| 【発明の名称】 |
杖 |
| 【発明者】 |
【氏名】阪下 修一
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| 【要約】 |
【課題】従来の伸縮自在の杖は、長さ調整および係止機構が複雑すぎて杖の支柱内に収納することができず、もしくは収納可能なサイズにした結果、本来杖の満たすべき最も重要な要素である体重を支えるための強度が不十分であったり、強度を維持しつつ複雑な機構を付加した結果、携帯するに耐えない重量および大きさになってしまうという不具合があった。また、従来の伸縮自在の杖はあくまでも掌支持杖あるいは脇支持杖のみとして、使用者の身長に合わせて杖を適切な長さに変化させるものであり、長さを変化させることにより掌支持杖と脇支持杖の両方の機能を付与したものはなかった。
【解決手段】杖の握り部が上下2つの部位からなり、上部握り部は内筒の上端に配設され、杖を伸ばして脇支持杖として使用する時は脇当ての役目を果たし、下部握り部は外筒に対して摺動および係止が可能な構成とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、内筒の上端に上部握り部を配設し、外筒に対して摺動可能および係止可能に下部握り部を設け、杖を伸ばして脇支持杖となり、上部握り部と下部握り部を一体となるように杖を縮めて掌支持杖とすることを特徴とする杖。 【請求項2】 前記上部握り部の下面に、下部握り部が収納される凹部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の杖。 【請求項3】 支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、内筒の上端に上部握り部を配設するとともに、外筒に下部握り部を固設し、杖を伸ばして脇支持杖となり、上部握り部と下部握り部を一体となるように杖を縮めて掌支持杖とすることを特徴とする杖。 【請求項4】 支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、外筒下部に支持部材受け部を設け、該支持部材受け部に支持部材を摺動・係止可能に嵌装したことを特徴とする杖。 【請求項5】 前記上部握り部と下部握り部との当接部に位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の杖。 【請求項6】 前記外筒と内筒との間の振動を防止する振動防止ネジを設けたことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の杖。 【請求項7】 掌支持杖形態としたときに、平面視で上部握り部が、下部握り部に対して上下に重ならず、外筒を中心として時計回りまたは反時計回りのいずれかに回転した位置で固定されることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の杖。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、杖の技術に関する。詳細には、伸縮自在の掌支持杖および脇支持杖の技術に関する。 【0002】 【従来の技術】従来から、2本の異径筒を摺動可能に組み合わせ、適当な係止手段により長さ調整可能な伸縮自在の杖の技術は公知となっており、たとえば特開2000−093471といったものがある。 【0003】 【特許文献1】特開2000−093471公報【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の伸縮自在の杖は、長さ調整および係止機構が複雑すぎて杖の支柱内に収納することができず、もしくは収納可能なサイズにした結果、本来杖の満たすべき最も重要な要素である体重を支えるための強度が不十分であったり、強度を維持しつつ複雑な機構を付加した結果、携帯するに耐えない重量および大きさになってしまうという不具合があった。また、高齢者が杖を使用する場合、体調の変化に合わせて片手杖(掌支持杖)と松葉杖(脇支持杖)を併用することが出来れば都合がよいもののその両方を持ち歩くことは実質困難であるが、従来の伸縮自在の杖はあくまでも掌支持杖あるいは脇支持杖のみとして、使用者の身長に合わせて杖を適切な長さに変化させるという目的の領域を出ず、長さを変化させることにより掌支持杖と脇支持杖の両方の機能を付与し、もって様々な使用状況に柔軟に対応するという視点は見られない。本発明はこのような状況を鑑み、軽量かつ簡素な構造を有し、なおかつ様々な使用状況に柔軟に対応し得る杖を提供するものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。 