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【発明の名称】 肩掛けベルト用肩当具
【発明者】 【氏名】若松 種夫
【住所又は居所】東京都千代田区東神田2丁目10番16号 株式会社協和内

【要約】 【課題】肩掛けベルトに首を通して使用しても、該肩掛けベルトが首の近くには位置・圧接せず、使用者の肩の角部位に保持され、違和感が小さく、着衣の着崩れも抑止できる肩掛けベルト用肩当具を提供する。

【解決手段】中央部が上方に膨出する湾曲上辺(22)を有した一対の翼片(21a,21b)を可曲性生地で形成し、この両翼片(21a,21b)を平行に対設して、その湾曲上辺(22,22)間を連結片(23)で連結して肩当具本体(20)を構成する。そして、該連結片(23)は上側板(23a)と下側板(23b)との二枚重ねの可曲性生地で構成し、この連結片(23)は前記湾曲上辺(22)の両端側に、肩掛けベルト(10)の挿通用開口部(24,24)を設けてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中央部が上方に膨出する湾曲上辺(22)を有した一対の翼片(21a,21b)を可曲性生地で形成し、この両翼片(21a,21b)を平行に対設して、その湾曲上辺(22,22)間を連結片(23)で連結して肩当具本体(20)を構成し、上記連結片(23)は上側板(23a)と下側板(23b)との二枚重ねの可曲性生地で構成し、この連結片(23)は前記湾曲上辺(22)の両端側に、肩掛けベルト(10)の挿通用開口部(24,24)を設けてなる肩掛けベルト用肩当具。
【請求項2】 中央部が上方に膨出する湾曲上辺(22)を有した一対の翼片(21a,21b)を可曲性生地で形成し、この両翼片(21a,21b)を平行に対設して、その湾曲上辺(22,22)間を連結片(23)で連結して肩当具本体(20)を構成し、上記連結片(23)は可曲性生地で形成した上側板(23a)と、同じく可曲性生地で形成すると共にクッション材(23c)を有した下側板(23b)との二枚重ねの可曲性生地で構成し、この連結片(23)は前記湾曲上辺(22)の両端側に、肩掛けベルト(10)の挿通用開口部(24,24)を設けてなる肩掛けベルト用肩当具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肩掛けベルト用肩当具に関するもので、さらに詳しくは、ショルダーバックの肩掛けベルトを肩に掛ける際に、当該肩掛けベルトを使用者の体に適合させ、かつ、該肩掛けベルトのずれ落ちを防止するために使用される肩掛けベルト用肩当具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ショルダーバッグの肩掛けベルトには、ずれ落ちを防ぐための「滑り止め体」を設けたものが提案されている。この滑り止め体は、肩掛けベルトを片方の肩に掛けた際、すなわち、肩掛けベルトを片方の肩に掛け、ショルダーバッグは使用者の体の該肩掛けベルトを掛けたと同じ側に提げられるようになした際に、該肩掛けベルトが、肩よりずれ落ちるのを「滑り止め体」の摩擦で防止するようになしてある。また、この「滑り止め体」にクッション材を付加して、使用者の体との適合性を高めて、肩よりのずれ落ちを防ぐと共に、使用時の違和感を低減させるものも提案されている。
【0003】しかし、最近はショルダーバッグを、その肩掛けベルトに首を通して提げる使用例が多くなっている。すなわち、図4を参照して説明すると、肩掛けベルト10を左右片方の肩(図4向かって左肩)に掛け、ショルダーバッグ1は使用者の体の該肩掛けベルトを掛けた肩とは反対側(同図、向かって右側)に提げられるようになしている。そして、この肩掛けベルトに首を通す使用法は、ショルダーバッグが不用意に落ちることを(肩掛けベルトが、肩よりずれ落ちることを)確実に防止でき、携帯用パーソナルコンピュータや写真機等の精密機器の収納、持ち運びに適しているが、この使用法は、該肩掛けベルトが使用者の首近くに当たることになり、その結果、背広を着用していると着崩れが生じやすいという問題点が指摘されている。すなわち、図4の使用例とは異なり、肩掛けベルトに首を通して提げる従来の使用方では、該肩掛けベルトは一方の肩の肩先から首元の間、言い換えると、鎖骨の上の適当な場所に位置することになり、使用中に、鞄が揺れたりして荷重が変化すると、該肩掛けベルトは次第に肩先側より首側に移動する傾向がある。
