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【発明の名称】 扇子又はうちわ、その製造方法、扇子袋及び扇子ユニット
【発明者】 【氏名】内田 宏

【要約】 【課題】ハーブの香りが長期間持続し、清涼感・爽快感を長期にわたって得ることのできる扇子又はうちわ、その製造方法、扇子袋及び扇子ユニットを提供する。

【解決手段】うちわ10の一対の板状紙14,14が中骨12を挟んで貼り合わされている。各々の板状紙14,14の互いの対向面側(内面側)には、ハーブ粉漉き込み層14bが形成されている。このハーブ粉漉き込み層14bは、紙漉きにより形成される紙層14aの表層部分に、ハーブの原形を加熱乾燥後、粉状又は細片状に粉砕された第一ハーブ粉1を漉き込む形で混入することにより形成される。中骨12と板状紙14との間に形成される接着剤層15には、第一ハーブ粉1とは別に用意され、ハーブの原形を加熱乾燥後、粉状又は細片状に粉砕された第二ハーブ粉2が混合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中骨に貼り合わされる紙を有する扇子又はうちわであって、前記紙に、粉状又は細片状に粉砕されたハーブ粉を付随させてあることを特徴とする扇子又はうちわ。
【請求項2】 中骨に貼り合わされる紙を有する扇子又はうちわであって、前記紙には、紙漉き段階において粉状又は細片状に粉砕されたハーブ粉を漉き込ませてあることを特徴とする扇子又はうちわ。
【請求項3】 前記紙は、前記ハーブ粉とは別に用意された粉状又は細片状のハーブ粉が混合された接着剤によって前記中骨と貼り合わされている請求項1又は2に記載の扇子又はうちわ。
【請求項4】 中骨に貼り合わされる紙を有する扇子又はうちわの製造方法であって、前記紙の少なくとも表層部分に、粉状又は細片状に粉砕されたハーブ粉が分布するように、前記紙に前記ハーブ粉を漉き込む紙漉き工程と、この紙漉き工程で得られた紙を接着剤で前記中骨に貼り合わせる貼り合せ工程と、を含むことを特徴とする扇子又はうちわの製造方法。
【請求項5】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載された扇子を収納する扇子収納部と、その扇子収納部の周囲を取り囲んで設けられ、ハーブを乾燥したハーブ乾燥物を収納するハーブ収納部と、を備えることを特徴とする扇子袋。
【請求項6】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載された扇子が、請求項5に記載された扇子袋の前記扇子収納部に収納されることを特徴とする扇子ユニット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、扇子又はうちわ、その製造方法、扇子袋及び扇子ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】ハーブは、香草とも称されるように特有の香りを有し、例えばそのリラックス作用、リフレッシュ作用等により、ストレス等を解消又は減少して心身の疲労を回復させる効能があるといわれている。そして、このようなハーブの香りを扇子又はうちわに応用する試みもなされている。
【0003】例えば、登録実用新案公報第3028274号には、扇子の中骨・板状紙等にラベンダー等の香りを発散する香料(香水)を浸透させたり付着させたりしておき、この扇子を扇いだとき涼風とともに香りを漂わせて清涼感を得る考案が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記考案では香りが付与された香料を扇子に浸透又は付着させておくものであるため、比較的短期間で香りが消滅ないし減少してしまう傾向にある。
【0005】本発明の課題は、ハーブの香りが長期間持続し、清涼感・爽快感を長期にわたって得ることのできる扇子又はうちわ、その製造方法、扇子袋及び扇子ユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記課題を解決するために、本発明に係る扇子又はうちわは、中骨に貼り合わされる紙を有する扇子又はうちわであって、前記紙に、粉状又は細片状に粉砕されたハーブ粉を付随させてあることを特徴とする。