【0006】即ち、請求項1においては、支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、内筒の上端に上部握り部を配設し、外筒に対して摺動可能および係止可能に下部握り部を設け、杖を伸ばして脇支持杖となり、上部握り部と下部握り部を一体となるように杖を縮めて掌支持杖とするものである。 【0007】請求項2においては、前記上部握り部の下面に、下部握り部が収納される凹部を設けたものである。 【0008】請求項3においては、支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、内筒の上端に上部握り部を配設するとともに、外筒に下部握り部を固設し、杖を伸ばして脇支持杖となり、上部握り部と下部握り部を一体となるように杖を縮めて掌支持杖とするものである。 【0009】請求項4においては、支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、外筒下部に支持部材受け部を設け、該支持部材受け部に支持部材を摺動・係止可能に嵌装したものである。 【0010】請求項5においては、前記上部握り部と下部握り部との当接部に位置決め手段を設けたものである。 【0011】請求項6においては、前記外筒と内筒との間の振動を防止する振動防止ネジを設けたものである。 【0012】請求項7においては、掌支持杖形態としたときに、平面視で上部握り部が、下部握り部に対して上下に重ならず、外筒を中心として時計回りまたは反時計回りのいずれかに回転した位置で固定されるものである。 【0013】 【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第一実施例の掌支持杖形態を示す図、図2は本発明の第一実施例の脇支持杖形態を示す図、図3は本発明の杖の第一実施例における要部縦断面図、図4は係止バネの別実施例を示す縦断面図、図5は本発明の第二実施例の支柱構造を示す図、図6は下部握り部の係止方法の別実施例を示す図、図7は握り部を示す図、図8は握り部の別実施例を示す図、図9は脇当てカバーの実施例を示す図、図10は脇当てカバーの別実施例を示す図、図11は本発明の第三実施例の掌支持杖形態を示す図、図12は本発明の第三実施例の脇支持杖形態を示す図、図13は本発明の第三実施例における要部縦断面図、図14は本発明の第四実施例の掌支持杖形態を示す図、図15は本発明の第四実施例の脇支持杖形態を示す図、図16は本発明の第四実施例における要部縦断面図、図17は支持部材の別実施例を示す縦断面図、図18は補強部材を示す側面一部断面図、図19は補強部材を示す平面断面図、図20は空気式の脇当てクッションカバーを示す図、図21は空気式の脇当てクッションカバーの別実施例を示す図、図22は本発明の第五実施例の外筒下部を示す図、図23は本発明の第五実施例の左手用掌支持杖形態を示す図、図24は本発明の第五実施例の右手用掌支持杖形態を示す図、図25は本発明の第五実施例の左手用掌支持杖形態時における握り部の平面図、図26は本発明の第五実施例の左手用掌支持杖形態時における握り部の後面図、図27は本発明の第六実施例の左手用掌支持杖形態を示す図、図28は本発明の第六実施例の右手用掌支持杖形態を示す図、図29は本発明の杖の外筒下部構造の別実施例を示す図、図30は外部係止ピンを示す図、図31は本発明の第七実施例の支柱内部構造を示す断面図、図32は脇当てクッションカバーの別実施例を示す図、図33は握り部へ装着された脇当てクッションカバーの別実施例を示す図、図34は外筒側面に係止された脇当てクッションカバーの別実施例を示す図である。 【0014】まず、図1および図2を用いて本発明の杖の基本構成について説明する。なお本発明は支柱の連結方法として係止ピンによる実施例を説明に用いるが、構造が簡素でかつ軽量化の容易な係止方法であれば他の方法でもよく、限定するものではない。 【0015】本発明の第一実施例は掌支持杖として使用する際には図1に示す形態をしており、内筒3の上端に上部握り部1が配設され、内筒3は外筒4に向かってバネにより付勢される係止ピン8が外筒4の表面に軸方向に穿設される係止孔7・7・・・に突出することにより外筒4に係止される。(内筒3と外筒4が連結されたものを以下支柱と呼ぶことにする。)下部握り部2は外筒4の外径よりわずかに大きい内径を有する外輪5に、外筒4の軸方向に対して略垂直に突設され、外輪5は外筒4に嵌装され、係止ネジ6により上部握り部1と下部握り部2が当接するように外筒4に螺設される。また外筒4の下端には先ゴム9が嵌設される。上部握り部1および下部握り部2の外周には布やビニール、皮革、綿、スポンジやゴムなど手になじみやすく、滑りにくい材質が巻かれている。 