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【発明の名称】 自動洗髪機および自動洗髪システム
【発明者】 【氏名】冷水 一也
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】橋本 昌彦
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】源野 広和
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】松永 英昭
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】結城 武成
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】吉井 達彦
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【要約】 【課題】被洗髪者にとってより快適な洗髪を行うことができる自動洗髪機および自動洗髪システムを提供する。

【解決手段】洗髪中の被洗髪者の生理量(脈拍、発汗量および皮膚温など)に基づく感覚推定の結果を、被洗髪者(ID番号)毎に対応付けて記憶する。洗髪時には、ID番号を入力することにより被洗髪者の識別を行い(ステップT1)、過去の感覚推定結果(感覚推定履歴)を読み出す(ステップT2)。そして、被洗髪者のリラックス度が最も高い履歴に対応する運転内容を初期状態として設定し、洗髪を行う(ステップT2、T3)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】洗浄水を被洗髪者の頭部および髪に噴射して自動洗髪を実行可能な自動洗髪機であって、洗髪中の被洗髪者の生理量を検知する生理量検知手段と、上記生理量検知手段により検知された生理量に関連する情報を、被洗髪者に対応付けて記憶可能な情報記憶手段とを含み、上記情報記憶手段から被洗髪者の以前の洗髪時の情報を読み出して、その情報に基づく運転内容で洗髪を行うことができることを特徴とする自動洗髪機。
【請求項2】上記情報記憶手段は、被洗髪者ごとに、複数回分の洗髪時の情報を記憶できるようになっていることを特徴とする請求項1記載の自動洗髪機。
【請求項3】洗浄水を被洗髪者の頭部および髪に噴射して自動洗髪を実行可能な自動洗髪機であって、洗髪中の被洗髪者の生理量を検知する生理量検知手段と、上記生理量検知手段により検知された生理量に基づいて、洗髪中の被洗髪者が噴射される洗浄水に対して感じる痛み量を検知する痛み量検知手段と、上記痛み量検知手段により所定値以上の痛み量が検知された場合に、痛みが低減するように当該自動洗髪機の運転を制御する運転制御手段とを含むことを特徴とする自動洗髪機。
【請求項4】上記生理量検知手段は、被洗髪者の脈拍、発汗量、皮膚温、心電図および脳波などの少なくとも1つを検知可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動洗髪機。
【請求項5】洗浄水を被洗髪者の頭部および髪に噴射して自動洗髪を実行可能な自動洗髪機と、洗髪中の被洗髪者の生理量を検知する生理量検知手段と、上記生理量検知手段により検知された生理量に基づいて、リラクゼーション効果またはリフレッシュ効果のある運転内容を付加するための付加手段とを含むことを特徴とする自動洗髪システム。
【請求項6】上記付加手段は、被洗髪者の視覚または聴覚などを刺激するものであることを特徴とする請求項5記載の自動洗髪システム。
【請求項7】上記生理量検知手段により検知された生理量に関連する情報を報知するための情報報知手段をさらに含むことを特徴とする請求項5または6記載の自動洗髪システム。
【請求項8】上記生理量検知手段は、被洗髪者の脈拍、発汗量、皮膚温、心電図および脳波などの少なくとも1つを検知可能であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の自動洗髪システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温水、シャンプー液が混ざった温水、トリートメント液が混ざった温水などの洗浄水を被洗髪者の頭部および髪に噴射して自動洗髪を実行可能な自動洗髪機および自動洗髪システムに関する。
【0002】
【従来の技術】洗浄水(温水、シャンプー液が混ざった温水、トリートメント液が混ざった温水など)を被洗髪者の頭部および髪に噴射して自動洗髪を実行可能な自動洗髪機が知られている。かかる自動洗髪機は、例えば美容院などで利用されていて、良好に洗髪が行えるものとして顧客に好評を博している。この種の自動洗髪機は、通常、予め設定された1ないし複数の洗髪コースで洗髪を行うことができるようになっていて、美容院の従業者などのオペレータが洗髪コースを選択して、自動洗髪が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、快適な運転内容(噴射される洗浄水の勢いなど)は被洗髪者によって異なるため、上記のように固定された洗髪コースでは、被洗髪者によっては、快適に洗髪を行うことができないおそれがある。また、同一の被洗髪者であっても、その心身状態は変化するので、洗髪時の被洗髪者の心身状態に適した運転内容で快適に洗髪を行うことのできる自動洗髪機が望まれる。
