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【発明の名称】 メイクアップ用アプリケータ及びその製造方法
【発明者】 【氏名】金沢 末信
【住所又は居所】群馬県碓氷郡松井田町大字二軒在家1007番地の5 株式会社金沢化成内

【氏名】飯塚 彰敏
【住所又は居所】群馬県碓氷郡松井田町大字二軒在家1007番地の5 株式会社金沢化成内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の長さを有するロッドの先端部外周にフロックを一体的に接着せしめたメイクアップ用アプリケータであって、前記ロッドの先端部外周に突条で挟まれる凹部が形成され、その凹部に前記フロックを固定した接着剤が詰められて成ることを特徴とするメイクアップ用アプリケータ。
【請求項2】 所定の長さを有するロッドの先端部外周にフロックを一体的に接着せしめて成るメイクアップ用アプリケータを製造する方法であって、前記ロッドの先端部外周に接着剤を付けた後、その接着剤の塗布部にフロックを固定することを特徴とするメイクアップ用アプリケータの製造方法。
【請求項3】 所定の長さを有するロッドの先端部外周にフロックを一体的に接着せしめて成るメイクアップ用アプリケータを製造する方法であって、前記ロッドに、予めその先端部を小径と成す段差を付けるか、又はフロックを固定すべき先端部を区切るための境界と成す環状溝を形成しておき、当該ロッドの先端部外周に接着剤を付けた後、その接着剤の塗布部にフロックを固定することを特徴とするメイクアップ用アプリケータの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はメイクアップ用具、特にリップグロス、アイシャドー、又はマニキュアといった化粧剤を塗布するのに用いられるアプリケータに係わり、詳しくは少ない材料及び工数で効率的に作り得るメイクアップ用アプリケータとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リップグロス、アイシャドー、又はマニキュアといった化粧剤を所定の部位に塗布するアプリケータとして、図11に示すようなものが一般に広く賞用されている。図11において、Rは全長が3cm〜6cm程度に設定される合成樹脂製のロッドであり、その先端には短繊維状の合成高分子で成るフロックfを植毛したブラシヘッドH(チップ)が設けられる。
【0003】図12に示すようにロッドRは中空軸とされる一方、ブラシヘッドHは一端がロッドRの先端に差し込まれる心棒eと、その心棒の他の一端外周に接着されるフロックfとから構成される。心棒eは主に合成樹脂から成る短軸であり、その一端外周には接着剤が塗布された後、その塗布部に植毛機(フロック加工機)にてフロックfが固着される。
【0004】尚、フロックfは静電気を利用して接着剤の塗布部に付着されるが、これを振動により接着剤の塗布部に散布したり、又はスプレーガンで吹き付けたりする場合もある。
【0005】そして、その種のブラシヘッドHは、フロック加工後、心棒eの一端をロッドRの先端に差し込んで接着剤にて固定される。尚、図13のように、ブラシヘッドHとして、心棒eにワイヤーを用いる場合もあるが、これもワイヤーで成る心棒eをロッドの先端に差し込んで接着剤や熱溶着にて固定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、以上のような従来のメイクアップ用アプリケータは、個別に作成したロッドとブラシヘッドを組み合わせるので、作業工数や使用材料が多くコスト高になり、特にブラシヘッドは全長が数cm足らずの小型部品であるから、これを一つずつロッドに取り付けるのは非常に煩わしく時間が掛かるという難点があった。
【0007】又、ブラシヘッドをロッドに取り付ける際、固定用の接着剤がフロックに付着して繊維が束状に固化してしまったり、その接着剤が足りずにブラシヘッドが脱落するなどの不具合があった。更に、心棒にフロックを固定する際に心棒に塗布した接着剤が流動するなどしてフロックが均等に接着せず、その毛並みが不揃いになってしまう事が多い。