【0016】本発明の第一実施例は脇支持杖として使用する際には図2に示す形態をしており、内筒3は使用者の体格に適した支柱長さになる位置の係止孔7に係止ピン8を突出させ、外筒4に係止される。係止ピン8は外側から押すことにより内部のバネが撓み、内筒3と外筒4を容易に摺動、係止することが可能である。また下部握り部2は、使用者の体格に合わせて係止孔7とは異なる位置に穿設された螺孔10・10・・・に係止ネジ6をネジ止めすることにより、外筒4に固定される。 【0017】なお下部握り部の係止方法については、図6に示すように外輪5を構成し、固定ネジ11を締め付けることにより外輪5の直径を小さくして外筒4に締結する等種々の方法が考えられ、杖重量の過度の増大および杖の強度不足となる方法を除けば、限定されるものではない。 【0018】次に図3を用いて第一実施例の構造の詳細を説明する。内筒3の下端には防音クッション材12が嵌設されている。防音クッション材12は弾性を有するプラスチック等の材料で構成されており、該先端部側面12aの外径が外筒4の内径よりもわずかに大きく、内筒3と外筒4を摺動させる際には防音クッション材12の下端部側面12aが外筒4の内壁と当接しているので摺動がスムーズであり、使用時のガタや騒音が抑止される。また外筒4の上端部には同じく弾性を有するプラスチック等の材料で構成された防音クッション材13が嵌装され、該防音クッション材13は下端部側面13aの外径が外筒4の内径よりわずかに大きく、上端部側面13b の外径が外輪5の内径よりもわずかに大きいので、内筒3、外筒4および外輪5の間のガタや騒音が抑止される。係止ピン8はバネ15により付勢され、突出孔14より該先端が突出する構成となっており、係止ピン8の基部8aは突出孔14より大きい鍔状の形状を有し、突出孔14より係止ピンが抜け落ちない構造となっている。係止ピン8の先端が係止孔7に嵌装されることにより内筒3と外筒4が係止され、支柱としての機能を果たす。 【0019】なお、係止バネの形状については図4に示すように二股に分かれた形状のものも考えられる。このような形状にすることにより、部品点数は若干増えるものの、バネ18の付勢方向がより安定するといった利点がある。 【0020】また支柱部分の構成については図5に示す第二実施例のように、図1の第一実施例と内筒と外筒の位置が上下逆となるものも考えられる。これについても図1の第一実施例と同様の機能を有する。 【0021】次に図7および図8を用いて握り部の構成について説明する。図7に示すように上部握り部1の下部に凹部1aを設け、下部握り部2が凹部1aに収納される形状に構成されることにより、掌支持杖として使用する際に上下握り部が一体となって体裁が良いだけでなく、手になじみやすく、使いやすさが向上する。 【0022】また図8に示すように上下の握り部1および握り部2を、元来1つの握り部であったものを上下に二分割したような形状にすることによっても一体感のある、手になじみやすい握り部とすることが可能である。 【0023】次に、図9および図10を用いて本発明を脇支持杖として使用する際の脇当てに関する説明をする。本発明の第一実施例を脇支持杖として使用する際には上部握り部1が脇当てとして機能する訳であるが、脇支持杖として使用する際には脇当ての部位にかかる荷重が大きく、長時間の使用等を考慮すると使用者が脇に痛みを感じる場合が少なくない。そこで図9に示すように、上部握り部1の表面に肉厚のカバー16を巻きつけることにより使用者の負担を軽減することが可能である。カバー16の材質は布やビニール、皮革、綿、スポンジやゴムなど、人体の形状に合わせて柔軟に変形し得るものが好ましい。カバー16を上部握り部1に固定する方法としては面ファスナーやストラップ等が考えられるが、限定するものではない。また図10に示すようにカバーの背部を馬鞍のように中央でやや窪んだ形状に成型することにより、人体の形状により柔軟に適応し、使用者の負担を軽減することが可能である。 【0024】続いて、本発明の第三実施例について図11から図13を用いて説明する。 【0025】本発明の第三実施例は、掌支持杖として使用する際には図11に示す形態をしており、内筒23の上端に上部握り部21が配設される。該上部握り部21は後方(下部握り部22が突設される方向)だけでなく、前方にも延びた形状をしており、上部握り部21と内筒23とを合わせるとちょうど略T字型となる。そして、外筒24に向かってバネ35(図13に図示)により付勢される係止ピン28が外筒24の表面に軸方向に穿設される係止孔27・27・27・・・に突出することにより、内筒23が外筒24に係止される。下部握り部22は外筒24に固設された外輪25に、外筒24の軸方向に対して略垂直に突設される。