| 【発明の名称】 |
シームレス塗布具及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】笠井 孝浩 【住所又は居所】東京都板橋区赤塚2−30−6 株式会社篠原東京工場内
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| 【要約】 |
【課題】前記筋状部がなく、化粧料等の塗布に好適に使用することができる塗布具を簡易な工程によって製造することのできるシームレス塗布具及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材を加熱圧縮して形成されることを特徴とするシームレス塗布具及びその製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材を加熱圧縮して形成されることを特徴とするシームレス塗布具。 【請求項2】 前記軟質発泡性樹脂は、軟質ポリウレタンフォーム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)又はシリコーンスポンジゴムである請求項1に記載のシームレス塗布具。 【請求項3】 軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材を加熱圧縮することを特徴とするシームレス塗布具の製造方法。 【請求項4】 軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材を所定の形状に切削成形した後、加熱圧縮することを特徴とするシームレス塗布具の製造方法。 【請求項5】 軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材に、支持具装着用凹陥部を設け、所定の形状に切削成形した後、加熱圧縮することを特徴とするシームレス塗布具の製造方法。 【請求項6】 軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材に、支持具装着用凹陥部を設け、その支持具装着用凹陥部に支持具を装着し、さらに所定の形状に切削成形し、前記支持具を取り外した後、加熱圧縮することを特徴とするシームレス塗布具の製造方法。 【請求項7】 前記塗布具用樹脂材は、前記軟質発泡性樹脂から打抜切断、押出成形、又は射出成形により形成される請求項3〜6のいずれか1項に記載のシームレス塗布具の製造方法。 【請求項8】 前記軟質発泡性樹脂は、軟質ポリウレタンフォーム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)又はシリコーンスポンジゴムである請求項3〜7のいずれか1項に記載のシームレス塗布具の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、シームレス塗布具及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、使用しやすく、特に化粧料の塗布に好適なシームレス塗布具及びその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】化粧料を塗布する場合には、スポンジ状の塗布具を使用する場合が多い。例えば、ケーキ型アイシャドー等の塗布には、スポンジ状の塗布具を支持棒の先端に装着したアプリケータを使用するのが一般的である。 【0003】従来の前記塗布具の製造方法は、以下のようであった。まず、平板状のスポンジ状合成樹脂材料を2枚重ね、これに加熱した打ち抜き用型を押し付けて、所定の形状を有する前記スポンジ状合成樹脂材料の小片2枚を打ち抜くと同時に、その2枚の小片の周辺部を加熱融着させて、前記2枚の小片がその周辺部で融着して成るスポンジ材料融着体を製造する。そして、前記スポンジ材料融着体を構成する前記2枚の小片をそれぞれ二分するように、前記スポンジ材料融着体を切断することにより、その切断して形成される面に開口を備えた袋状構造を有する塗布具が製造される。また、その塗布具の前記開口からその塗布具の中に支持棒を挿入することにより、スポンジ状の塗布具を支持棒の先端に装着して成るアプリケータが製造される。 【0004】この従来の塗布具の製造方法においては、前記2枚の小片を加熱融合させることから、前記塗布具には、その加熱融合された部分に筋状部が形成される。この筋状部は、前記スポンジ状合成樹脂材料が加熱融着して成る部分であるから、もはやスポンジ状構造を有しておらず、他のスポンジ状構造を有する部分に比較して硬い。 