【0007】本発明の扇子又はうちわでは、ハーブ粉が紙に付随しているため、ハーブの香りの発散現象が従来よりも長期間持続する。
【0008】また、上記課題を解決するために、本発明に係る扇子又はうちわは、中骨に貼り合わされる紙を有する扇子又はうちわであって、前記紙には、紙漉き段階において粉状又は細片状に粉砕されたハーブ粉を漉き込ませてあることを特徴とする。
【0009】本発明では、ハーブ粉は紙漉き段階で紙に漉き込まれるので、ハーブの香りをさらに長期間持続させることができる。しかも、ハーブ粉を紙に漉き込んであるため、従来のように香料を補充したりする必要もない。
【0010】なお、扇子又はうちわにおける上記紙が、上記ハーブ粉とは別に用意された粉状又は細片状のハーブ粉が混合された接着剤によって中骨と貼り合わされる場合には、紙に付随させてあるハーブ粉の発する香りと接着剤に混合された接着剤用のハーブ粉の発する香りとの相乗効果により、高い芳香性が得られる。
【0011】さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る扇子又はうちわの製造方法は、中骨に貼り合わされる紙を有する扇子又はうちわの製造方法であって、前記紙の少なくとも表層部分に、粉状又は細片状に粉砕されたハーブ粉が分布するように、前記紙に前記ハーブ粉を漉き込む紙漉き工程と、この紙漉き工程で得られた紙を接着剤で前記中骨に貼り合わせる貼り合せ工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】このように、紙漉き工程において、従来の設備等を変更することなく、ハーブ粉を紙中に容易に漉き込むことができる。
【0013】一方、上記課題を解決するために、本発明に係る扇子袋は、前記扇子を収納する扇子収納部と、その扇子収納部の周囲を取り囲んで設けられ、ハーブを乾燥したハーブ乾燥物を収納するハーブ収納部と、を備えることを特徴とする。
【0014】このような扇子袋とすることにより、鞄に入れたり手に持ったりしたときに、ハーブ乾燥物が扇子袋の中で揉まれたり擦れたりして芳香を発することができる。また、ハーブ乾燥物が粉状でないため、香りの持続期間を長く維持することができ、扇子袋の繊維間からこぼれることも少ない。
【0015】さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る扇子ユニットは、前記扇子が、前記扇子袋の前記扇子収納部に収納されることを特徴とする。
【0016】このように、扇子の紙に付随させてあるハーブ粉の発する香りと、扇子袋のハーブ収納部に収納されたハーブ乾燥物の発する香りとの相乗効果により、高い芳香性が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照して説明する。
(実施例1)図1は本発明の一実施例であるうちわを示す。この実施例のうちわ10は、親骨11と中骨12と把手13とが射出成形等による合成樹脂一体成形にて製造され、表裏一対の板状紙14,14(紙)が中骨12を挟んで貼り合わされている。具体的には、親骨11が正面視円形状等の閉ループ(環状閉鎖空間)を形成し、親骨11の周上の一点を起点として、多数の中骨12がその閉ループ内を放射状に延び、各々の中骨12は周上の他の点で親骨11と再び連結される。また、親骨11の上記周上の一点から外側へ把手13が延出している。
【0018】各々の板状紙14,14の互いの対向面側(内面側)には、ハーブ粉漉き込み層14bが形成されている。このハーブ粉漉き込み層14bは、紙漉きにより形成される紙層14aの表層部分に、ラベンダー、ミント、バジル、パセリ、セージ等のハーブの原形を加熱乾燥後、粉状又は細片状に粉砕された第一ハーブ粉1(ハーブ粉)を漉き込む形で混入することにより形成される(図2参照)。
【0019】既述の通り、一対の板状紙14,14が中骨12を挟んで貼り合わされている。このとき、中骨12と板状紙14との間に形成されるのり等の接着剤層15には、第一ハーブ粉1とは別に用意され、ハーブの原形を加熱乾燥後、粉状又は細片状に粉砕された第二ハーブ粉2(接着剤用ハーブ粉)が混合されている。