【0004】また、上記のように、肩掛けベルトが使用者の首近くに当たると、意外と大きな違和感が生ずる(携帯用パーソナルコンピュータや写真機等の精密機器は重いものが多い。)もので、そのために、呼吸が乱れるとか、肩がこりやすくなるといった問題点も指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上記の指摘に鑑みなされたもので、肩掛けベルトに首を通して使用しても、該肩掛けベルトが首の近くには位置・圧接せず、使用者の肩の角部位に保持され、違和感が小さく、さらには、着衣の着崩れも抑止できる肩掛けベルト用肩当具を提供することを課題としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達成するため、中央部が上方に膨出する湾曲上辺22を有した一対の翼片21a,21bを可曲性生地で形成し、この両翼片21a,21bを平行に対設して、その湾曲上辺22,22間を連結片23で連結して肩当具本体20を構成し、上記連結片23は上側板23aと下側板23bとの二枚重ねの可曲性生地で構成し、この連結片23は前記湾曲上辺22の両端側に、肩掛けベルト10の挿通用開口部24,24を設けてなる技術的手段を講じたものである。
【0007】それ故、本発明肩掛けベルト用肩当具は、連結片23内を通した肩掛けベルト10の曲率が、湾曲上辺22の曲率と同じであると、一対の翼片21a,21bは平行の状態(図2参照)にあるが、該肩掛けベルト10を湾曲上辺22の曲率より小さく、すなわち、湾曲半径を小さく湾曲させる(以下、急曲状態という)と、両翼片21a,21bはその自由端側を外側に広げ、該連結片23と両翼片21a,21bとでカップ形状となる作用を呈する。図示はしていないが、連結片23が、図1及び図2より急曲状態となると、翼片21a,21bは、その下端側を互いに左右方向に移動して広げ、肩当具本体20が、お椀を伏せたようなカップ形状となるものである。
【0008】そして、本発明は、肩掛けベルト10に首を通してショルダーバッグ本体1を吊り下げるのは従来と同じであるが、その際、図4に示すように、本発明の肩当具本体20内に、使用者の肩の角部を入れる。すると、本発明の肩当具本体20には肩掛けベルト10を介して、ショルダーバッグ本体1の荷重が、同図の斜め下方に加わるので、使用者の肩の角部位にその位置を維持し、ショルダーバッグ本体1は使用者の肩の角に位置した上記肩当具本体20より使用者の体を斜めに横切る肩掛けベルト10で吊り下げられる作用を呈する。
【0009】そして、本発明の肩当具本体20が、使用者の肩の角部位より外れない限り、肩掛けベルト10の上部湾曲折り返し部が、使用者の首側に近寄ることが防止され、使用時の違和感を低減する作用を呈し、さらに、荷重の多くが肩の角部位で受けられるので、着衣の着崩れが防止される作用を呈するものである。なお、本発明の肩当具本体20は肩掛けベルト10を案内として、該肩掛けベルト10の適宜位置に摺動できる作用を呈し、使用者の好みに合わせてその最適位置を選定できる。しかし、使用時には、肩当具本体20は、連結片23が急曲状態となって、上側板23aと下側板23bとでその内側を通る肩掛けベルト10を狭圧するので、該肩当具本体20が肩掛けベルト10を案内にして摺動(本発明の肩当具本体20は肩に係止・固定されているので、見かけ上は、肩掛けベルト10が摺動)しないようになす作用を呈する。
【0010】次に、請求項2の発明は、中央部が上方に膨出する湾曲上辺22を有した一対の翼片21a,21bを可曲性生地で形成し、この両翼片21a,21bを平行に対設して、その湾曲上辺22,22間を連結片23で連結して肩当具本体20を構成し、上記連結片23は可曲性生地で形成した上側板23aと、同じく可曲性生地で形成すると共にクッション材23cを有した下側板23bとの二枚重ねの可曲性生地で構成し、この連結片23は前記湾曲上辺22の両端側に、肩掛けベルト10の挿通用開口部24,24を設けてなる技術的手段を講じたものである。