【0005】この従来の塗布具の製造方法によって製造された塗布具を有するアプリケータを使用してアイシャドーを塗布する場合には、通常、前記塗布具の筋状部以外の柔らかいスポンジ部分にアイシャドーを付着させて、アイシャドーをまぶたに塗布する。 【0006】しかし、このとき、アイシャドーを塗布するまぶた上の部位によっては、前記筋状部がまぶたに触れる場合がある。前述のようにこの筋状部は硬いので、前記筋状部がまぶたに触れると、使用者は不快感を覚える。また、前記筋状部には、アイシャドーが付着しにくいので、前記筋状部がまぶたに触れると、前記筋状部が触れたまぶた上の部分にはアイシャドーが充分には付着せず、結果としてまぶたにアイシャドーをきれいに塗布することができない。さらに、前記筋状部がまぶたに触れないようにアイシャドーを塗布しなければならないので、このアプリケータの使用者は、アプリケータの持ち方、又はアプリケータをまぶたに当てる角度等が制約され、アイシャドーを塗布しにくい。 【0007】以上のように、従来の塗布具の製造方法によって製造された塗布具は、その構造上の特徴から様々な欠点を有していた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の塗布具の製造方法が有する欠点を解消することを目的とする。すなわち、この発明の目的は、前記筋状部がなく、化粧料等の塗布に好適に使用することができるシームレス塗布具を提供すること、及びそのシームレス塗布具を簡易な工程によって製造することのできるシームレス塗布具の製造方法を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するためのこの発明は、軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材を加熱圧縮して形成されることを特徴とするシームレス塗布具であり、前記シームレス塗布具の好適な態様として、前記軟質発泡性樹脂は、軟質ポリウレタンフォーム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)又はシリコーンスポンジゴムである。 【0010】また、他の発明は、軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材を加熱圧縮することを特徴とするシームレス塗布具の製造方法であり、他の発明は、軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材を所定の形状に切削成形した後、加熱圧縮することを特徴とするシームレス塗布具の製造方法であり、他の発明は、軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材に、支持具装着用凹陥部を設け、所定の形状に切削成形した後、加熱圧縮することを特徴とするシームレス塗布具の製造方法であり、他の発明は、軟質発泡性樹脂から一体成形された塗布具用樹脂材に、支持具装着用凹陥部を設け、その支持具装着用凹陥部に支持具を装着し、さらに所定の形状に切削成形し、前記支持具を取り外した後、加熱圧縮することを特徴とするシームレス塗布具の製造方法であり、前記シームレス塗布具の製造方法の好適な態様として、前記塗布具用樹脂材は、前記軟質発泡性樹脂から打抜切断、押出成形、又は射出成形により形成され、前記軟質発泡性樹脂は、軟質ポリウレタンフォーム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)又はシリコーンスポンジゴムである。 【0011】 【発明の実施の形態】この発明に係るシームレス塗布具の製造方法における一連の工程の一具体例を図1に示す。図1に示したシームレス塗布具の製造方法は、工程(a)〜(e)から構成され、軟質発泡性樹脂材料1を打ち抜いて得られた塗布具用打抜体2に、支持具装着用凹陥部4を設け、その支持具装着用凹陥部4に支持具6を装着し、さらに所定の形状に切削成形し、支持具6を取り外した後、加熱圧縮する、化粧用のシームレス塗布具8の製造方法である。 【0012】(1)工程(a)について図1に示した工程(a)は、軟質発泡性樹脂材料1を打ち抜いて、塗布具用樹脂材である塗布具用打抜体2を製造する工程である。 【0013】軟質発泡性樹脂材料1は、シームレス塗布具8を製造するときの出発材料である。 【0014】軟質発泡性樹脂材料1の種類としては、所定の形状に打ち抜き切断することができ、加熱圧縮可能であれば特に制限はなく、例えば、軟質ポリウレタンフォーム、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、エチレンプロピレンジエンターポリマー(EPDM)及びシリコーンスポンジゴムを挙げることができる。