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【発明の名称】 マスカラ塗布用ブラシ
【発明者】 【氏名】和田 圓
【住所又は居所】東京都墨田区本所3丁目21番10号 和田工業株式会社内

【要約】 【課題】マスカラを塗布する際に手を顔から離れた状態で行うことができ、しかもマスカラをたっぷりとまつ毛に付着させることができるとともに、ブラシを回転させることでまつ毛を目頭(目尻)から目尻(目頭)に向かって順次梳いてカールを形成することができる構造簡易なマスカラ塗布用ブラシを提供することにある。

【解決手段】塗布ブラシ部の外輪郭が円錐台形状をなし、かつその円錐台形状の塗布ブラシ部が中心軸に対してねじれ角を持つ刈り込み凹部を一箇所以上有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ブラシ毛を金属製の芯線間にこれと交差状に配し、芯線をらせん状に巻回することにより塗布ブラシ部を形成した塗布用ブラシにおいて、塗布ブラシ部の外輪郭が円錐台形状をなし、かつその円錐台形状の塗布ブラシ部が中心軸に対してねじれ角を持つ刈り込み凹部を一箇所以上有していることを特徴とするマスカラ塗布用ブラシ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマスカラ塗布用ブラシに関する。
【0002】
【従来の技術】マスカラはまつ毛の化粧料として汎用されており、その塗布具合の良し悪しが目の魅力や印象を大きく左右させ、うまくボリュームをつけた場合に目を美しく魅力的に見せることができるとされている。
【0003】かかるマスカラ塗布手段として、2本の金属線間にブラシ材を金属線に対して交差状に挟み、金属線をらせん状に捻ることによりブラシ材を巻き輪間に固定させたブラシが広く使用されているが、従来の塗布用ブラシは、一般に外輪郭が円筒状となっていた。
【0004】このような構造では、円筒面であるため、まつ毛に塗布するときにブラシを持つ手が顔に近くなり、特に右手でブラシを持って左眼のまつ毛に塗布するときにブラシ軸が鼻にぶつかりやすくなる。このため、使用感が芳しくないという問題があった。
【0005】また、円筒状であるため容器の拭き取りリップでぬぐわれて粘稠なマスカラがブラシ材の付根付近の金属線部分に溜まってしまい、ブラシ材の毛先へのマスカラ付着量が少なくなるので、まつ毛に塗布したときにボリュームをつけることが難しく、無理に擦り付けることによりまつ毛に無理な力をかけたり、一様に付着されずまだらになったりしやすい問題があった。
【0006】こうした不具合を改善するために、従来、ブラシの外輪郭を円錐状ないし先細り状にしたものがあるが、やはり毛の長さが円周上で一様であるため保液性が弱く、まつ毛にたっぷりとマスカラを塗布することが難しいとともに、マスカラを塗布したまつ毛を梳かして分離させることができず、この操作を別途行わなければならないという煩雑さがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは,マスカラを塗布する際に手を顔から離れた状態で行うことができ、しかもマスカラをたっぷりとまつ毛に付着させることができるとともに、ブラシを回転させることでまつ毛を目頭(目尻)から目尻(目頭)に向かって順次梳いてカールを形成することができる構造簡易なマスカラ塗布用ブラシを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明は、ブラシ毛を金属製の芯線間にこれと交差状に配し、芯線をらせん状に巻回することにより塗布ブラシ部を形成した塗布用ブラシにおいて、塗布ブラシ部の外輪郭が円錐台形状をなし、かつその円錐台形状の塗布ブラシ部が中心軸に対してねじれ角を持つ刈り込み凹部を一箇所以上有していることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明する。図1ないし図4は本発明によるマスカラ塗布ブラシの実施例を示している。1は摘み、2は摘み1と一体の軸、3は塗布ブラシ部である。前記塗布ブラシ部3は、所定のピッチで螺旋状に巻回された芯線4と、該芯線4の軸線と交差して放射状に伸びる多数のブラシ毛群5から構成されており、芯線4の後部40が前記軸2に圧入されている。ブラシ毛の材質は、ナイロンなど任意であり、断面が中実でも中空でもよい。
【0010】前記各ブラシ毛群5は、芯線4との交差部分が螺旋の巻き輪部で固定されることによりそれぞれが所定のボリュームの束となり、この状態で芯線4の周りに螺旋状を描いて配列されている。そして、塗布ブラシ部3のブラシ毛群5で画成される輪郭形状(外観形状)が、円錐台状となっている。
【0011】すなわち、軸2に近い後端50が最も径が大きく、反対端51が最も径が小さくなるように連続的に径が変化している。本発明で「円錐台状」とは、直線である場合のほか、図示するように、たとえばR200〜230といった大きな曲率を有している場合を含む概念である。
【0012】前記円錐台状の塗布ブラシ部3には、全体としてブラシ長手方向に走る刈り込み凹部6が1箇所以上形成されている。刈り込み凹部6は、この実施例では略180度対称位置に2つ形成されており、しかも、前記各刈り込み凹部6は、図3のように、芯線4の中心軸CLと平行ではなく、中心軸CLに対して所定のねじれ角度αをもって交差している。