外筒24の下端には先ゴム29が嵌設される。上部握り部21および下部握り部22の外周には布やビニール、皮革、綿、スポンジやゴムなど手になじみやすく、滑りにくい材質が巻かれている。 【0026】一方、本発明の第三実施例は、脇支持杖として使用する際には図12に示す形態をしており、内筒23は使用者の体格に適した支柱長さになる位置の係止孔27に係止ピン28を突出させ、外筒24に係止される。係止ピン28は外側から押すことにより内部のバネ35が撓み、内筒23と外筒24を容易に摺動、係止することが可能である。 【0027】第三実施例においては下部握り部22が外筒24に対して摺動せず固定されている。従って、脇支持杖として使用した場合に上部握り部21の高さ調整後における下部握り部22の高さの微調整はできないが、第一実施例における下部握り部2の高さ調整用の螺孔10・10・・・や係止ネジ6に相当する部品を省略することができ、部品点数の削減及び外筒の強度向上の効果がある。 【0028】本発明の第三実施例では、掌支持杖形態時に上部握り部21と下部握り部22とが当接する部位に、位置決め手段の一実施例である位置決めピン36および位置決め穴37を設けている。このように構成することにより、上部握り部21より下方に突設された位置決めピン36が下部握り部22の上面に穿設された位置決め穴37に嵌合して、掌支持杖形態時に上部握り部21と下部握り部22とが支柱(内筒23および外筒24)の軸中心に相対的に回転してずれたり、ガタついて不快な音を発生したりすることがない。なお、位置決めピン36を下部握り部22側に、位置決め穴37を上部握り部21側に設けても略同様の効果を奏するので、位置決めピン36および位置決め穴37を上部握り部21と下部握り部22のどちらに設けるかは限定されない。上記の上部握り部21と下部握り部22とのずれを防止する位置決め手段としては、本実施例の位置決めピン36および位置決め穴37を用いる以外にも、例えば掌支持杖形態時に上部握り部21と下部握り部22とが当接する面に面ファスナーやストラップ等を設けるといった方法が考えられる。また、該位置決め手段は第三実施例だけでなく、本発明全般(前述の第一実施例、第二実施例および後述する第四実施例を含む)に適用可能である。 【0029】また、本発明の第三実施例では、外筒24および外輪25を貫通して振動防止ネジ30が螺設されている。該振動防止ネジ30は、第一実施例における係止ネジ6と類似した位置(外輪25の側面)に設けられているが、係止ネジ6とは機能が異なる。すなわち、第一実施例における係止ネジ6は外筒4に対して摺動可能に構成された外輪5を係止固定するためのものであるのに対して、第三実施例における振動防止ネジ30は、図13に示す如く該振動防止ネジ30をねじ込んで先端を内筒23の外周面に当接させることにより、防音クッション材32・33と併せて内筒23と外筒24との間のガタつきを低減し、使用時の快適性を向上させるものである。また、該振動防止ネジは第三実施例だけでなく、本発明全般(前述の第一実施例、第二実施例および後述する第四実施例を含む)に適用可能である。 【0030】また、本実施例では外筒24に固設された外輪25より下部握り部22を突設したが、外輪25を省略して外筒24より下部握り部を突設しても良い。 【0031】以上の如く構成することにより、第一実施例と略同様に、杖を伸ばして脇支持杖として使用する時は上部握り部が脇当ての役目を果たし、杖を伸ばして脇支持杖として使用する時は上部握り部と下部握り部とが距離を持って支柱に係止され、軽量かつ十分な強度を保ちつつ、掌支持杖としても、脇支持杖としても必要かつ十分な機能を有するのである。 【0032】次に、本発明の第四実施例について図14から図18を用いて説明する。発明の第四実施例を掌支持杖として使用する際には図14に示す形態をしており、内筒43(図15および図16に図示)の上端に上部握り部41が配設される。該上部握り部41は後方(下部握り部42が突設される方向)だけでなく、前方にも延びた形状をしており、上部握り部41と内筒43とを合わせるとちょうど略T字型となる。そして、内筒43は外筒44に向かってバネ46(図16に図示)により付勢される係止ピン48が外筒44の表面に軸方向に穿設される係止孔47・47・47・・・に突出することにより外筒44に係止される。下部握り部42は外筒44に固設された外輪45に突設される。このとき、下部握り部42は後方が斜め上方に上がっている(図14に示す如く、水平方向と下部握り部42の長手方向との成す角度θ)。一方、前記上部握り部41もまた掌支持杖形態時に胴体部分にて下部握り部42と当接するように内筒43に固設される。