【0004】本発明は、かかる背景のもとでなされたもので、被洗髪者にとってより快適な洗髪を行うことができる自動洗髪機および自動洗髪システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、洗浄水を被洗髪者(H)の頭部および髪に噴射して自動洗髪を実行可能な自動洗髪機(1)であって、洗髪中の被洗髪者の生理量を検知する生理量検知手段(37)と、上記生理量検知手段により検知された生理量に関連する情報(感覚推定履歴)を、被洗髪者に対応付けて記憶可能な情報記憶手段(19)とを含み、上記情報記憶手段から被洗髪者の以前の洗髪時の情報を読み出して、その情報に基づく運転内容で洗髪を行うことができることを特徴とする自動洗髪機である。
【0006】なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。例えば、上記自動洗髪機は、被洗髪者の頭部を挿入するためのシンクを有していて、このシンク内には、洗浄水を噴射するための複数のノズルが備えられている。被洗髪者の頭部をシンク内に収容した状態で、各ノズルから被洗髪者の頭部および髪に洗浄水を噴射することにより、自動洗髪を行うことができるようになっている。
【0007】この自動洗髪機は、例えば、生理量検知手段により検知された洗髪中の被洗髪者の生理量に基づいて、被洗髪者が活性状態であるか、あるいはリラックス状態であるかの推定(感覚推定)を行うことができるようになっている。そして、その推定結果に基づいて、当該自動洗髪機における運転内容(水圧、洗髪部位、洗髪時間、洗髪コース、湯温など)を調節することにより、被洗髪者にとってより快適な洗髪を行うことができるようになっている。
【0008】本発明の構成によれば、生理量検知手段により検知された被洗髪者の以前の洗髪時の生理量に関する情報(感覚推定履歴)を読み出すことにより、その情報に基づいて、その被洗髪者にとって快適な運転内容で洗髪を行うことができる。また、洗髪開始のときから、被洗髪者に適した(リラックス度が高い)運転内容で洗髪を行うことができるので、運転内容の調節に要する手間および時間を削減できる。
【0009】請求項2記載の発明のように、上記情報記憶手段(19)は、被洗髪者(H)ごとに、複数回分の洗髪時の情報を記憶できるようになっていれば、複数回分の洗髪時の情報(感覚推定履歴)のうち最もその被洗髪者に適した(最もリラックス度が高い)運転内容で洗髪を行うことにより、より快適な洗髪を行うことができる。また、複数回分の洗髪時の情報から、変化する被洗髪者の生理量を予測して、運転内容を設定することもできる。
【0010】請求項3記載の発明は、洗浄水を被洗髪者(H)の頭部および髪に噴射して自動洗髪を実行可能な自動洗髪機(1)であって、洗髪中の被洗髪者の生理量を検知する生理量検知手段(37)と、上記生理量検知手段により検知された生理量に基づいて、洗髪中の被洗髪者が噴射される洗浄水に対して感じる痛み量(P)を検知する痛み量検知手段(17、P2、P3)と、上記痛み量検知手段により所定値(θ)以上の痛み量が検知された場合に、痛みが低減するように当該自動洗髪機の運転を制御する運転制御手段(17、P5)とを含むことを特徴とする自動洗髪機である。
【0011】上記痛み量検知手段は、例えば、生理量検知手段により検知された生理量(皮膚温、発汗量、脈拍数など)の変化量に基づいて、痛み量を検知することができるようになっている。本発明の構成によれば、痛み量検知手段により所定値以上の痛み量が検知された場合、痛みが低減するように自動洗髪機の運転が制御(例えば、痛みを感じた洗髪部位もしくは洗髪モードでの水圧の低減、または洗髪時間の短縮、洗髪モードのスキップなど)されるので、被洗髪者はより快適な運転内容で洗髪を行うことができる。
【0012】上記痛み量検知手段(17、P2、P3)により所定値(θ)以上の痛み量(P)が検知されなかった場合は、上記所定値以上の痛み量が検知されるまで、洗浄水の水圧(噴射の勢い)を徐々に高くするようになっていてもよい。この場合、痛み量が上記所定値よりも大きくなるまで洗浄水の水圧が徐々に高くなり、所定値よりも大きくなると水圧が下げられるという制御が繰り返されるので、痛み量が上記所定値周辺の値となるような水圧で洗髪を行うことができる。すなわち、被洗髪者が痛みを感じない程度のより高い水圧で洗髪を行うことができるので、良好に洗髪を行うことができる。
【0013】請求項4記載の発明のように、上記生理量検知手段(37)は、被洗髪者(H)の脈拍、発汗量、皮膚温、心電図および脳波などの少なくとも1つを検知可能であることが好ましい。請求項5記載の発明は、洗浄水を被洗髪者(H)の頭部および髪に噴射して自動洗髪を実行可能な自動洗髪機(1)と、洗髪中の被洗髪者の生理量を検知する生理量検知手段(37)と、上記生理量検知手段により検知された生理量に基づいて、リラクゼーション効果またはリフレッシュ効果のある運転内容を付加するための付加手段(27)とを含むことを特徴とする自動洗髪システムである。
【0014】この構成によれば、例えば被洗髪者にクラシック音楽を聞かせるなどして、被洗髪者をリラックスさせたり、被洗髪者に映像と音声によるバーチャルリアリティーを味わせるなどして、被洗髪者をリフレッシュさせたりすることができるので、より快適な洗髪を行うことができる。特に、洗髪中は、被洗髪者の心身状態が、自動洗髪機による洗髪に対する感覚と、付加手段により付加された運転内容に対する感覚とにより変化し、それらの感覚に基づく生理量が再び生理量検知手段より検知されるので、変化する被洗髪者の心身状態に合わせたリラクゼーション効果またはリフレッシュ効果を付加しつつ、より快適な洗髪を行うことができる。