【0008】本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は毛並みの揃った高品質のメイクアップ用アプリケータと、これを不良率少なく低コストで効率よく製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、所定の長さを有するロッドの先端部外周にフロックを一体的に接着せしめたメイクアップ用アプリケータであって、前記ロッドの先端部外周に突条で挟まれる凹部が形成され、その凹部に前記フロックを固定した接着剤が詰められて成ることを特徴とする。
【0010】一方、請求項2に係る発明は、所定の長さを有するロッドの先端部外周にフロックを一体的に接着せしめて成るメイクアップ用アプリケータを製造する方法であって、前記ロッドの先端部外周に接着剤を付けた後、その接着剤の塗布部にフロックを固定することを特徴とする。
【0011】又、請求項3に係る発明は、所定の長さを有するロッドの先端部外周にフロックを一体的に接着せしめて成るメイクアップ用アプリケータを製造する方法であって、前記ロッドに、予めその先端部を小径と成す段差を付けるか、又はフロックを固定すべき先端部を区切るための境界と成す環状溝を形成しておき、当該ロッドの先端部外周に接着剤を付けた後、その接着剤の塗布部にフロックを固定することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。先ず、図1に本発明の好適な態様として係るメイクアップ用アプリケータの側面図を示す。図1において、1は全長が3〜8cm程度に設定される丸軸形のロッドであり、このロッド1は例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)などの合成樹脂から形成される。
【0013】又、ロッド1の一端部にはそれよりも径の太い円筒形のグリップ部2が一体に形成され、その逆側の先端部外周には1cm〜数cmの長さに亙ってフロック3を直に接着せしめた植毛部4が設けられる。
【0014】グリップ部2は、化粧剤を塗布する際の摘まみと成す部分であり、その長さは数cm程度に設定されるが、マニキュアなど液状の化粧剤用にして、該グリップ部2にはその種の化粧剤を詰めた容器の口に被せるネジ式のキャップが一体に固定される。
【0015】一方、植毛部4を形成するフロック3は、繊維径が数μm〜数十μm、繊維長が0.1mm〜数mmの短繊維であり、これは主としてポリアミド系のナイロン、レーヨン、アクリル、アラミド、又はポリエチレンなどの合成高分子より成るが、これに綿などの植物性繊維ほか、動物性繊維などを用いることもできる。
【0016】次に、図2はロッドの先端部を示した拡大図であり、図3には図2におけるX−X線断面を示す。これらの図で明らかなように、本例ではフロック3の固定領域としてロッド1の先端部外周がスプライン状とされる。5はロッド1の軸方向に沿って延びる幅0.1mm〜0.5mm程度の突条であり、これは本例において90度間隔に存在し、その各突条5の間には深さ0.1mm〜0.5mm程度の溝形をした凹部6が等間隔に形成される。
【0017】尚、凹部6は、フロック3を固定するための接着剤を乗せる部分であり、これを挟む細長い突条5は、凹部6内の接着剤が周方向に流れて局部的に集中するのを防止する役割を果たす。そして、凹部6に接着剤が詰められたロッド1は植毛工程に送られてフロック加工が施される。
【0018】以下、その製造方法を詳しく説明すれば、係るアプリケータは概して図4のようにロッド先端部への接着剤の塗布にはじまり、植毛工程、乾燥工程、並びに除電工程を経て、最後にエアーブロー工程で粉塵を吹き飛ばすなどして仕上げられる。
【0019】先ず、ロッド1は図示せぬ治具にセットされ、その治具の作動によってその先端部が図示せぬ接着剤槽に浸け込まれる。これにより、ロッド1の先端部には図5に示すよう凹部6内に接着剤7が詰まるようになる。尚、接着剤7はクロロピレン系、ニトリルゴム系、ウレタン系、エポキシ系、シアノアクリレート系、又はシリコーン系などで成り、これは図示せぬ接着剤槽に適量だけ蓄えられる。
【0020】次に、接着剤7が塗布されたロッド1を図6に示すようコンベヤ8A,8B間に挟み込むなどして植毛工程に送り、その先端部外周にフロックを接着せしめて固定するのである。尚、植毛工程には公知のフロック加工機9を用いることができるが、その内部に送られるロッド1は軸心回りに回転させることが好ましい。ロッド1を回転させるには、上段のコンベヤ8Aと下段のコンベヤ8Bの走行速度を相違させるなどのことが考えられるが、これに専用の治具装置を用いてもよい。