このとき、上部握り部41は後方が斜め上方に上がっている(図14に示す如く、水平方向と上部握り部41の長手方向との成す角度θ)。このように、前記上部握り部41を後端がやや上向きに傾斜した状態に構成することにより、掌支持杖形態時および後述する脇支持杖形態時における快適性が向上する。なお、第三実施例と略同様に、位置決めピン50および位置決め穴51が設けられている。 【0033】また、外筒44および外輪45を貫通して振動防止ネジ53が螺設されている。該振動防止ネジ53は前記振動防止ネジ30と略同様の効果を奏する。 【0034】第四実施例が第一実施例から第三実施例までと異なる点は、外筒44の下部側面に支持部材56を摺動・係止可能に嵌装する支持部材受け部54を配設している点である。支持部材受け部54は上下端が開口した略円筒形状の部材であり、該支持部材受け部54の側面と外筒44の下部側面(下部外周面)とが溶接や接着などの方法により固設される。支持部材受け部54の側面には高さ方向に一定間隔を空けて螺孔54aおよび覗き孔58が穿設される。そして、螺孔54aには雌ネジが形成され、支持部材係止ネジ55が螺挿される。一方、支持部材56は中空でない略円柱形状の部材であり、側面には高さ方向に一定間隔を空けて係止穴57・57・・・が穿設され、下端には先ゴム49が嵌設される。 【0035】支持部材56は支持部材受け部54に摺動可能に嵌装される。このとき、支持部材受け部54の内周面の上下端には略リング形状の防音クッション材59・60が内嵌固定されており、該防音クッション材59・60の内周面は支持部材56の外周面と当接するように構成される。このように構成することにより、使用時において支持部材56と支持部材受け部54との間のガタつきおよび不快なガタつき音の発生を防止し、快適性が向上する。 【0036】支持部材56は支持部材係止ネジ55の先端部を、支持部材56に高さ方向に一定の間隔を空けて穿設された複数の係止穴57・57・・・のいずれかにネジ込むことにより支持部材受け部54に係止される。このとき、隣り合う係止穴57の間隔は略一定に構成され、かつ螺孔54aと覗き孔58との間隔が前記係止穴57の間隔と略同じになるように構成される。 【0037】支持部材56の外筒44下端部からの下方への突出長さ(図14から図16における長さL1)を変更する際には、まず支持部材係止ネジ55を緩めて、一つの係止穴57に嵌合していた支持部材係止ネジ55の先端を支持部材受け部54内周面近傍まで後退させる。次に支持部材56を支持部材受け部54に対して長手方向に摺動させ、支持部材係止ネジ55をねじ込んで別の係止穴57に嵌合させる。 【0038】このとき、支持部材係止ネジ55と嵌合させたい係止穴57より一つ上に設けられた係止孔57が覗き孔58に略一致するように支持部材56を支持部材受け部54に対して長手方向に摺動させる。すると、支持部材係止ネジ55と、該支持部材係止ネジ55と嵌合させたい係止穴57とが略一致する。すなわち、覗き孔58を設けない場合と比較すると、覗き孔58を設けている方が支持部材56の外筒44下端部からの下方への突出長さL1の調整が容易であり、作業性に優れる。 【0039】以上の如く第四実施例を構成することは、以下の利点を有する。第一に、本発明の杖を構成する構造体が主に内筒43、外筒44および支持部材56の三つからなるので、第一実施例から第三実施例(杖を構成する構造体が主に内筒と外筒の二つからなる)と比較して、杖の長さ調整幅が大きく、様々な体格の使用者に対応することが可能である。第二に、掌支持杖から脇支持杖へ形態を変更するときは、まず内筒43を外筒44に対して摺動させて、上部握り部41から下部握り部42までの高さ(図15中の長さL2)を、使用者の脇の下から腕を略伸ばしたときの手のひらまでの長さに合わせ、次に全高(上部握り部41から先ゴム49までの長さであり、図14および図15中の長さL3に相当する)を使用者の所望の高さにするように支持部材56を支持部材受け部54に対して長手方向に摺動させる(L1を調整する)ので、使用者の脇の下から腕を略伸ばしたときの手のひらまでの長さおよび全高を別箇所で調整可能であり、様々な体格の使用者に対応することが可能である。 【0040】なお、第四実施例では係止穴57にも雌ネジが形成され、支持部材係止ネジ55と締結される構成とすることにより、防音クッション材59・60と併せてガタつき防止効果がさらに向上するが、該係止穴57に雌ネジを形成せず、単に係止穴に支持部材係止ネジ55の先端を嵌合させる構成にしても良い。また、支持部材56を木材など不快なガタつき音を発生しない材料で構成することにより、使用時の快適性が向上するとともに、場合によっては前記防音クッション材59・60を省略し、部品点数を削減可能である。 