【0015】請求項6記載の発明のように、上記付加手段(27)は、被洗髪者(H)の視覚または聴覚などを刺激するものであることが好ましい。請求項7記載の発明は、上記生理量検知手段(37)により検知された生理量に関連する情報(感覚推定結果)を報知するための情報報知手段(28)をさらに含むことを特徴とする請求項5または6記載の自動洗髪システムである。この構成によれば、オペレータ(美容院の従業者など)は、情報報知手段の報知内容に基づいて、被洗髪者の状態(緊張状態であるか、またはリラックス状態であるか)を認識できる。
【0016】請求項8記載の発明のように、上記生理量検知手段(37)は、被洗髪者(H)の脈拍、発汗量、皮膚温、心電図および脳波などの少なくとも1つを検知可能であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下には、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動洗髪機1を斜め上方から見た斜視図である。図1において、左手前側を前方、右奥側を後方として説明する。図1を参照して、この自動洗髪機1は、略矩形のキャビネット3によりその外観形状が構成されている。キャビネット3の最上部には、洗髪を行う際に被洗髪者が頭部を挿入するためのシンク11が配置されている。シンク11は、例えば上方が開放された碗状の部材であって、その上縁は、被洗髪者の頭部を挿入する際の入口10を構成している。また、シンク11の上縁の手前側には、被洗髪者の首を載せるために滑らかに湾曲したネック台15が形成されている。シンク11の入口10は、後端部を中心に回動可能に設けられたフード2により覆うことができるようになっている。
【0018】シンク11内には、被洗髪者の頭部および髪に向けて洗浄水(温水、シャンプー液が混ざった温水、トリートメント液が混ざった温水など)を噴射するための上ノズルリンク12および下ノズルリンク13が上下に並べて配置されている。上ノズルリンク12は、例えば略半円弧状に湾曲された管状の部材であって、その一端部を中心に回動可能に取り付けられている。一方、下ノズルリンク13は、例えば左右方向に真っ直ぐ延びる管状の部材であって、その軸線周りに回転可能となるように、一端部がシンク11に取り付けられている。上下ノズルリンク12、13には、複数(例えば上ノズルリンク12に5つ、下ノズルリンク13に3つ)のノズル24、26が設けられていて(図4参照)、上下ノズルリンク12、13内に送られてきた洗浄水は、これら複数のノズル24、26から噴射される。
【0019】また、シンク11の周面壁には、複数の固定ノズル14が取り付けられていて(図1では1つだけが見えている)、これらの固定ノズル14に送られてきた洗浄水は、シンク11の内側に向けて噴射されるようになっている。キャビネット3の上面には、シンク11の左側に、オペレータ(美容院の従業者など)が手動で洗髪を行う際に用いるハンドシャワー4が、キャビネット3に対して引き出し可能に配置されている。また、キャビネット3の上面のシンク11に対して右後方には、ハンドシャワー4から放水する水量を調節するためのハンドシャワー用コック8が配置されている。
【0020】さらに、キャビネット3の上面には、ハンドシャワー4の後方に、シャンプー液を収容するシャンプー容器6と、トリートメント液を収容するトリートメント容器5とが前後に並べて配置されている。これらの容器5、6内のシャンプー液およびトリートメント液は、上下ノズルリンク12、13および固定ノズル14から噴射されるべき温水に混入可能となっていて、これらのシャンプー液およびトリートメント液が適当な量だけ温水に混入されることにより、シャンプー液が混ざった温水やトリートメント液が混ざった温水などの洗浄水が作られるようになっている。
【0021】また、キャビネット3の上面のシンク11に対して右側には、当該自動洗髪機1における運転を開始させたり、その他各種設定を行うための操作パネル7が配置されている。図2は、この自動洗髪機1の使用態様を示す斜視図である。図2を参照して、自動洗髪機1の手前側には、洗髪時に被洗髪者Hを受け止めるための椅子35が、例えばその背もたれを自動洗髪機1側にして配置されている。椅子35の背もたれは前後方向に回動可能となっていて、洗髪を行う際は、被洗髪者Hが自動洗髪機1に対して背を向けて椅子35に座った状態から、背もたれを後方に倒すことにより、被洗髪者Hが仰向けとなり、首をネック台15に載せた状態で頭部がシンク11内に挿入される。これにより、被洗髪者Hは、仰向けの楽な姿勢で洗髪を行うことができるようになっている。
【0022】被洗髪者Hの頭部がシンク11内に挿入された後、フード2が閉められることにより、被洗髪者Hは顔面が外部に露出した状態となる。フード2の手前側には、被洗髪者Hの顔面を外部に露出させるための切欠き2Aが形成されている。そして、切欠き2Aの縁には、被洗髪者Hの顔面の周囲に当接して洗髪時にシンク11内の水が外部に飛び出すのを防ぐためのフェイスシール2Bが取り付けられている。このフェイスシール2Bは、軟らかく可撓性のある材料で形成されていることが好ましい。
