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【発明の名称】 安定性に優れた杖および松葉杖
【発明者】 【氏名】梅村 和雄

【要約】 【課題】安定かつ安全に使用できる杖の開発を行う。

【解決手段】杖の支柱の下部に二又状の分岐支柱を取り付け、分岐支柱の先端にそれぞれ石突きを取り付けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】支柱の下部が二又状に分岐し、分岐したそれぞれの先端に石突きを取り付けたことを特徴とする杖および松葉杖。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、支柱の下部が二又状に分岐し、二つの石突きを有することにより、安定かつ、安全に使用することができる杖および、松葉杖に関するものである。
【0002】
【従来の技術】杖や松葉杖は従来、石突きは一つである。石突きの底面は平面で、杖を垂直に立てると石突きの底面は全て路面と接触する。杖歩行を行う場合、杖を手に持ち、前方約30センチメートルの路面に石突きをつき、次にやや体重を杖にかけ前進する。杖使用者の前方または後方の路面に石突きをつくと、杖の支柱は路面に対して斜めに位置し、石突きの先端は底面ではなく、底部分の円周の角が路面に接することになる。従って、石突きと路面との接触面積が小さく、滑りやすい欠点があった。濡れた路面では特に滑りやすいのである。
【0003】松葉杖については、杖歩行中に石突きを後方から前方へ移動するとき、石突きが路面にぶつからないように、柄に相当する脇当てを中心に、杖を横方向に回して移動させるため、人や物にぶつかる危険性があった。また、道幅の狭いところは通行できなかった。
【0004】また、駅で切符を購入したり、椅子に腰掛けたときに杖を壁やテーブルに立てかけることがあるが、このとき、杖が倒れやすい難点があった。老人や、身障者にとって床に倒れた杖を拾い上げることははなはだ困難であり、倒れにくい杖の開発が望まれていた。
【0005】また、脚力が弱い老人や身障者が、椅子に腰掛けた状態から立ち上がるとき、杖に体重をかけて立ち上がろうとすると、杖が不安定なため転倒する危険性があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】杖を使用して歩行する場合、路面と杖の支柱との角度が最大となる突き始めと突き終わりのとき、石突き底面と路面との接触面が最大になるよう研究を行った。
【0007】できるだけ短く、操作性のよい杖の研究を行った。
【0008】また、杖を壁やテーブルに立てかけても容易に転倒しない構造も念頭におき、研究を行った。
【0009】また、椅子に腰掛けた状態から立ち上がろうとするとき、できるだけ安定した状態で立ち上がることができるような構造も念頭にいれ研究を行った。
【0010】
【問題を解決するための手段】その結果、ステッキの支柱の先端を任意の角度に二又に分岐させ、それぞれの分岐支柱の先端に石突きをつけることにより、目的に合致することがわかり、発明を完成させた。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、この発明にかかる杖の実施例を図面に基づいて説明する。まず、図1、図2について説明する。図1は側面図で、図2は正面図である。1は柄、2は支柱、3は前方分岐支柱、4は後方分岐支柱、5は前方石突き、6は後方石突きである。支柱2は任意の素材、例えば一般に使用されている木材や金属や合成樹脂などにより形成されている。3,4の分岐支柱は体重をかけても破損しない程度の強度が必要である。また、図3に示すように、杖の支柱の下部に、三角形の板7を取り付け、底辺に滑り止めのゴム8をつけた形でもよい。