【0041】さらに、図17に示す如く、支持部材62を中空の筒形状の部材で構成することも可能である。このように構成することで、杖の全重量の増加を抑えることが可能である。このとき、支持部材係止ネジ55が嵌装される係止孔63・63・・・は、雌ネジが形成されていても、形成されていなくても良い。 【0042】また、図18および図19に示すように、支持部材受け部54と外筒44との固設方法として、平面視略オーバル型で上下端が開口した中空の補強部材64を支持部材受け部54と外筒44とに外嵌し、隙間65・65に充填剤(接着剤)などを充填しても良い。 【0043】続いて、空気式の脇当てクッションカバーについて図20および図21を用いて説明する。 【0044】図9および図10に示す如く、脇当てであるカバー16の材質は布やビニール、皮革、綿、スポンジやゴムなどを挙げていたが、この他にも、図20に示す脇当てクッションカバー66や、図21に示す脇当てクッションカバー68の如き形態をとることが可能である。すなわち、脇当てクッションカバー66は、ビニールや樹脂、ゴムなどで構成される袋であり、内部に空気などの気体を封入して使用する。該脇当てクッションカバー66は主に中央部66a、側面部66b・66cからなり、側面部66b・66cにはそれぞれストラップ孔67・67が穿設される。 【0045】脇当てクッションカバー68も前記脇当てクッションカバー66と略同じ構成であり、ビニールや樹脂、ゴムなどで構成される袋であって、内部に気体(空気など)を封入して使用する。該脇当てクッションカバー68は主に中央部68a、側面部68b・68cからなり、側面部66b・66cにはそれぞれストラップ孔69・69が穿設される。脇当てクッションカバー66と脇当てクッションカバー68との相違点は中央部の形状であり、中央部66aはその上面(使用者の脇と当接する部分)の形状が略扁平形状であるのに対し、中央部68aはその上面(使用者の脇と当接する部分)の前後端が上方に隆起し、ちょうど馬鞍状になっている。 【0046】脇当てクッションカバー68を本発明の杖に装着するときは、図21に示す如く、中央部68aの下面を杖(図21では第四実施例)の上部握り部41上に載置し、脇当てクッションカバー68の中央部68aと、左右の側面部68b・68cとの境界部分にて屈曲させ、ストラップ孔69・69・・・にストラップ70を通して係止する。なお、脇当てクッションカバー66を本発明の杖に装着するときも脇当てクッションカバー68と略同様である。 【0047】このように構成することにより、使用者が脇支持杖形態で使用する際にも、脇の下に大きな負担がかからず、快適性が向上する。 【0048】続いて、本発明の杖の第五実施例について図22から図26を用いて説明する。杖の第五実施例が杖の第四実施例と異なる点は、図22に示す如く、外筒44側面の上下方向に略等間隔かつ列状に穿設された係止孔47・47・・・の内、最も下の係止孔である係止孔71・72が他の係止孔47の列と同一直線上に設けられず、左右にずれた位置にそれぞれ穿設されている点である。 【0049】係止ピン48を係止孔71または係止孔72に係止させるのは杖の第五実施例を掌支持杖として使用する場合である。例えば、図23、図25および図26に示す如く、係止孔71に係止ピン48を係止させると、係止孔47・47・・・と係止孔71とは外筒44の周方向においてずれた位置に穿設されているため、係止孔47・47に係止ピン48を係止させる時と比較して内筒43が外筒44内で回転し、上部握り部41は下部握り部42に対して平面視で外筒44を中心に反時計回りに回転した位置で係止された状態となる。このとき、使用者が左手で上部握り部41および下部握り部42を握ると、掌の手首に近い側が上部握り部41上面に当接し、掌の指先に近い側が下部握り部42上に当接して、上部握り部41と下部握り部42の両方の上面に左手の掌全体が乗る形となる。従って、杖に体重をかけるときに掌が乗る面積が大きくなり、掌支持杖として使用する場合の安定性に優れるのである。 【0050】なお、係止孔72に係止ピン48を係止させた場合は、図24に示す如く上部握り部41は下部握り部42に対して平面視で外筒44を中心に時計回りに回転した位置で係止された状態となり、右手で掌支持杖として使用する場合に適する。すなわち、係止孔71・72を係止孔47の列と同一直線上に設けず、左右にオフセットした位置にそれぞれ穿設することにより右手でも左手でも使用可能である。すなわち、掌支持杖形態としたときに、平面視で上部握り部41が、下部握り部41に対して上下に重ならず、外筒44を中心として時計回りまたは反時計回りのいずれかに回転した位置で固定されるのである。 【0051】続いて、本発明の杖の第六実施例について図27および図28を用いて説明する。