【0023】椅子35の左右両側には、被洗髪者Hが腕を載せるためのアームレスト36が設けられている。右側のアームレスト36の上面には、洗髪中の被洗髪者Hが手のひらを置きやすい位置に、被洗髪者Hの生理量(脈拍、発汗量、皮膚温、心電図など)を検知するための生理量センサ37が配置されている。また、図示しないが、例えば被洗髪者Hの頭部に脳波計を取り付けることにより、被洗髪者Hの生理量としての脳波を検知することもできる。この脳波計は、自動洗髪機1とは別個に設けられたものであってもよいし、例えばフェイスシール2Bを介して脳波を検知できるような構成であってもよい。
【0024】図3は、洗髪時における自動洗髪機1の動作態様を説明するための断面図である。図3を参照して、上ノズルリンク12は、図中に破線で示すように、被洗髪者Hの額の上方から後頭部の下方あたりまで、被洗髪者Hの頭部を中心に回動可能となっている。これにより、上ノズルリンク12は、被洗髪者Hの頭部全体に洗浄水を噴射することができる。
【0025】一方、下ノズルリンク13は、被洗髪者Hの後頭部の下方を左右方向(図3における紙面前後方向)に延びていて、その軸線回りに、被洗髪者Hの後頭部の下方で回動可能となっている。これにより、下ノズルリンク13は、被洗髪者Hの襟足から、下方に垂れ下がった被洗髪者Hの髪にかけて、洗浄水を噴射することができる。固定ノズル14は、例えばシンク11の周面壁に複数取り付けられていて、被洗髪者Hの頭部または髪に向けて洗浄水を噴射することにより、上下ノズルリンク12、13の補助的な役割を果たすようになっている。
【0026】当該自動洗髪機1では、上下ノズルリンク12、13を回動させつつ、当該ノズルリンク12、13から洗浄水を噴射させ、かつ、固定ノズル14から洗浄水を噴射させることにより、被洗髪者Hの頭部および髪の全体に洗浄水を噴射して、良好に洗髪を行うことができるようになっている。図4は、この自動洗髪機1に使用する洗浄水の流れを示す水路図である。図4を参照して、この自動洗髪機1では、洗髪に用いる温水が貯湯タンク45に溜められるようになっている。そして、この貯湯タンク45に溜められた温水がポンプ59で汲み出され、シンク11内に配置された上下ノズルリンク12、13および固定ノズル14から噴射されることにより、洗髪が行われる。
【0027】貯湯タンク45への温水の供給は、ミキシングバルブ41を介して行われる。このミキシングバルブ41には、機外の水道設備から水供給部40を経て水が与えられると共に、機外の給湯設備から湯供給部42を経て湯が与えられるようになっている。水供給部40は、例えば手動弁、フィルタ、逆止弁、アキュムレータ、安全弁などをユニット化したものであって、湯供給部42は、例えば手動弁、フィルタ、逆止弁などをユニット化したものである。
【0028】ミキシングバルブ41は、水供給部40および湯供給部42から与えられる水および湯を混合し、温水にして貯湯タンク45側に出力する。本実施形態では、ミキシングバルブ41は、モータ39により駆動されるようになっている。具体的には、ミキシングバルブ41には、調整機構として、水と湯との混合割合を可変するための図示しない弁(サーモ弁)が備えられており、この弁がモータ39により駆動されるようになっている。そして、この弁によって水と湯との混合割合が調整されることにより、所望の温度の温水が作られ、貯湯タンク45側に出力される。
【0029】ミキシングバルブ41で作られた温水は、供給管44を介して貯湯タンク45に供給される。この供給管44の途中には、貯湯バルブ43が設けられていて、この貯湯バルブ43が開かれることにより、ミキシングバルブ41から貯湯タンク45へと温水が流れ込むようになっている。また、供給管44の途中には、ミキシングバルブ41から供給される温水の温度を検知するためのサーミスタ46が備えられている。
【0030】貯湯タンク45の内部には、貯湯タンク45に溜められている温水の水量を検知するための下位水量センサ50および上位水量センサ51が備えられている。貯湯タンク45内の温水が使用されて、所定の最低水量に達したことが下位水量センサ50により検知された場合には、貯湯バルブ43が開かれて、貯湯タンク45内に温水が供給される。その後、貯湯タンク45内の温水が所定の最高水量に達したことが上位水量センサ51により検知されると、貯湯バルブ43が閉じられて、温水の供給が停止する。このようにして、貯湯タンク45内には、上記最低水量と最高水量との間で、常に温水が溜められた状態となっている。また、貯湯タンク45の下部(下位水量センサ50よりも下方)には、貯湯タンク45内の温水の温度を検知するためのサーミスタ52が備えられている。
【0031】貯湯タンク45の上部(上位水量センサ51よりも上方)には、上位水量センサ51の故障などに起因して、貯湯タンク45内に上記最高水量以上の温水が供給された場合に、その余分な温水を貯湯タンク45の外部に溢れ出させるための溢水口53が形成されている。溢水口53の下方には、貯湯タンク45から溢れ出した温水を受け止めるためのドレンパン55が配置されていて、ドレンパン55により受け止められた温水は、排水管56を通って機外に排出されるようになっている。また、ドレンパン55には、排水管56から機外に排出されるべき温水が逆流して、ドレンパン55内に所定水位以上の温水が溜まった場合に、その異常状態を検知するための水位センサ54が備えられている。