これら樹脂の中で、その樹脂により形成される軟質発泡性樹脂材料の打ち抜き性及び成形性、並びに、この方法によって製造されるシームレス塗布具の化粧料の保有性及び肌触りが良好になること等の理由からポリウレタンが最も好適である。 【0015】前記軟質ポリウレタンフォームの好適な密度は、15〜140kg/m3であり、前記軟質ポリウレタンフォームの好適な硬さは、2〜50kgfであり、前記軟質ポリウレタンフォームの好適な伸びは、100〜500%であり、前記軟質ポリウレタンフォームの好適な引張り強さは、0.5〜3kg/cm2であり、前記軟質ポリウレタンフォームの好適な引裂き強さは、0.3〜1.7kg/mであり、前記軟質ポリウレタンフォームの好適な圧縮残留歪は、2〜10%である。前記軟質ポリウレタンフォームの性質が上記のようであると、軟質発泡性樹脂材料1の打ち抜き性及び成形性、並びに、この方法によって製造されるシームレス塗布具における化粧料の保有性及び肌触り等の性質が特に良好になる。 【0016】この方法に使用される前記軟質ポリウレタンフォームの好適な市販品としては、例えば株式会社ブリジストン製の「エバーライト」及び東洋ポリマー株式会社製の「ルビセル」を挙げることができる。 【0017】また、軟質発泡性樹脂材料1が有する気泡の形式は、独立気泡及び連続気泡のいずれであってもよく、目的とする塗布具の種類に応じて適宜選択することができる。 【0018】軟質発泡性樹脂材料1の形状は、板状体である。軟質発泡性樹脂材料1が板状体であると、打ち抜き切断が容易である点で好適である。ただし、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法においては、軟質発泡性樹脂材料の形状は、板状体には制限されず、抜き打ち切断が可能であればその他の形状であっても構わない。軟質発泡性樹脂材料1の大きさは、塗布具の製造上支障がなければ特に制限はなく、製造条件又は塗布具の大きさ等に基づいて適宜決定することができる。 【0019】軟質発泡性樹脂材料1を打ち抜き切断する方法は、例えば、図1に示したような抜型3をプレス機(図示せず)に取り付けて、これをテーブル上に載置された軟質発泡性樹脂材料1に押し付ける方法を挙げることができる。この方法によると、抜型3の形状に応じた形状を有する塗布具用打抜体2を製造することができる。図1に示した抜型3は、円筒状の形状を有するので、これを用いて軟質発泡性樹脂材料1を抜き打ち切断して得られる塗布具用打抜体2の形状は円柱状である。 【0020】ただし、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法における前記の打ち抜き切断する方法としては、軟質発泡性樹脂材料を所定の形状に打ち抜き切断することができれば、上記の方法に制限されることはなく、例えば、金属板、紙、又は革を打ち抜き切断するのに用いられる方法と同様の方法を使用することができる。 【0021】塗布具用打抜体2の形状は、前述のように円柱状であるが、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法においては、塗布具用打抜体の形状は、円柱状には制限されず、目的とする塗布具の形状及び種類等に応じて適宜選択することができ、例えば角柱状又は板状であってもよい。前記塗布具用打抜体の形状は、前記抜型の形状若しくは前記軟質発泡性樹脂材料の形状を適宜選択することにより、又は前記軟質発泡性樹脂材料を打ち抜き切断する方法を適宜選択することにより、目的に応じて変更可能である。塗布具用打抜体2の大きさは、塗布具が製造可能でありさえすれば特に制限はなく、塗布具の大きさ等に基づいて適宜決定することができる。 【0022】(2)工程(b)について図1に示した工程(b)は、塗布具用打抜体2に支持具装着用凹陥部4を設けて、凹部形成打抜体5を作成する工程である。支持具装着用凹陥部4は、支持具6を塗布具用打抜体2に装着するための穴である。 【0023】支持具装着用凹陥部4は、塗布具用打抜体2の一底面から、塗布具用打抜体2の軸線上に円柱状に設けられている。支持具装着用凹陥部4の直径及び長さについては、支持具装着用凹陥部4の中に支持具6を嵌挿することができ、さらに、シームレス塗布具の製造時及び使用時に凹部形成打抜体5等が支持具6から離脱しない程度に、凹部形成打抜体5等の弾性力によって凹部形成打抜体5等が支持具6に結合することができれば特に制限はなく、支持具6の大きさ、シームレス塗布具8の大きさ、又はシームレス塗布具8の使用目的等に応じて、適宜決定することができる。 