【0021】そして、これによれば静電気力を作用せしめたフロックの飛翔領域をロッド1が回転しながら通過し、しかもその先端部に付けた接着剤7が凹部6内で不動状態を保つので、フロック3が凹部6内の接着剤7によりロッド1の先端部外周に均等に付着して固定化されるようになる。
【0022】斯くて、植毛工程を終えたロッド1を乾燥工程に連続して流し、ここで凹部6内の接着剤7を加熱乾燥させ、次いで除電工程でフロック3に帯電した静電気を常法により除去した後、エアーブロー工程で植毛部4にエアーを吹き付けてフロック屑その他の粉塵を除去することにより、図1に示したようなメイクアップ用アプリケータを得る。
【0023】以上、本発明の好適な一例を図面に基づき詳しく説明したが、本発明は上記例に限らず、凹部6の形態としてロッド1の先端部外周をセレーション状に加工して上記例より細かい溝状の凹部とするほか、これを網目状に形成したり、或いは複数の孔群として形成するなどしても良い。又、これを図7のように螺旋状の溝としたり、或いは図8のようにロッド1の軸線を中心とする環状の溝としてもよい。
【0024】更に、図9に示すようロッド1にその先端部を小径と成す段差10を付け、小径とされる先端部に接着剤7を付けた後、その塗布部にフロック加工機などにてフロック3を固定するようにしてもよい。これによれば、先端部に付けた接着剤7が段差10によって他端側への流動を阻止されるため、フロック3を先端部のみに固定することができるが、本例においても小径な先端部に予め凹部を形成しておくことがより好ましい。
【0025】又、図10に示すようにロッド1に先端部の境界と成す環状溝11を形成し、その環状溝11で区切られる先端部に接着剤7を付けた後、その塗布部にフロック加工機などにてフロック3を固定するようにしてもよい。これによれば、先端部に付けた接着剤7が環状溝11によって他端側への流動を阻止されるため、フロック3を先端部のみに固定することができるが、本例においても環状溝11で区切られる先端部に予め凹部を形成しておくことがより好ましい。
【0026】一方、接着剤の塗布工程として、ロッド1の先端部を接着剤槽に浸け込むほか、その先端部を一対の糊付けローラの間に通すなどしてもよい。
【0027】又、植毛工程として、フロック3を上記例のように静電気力にてロッド1の先端部外周に付着させるほか、接着剤7を塗布したロッド1の先端部をフロック3の堆積層上で転がしたり、そのフロック3をロッド1の先端部に振りかけるか、又はスプレーガンで吹き付けるなどしてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によればロッドの先端部外周にフロックを直に接着せしめることから、従来のように微小なブラシヘッドを後付けするものに比べ、煩わしく細かい作業が不要となるので作業性が大きく改善され、生産効率の大幅な向上が図れる上、従来のようにブラシヘッド用の心棒やこれをロッドに固定するための接着剤が不要になるので、材料費を大幅に削減することができ、しかもフロック加工後に接着剤を使用しないため、これがフロックに付着して繊維同士を結合させてしまう虞れがない。
【0029】又、ロッドにその先端部を区切る段差や環状溝を形成することにより、ロッドの先端部に付けた接着剤が他端側へ流動するのを阻止できるので、フロックを先端部のみに適正に固定することができる。
【0030】特に、ロッドの先端部外周に凹部を形成し、その凹部にフロックを固定するための接着剤が詰められるようにしていることから、フロックを固定するまでの間、接着剤が局部に集中せぬようこれを凹部内で不動状態に保ってフロックを均等に固定でき、しかもフロックの根付き部分を凹部の深さだけ大きくとれるのでフロックが抜け難く、更に接着剤が凹部内で凝結することから使用中にフロックが接着剤ごと剥落することもない。
【出願人】 【識別番号】598019978
【氏名又は名称】株式会社金沢化成
【住所又は居所】群馬県碓氷郡松井田町大字二軒在家1007番地の5
【出願日】 平成13年11月29日(2001.11.29)
【代理人】 【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
【公開番号】 特開2003−164326(P2003−164326A)
【公開日】 平成15年6月10日(2003.6.10)
【出願番号】 特願2001−365225(P2001−365225)