【0032】ミキシングバルブ41で作られた温水は、貯湯タンク45だけでなく、ハンドシャワー4にも供給されるようになっている。供給管44は、途中で分岐して、ハンドシャワー4に至る供給ホース49に連通しており、ハンドシャワー用コック8が開方向に回されることにより、供給ホース49を介してハンドシャワー4から温水が噴射されるようになっている。貯湯タンク45の最下部には、流出管57が接続されていて、この流出管57の他端は、ポンプ59の汲込口に接続されている。ポンプ59は、インバータ58から交流電流が供給されることにより駆動されるようになっていて、貯湯タンク45内の温水は、流出管57を介してポンプ59内に汲み込まれるようになっている。
【0033】流出管57の途中には、シャンプー容器6に至るシャンプー供給管61と、トリートメント容器5に至るトリートメント供給管62とが接続されている。シャンプー供給管61およびトリートメント供給管62の途中には、それぞれシャンプー用ポンプ65およびトリートメント用ポンプ66が備えられていて、これらのポンプ65、66の働きにより、流出管57内を通る温水に、シャンプー液およびトリートメント液を混入することができるようになっている。これらのシャンプー液およびトリートメント液の混入量を適当に調節することにより、ポンプ59には、そのとき使用すべき洗浄水が汲み込まれるようになっている。
【0034】ポンプ59内に汲み込まれた洗浄水は、複数(例えば8つ)の分路を有する分岐管75へと出力される。分岐管75内には、フィルタ74が設けられていて、その下流側の8つの分路には、上ノズルバルブ76、下ノズルバルブ77、固定ノズルバルブ78〜81、排水バルブ82および予備バルブ83の8つのバルブが設けられている。分岐管75の8つの分路のうち、予備バルブ83以外のバルブ76〜82が備えられた各分路には、それらのバルブ76〜82の下流側に、管84〜90がそれぞれ延設されている。
【0035】管84の終端は、上ノズルリンク12に接続されており、管85の終端は、下ノズルリンク13に接続されている。また、管86〜89の終端は、シンク11の周面壁に取り付けられた複数の固定ノズル14にそれぞれ接続されている。シンク11の底面には、当該シンク11内の水を排出するための開口が形成されていて、その開口は、逆流を防止するための排水トラップ92を介して排水管93に連通している。これにより、シンク11内から排出された水は、排水管93を通って機外に排水されるようになっている。予備バルブ83の下流側に延設された管90の終端は、排水トラップ92に接続されている。
【0036】上下ノズルリンク12、13の根元部には、これらのノズルリンク12、13を駆動するための駆動機構31が接続されている。この駆動機構31には、リンクモータRMが含まれていて、当該リンクモータRMの駆動により、上下ノズルリンク12、13をそれぞれ所望の角度範囲で回動させることができるようになっている。図5は、この自動洗髪機1の電気的構成を示すブロック図である。当該自動洗髪機1の全体の制御を司るマイクロコンピュータ17は、CPU18、RAM19、ROM20などを含む構成となっており、ROM20には、洗髪時における当該自動洗髪機1の運転を制御するための運転プログラムが予め記憶されている。
【0037】生理量センサ37は、マイクロコンピュータ17に対して入力可能に接続されている。この生理量センサ37には、被洗髪者Hに対するGSR(Galvanic Skin Reflex(皮膚電気反射))を測定するためのGSRセンサ電極37aと、被洗髪者Hの皮膚温を検知するための皮膚温検知用サーミスタ37bと、被洗髪者Hの脈拍を検知するための脈拍センサ37cとが備えられている。GSRセンサ電極37aは、被洗髪者Hの手のひらから、皮膚交感系活動(発汗神経)を反映する精神性発汗を検知するためのものである。皮膚温検知用サーミスタ37bは、被洗髪者Hの指先から、皮膚交感系活動(血管収縮神経)を反映する温度変化を検知するためのものである。また、脈拍センサ37cは、被洗髪者Hの指先から、心臓交感系活動を反映する脈波変動を検知するためのものである。
【0038】マイクロコンピュータ17には、ミキシングバルブ41を駆動するためのモータ39、ポンプ59を駆動するためのインバータ58、上下ノズルリンク12、13を駆動するための駆動機構31、およびバルブ76〜81などが制御対象として接続されている。マイクロコンピュータ17は、モータ39を駆動制御して、ミキシングバルブ41の開閉を調節することにより、貯湯タンク45に溜められる温水の温度を調節することができる。また、マイクロコンピュータ17は、インバータ58を制御して、ポンプ59の吐出圧力を変化させることにより、各ノズルから噴射される温水の水圧(噴射の勢い)を調節することができる。さらに、マイクロコンピュータ17は、駆動機構31を制御することにより、上下ノズルリンク12、13が回動する角度範囲を調節することができる。さらにまた、マイクロコンピュータ17は、バルブ76〜81の開閉を調節することにより、各ノズルにおける洗浄水の噴射のタイミングを調節することができる。
【0039】生理量検知センサ37の各センサ37a〜37cから検知結果が入力されたマイクロコンピュータ17は、それらの検知結果を総合判定し、被洗髪者Hが活性状態であるか、あるいはリラックス状態であるかの推定を行うことができるようになっている。この活性状態およびリラックス状態は、生体(被洗髪者H)における相反する心身状態であって、通常、活性状態およびリラックス状態における各センサ37a〜37cの検知結果には、図6に示すような傾向がある。すなわち、被洗髪者Hが活性状態にあるときは、GSRおよび脈拍が上昇し、皮膚温が降下する。一方、被洗髪者Hがリラックス状態にあるときは、皮膚温が上昇し、GSRおよび脈拍が降下する。
