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【発明の名称】 染毛剤塗布用具
【発明者】 【氏名】藤沼 宏之
【住所又は居所】東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会社研究所内

【要約】 【課題】ウェーブヘアに対しても櫛通りよく、かつ剤保持性よく、染毛することのできる染毛剤塗布用具を提供する。

【解決手段】染毛剤塗布用具10Aが、基台1の両側縁部に複数の板状櫛歯5が立設したブラシ部11を有する。板状櫛歯5は、ブラシ部11で毛髪を梳く方向と該板状櫛歯5の櫛歯面とが平行となるように配置され、先細の先端部5aを有し、板状櫛歯5の櫛歯面がその先端部5aより基台1の内側方向の部位で幅広に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基台の両側縁部に複数の板状櫛歯が立設したブラシ部を有する染毛剤塗布用具であって、ブラシ部で毛髪を梳く方向と板状櫛歯の櫛歯面とが平行となるように板状櫛歯が配置され、板状櫛歯が先細の先端部を有し、板状櫛歯の櫛歯面がその先端部より基台の内側方向の部位で幅広に形成されている染毛剤塗布用具。
【請求項2】 基台の中央部に、先細の先端部を有する板状櫛歯を有し、かつ基台の両側縁部の板状櫛歯の櫛歯面と基台の中央部の板状櫛歯の櫛歯面とが面一に配置されている請求項1記載の染毛剤塗布用具。
【請求項3】 基台の前縁部、後縁部のそれぞれに、前縁部、後縁部の全長にわたる板状櫛歯が設けられている請求項1記載の染毛剤塗布用具。
【請求項4】 基台の両側縁部において柱状櫛歯が基台面に略平行に一列に立設したサイドコームを有する請求項1記載の染毛剤塗布用具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染毛剤の毛髪への塗布、特にウェーブヘアへの塗布に適した染毛剤塗布用具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、染毛剤を毛髪に塗布する際に、図6に示すように、ブラシ部11とサイドコーム12からなる染毛剤塗布用具10が使用されている。この染毛剤塗布用具10のブラシ部11では、毛髪を十分にブラッシングできるように、基台1に立設した多数の円柱状櫛歯2が、互い違いに配置されており、サイドコーム12では薄厚細幅の柱状櫛歯3が基台1の両側縁部にそれぞれ一列に斜設されている。また、基台1には柄4が延設されている。
【0003】この染毛剤塗布用具10を用いてジェル状の染毛剤で毛髪を全体的に染める場合、図7に示すようにブラシ部11に染毛剤20を載せ、それを毛髪に当ててブラッシングすることにより毛髪全体に染毛剤20を塗布する。一方、生え際、こめかみ、髪の根元等を染める場合には、図8に示すようにサイドコーム12に染毛剤20を載せ、サイドコーム12で毛髪を梳くようにして染毛剤を毛髪に塗布する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の染毛剤塗布用具10を、欧米人に多いウェーブヘアに使用すると、円柱状櫛歯2に毛髪がひっかかり、櫛通りが悪く、そのために、染まりムラが生じたり、染毛剤が飛び散るという問題が生じる。
【0005】このような櫛通りの問題は、円柱状櫛歯2の間隔を広げることによりある程度改善することができるが、円柱状櫛歯2の間隔を広げるとブラシ部11での染毛剤の保持性が低下し、毛髪全体に染毛剤を満遍なく塗布することが難しくなる。
【0006】そこで、本発明は、ウェーブヘアで使用した場合でも櫛通りがよく、かつ剤保持性にも優れた染毛剤塗布用具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の円柱状櫛歯に代えて、特定形状の板状櫛歯を、特定の配列に設けることにより剤保持性を損なうことなく櫛通りを改善できることを見出した。