第六実施例は、外筒44に穿設された係止孔47・47・・・および係止孔71・72等の構成は前記杖の第五実施例と略同じ構成であり、外筒44側面の上下方向に略等間隔かつ列状に穿設された係止孔47・47・・・の内、最も下の係止孔である係止孔71・72が他の係止孔47の列と同一直線上に設けられておらず、左右にずれた位置にそれぞれ穿設されている。 【0052】杖の第六実施例が前記杖の第五実施例と異なる点は、上部握り部41が内筒43に取り付けられている角度である。杖の第五実施例においては上部握り部41の後部が杖の第四実施例と略同様に斜め上方に上がっている(図14に示す杖の第四実施例と略同様、水平方向と上部握り部41の長手方向との成す角度θ)。一方、図27および図28に示す杖の第六実施例は、上部握り部41の後部が斜め下方に下がっている(水平方向と上部握り部41の長手方向との成す角度φ)とともに、下部握り部42の後部が斜め上方に上がっている(水平方向と上部握り部41の長手方向との成す角度θ)。 【0053】このように構成することにより、杖の第六実施例においては、上部握り部41の後端部と下部握り部42の後端部の高さが略同じとなり、掌支持杖として使用するときに手で握りやすく、より使用時の安定性に優れるのである。 【0054】また、図29および図30に示す如く、杖の第五実施例および第六実施例において係止ピン48および係止孔71・72を省略し、代わりに内筒43側面に内部係止孔73・73・・・を穿設するとともに、外部係止ピン74を用いても、上部握り部41と下部握り部42とが掌支持杖状態時において平面視で外筒44を中心に時計回りまたは反時計回りに回転した状態とすることが可能である。すなわち、内筒43側面に穿設される内部係止孔73・73・・・は上下方向に略等間隔で複数穿設されるが、内筒43の長手方向と略平行には並んでおらず、それぞれ周方向にずれた位置に穿設されているので、外部係止ピン74が嵌装される内部係止孔73および係止孔47の組み合わせにより、平面視で下部握り部42が上部握り部41に対して外筒44を中心に回転する方向および回転量(図25における角度ψ)を細かく設定可能である。 【0055】外部係止ピン74は、金属等の十分な強度を有する素材からなるピン部74aと、プラスチックや樹脂などの弾性素材からなり、外筒44側面に外部から嵌合・取り外しが可能な略C字型の止め輪部74bとで構成される。 【0056】続いて、本発明の杖の第七実施例について、図31を用いて説明する。杖の第七実施例が杖の第五実施例および第六実施例と異なる点は、上部握り部41を、内筒43の前後に延びた上部握り部75に変更し、該上部握り部75の前後中央部にて前端部75aが下方、後端部75bが上方となるように緩やかに傾斜した状態で内筒43に固設した点と、係止ピン48に代えて略U字型のバネ77の両端に係止ピン76a・76bが固設されたものを使用し、内筒43に平面視でちょうど互いが対向する位置に穿設された突出孔61・78から外筒44に向かって係止ピン76a・76bをそれぞれ突出させた点である。 【0057】このように構成することにより、係止ピン76aが係止孔71または係止孔72から突出しているときは、下部握り部42の先端部と上部握り部75の後端部75bとが近接し、平面視で外筒44を中心に時計回りまたは反時計回りに回転した状態となる。一方、係止ピン76bが係止孔71または係止孔72から突出しているときは、図31に示す如く、下部握り部42の先端部と上部握り部75の前端部75aとが近接し、平面視で外筒44を中心に時計回りまたは反時計回りに回転した状態となる。 【0058】すなわち、図31に示す杖の第七実施例の場合は、杖の第五実施例のように、上部握り部と下部握り部がいずれも後方がやや斜め上方(角度θ)を向いたものと、杖の第六実施例のように、上部握り部は後方がやや斜め下方(角度−θ)を向き、下部握り部は後方がやや斜め上方(角度θ)を向いたものの両方を兼ねるのである。 【0059】続いて、脇当てクッションカバーの別実施例について、図32から図34を用いて説明する。図32に示す如く、脇当てクッションカバーの別実施例である脇当てクッションカバー79は、下側に開口した袋体79aの表面が起毛しており、袋体79aの開口部の端部には、ストラップ79bが設けられている。該袋体79aはクッション性がよい海綿体でもよい。外脇当てクッションカバー79を使用するときは、袋体79aで上部握り部41(75)を上方から被覆し、ストラップ79bで係止する。ストラップ79bには面ファスナー等が設けられている。このように構成することにより、本発明の杖を脇支持杖とした時にも、使用者の脇に負担がかからず、快適に使用することが可能である。