【0040】マイクロコンピュータ17では、GSR、皮膚温および脈拍の上昇/降下に基づいて、被洗髪者Hが活性状態であるか、あるいはリラックス状態であるかの推定(感覚推定)を行い、その推定結果に基づいて、当該自動洗髪機1における運転内容を調節することにより、被洗髪者Hにとってより快適な洗髪を行うことができるようになっている。図7は、感覚推定結果の入力に基づくマイクロコンピュータ17の制御の流れを示すフローチャートである。
【0041】図7を参照して、被洗髪者Hの手のひらがアームレスト36の生理量センサ37の検知面に置かれた状態で、自動洗髪機1の運転が開始されると、まず、生理量センサ37により、脈拍、発汗量(GSR)および皮膚温などの測定が行われる(ステップS1)。そして、その測定結果に基づいて測定量(活性/リラックス度)が判定されることにより、感覚推定が行われ(ステップS2)、その推定結果に基づいて、被洗髪者Hがよりリラックス状態となるように自動洗髪機1の運転内容が調節される(ステップS3)。
【0042】運転内容の調節方法の具体例としては、以下のようなものがあげられる。
■脈拍および発汗量が上昇した場合、各ノズルから噴射される水圧を所定量だけ落とす(例1)。このとき、ポンプ59による水圧の調節を段階的に行うことができるようになっている場合には、例えば水圧を1段階以上落とすようになっていてもよい。
■上下ノズルリンク12、13を回動させつつ洗浄水を噴射させた際に、特定の回動位置(特定部位)で脈拍および発汗量が上昇した場合、当該部位での水圧が低くなるよう制御する(例2)。
■上記のような運転内容の変更を行うことにより、脈拍が安定し、発汗が抑えられた場合(リラックス状態となった場合)には、洗髪時間を延長することにより、リラックス状態で比較的長い時間洗髪を行うことができるようにする(例3)。
■脈拍および発汗量が上昇した場合、実行中の洗髪コースを、各ノズルから噴射される水圧が比較的低い洗髪コースに変更する。
■脈拍および発汗量が上昇した場合、各ノズルから噴射される洗浄水の温度(湯温)を下げる。
【0043】ステップS1〜S3の制御は、洗髪工程の工程時間が経過するまで(ステップS4でYESとなるまで)繰り返し行われる。これにより、洗髪中に被洗髪者Hの生理量が変化すれば、それに合わせて自動洗髪機1の運転内容が調節されるので、被洗髪者Hは常に快適な運転内容で洗髪を行うことができる。本実施形態では、感覚推定の結果を、被洗髪者Hごとにマイクロコンピュータ17のRAM19に記憶しておくことができるようになっていて、それ以降の洗髪時に、過去の感覚推定結果(感覚推定履歴)を読み出して洗髪を行うことができるようになっている。
【0044】図8は、感覚推定履歴を読み出して洗髪を行う際の動作の流れを示すフローチャートである。本実施形態に係る自動洗髪機1では、例えば操作パネル7を操作することにより被洗髪者HのID番号(例えば美容院の会員に予め付与される会員番号など)を入力して、被洗髪者Hを識別(個人識別)することができるようになっている。また、自動洗髪機1のRAM19には、各ID番号に対応付けて、以前の洗髪時における複数回分の感覚推定履歴を記憶することができるようになっている。
【0045】図8を参照して、感覚推定履歴を読み出して洗髪を行う場合には、まず、操作パネル7を操作して被洗髪者HのID番号を入力することにより、個人識別を行う(ステップT1)。このとき、マイクロコンピュータ17のRAM19に、そのID番号に対応する被洗髪者Hの以前の感覚推定履歴が記憶されている場合には、その感覚推定履歴が読み出されて、例えば操作パネル7に備えられた表示画面にそれらの感覚推定履歴が表示される(ステップT2、感覚推定履歴読出)。
【0046】オペレータは、操作パネル7の表示画面に表示された感覚推定履歴のうち、被洗髪者Hのリラックス度が最も高い履歴に対応する運転内容を、その後に行う洗髪における初期状態として設定することとなる(ステップT2、洗髪デフォルト設定)。これにより、被洗髪者Hに応じて、その被洗髪者Hにとってより快適な運転内容で洗髪を行うことができる。また、洗髪開始のときから、被洗髪者Hに適した(リラックス度が高い)運転内容で洗髪を行うことができるので、運転内容の調節に要する手間および時間を削減できる。
【0047】自動洗髪機1をパソコンなどの外部機器に接続すれば、より多くの感覚推定履歴を記憶させることができるので、それらの履歴の中から最もリラックス度の高い履歴に対応する運転内容で洗髪を行えば、さらに快適な洗髪を行うことができる。なお、本実施形態では、複数回の洗髪時の履歴から、変化する被洗髪者Hの生理量を予測して、運転内容を設定することも可能である。
【0048】感覚推定履歴に基づいて洗髪デフォルト設定を行った後(ステップT2)、例えばオペレータが操作パネル7に備えられたスタートボタンを押すと、その設定した運転内容による洗髪が実行される(ステップT3)。洗髪デフォルト設定は、上述のようにオペレータにより手動で行われる構成に限らず、ID番号の入力に応答して自動で行われるような構成であってもよい。また、マイクロコンピュータ17のRAM19に複数回分の感覚推定履歴を記憶する構成に限らず、前回分の感覚推定履歴だけが記憶されて、その前回分の感覚推定履歴に基づいて洗髪デフォルト設定を行うような構成であってもよい。