【0020】ここで、第一ハーブ粉1と第二ハーブ粉2とは同じものを用いてもよいが、互いに同系統(同種)の範囲内で異なるものを別々に用意してもよい。ここでいう同系統とは、例えばラベンダー系、ミント系、ローズマリー系のように、香りの同一性が確保できる数種以上の個体をひとまとまりとする集団を意味している。
【0021】次に、図2〜図3の工程説明図を参照して、うちわ10の製造方法を説明する。なお、以下の説明において、紙漉き用のパルプは和紙用、洋紙用のいずれでもよく、牛乳パック等からの再生パルプであっても差し支えない。
【0022】(1)紙漉き工程紙漉き用のパルプを水溶液で溶かしたパルプスラリー101を紙漉き槽100に満たし、底面に漉き網111を張った紙漉き器110で板状紙14の紙漉きを行う。具体的には、紙漉き器110にパルプスラリー101を流し入れ、紙漉き器110を傾けたり揺すったりして、漉き網111上にパルプスラリー101がほぼ一定厚さに堆積された紙層14aを形成する(図2(a))。以上の操作を繰り返すと、紙層14aは徐々に厚く形成される(図2(b)(c))。なお、和紙を漉く際に、原料のこうぞ等だけでは紙を構成するだけの粘着力が不足するので、パルプスラリー101にのりを混合するとよい。このようなのりとしては、例えばトロロアオイ(植物名)の根を乾燥させた後これを煮詰めたもの等が用いられる。
【0023】紙層14aが所定厚さに達したとき、紙漉き器110を紙漉き槽100の外に取り出して、底面に篩網121を張った篩器120より上記第一ハーブ粉1を紙層14aの表面に散布する(図2(d))。これによって、紙層14aの表面は第一ハーブ粉1で覆われる形態となる(図2(e))。水切り後、紙漉き器110より紙層14aを取り出し、プレスによる脱水及び加熱による乾燥を行えば、紙層14aの表層部分に第一ハーブ粉1が分布するハーブ粉漉き込み層14bが形成された板状紙14が得られる(図2(f))。
【0024】もちろん、紙漉きの最終段階(例えば、図2(c))で第一ハーブ粉1を紙漉き槽100内に撹拌・分散させ、紙漉き器110で漉いて、紙層14aの表層部分に第一ハーブ粉1が分布するハーブ粉漉き込み層14bが形成された板状紙14を得てもよい。したがって、板状紙14に第一ハーブ粉1を漉き込む紙漉き工程として、図2のように脱水・乾燥前の漉いた紙層14aの表面に第一ハーブ粉1を散布する方法と、上記のように紙漉きの最終段階で第一ハーブ粉1を紙漉き槽100内に撹拌・分散させ、紙漉き器110で漉く方法とを、選択することができる。
【0025】なお、第一ハーブ粉1は、ハーブの原形(花穂(つぼみ)、茎、葉等)を、30〜37℃の範囲で所定期間加熱し、葉緑素成分の大半が残るように乾燥してハーブ乾燥物とし、このハーブ乾燥物を粉状又は細片状に粉砕したものが望ましい。
【0026】また、板状紙14における第一ハーブ粉1の混合割合(添加量)は、紙重量が100重量部に対してハーブ粉漉き込み量が30〜100重量部になるよう調製するとよい。これをうちわ10の1枚当たりで見ると、例えば、乾燥時のうちわ10の板状紙14,14重量約5gに対して、第一ハーブ粉1の漉き込み量は約4gが目安となる。ハーブ粉漉き込み量が30重量部未満では、乾燥後の板状紙14,14からの香りの発散量が十分得られなくなるおそれがある。一方、ハーブ粉漉き込み量が100重量部超では、パルプスラリー101が所定温度(例えば60〜70℃)以上に上昇したとき、第一ハーブ粉1からにじみ出るハーブオイルの量が多くなり、パルプが凝集しにくくなるおそれがある。
【0027】(2)貼り合せ工程合成樹脂製の親骨11、中骨12及び把手13を射出成形にて一体成形しておく(図3(a))。紙漉き工程で得られた一対の板状紙14,14を、ハーブ粉漉き込み層14b,14bが中骨12を挟んで対向する(内側を向く)ように配置し、上記第二ハーブ粉2が混合された接着剤層15にて貼り合わせる(図3(b))。このとき、一対の板状紙14,14には接着剤層15の厚さに差を設けてもよい。
【0028】そして、接着剤層15における第二ハーブ粉2の混合割合(添加量)は、接着剤の重さが100重量部に対して第二ハーブ粉2の重さが30〜50重量部になるよう調製するとよい。ここで、第二ハーブ粉2の添加量が30重量部未満では、香りの発散量が十分得られなくなるおそれがある。一方、第二ハーブ粉2の添加量が50重量部超では、接着力が低下するおそれがある。