【0013】刈り込み凹部6は、まつ毛の目頭側から目尻側までの幅よりも適度に大きな長さLを持ち、この範囲でまつ毛の平面から見た生え揃え状態にマッチするように、深さDが、長さ方向の略中央で最も深く、端部に近いほど浅くなるように形成されている。刈り込み凹部6は、後端60が塗布ブラシ部3の後端30に至っていてもよいが、前端61は塗布ブラシ部3の前端31に至っておらず、したがって、塗布ブラシ部3の先端領域Aは、余分なマスカラを払拭したり微調整操作に適するように均等な長さに揃えられている。
【0014】また、刈り込み凹部6は所定の幅Wを有し、この範囲内で幅方向の両縁部が最も浅く中央部が最も深くなるように形成されている。前記幅Wは、この実施例では長手方向の中央部が広く、端部に向かうほど漸次狭くなっているが、端部まで同じ幅となっていてもよい。
【0015】なお、刈り込み凹部6は図示するものでは右下がりであるが、これを左下がりとしてもよいし、刈り込み凹部6が2箇所以上ある場合、各刈り込み凹部6を異なる向きにしてもよい。塗布ブラシ部3は必ずしも軸2に対して一直線である必要はなく、傾斜状になっていてもよいし、弧状となっていてもよい。芯線は1本の金属線をuターン状にしたものに限らず、2本の芯線を使用してもよい。
【0016】第1実施例のブラシの製作法は任意であるが、たとえば、1本の金属線をUタ−ン状に折り曲げて2本の平行な素芯線とし、それら素芯線の間に面状に整えたブラシ素毛群を挟んで素芯線を一方向にかつ螺旋が先端に達するまで撚ったのち、素ブラシを円錐台状にカットする。そして、素ブラシを回転させながら所定幅のカッターを当てて刈り込み凹部6を作ればよく、必要に応じて全体をしごいて毛を外方に向かって開かせる。
【0017】
【実施例の作用】次に実施例の作用を説明すると、従来の塗布ブラシと同じようにマスカラ容器に挿入してマスカラに浸し、容器から抜き出して使用に移すが、塗布ブラシ部3に長手方向及び幅方向で湾曲した刈り込み凹部6が1箇所以上形成されているので、この領域を構成する短い毛群でマスカラは芯線部分への流動付着が阻止され、表面張力によって短い毛群に十分付着し、短い毛群の先端から上でブリッジ状になる。したがって保液性がよく、マスカラは刈り込み凹部6にたっぷりと保持される。
【0018】この状態で摘み1を持ってまつ毛に塗布ブラシ部3を接触させるが、塗布ブラシ部3の輪郭形状が円錐台状をなしているので、軸2を顔から遠ざかる位置に置くことができ、右手で持って左眼のまつ毛の目頭を化粧するときにも、軸2が鼻に当接したり、過度に接近することが回避される。
【0019】前記のような操作で塗布ブラシ部3をまつ毛と並列状に配したときには、刈り込み凹部6でたっぷりな量が保持されたマスカラをまつ毛にボリュームを付けて付着させることができ、この状態で軸2によってブラシを回転させることにより、刈り込み凹部6に隣接する長毛群部分でまつ毛を梳かすことができる。
【0020】しかも、刈り込み凹部6がブラシ軸線と平行でなく、ブラシ軸線に対して交差するようにねじれているため、軸2の回転による前記「梳き」は、まつ毛の全体に対して同時的ではなく、逐次的に行われる。すなわち、まつ毛を目頭(又は目尻)の方から徐々に目尻(目頭)に向かって梳かすことができる。
【0021】このため、目のカーブに個人差があっても、まつ毛に沿って正確に、きれいにマスカラ化粧を行うことができる。また、全まつ毛を同時に梳くのでなく序序に梳くため、まつ毛に対する過度の梳きストレスを与えることを回避でき、まつ毛基部の皮膚に対する植毛強度が弱い場合でも、脱毛を避けることができる。
【0022】なお、刈り込み凹部6は円錐台状の塗布ブラシ部3の全長に達する溝ではなく、塗布ブラシ部3は円錐台状特有の毛長さが異なる先端領域と後端領域部がある。したがって、目頭などのまつ毛の毛長さが短い部位には、刈り込み凹部6のない先端領域を利用でき、マスカラをぽってりと沢山付け過ぎることがない。また、下まつ毛などの細かい部位にもきれいにマスカラを塗布することができる。一方、目尻などのまつ毛の毛長さが長い部位には、マスカラをたっぷりと塗布し、目尻側にまつ毛が広がるようにすることができる。したがって、まつ毛の長さや毛の方向を確実に捉え、目の幅を広く見せることができる。
【0023】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1によるときには、ブラシ毛を金属製の芯線間にこれと交差状に配し、芯線をらせん状に巻回することにより塗布ブラシ部を形成した塗布用ブラシにおいて、塗布ブラシ部の外輪郭が円錐台形状をなしているため、まつ毛の化粧に際してブラシの軸やこれを持つ手を顔や鼻にぶつけずに軽快に操作できる。しかも、円錐台形状の塗布ブラシ部3が中心軸に対してねじれ角を持つ刈り込み凹部6を一箇所以上有しているので、マスカラをたっぷりと保持してまつ毛に付けることができるとともに、ブラシの回転でまつ毛に過度のストレスを与えないように目頭(目尻)から目尻(目頭)に向かって徐々に梳くことができるというすぐれた効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000252528
【氏名又は名称】和田工業株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区本所3丁目21番10号
【出願日】 平成14年4月15日(2002.4.15)
【代理人】 【識別番号】100072408
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰弘
【公開番号】 特開2003−304929(P2003−304929A)
【公開日】 平成15年10月28日(2003.10.28)
【出願番号】 特願2002−112065(P2002−112065)