【0024】支持具装着用凹陥部4を塗布具用打抜体2に設ける方法としては、前記のような支持具装着用凹陥部4を形成することができれば特に制限はないが、ドリルを用いた穴あけが最も簡易であって、好適である。 【0025】ただし、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法においては、支持具装着用凹陥部の形状としては、前記のような機能を確保することができれば特に制限されず、円柱状の他、例えば角柱状、又は板状であってもよい。前記支持具装着用凹陥部の形状をこのような形状にする場合には、その形状に応じて、前記支持具装着用凹陥部を前記塗布具用打抜体に設ける方法を適宜選択することができる。 【0026】(3)工程(c)について図1に示した工程(c)は、凹部形成打抜体5に支持具6を装着する工程である。支持具6は、凹部形成打抜体5の切削成形時に、凹部形成打抜体5を切削成形可能なように、凹部形成打抜体5を支える部材であり、また、シームレス塗布具8に装着されて、アプリケータを形成する部材である。 【0027】支持具6は、凹部形成打抜体5に設けられた支持具装着用凹陥部4に嵌挿することにより凹部形成打抜体5に装着される。 【0028】支持具6は、円柱体である。支持具6は、支持具装着用凹陥部4に嵌挿可能であって、嵌挿後に、支持具装着用凹陥部4の弾性力により、前記機能を発揮することができる程度に支持具装着用凹陥部4を保持可能な直径を有している。支持具6の長さは、支持具6が前記機能を発揮することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができる。支持具6の材料は、支持具6が前記機能を発揮することができれば特に制限はなく、例えば、合成樹脂、金属、及び木材を挙げることができる。 【0029】また、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法における支持具の形状は、前記支持具装着用凹陥部の形状に応じて適宜決定可能であって、円柱体の他、例えば角柱体、又は板体にすることもできる。 【0030】(4)工程(d)について図1に示した工程(d)は、凹部形成打抜体5を所定の形状に切削成形して切削成形打抜体7を作成する工程である。 【0031】工程(d)で使用する切削成形法は、公知の切削成形法でよく、これらの方法の中から、軟質発泡性樹脂材料1の種類及び切削成形打抜体7の形状等に応じて適宜選択することができる。 【0032】凹部形成打抜体5は、凹部形成打抜体5が有する支持具装着用凹陥部4に挿入された支持具6によって保持されながら、前記切削成形法によって所定の形状に切削成形されて、切削成形打抜体7になる。なお、工程(d)において、凹部形成打抜体5を支持具6によって保持しなくても所定の切削成形を実施することができるならば、支持具6を凹部形成打抜体5から外した状態で前記切削成形を行ってもよい。 【0033】切削成形打抜体7の形状は、回転楕円体状である。図1における〔A〕は、支持具6を装着した状態における切削成形打抜体7の正面図を示し、図1における〔B〕は、支持具6を装着した状態における切削成形打抜体7の底面図を示す。ただし、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法においては、切削成形打抜体の形状は、回転楕円体状には制限されず、目的とするシームレス塗布具の形状及び種類等に応じて適宜決定することができ、例えば球状又は瓢箪状にすることもできる。 【0034】(5)工程(e)について図1に示した工程(e)は、切削成形打抜体7を加熱圧縮成形して、シームレス塗布具8を作成する工程である。 【0035】工程(e)における加熱圧縮成形法は、以下のようにして行われる。図2及び図3に、前記加熱圧縮成形法の概要を示す。前記加熱圧縮成形法は、切削成形打抜体7を所定の形状に成形可能な圧縮用凹部9を有する2体の金型10と、加圧成形機(図示せず)を用いて行われる。切削成形打抜体7に装着されていた支持具6を切削成形打抜体7から取り外す。図2に示すように、2体の金型10におけるそれぞれの圧縮用凹部9を備えた面を向かい合わせにして2体の金型10を対置させ、その2体の金型10の間に切削成形打抜体7を置く。金型10を加熱しながら、図3に示すように、前記加圧成形機により2体の金型10を相互に押し付け、切削成形打抜体7に所定の圧力が加わるように、所定の時間、切削成形打抜体7を圧縮する。その後、前記加圧成形機により2体の金型10を相互に引き離し、切削成形打抜体7が前記のように加熱圧縮成形されることにより形成されたシームレス塗布具8を金型10から取り外す。 