【0049】上記実施形態では、感覚推定履歴をマイクロコンピュータ17のRAM19に記憶して、その感覚推定履歴に基づいて洗髪を行う構成について説明したが、図7のステップS3において説明したように、感覚推定履歴に基づいて調節した運転内容に関する情報(水圧、洗髪部位、洗髪時間、洗髪コース、湯温など)をRAM19に記憶して、それらの情報に基づいて洗髪を行うような構成であってもよい。
【0050】また、ID番号の入力により個人識別を行う構成に限らず、例えば、被洗髪者Hの指紋を識別するための指紋識別センサを設けて、そのセンサにより識別された指紋に基づいて個人識別を行うような構成であってもよい。この場合、指紋識別センサは、洗髪時に被洗髪者Hが手のひらを置く位置にある生理量センサ37に備えられていることが好ましい。図9は、本発明の第2実施形態におけるマイクロコンピュータ17の制御の流れを示すフローチャートである。なお、自動洗髪機1の構成については、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0051】本実施形態では、洗髪中の被洗髪者Hが強い刺激(例えば痛み)を感じているか否かを判別し、被洗髪者Hが痛みを感じていると判別された場合には、痛みが低減するように自動洗髪機1の運転内容を調節することができるようになっている。図10は、被洗髪者Hが痛みを感じたときの生理量の変化を示す波形図である。通常、被洗髪者Hが痛みを感じていない状態では、図10における左側に示すように、発汗(GSR)、脈拍数および皮膚温はほとんど変動しない。しかし、被洗髪者Hが痛みを感じると、図10における右側に示すように、GSRおよび脈拍数が急激に上昇し、皮膚温が急激に低下する。本実施形態では、このようなGSR、脈拍数および皮膚温の変化量に基づいて、被洗髪者Hが痛みを感じているか否かを判別(痛み判別)することができるようになっている。
【0052】図9を参照して、被洗髪者Hの手のひらがアームレスト36の生理量センサ37の検知面に置かれた状態で、自動洗髪機1の運転が開始されると、まず、生理量センサ37により被洗髪者Hの生理量(皮膚温、発汗量(GSR)および脈拍など)が計測される(ステップP1)。その後、それらの計測結果に基づいて各生理量の変化量ΔT、ΔG、ΔHが算出される(ステップP2)。そして、算出された変化量が、痛み判別を行うための予め定められた式(痛み判別式)に当てはめられることにより、痛み量Pが算出され、その痛み量Pの値に基づいて痛み反応の有無が判別される(ステップP3)。痛み判別式は、例えば以下のような式となる。
【0053】P=aT×ΔT+aG×ΔG+aH×ΔHΔT:皮膚温の変化量ΔG:GSRの変化量ΔH:脈拍数の変化量aT,aG,aH:係数上記のような痛み判別式から得られた痛み量Pが予め定める閾値θよりも大きい場合には、痛み反応ありと判別され、閾値θ以下の場合には、痛み反応なしと判別される。
【0054】痛み反応がある場合には(ステップP4でYES)、その痛みが低減するように自動洗髪機1の運転内容が調節される(ステップP5)。運転内容の調節方法の具体例としては、以下のようなものがあげられる。
■上下ノズルリンク12、13を回動させつつ洗浄水を噴射させた際に、特定の回動位置(特定部位)で痛み反応があった場合、または実行中の洗髪コースに含まれる複数の洗髪モードのうち特定のモードで痛み反応があった場合に、それらの特定部位または洗髪モードにおける洗浄水の水圧が低くなるよう制御する。
■洗髪時間を短縮したり、痛み反応があった洗髪モードをスキップしたりする。
【0055】ステップP1〜P5の制御は、洗髪工程の工程時間が経過して洗髪が終了するまで(ステップP6でYESとなるまで)繰り返し行われる。これにより、洗髪中に被洗髪者Hが痛みを感じた場合には、それに合わせて運転内容が調節されて、痛みが低減されるので、被洗髪者Hはより快適な運転内容で洗髪を行うことができる。本実施形態では、痛み反応がなかった場合(ステップP4でNO)、運転内容の調整を行わないような構成となっている。ただし、この構成に限らず、痛み反応がなかった場合には、各ノズルから噴射される洗浄水の水圧を高くするようになっていてもよい。この場合、痛み量Pが閾値θよりも大きくなるまで洗浄水の水圧が徐々に高くなり、閾値θよりも大きくなると水圧が下げられるという制御が繰り返されるので、痛み量Pが閾値θ周辺の値となるような水圧で洗髪を行うことができる。すなわち、被洗髪者Hが痛みを感じない程度のより高い水圧で洗髪を行うことができるので、良好に洗髪を行うことができる。
【0056】図11は、本発明の第3実施形態に係る自動洗髪システムおける洗髪時の信号の流れを示すブロック図である。なお、自動洗髪機における洗髪の態様(被洗髪者Hの頭部および髪に洗浄水を噴射するという態様)については、第1実施形態と同様であるので、その説明を省略する。本実施形態に係る自動洗髪システムでは、洗髪中の被洗髪者Hの視覚や聴覚などを刺激することにより、リラクゼーション効果またはリフレッシュ効果のある運転内容を付加して運転を行うことができるようになっている。ここで、リラクゼーション効果とは、例えば被洗髪者Hにクラシック音楽を聞かせるなどして、被洗髪者Hをリラックスさせる効果をいい、リフレッシュ効果とは、例えば被洗髪者Hに映像と音声によるバーチャルリアリティーを味わせるなどして、被洗髪者Hをリフレッシュさせる効果をいう。
