構成した場合、針状体の針又は櫛歯で毛倒れしたパイル糸を引っ掻いて毛倒れしたパイル糸を起毛させることができるとともに、針又は櫛歯でパイル糸をしごいてベロア材の内奥に入り込んだ微細粉粒体を掻き出すことができる。 【0044】(2) 前記一次起毛処理は、針状体又はロール状ブラシをロール状ブラシの軸線方向に沿って移動させながら行われることを特徴とする(1)に記載の再生ロール状ブラシの製造方法。このように構成した場合、毛倒れしたパイル糸を確実に起毛させることができる。 【0045】(3) 前記針状体は、円筒状をなすドラムの外周面上に複数本の針又は櫛歯が突設された起毛ローラであり、同起毛ローラを回転させながら一次起毛処理を行うことを特徴とする(1)又は(2)に記載の再生ロール状ブラシの製造方法。このように構成した場合、針又は櫛歯が毛倒れしたパイル糸を効果的に引っ掻くことができ、これを確実に起毛させることができる。 【0046】(4) 前記起毛処理は、使用済みロール状ブラシを回転させながら水蒸気を吹き掛け、そのパイル糸を捌くことにより行われることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の再生ロール状ブラシの製造方法。このように構成した場合、パイル糸を捌くことによってその形態を整えることができる。 【0047】(5) 前記針状体を使用してパイル糸を引っ掻くことにより行われる起毛処理を一次起毛処理とし、水蒸気を吹き掛けてパイル糸を捌くことにより行われる起毛処理を二次起毛処理として、使用済みロール状ブラシに対して一次起毛処理及び二次起毛処理の両方を施すことを特徴とする(1)又は(4)に記載の再生ロール状ブラシの製造方法。このように構成した場合、一次起毛処理で起毛されたパイル糸の形態を二次起毛処理で整えることができ、起毛処理を効果的かつ効率よく行うことができる。 【0048】(6) 前記微細粉粒体が帯電された極性と異なる極性になるように、使用済みロール状ブラシを帯電させる又はイオン化された空気を吹き掛けることにより、除電雰囲気下とすることを特徴とする請求項3に記載の再生ロール状ブラシの製造方法。このように構成した場合、微細粉粒体に帯電された静電気を確実に消去することができる。 【0049】 【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明によれば、使用済みブラシを再利用することができ、資源の有効利用を図ることができる。 【0050】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、パイル糸の先端を可動体の表面に均一に接触させることができ、再生ロール状ブラシを使用した場合に得られる転写画像を良好なものとすることができる。 【0051】請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、静電気によって付着した微細粉粒体であっても良好かつ効率よく除去することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596024426 【氏名又は名称】槌屋ティスコ株式会社 【住所又は居所】愛知県知立市牛田町裏新切43番地1
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| 【出願日】 |
平成14年4月16日(2002.4.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−304932(P2003−304932A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月28日(2003.10.28) |
| 【出願番号】 |
特願2002−113694(P2002−113694) |
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