【0036】前記加熱圧縮工程においては、切削成形打抜体7の材料、すなわち軟質発泡性樹脂材料1が、例えば軟質ポリウレタンフォームのような熱硬化性材料であると、加熱圧縮の進行に従って切削成形打抜体7が硬化し、一定の形状に成形される点で好適である。 【0037】このように製造されたシームレス塗布具8を図1の〔C〕及び〔D〕に示す。図1における〔C〕は、シームレス塗布具8の正面図を示し、図1における〔D〕は、シームレス塗布具8の底面図を示す。シームレス塗布具8は、正面方向から見た形状も、底面方向から見た形状も楕円形である。 【0038】工程(e)においては、金型10によって切削成形打抜体7に加える圧力を調整することによって、シームレス塗布具8の圧縮度等を変更することができ、これによって、目的に適合した形状及び気泡密度を有するシームレス塗布具8を製造することができる。つまり、前記圧力を大きくすれば、扁平率の大きい、気泡密度の小さいシームレス塗布具8を得ることができ、前記圧力を小さくすれば、扁平率の小さい、気泡密度の大きいシームレス塗布具8を得ることができる。また、シームレス塗布具8は、気泡密度が大きいほど化粧料の保持量が大きく、気泡密度が小さいほど化粧料の保持量が小さくなるので、この方法においては、工程(e)における前記圧力を調節することにより、シームレス塗布具8の化粧保持能を調節することができ、目的に適合した化粧料保持能を有するシームレス塗布具8を製造することができる。 【0039】たとえば、シームレス塗布具8が多量の化粧料を塗布することを目的として使用される場合には、工程(e)における前記圧力を小さくすることにより、気泡密度が大きく、化粧料保持能の大きいシームレス塗布具を製造することができ、一方、シームレス塗布具8が少量の化粧料を塗布することを目的として使用される場合には、工程(e)における前記圧力を大きくすることにより、気泡密度が小さく、化粧料保持能の小さいシームレス塗布具を製造することができる。 【0040】前記圧力は、軟質発泡性樹脂材料1の種類、切削成形打抜体7の大きさ、及びシームレス塗布具8の形状等に応じて適宜決定されるが、通常の化粧用シームレス塗布具の製造において、軟質発泡性樹脂材料1として軟質ポリウレタンフォームを使用した場合には、切削成形打抜体7の圧縮方向の長さが20〜80%になるような圧力であると、化粧料を塗布し易い化粧用シームレス塗布具を製造することができる点で好適である。 【0041】工程(e)においては、切削成形打抜体7を圧縮するときの金型10の温度を調整することによって、シームレス塗布具8の硬さ等を変更することが可能であり、これによって、目的に適合した物性を有するシームレス塗布具8を製造することができる。 【0042】前記温度は、軟質発泡性樹脂材料1の種類及びシームレス塗布具8の形状等に応じて適宜決定可能であるが、通常の化粧用シームレス塗布具の製造において、軟質発泡性樹脂材料1として軟質ポリウレタンフォームを使用した場合には、通常は60〜150℃であると、化粧料を塗布し易い化粧用シームレス塗布具を製造することができる点で好適である。 【0043】従来の塗布具の製造方法においては、2枚の合成樹脂材料を加熱融着させる工程を有するので、従来の塗布具の製造方法によって製造される塗布具は、加熱融着により形成される硬い筋状部を有するのに対し、図1に示した塗布具の製造方法においては、加熱融着させる工程を有しないので、この塗布具の製造方法によって製造される塗布具には、前記のような硬い筋状部が形成されない。 【0044】このために、シームレス塗布具8は前記筋状部を有していないので、シームレス塗布具8を使用して化粧料の塗布を行えば、従来の塗布具の製造方法によって製造された塗布具を使用して化粧料の塗布をする場合と異なり、前記筋状部が皮膚に触れることにより使用者が不快感を覚えるという不都合がなく、使用者は快適に化粧料の塗布を行うことができるという利点があり、また、前記筋状部に化粧料が保持されにくいことにより、化粧料が部分的に皮膚に塗布されないという不都合がなく、化粧料をきれいに均一に塗布することができるという利点があり、さらに、前記筋状部が皮膚に触れないようにするために、塗布具の持ち方等について制約を受けるという不都合がなく、塗布具の使い勝手が良好になるという利点がある。 【0045】工程(e)において使用される加熱圧縮成形法は、上記の方法には制限されず、前記軟質発泡性樹脂材料の種類及び前記シームレス塗布具の種類等に応じて、公知の加熱圧縮成形法の中から適宜選択可能である。 【0046】なお、図1に示した工程(f)は、この発明に係る前記シームレス塗布具の製造方法における工程(a)〜(e)によって製造されたシームレス塗布具8の支持具装着用凹陥部4に支持具6を挿入する工程を示し、この工程(f)によって、支持具6とその先端に装着されたシームレス塗布具8とを有して成るアプリケータ11が製造される。 