【0057】この自動洗髪システムには、第1実施形態において説明した自動洗髪機1および生理量センサ37の他に、構成要素として、被洗髪者Hの視覚や聴覚などを刺激するための刺激装置27と、感覚推定結果を表示するための感覚表示器28とが含まれる。刺激装置27は、例えば、洗髪中の被洗髪者Hに映像を見せることにより視覚を刺激するものや、被洗髪者Hに音声を聞かせることにより聴覚を刺激するものであってもよいし、椅子35を介して被洗髪者Hに振動を与えたり、被洗髪者Hの手足を温めたりすることにより被洗髪者Hに刺激を与えるようなものであってもよい。
【0058】被洗髪者Hの聴覚を刺激する刺激装置27の場合、例えば、自動洗髪機1の各ノズルから噴射される洗浄水の水圧が高いときには、出力する音声を大きくするような構成となっていることが好ましい。この場合、各ノズルから噴射された洗浄水の水圧が高いために、その洗浄水がシンク11に衝突することにより生じる騒音が大きい場合であっても、刺激装置27から出力する音声をその分大きくすることで、被洗髪者Hの聴覚に十分な刺激を与えることができる。このように自動洗髪機1の運転内容に応じて刺激装置27の動作を制御すれば、被洗髪者Hに十分な刺激を与えることができ、リラクゼーション効果またはリフレッシュ効果を高めることができるので、より快適な洗髪を行うことができる。
【0059】感覚表示器28は、例えば自動洗髪機1に備えられていて、被洗髪者Hの感覚推定結果をグラフで表示することができるようになっている。オペレータは、この感覚表示器28の表示を見ることにより、被洗髪者Hが緊張状態であるか、またはリラックス状態であるかを認識できる。この場合、感覚表示器28に表示されるグラフの軌跡の色を、例えば被洗髪者Hが緊張状態にあるときは赤色、リラックス状態にあるときは緑色というように、被洗髪者Hの心身状態に応じて区別して表示するような構成とすれば、被洗髪者Hの心身状態およびその変化がオペレータに分かりやすい。
【0060】ただし、感覚表示器28は、感覚推定結果をグラフで表示するものに限らず、例えば数値で表示するような構成であってもよい。また、感覚推定結果の表示は、自動洗髪機1に備えられた感覚表示器28によるものに限らず、例えば、自動洗髪機1に接続された外部機器(例えばパソコン)の表示画面に表示するような構成であってもよい。さらに、感覚推定結果を表示画面に表示するのではなく、音で報知するような構成であってもよい。
【0061】図11に示すように、生理量センサ37が被洗髪者Hの生理量を検知すると(■生理量)、その検知結果に基づいて感覚推定が行われ、その推定結果が感覚表示器28に表示される(■表示)。そして、自動洗髪機1のマイクロコンピュータ17は、図7において説明したように、感覚推定結果に基づいて被洗髪者Hがよりリラックスした状態となるように自動洗髪機1の運転内容を調節することにより、フィードバック制御を行い(■フィードバック制御)、洗髪を実行する(■洗髪)。
【0062】洗髪中は、上述のように、感覚推定結果に基づいて刺激装置27から被洗髪者Hに刺激が与えられる(■刺激)。被洗髪者Hの心身状態は、自動洗髪機1による洗髪に対する感覚と、刺激装置27から与えられる刺激に対する感覚とにより変化し、それらに基づく生理量が再び生理量センサ37に与えられる(■生理量)。このようにして、変化する被洗髪者Hの心身状態に合わせたリラクゼーション効果またはリフレッシュ効果を付加しつつ、より快適な洗髪を行うことができるようになっている。
【0063】本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば,生理量センサ37は、右側のアームレスト36に限らず、左側のアームレスト36に取り付けられていてもよいし、例えば被洗髪者Hの顔面の周囲に当接するフェイスシール2Bなど、アームレスト36以外の部分に取り付けられていてもよい。
【0064】また、生理量センサ37は、例えば被洗髪者Hの手に嵌めたり、手で持つことができるような、自動洗髪機1や椅子35と分離して設けられたものであってもよい。被洗髪者Hの頭部および髪への洗浄水の噴射の態様は、上記実施形態のように、上下ノズルリンク12、13および複数の固定ノズル14によるものに限らず、例えば、複数の固定ノズルのみによるものであってもよいし、固定ノズルを有さない構成であってもよい。
【0065】上記実施形態では、自動洗髪機1と椅子35とが分離した構成について説明したが、これらが一体的に構成された自動洗髪機にも本発明を適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【識別番号】301061850
【氏名又は名称】三洋電機テクノクリーン株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【識別番号】000108672
【氏名又は名称】タカラベルモント株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区東心斎橋2丁目1番1号
【出願日】 平成14年4月25日(2002.4.25)
【代理人】 【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作 (外1名)
【公開番号】 特開2003−310338(P2003−310338A)
【公開日】 平成15年11月5日(2003.11.5)
【出願番号】 特願2002−124718(P2002−124718)