また、掌支持杖とした場合は脇当てクッションカバー79が上部握り部41(75)を上方から被覆したままでは上部握り部41(75)を握りにくいので、外筒44にストラップ79bで係止することが可能である。 【0060】 【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。 【0061】即ち、請求項1に示す如く、支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、内筒の上端に上部握り部を配設し、外筒に対して摺動可能および係止可能に下部握り部を設け、杖を伸ばして脇支持杖となり、上部握り部と下部握り部を一体となるように杖を縮めて掌支持杖とするので、杖を伸ばして脇支持杖として使用する時は上部握り部が脇当ての役目を果たし、杖を伸ばして脇支持杖として使用する時は上部握り部と所定の距離を持って支柱に係止され、軽量かつ十分な強度を保ちつつ、掌支持杖としても、脇支持杖としても必要かつ十分な機能を有する杖とすることを可能にしたのである。 【0062】請求項2に示す如く、前記上部握り部の下面に、下部握り部が収納される凹部を設けたので、掌支持杖として使用する際の握り部の一体感がまし、より体裁がよく、使用時も快適な杖とすることが可能となったのである。 【0063】請求項3に示す如く、支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、内筒の上端に上部握り部を配設するとともに、外筒に下部握り部を固設し、杖を伸ばして脇支持杖となり、上部握り部と下部握り部を一体となるように杖を縮めて掌支持杖とするので、杖を伸ばして脇支持杖として使用する時は上部握り部が脇当ての役目を果たすとともに、上部握り部と所定の距離を持って支柱に係止され、軽量かつ十分な強度を保ちつつ、掌支持杖としても、脇支持杖としても使用可能である。 【0064】請求項4に示す如く、支柱を直径の異なる2本の筒によって構成し、大径の外筒に小径の内筒を摺動可能に挿入し、所定の位置で内筒と外筒とを係止する機構を有する伸縮自在の杖において、外筒下部に支持部材受け部を設け、該支持部材受け部に支持部材を摺動・係止可能に嵌装したので、杖を伸ばして脇支持杖として使用する時は上部握り部が脇当ての役目を果たすとともに、上部握り部と所定の距離を持って支柱に係止され、軽量かつ十分な強度を保ちつつ、掌支持杖としても、脇支持杖としても使用可能である。また、杖の構造体が主に外筒、内筒および支持部材の三つからなり、杖の長さ調整幅が大きく、様々な体格の使用者に対応することが可能であるとともに、使用者の脇の下から腕を略伸ばしたときの手のひらまでの長さ、および全高を別箇所で調整可能であり、様々な体格の使用者に対応することができる。 【0065】請求項5に示す如く、前記上部握り部と下部握り部との当接部に位置決め手段を設けたので、上部握り部と下部握り部とが支柱の軸中心に相対的に回転してずれたり、ガタついて不快な音を発生したりすることがない。 【0066】請求項6に示す如く、前記外筒と内筒との間の振動を防止する振動防止ネジを設けたので、内筒と外筒との間のガタつきおよび振動音を低減し、使用時の快適性が向上する。 【0067】請求項7に示す如く、掌支持杖形態としたときに、平面視で上部握り部が、下部握り部に対して上下に重ならず、外筒を中心として時計回りまたは反時計回りのいずれかに回転した位置で固定されるので、杖に体重をかけるときに上部握り部と下部握り部の両方の上面に掌全体が乗る形となり、掌が乗る面積が大きくなり、掌支持杖として使用する場合の安定性に優れる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】393003516 【氏名又は名称】阪下 修一
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| 【出願日】 |
平成14年9月18日(2002.9.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100080621 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 寿一郎
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| 【公開番号】 |
特開2003−169705(P2003−169705A) |
| 【公開日】 |
平成15年6月17日(2003.6.17) |
| 【出願番号】 |
特願2002−271946(P2002−271946) |
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