【0047】この発明に係るシームレス塗布具の製造方法は、工程(a)〜(e)を有する前記シームレス塗布具の製造方法には制限されず、前記シームレス塗布具の製造方法を以下のように変更することも可能である。 【0048】この発明における塗布具用樹脂材は、軟質発泡性樹脂から一体成形されていれば、その製造方法は、工程(a)に示された方法に制限されることはない。「一体成形される」とは、軟質発泡性樹脂から形成された複数の材料から成形されるのではなく、軟質発泡性樹脂から形成された1つ材料から成形されることを意味する。 【0049】前記塗布具用樹脂材を製造する方法としては、工程(a)に示された方法以外に、例えば軟質発泡性樹脂材料から押出成形又は射出成形により製造する方法を挙げることができる。いずれの方法であっても円柱体等の所定の形状を有する塗布具用樹脂材を製造することができる。また、いずれの方法で製造した塗布具用樹脂材であっても、上記工程(b)〜(e)と同様の工程に従ってシームレス塗布具を製造することができる。これらの方法において使用される好適な軟質発泡性樹脂材料の種類は、前述の軟質発泡性樹脂材料1と同様である。 【0050】前記シームレス塗布具の製造方法の工程(e)では、切削成形打抜体7から支持具6を外した後に加熱圧縮を行っているが、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法においては、切削成形打抜体7に支持具6を装着したまま加熱圧縮を行ってもよい。 【0051】工程(e)のように、切削成形打抜体7から支持具6を外した状態で切削成形打抜体7を加熱圧縮すると、切削成形打抜体7における支持具6を加圧方向から挟む部分が支持具装着用凹陥部4方向に移動可能であるので、その部分が受ける圧力が減少するのに対し、切削成形打抜体7に支持具6を装着したまま切削成形打抜体7を加熱圧縮すると、切削成形打抜体7における前記部分は、支持具装着用凹陥部4に挿入された支持具6の存在により支持具装着用凹陥部4方向に移動することができないので、切削成形打抜体7から支持具6を外した状態で加熱圧縮する場合よりも、その部分が受ける圧力が大きくなる。このために、切削成形打抜体7に支持具6を装着したまま加熱圧縮すると、切削成形打抜体7から支持具6を外した状態で加熱圧縮を行う場合よりも、切削成形打抜体7は強く圧縮されることになり、シームレス塗布具8よりも気泡密度の小さいシームレス塗布具を製造することができる。 【0052】図1に示したシームレス塗布具の製造方法では、工程(d)において、凹部形成打抜体5に支持具6を装着した状態で凹部形成打抜体5を切削成形しているが、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法においては、所定の形状に切削成形することができれば、凹部形成打抜体5に支持具6を装着しないで凹部形成打抜体5を切削成形してもよい。また、この場合には、塗布具用打抜体2に支持具装着用凹陥部4を設けることなく、塗布具用打抜体2を所定の形状に切削成形して、このようにして得られた切削成形打抜体に支持具装着用凹陥部を設けてもよい。 【0053】塗布具に支持棒を装着する必要がなく、また被切削体を支持棒で保持しなくても被切削体を切削成形可能であるときには、塗布具用打抜体に支持具装着用凹陥部を設ける必要はなく、塗布具用打抜体を所定の形状に切削成形し、このようにして得られた切削成形打抜体を加熱圧縮して、塗布具を製造することもできる。 【0054】また、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法においては、切削成形を行うことなく加熱圧縮することによって、目的とする塗布具を製造することができる場合には、切削成形の工程はなくてもよい。したがって、塗布具用打抜体をそのまま加熱圧縮してシームレス塗布具を製造してもよく、塗布具用打抜体に支持具装着用凹陥部を設けて凹部形成打抜体とし、この凹部形成打抜体に支持棒を装着して、前記凹部形成打抜体を加熱圧縮してシームレス塗布具を製造してもよく、また、前記凹部形成打抜体に支持棒を装着することなく、前記凹部形成打抜体を加熱圧縮してシームレス塗布具を製造してもよい。 【0055】従来のスポンジ状化粧用塗布具の製造方法により製造された塗布具は、その表面部に加熱融合により形成される筋状部を有していたが、前述のように製造されたこの発明に係るシームレス塗布具は、その製造工程に加熱融合を含まないので、その表面部に前記筋状部を有していない。