【0011】それ故、本発明肩掛けベルト用肩当具は、前記請求項1の作用に加え、クッション材23cを設けたので、肩に加わる荷重を均一化し、違和感をより低減する作用を呈すると共に、連結片23内を通る肩掛けベルト10を全体的に均一に弾圧して、本発明の肩当具本体20と肩掛けベルト10との摩擦力を効果的に得て、使用時に両者が相互に移動しないようになす作用を呈するものである。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。図中、1がショルダーバッグ本体で、このショルダーバッグ本体1は従来公知なもの(学生用は無論、一般用の手提げ兼用ショルダーバッグや、写真機用ショルダーケース等をも含む。)が使用される。そして、このショルダーバッグ本体1には肩掛け用の肩掛けベルト10が取り付けられているのも従来と同じである。
【0013】上記肩掛けベルト10はショルダーバッグ本体1に、その両端を脱着不能に取り付ける場合と、着脱可能に取り付ける場合とがあり、本発明はそのいずれでもよいが、図示例では、ショルダーバッグ本体1に一方側係止具2,2を取り付け、肩掛けベルト10の両端には該一方側係止具2,2に着脱可能に係合する他方側係止具3,3を取り付けてなる。なお、図示例では、該ベルト体10の両端部位に取り付けられる上記他方側係止具3,3は、該ベルト体10を挿通できる窓孔部3aを設け、該他方側係止具3はベルト体10を該窓孔部3aに通して保持され、該窓孔部3aを挿通したベルト体10の先端は該ベルト体10の途中にスライド可能に設けた通常コキと称する(バックルの係止爪のないもの)連結位置調整金具4に固定され、この連結位置調整金具4の位置移動でベルト体10の全長が調整可能となる(従来公知技術)ようになしてある。
【0014】そして、上記肩掛け用の肩掛けベルト10に、本発明の主要部である肩当具本体20を配してなる。この肩当具本体20は、中央部が上方に膨出する湾曲上辺22を有した一対の翼片21a,21bを可曲性生地で形成し、この両翼片21a,21bを平行に対設して、その湾曲上辺22,22間を連結片23で連結して構成してある。該翼片21a,21bは、一般的には、皮革や皮革類似品で製造されるが可曲性のものであれば、布地、合成樹脂や合成ゴム等を使用してもよい。
【0015】そして、上記連結片23は上側板23aと下側板23bとの二枚重ねの可曲性生地で構成し、この連結片23は前記湾曲上辺22の両端側に、肩掛けベルト10の挿通用開口部24,24を設けてなる。上記挿通用開口部24,24は図3の左右両側に設けられ、肩掛けベルト10は一方の挿通用開口部24から上側板23aと下側板23bとの間に挿入された後、該肩掛けベルト10の先端を、他方の挿通用開口部24より外方に貫出している。
【0016】図示はしていないが、上記肩掛けベルト10は、そのショルダーバッグ本体1を介装してループ状となった部位に、使用者が首と片方の腕とを通し、該肩掛けベルト10が使用者の片方の肩から、使用者の体を斜めに横切り、ショルダーバッグ本体1は使用者の体の、該肩掛けベルト10を掛けた肩側とは反対側に吊り下げられるようになすのは従来の一般的なショルダーバッグと同じである。そして、従来はこの肩掛けベルト10は、その上端が使用者の肩の首から肩先の間の適宜部位に当接する状態で使用され、使用中にはショルダーバッグ本体1の荷重で、該肩掛けベルト10には、使用者の首の反対側斜め下方に引く力が加わるので、該肩掛けベルト10は使用にともなって、順次首に近づこうとする。従って、この肩掛けベルト10の移動で、着衣が着崩れする大きな原因となり、また、肩掛けベルト10が首に圧接すると、首で相応の荷重を受けることになり、大きな違和感が生じたり、肩こりの要因ともなるとされている。
【0017】そこで、本発明では、肩当具本体20内に使用者の肩を入れて、肩掛けベルト10が使用者の肩の角部位から斜め下方に向かうようにして使用する。すると、該肩当具本体20は肩の角部位をその内側に包み込んでいるので、斜め下方への荷重が加わってもその位置を変位することはなく、前記したような着衣の着崩れを防ぎ、肩掛けベルト10の首への圧接も防止できるので、使用に際しての違和感もなく、肩こり等の原因になりづらい肩掛けベルト用肩当具を提供できるものである。