【0008】即ち、本発明は、基台の両側縁部に複数の板状櫛歯が立設したブラシ部を有する染毛剤塗布用具であって、ブラシ部で毛髪を梳く方向と板状櫛歯の櫛歯面とが平行となるように板状櫛歯が配置され、板状櫛歯が先細の先端部を有し、板状櫛歯の櫛歯面がその先端部より基台の内側方向の部位で幅広に形成されている染毛剤塗布用具を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0010】図1は、本発明の一態様の染毛剤塗布用具10Aである。この染毛剤塗布用具10Aは、ブラシ部11とサイドコーム12と柄4からなる点では、公知の染毛剤塗布用具と同様であるが、ブラシ部11が、基台1の両側縁部に一列ずつ立設した板状櫛歯5と、基台の中央部に一列に立設した板状櫛歯6からなっている。
【0011】ここで、板状櫛歯とは、厚みに比べて幅が大きい扁平形状の櫛歯をいい、例えば、基台1の両側縁部の板状櫛歯5の厚みtを0.8〜2mmとし、櫛歯面の面積(片面)を35〜55mm2 とする。
【0012】このようにブラシ部11の櫛歯を板状とすることにより、従来の円柱状櫛歯を基台に設ける場合に比して櫛歯への毛髪の絡まりを防止し、櫛通りを良くすることができる。また、ブラシ部11において櫛歯と染毛剤との接触面積が拡大するので、櫛歯間隔を広くしても剤保持性を良好に保つことができる。
【0013】また、基台1の両側縁部の板状櫛歯5は先細の先端部5aを有し、櫛歯面がその先端部5aより基台1の内側方向の部位で幅広に形成されている。基台1の中央部の板状櫛歯6も先細の先端部6aを有し、非先端部が幅広に形成されている。図3に示すように、ブラシ部11の櫛歯5’を単に板状とすると、染毛時に櫛歯が毛髪の表面を滑り、頭髪内に櫛歯が入らず、髪が梳きにくくなるが、上述のように板状櫛歯5、6に先細の先端部5a、6aを設けると、髪を容易に梳くことができる。
【0014】なお、基台1の両側縁部の板状櫛歯5の先端部5aの基台面からの高さh1に対して、基台1の中央部の板状櫛歯6の先端部6aの基台面からの高さh2は低くすることが好ましい。これにより、染毛時にブラシ部11が頭髪でぐらつかず、染毛剤を髪にむら無く塗布することができる。
【0015】また、基台1の両側縁部の櫛歯5を板状に形成して櫛通りを良くするにあたり、先端部5aより基台1の内側方向に延びた櫛歯面の部位5b(図1(c)においてドットで塗りつぶした部位)は、ブラシ部11上に染毛剤を載せて染毛する場合の剤の保持性に大きく寄与するので、この部位5bにおいて櫛歯は幅広に形成することが好ましいが、図4あるいは図5に示すように、先端部5aから基台1の外側方向に延びた櫛歯面の部位5c(図4、図5においてドットで塗りつぶした部位)を幅広に形成しても、それによる剤の保持性の向上効果は低く、かえって櫛通りの低下をもたらすので、櫛歯面は、先端部5aから基台1の外側方向へは幅広に形成しない方が好ましい。
【0016】この染毛剤塗布用具10Aにおいて、基台1の両側縁部の板状櫛歯5と基台1の中央部の板状櫛歯6は、それぞれブラシ部11で毛髪を梳く方向(矢印A)とそれらの板状櫛歯5、6の櫛歯面とが平行となるように配置されており、特に、基台1の両側縁部の板状櫛歯5の櫛歯面と基台1の中央部の板状櫛歯6の櫛歯面とが面一に配置されている。このように、板状櫛歯5、6の櫛歯面を揃えることにより、櫛通りを著しく向上させることができ、ウェーブヘアにも好適に使用できるようになる。
【0017】板状櫛歯5の相互の間隔Lは、使用する染毛剤の形態、粘度等にもよるが、例えば、粘度3〜30Pa・s(測定条件:B型粘度計((株)東京計器、MODEL ASB100)、No.4ロータ、30rpm、測定温度25℃)のゼリー状の染毛剤を使用する場合、5〜8mmとすることが好ましい。この間隔Lは、図6に示した従来の染毛剤塗布用具10において、基台1の周縁部の円柱状櫛歯2の間隔Lが3〜4mmあるのに比して広く、これにより櫛通りを良くすることができる。なお、このように櫛歯の間隔Lを広くしても、この染毛剤塗布用具10Aでは櫛歯を板状とすることにより染毛剤と櫛歯との接触面積を大きくしているので、染毛時の剤の保持性が損なわれることはない。