【0012】また、図1、図2では、支柱2と分岐支柱3,4とは一体構造になっているが、分岐部分が着脱できる構造でもよい。図4に着脱式の分岐支柱の1例を示す。2は杖支柱の下部。9は分離独立した支柱。10は円筒状のゴム、13はボルト、14はナットである。11および12は支柱9の両端をふさぐ蓋であり中心にボルト13が通る大きさの穴があいている。9の上部は15を境に段になっていて支柱2の内径にはまるように細くなっている。また、下部は分岐支柱3及び、4が取り付けられている。ボルト13は支柱9とゴム10を貫通しナット14がはめられている。図4に示すように、杖支柱2の下部に分岐支柱を段15まで挿入し、ボルト13を時計方向に回して締めていくと、ゴム10はナット14に押しつぶされて横方向へ膨らみ、支柱2の内径につよく接触し、分岐支柱は支柱2にしっかりと固定される。杖の長さ調整が必要な場合は、支柱を任意の長さにカットした後、分岐支柱が取り付けられるように、このような着脱式が望ましい。
【0013】分岐支柱の取り付け方向は、図1に示すとおり、石突き5と石突き6を結ぶ線が柄1と平行に取り付ける。すなわち、使用者が杖を持った状態で石突き5、石突き6はそれぞれ前後に位置することになる。
【0014】
【発明の効果】図5は歩行時の杖と路面の位置関係を示したものである。16は路面、17は杖使用者の位置を示す。杖の使用者が前方へ杖を突いたとき支柱2は斜めになり、分岐支柱4は路面に対して垂直に立つようになる。また、支柱と分岐支柱4の取り付け角度18は分岐支柱4が路面に対して垂直になる角度である。このとき、石突き6の底面は路面に平行に接することになり摩擦係数は最大となり、滑りにくい状態である。
【0015】次に、歩を進めて杖使用者の真横に杖がきたときの位置関係を図6に示す。杖の支柱は路面に対して垂直に位置し、石突き5と石突き6は路面に接する。
【0016】さらに、歩を進めた位置関係を図7に示す。分岐支柱3が路面に対して垂直に立ち、このとき、石突き5の底面は路面に平行に接し、滑りにくい状態になる。
【0017】杖を使用したとき、柄1が描く軌跡を従来品と本発明品を比較してみた。図8は従来品と本発明品を重ね合わせ、その軌跡を比較したものである。1は本発明の杖の柄および、従来の杖の柄であり重なった状態を示す。2は本発明の支柱であり、破線で示した19は従来の杖の支柱である。20は従来の杖の石突きである。
【0018】従来の杖の柄1は石突き20の接地点を中心に円弧21の軌跡を描いて移動する。本発明の杖の柄1はまず、石突き6の接地点を中心に円弧22の軌跡を描いて移動し、支柱が垂直になった位置から次に、石突き5の接地点を中心に円弧23の軌跡を描いて移動することになる。ここで、柄1が路面から最も高くなる長さは柄1と石突きを結んだ長さに等しい。
【0019】図8に示すとおり、支柱と路面の角度24が同一ならば、柄1と石突きを結んだ長さは、従来の杖よりも本発明の杖のほうが短くなる。このことは、杖を使用しているとき、体の上下動を少なくすることになり、従って、労力の軽減になる。また、杖を短くなることにより、杖を後方から前方へ移動するとき、高く持ち上げる必要がない。松葉杖では、柄に相当する部分の脇当てが使用者の脇に接しているため、上方向には上がらない。そこで、杖を後方から前方へ移動するとき、石突きと路面との接触を防ぐため、杖を外側へ大きく回して移動していたが、杖が短くなることにより外側へ大きく回すことなく杖の移動ができるのである。しかも、図8に示すように、発明品の柄1の軌跡は従来品に比べ、路面からの距離の変動が少なく、したがって、体の上下動を抑えることができる。このことから、松葉杖の歩行では大きな効果が得られる。
【0020】杖を壁やテーブル等に立てかけたとき、従来の杖は路面に接する石突きが一点であるため、わずかな傾斜や振動によって転倒することがあった。本発明の杖は路面に接する石突きが二点あるため、多少の傾斜や振動でも転倒することはないのである。
【0021】老人や身障者が椅子に腰掛けた状態から立ち上がるとき、正面に杖を立て、杖に体重を預けて立ち上がることになるが、従来の杖のように石突き一点で路面に接している場合、杖は不安定で転倒することがあった。本発明の杖は石突き二点で路面に接しているため、安定性が増し、安全に立ち上がる事ができるのである。
【出願人】 【識別番号】502163797
【氏名又は名称】有限会社テクノケア
【出願日】 平成14年4月1日(2002.4.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−289922(P2003−289922A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−133383(P2002−133383)