このため、この発明に係るシームレス塗布具は以下のように作用する。 【0056】前記シームレス塗布具により例えば化粧料を塗布するときには、シームレス塗布具で化粧料を掻き取るなどしてシームレス塗布具に化粧料を付着させる。従来の前記筋状部を有する塗布具でこれと同様のことをすると、前記筋状部が前記筋状部以外のスポンジ部分よりも多くの化粧料を掻き取ったり、又は前記筋状部に化粧料が付着されなかったりすることにより、塗布具に化粧料を均一に付着させることが困難であるが、この発明に係るシームレス塗布具は、前記筋状部がないので、シームレス塗布具全体に化粧料を均一に付着させることが容易である。 【0057】シームレス塗布具に付着させた化粧料を顔等に塗布する。従来の前記筋状部を有する塗布具でこれと同様のことをすると、硬い前記筋状部が皮膚に触れることにより使用者は不快感を覚えることがある。この発明に係るシームレス塗布具は、前記筋状部がないので、塗布時に使用者がこのような不快感を覚えることはなく、快適に化粧料の塗布を行うことができる。 【0058】従来の前記筋状部を有する塗布具においては、前述のように塗布具に化粧料が均一に付着していない場合が多いので、従来の前記塗布具で化粧料を顔等に塗布したときに、均一に化粧料を顔等に付着させるのが困難である。これに対し、この発明に係るシームレス塗布具では、前述のようにシームレス塗布具塗布具全体に化粧料を均一に付着させること容易であるので、使用者の意図通りに均一にきれいに化粧料を塗布することが容易である。 【0059】また、従来の前記筋状部を有する塗布具においては、前述のような事情から、前記筋状部が皮膚に触れないように化粧料を塗布しなければならないので、使用者は、塗布具の持ち方及び塗布具を皮膚に当てる角度等に制約を受け、化粧料の塗布を行いにくい。一方、この発明に係るシームレス塗布具では、前記持ち方及び角度等についての制約がないので、使用者は自由に快適に化粧料の塗布を行うことができる。 【0060】この発明に係るシームレス塗布具及びその製造方法は、例えば、化粧用塗布具、医療用塗布具、又は塗装用塗布具の分野において利用することができ、特に、化粧用塗布具の分野において好適に使用することができる。 【0061】 【発明の効果】この発明に係るシームレス塗布具の製造方法は、加熱融着工程を含まないので、この製造方法によって製造されるシームレス塗布具には、加熱融着によって生ずる硬い筋状部がない。したがって、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法によって製造されるシームレス塗布具を使用した化粧料の塗布においては、前記筋状部が皮膚に触れることにより使用者が不快感を覚えるという不都合がなく、使用者は快適に化粧料の塗布を行うことができ、前記筋状部に化粧料が保持されにくいことにより、化粧料が部分的に皮膚に塗布されないという不都合がなく、化粧料をきれいに均一に塗布することができ、また前記筋状部が皮膚に触れないようにするために、塗布具の持ち方等について制約を受けるという不都合がなく、塗布具の使い勝手が良好になる。 【0062】また、この発明に係るシームレス塗布具の製造方法においては、加熱圧縮処理の条件を適宜設定することにより、シームレス塗布具の気泡密度を調節することができ、目的に適合した化粧料保持能を有するシームレス塗布具を製造することができる。 【0063】この発明に係るシームレス塗布具の製造方法は、工程が簡易であり、特殊な材料及び特殊な操作を必要としないので、既存の設備部で実施することができ、低コストで実施可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597120983 【氏名又は名称】株式会社篠原 【住所又は居所】東京都板橋区赤塚2−30−6
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| 【出願日】 |
平成14年4月22日(2002.4.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087594 【弁理士】 【氏名又は名称】福村 直樹
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| 【公開番号】 |
特開2003−310344(P2003−310344A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−119257(P2002−119257) |
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