【0018】この染毛剤塗布用具10Aにおいては、基台1の両側縁部の板状櫛歯5同士の間に短尺の円柱状櫛歯7が設けられている。これにより、ブラシ部11における染毛剤の保持性をいっそう向上させることができるので、このような円柱状櫛歯7は本発明において必要に応じて設けられる。なお、この円柱状櫛歯7の高さは板状櫛歯5、6の1/2以下であり、径も比較的小さいため、円柱状櫛歯7を設けることにより櫛通りが損なわれることはない。
【0019】また、この染毛剤塗布用具10Aにおいては、基台1の前縁部及び後縁部に、それぞれ前縁部及び後縁部の全長にわたる1枚の板状櫛歯8が設けられている。このように板状櫛歯8を設けると、染毛剤を毛髪に塗布する間に、ブラシ部11内部に保持されている染毛剤が、ブラシ部11の前端部あるいは後端部から漏れ出ることを防止できるので、ブラシ部11における染毛剤の保持性をいっそう向上させることができる。
【0020】本発明において、サイドコーム12は、必要に応じて設けられる。サイドコーム12を設ける場合、図1に示したように、基台面に略平行に、薄厚細幅の柱状櫛歯3を一列に立設することが好ましい。これにより、図6に示すように、サイドコーム12を基台面に斜設する場合に比して、ブラシ部11で髪を梳く際にサイドコーム12の干渉により櫛通りが妨げられることを防止できる。
【0021】この他、本発明は種々の態様をとることができる。例えば、図1に示した染毛剤塗布用具において、基台の両側縁部の板状櫛歯5と基台の中央部の板状櫛歯6に代えて、図2に示すように、これらを連続させた板状櫛歯9を設けてもよい。
【0022】また、図1に示した染毛剤塗布用具10Aにおいて、基台の両側縁部の板状櫛歯5を基台の内側方向にさらに幅広に形成し、基台の中央部の板状櫛歯を省略してもよい。
【0023】本発明の染毛剤塗布用具は、ジェル状の染毛剤をウェーブヘアに塗布する場合に、特に好適に使用することができるが、本発明の染毛剤塗布用具を用いて塗布する剤の種類に制限はない。例えば、ヘアマニュキュアと称されている一時染毛剤、酸性染料等からなる半永久染毛剤、染料を毛髪の内部で酸化重合させる永久染毛剤等に対して使用することができる。また、染毛剤の剤型にも制限はなく、ジェル状、クリーム状、フォーム状、液状の染毛剤等に使用することができる。
【0024】
【実施例】実施例1図1の染毛剤塗布用具10Aを作製した。この場合、基台1の大きさは17mm×58mmとし、基台1の両側縁部の板状櫛歯5としては、厚さ1.2mm、櫛歯面(片面)の面積45mm2 のものをピッチ7.5mmで設けた。また、基台1の中央部の板状櫛歯6の大きさは、厚さ1.2mm、櫛歯面(片面)の面積17mm2 とした。
【0025】この染毛剤塗布用具の柄にトルクメータを取り付け、ブラシ部11に染毛剤(花王株式会社、スーパーカラー S4)を5〜6gずつ載せ、ウェーブヘアのウィグ全体を90gの染毛剤で染毛した場合のトルクを計測した。この場合、トルクは、ブラシ部を髪の流れに沿って動かす場合と、髪の流れに逆らって動かす場合の2通り計測し、それぞれ平均トルクを求めた。
【0026】結果を表1に示す。なお、こうして計測されるトルクが1000g以下であれば、実用上の櫛通りは良好である。
【0027】比較のため、図6に示した市販の染毛状塗布用具10について、同様に染毛時の平均トルクを計測した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】表1から、実施例1の染毛剤塗布用具によれば、ウェーブヘアに対しても櫛通りよく、染毛できることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明の染毛剤塗布用具によれば、ウェーブヘアに対しても櫛通りよく、かつ剤保持性よく、染毛することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
【出願日】 平成14年4月26日(2002.4.26)
【代理人】 【識別番号】100095588
【弁理士】
【氏名又は名称】田治米 登 (外1名)
【公開番号】 特開2003−310340(P2003−310340A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−125717(P2002−125717)