【0018】なお、上記肩掛けベルト10は、単に連結片23内を挿通しているので、肩当具本体20は該肩掛けベルト10を案内にして摺動可能であり、該肩掛けベルト10に対してその取り付け位置を自由に選定できる。しかし、この肩当具本体20が摺動自在であると、使用時にショルダーバッグ本体1が揺れると、固定された肩当具本体20に対して肩掛けベルト10が移動すると、該肩掛けベルト10の移動で衣服を移動させて着崩れの原因ともなる。しかし、本発明では、使用時に連結片23を急曲状態とするので、該連結片23の上側板23aと下側板23bとでその内側を通る肩掛けベルト10を狭圧して、この移動を防止して、着崩れが生じづらい肩掛けベルト用肩当具を提供できるものである。
【0019】次に、請求項2の発明は、中央部が上方に膨出する湾曲上辺22を有した一対の翼片21a,21bを可曲性生地で形成し、この両翼片21a,21bを平行に対設して、その湾曲上辺22,22間を連結片23で連結して肩当具本体20を構成してなるのは請求項1と同じ構成である。
【0020】そして、本発明は、上記連結片23は可曲性生地で形成した上側板23aと、同じく可曲性生地で形成すると共にクッション材23cを有した下側板23bとの二枚重ねの可曲性生地で構成し、この連結片23は前記湾曲上辺22の両端側に、肩掛けベルト10の挿通用開口部24,24を設けてなる。すなわち、下側板23bにクッション材23cを設けている。このクッション材23cは、主として、使用者の肩に、緩衝材として機能させることを主たる目的としているのは従来のこの種の部位にクッション材を配するのと同じであるが、本発明では、このクッション材23cが、連結片23内を通る肩掛けベルト10にも作用し、この肩掛けベルト10を全体的に均一に弾圧して、滑り止め機能を増加させることをも目的としたものである。
【0021】図示例において、上記下側板23bは、下面生地23b1と中生地23b2とで袋状に構成し、この下面生地23b1と中生地23b2との中にクッション材23cを被包して構成してある。この、中生地23b2は、省略してもよいが、樹脂繊維等を使用した強靱ではあるが薄くて柔軟性に富んだものを使用するとよく、又は、織り方によって表面が摩擦抵抗を大きくしたり、縦糸又は緯糸の一方又は双方に摩擦抵抗の大きいゴム材等を含んだ糸を使用して織ったものを使用すると、使用時に肩掛けベルト10と肩当具本体20との一体性がより保たれ、ショルダーバッグ本体1が揺れて(図4において、ショルダーバッグ本体1の手前側が上下に、奥側がその反対側に揺れる場合を意味する。)ても、肩掛けベルト10が動いて使用者の衣服がずれて、着崩れすることが確実に防止されるものである。
【0022】なお、図示例では両翼片21a,21bの下部の自由端側を閉じ合わせて係止できるようになしている。最近、ショルダーバッグのショルダー帯を握持して手に提げて携行する人もおり、本発明では、上記肩当具本体20を、場合によっては握持ハンドルとしても使用可能となしたもので、両翼片21a,21bの下部を係合具30で着脱可能に係止することで、カップ部20が筒状の握持部としても使用できるようになしたものである。この係合具の一例としては、図3に最も明らかに示すように、上記一方の翼片21aの下部には、係止ベルト31の基端部を取り付け、他方の翼片21bの下部には該係止ベルト31が挿通できる通孔32を設け、前記係止ベルト31の先端部位には一方側面ファスナー33aを取り付け、一方の翼片21aの上記係止ベルト31の先端を前記通孔32を通して折り返して重なる部位には、前記一方側面ファスナー33aが係合できる他方側面ファスナー33bを取り付けてなる。
【0023】
【発明の効果】請求項1及び請求項2の発明によれば、ショルダー用の肩掛けベルト10を肩の角に掛けるという、従来にない使用法を伴う提案により、大きな荷重によっても違和感の少ない、かつ、着衣の着崩れの少ないショルダーバッグの肩掛けベルトを提供できるものである。
【出願人】 【識別番号】000142159
【氏名又は名称】株式会社協和
【住所又は居所】東京都千代田区東神田2丁目10番16号
【出願日】 平成14年4月3日(2002.4.3)
【代理人】 【識別番号】100067703
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 信
【公開番号】 特開2003−289928(P2003−289928A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−100667(P2002−100667)