【0029】(3)裁断工程板状紙14,14の親骨11からのはみ出し部分14c,14cを裁断し(図3(c))、うちわ10が完成する(図3(d))。なお、板状紙14,14を所定形状に裁断してから、貼り合せを行ってもよい。また、その後、板状紙14,14には必要に応じて絵付け等を行う。このとき、貼り合せ工程において一対の板状紙14,14に接着剤層15の厚さの差を設けた場合には、インク等のしみ込みのよい接着剤層15の薄い側に絵付けを行う。そして、絵付け用の墨汁、絵の具又はインクにハーブ粉を混合してもよい。
【0030】図4にうちわ50の種々の変更例を示す。まず、図4(a)では、板状紙14,14の貼り合せ工程(図3(b))において、ハーブ粉漉き込み層14b,14bが外側を向くように配置した例を示している。ハーブ粉漉き込み層14b,14bが外側を向くことにより、外表面が擦られることによって香りの発散量が増加する場合がある。なお、ハーブ粉漉き込み層14bが紙層14aに対して両側の表層部分に形成される場合もある。
【0031】板状紙14,14に市販品を用いる場合等には、図2の紙漉き工程に代えて図4(b)に示す塗布工程を採用することができる。
【0032】(1’)塗布工程例えば、市販品の板状紙14’の一方の端面(表面)に、既述の粉状又は細片状の第一ハーブ粉1を接着性のバインダーとともに混練して塗布し、ハーブ粉塗布層16を形成する(図4(b))。なお、このときにの接着性のバインダーとしては、上記したトロロアオイののりを用いることができる。
【0033】なお、この場合の貼り合せ工程では、一対の板状紙14’,14’を、ハーブ粉塗布層16,16が中骨12を挟んで対向する(内側を向く)ように配置し、上記第二ハーブ粉2が混合された接着剤層15にて貼り合わせる(図4(b))。
【0034】さらに、前述した紙漉き工程と塗布工程とは併用することができる。このときハーブ粉塗布層16は、図4(c)に示す如く板状紙14のハーブ粉漉き込み層14b側に形成する場合と、図4(d)に示す如く板状紙14の紙層14a側に形成する場合とがある。
【0035】(実施例2)図5は、本発明の他の実施例である扇子を示す。この実施例の扇子50は、両端の竹製の親骨51とその間に多数の竹製の中骨52とが重ね合わせ可能に配置され、半径方向の折り目54cにより円弧方向に折り畳みできる表裏一対の扇形の板状紙54,54(紙)が、中骨52を挟んで貼り合わされている。また、親骨51と中骨52とは要53で開閉可能に止められている。
【0036】各々の板状紙54,54は、紙漉きにより形成される紙層54aのほぼ全体にわたって、ハーブの原形を加熱乾燥後、粉状又は細片状に粉砕された第一ハーブ粉1(ハーブ粉)を漉き込む形で混入することにより形成される(図6参照)。
【0037】既述の通り、一対の板状紙54,54が中骨52を挟んで貼り合わされている。このとき、中骨52と板状紙54の間に形成されるのり等の接着剤層55には、第一ハーブ粉1とは別に用意され、ハーブの原形を加熱乾燥後、粉状又は細片状に粉砕された第二ハーブ粉2(接着剤用ハーブ粉)が混合されている。
【0038】次に、図6〜図7の工程説明図を参照し、扇子50の製造方法について、うちわ10の製造方法と異なる部分を中心に説明する。
【0039】(1)紙漉き工程紙漉き用のパルプを水溶液で溶かしたパルプスラリー101を紙漉き槽100に満たし、底面に篩網121を張った篩器120より上記第一ハーブ粉1を紙漉き槽100内に散布し、撹拌・分散させる(図6(a))。そして、底面に漉き網111を張った紙漉き器110で板状紙54の紙漉きを行う。具体的には、紙漉き器110にパルプスラリー101を流し入れ、紙漉き器110を傾けたり揺すったりして、漉き網111上にパルプスラリー101がほぼ一定厚さに堆積された紙層54aを形成する(図6(b))。以上の操作を繰り返すと、紙層54aは徐々に厚く形成される(図6(c)(d))。
【0040】紙層54aが所定厚さに達したとき、紙漉き器110を紙漉き槽100の外に取り出す(図6(e))。水切り後、紙漉き器110より紙層54aを取り出し、プレスによる脱水及び加熱による乾燥を行えば、紙層54aのほぼ全体にわたって第一ハーブ粉1が漉き込まれた板状紙54が得られる(図6(f))。
【0041】なお、扇子50の板状紙54は、折り目54c(図5(a))を付けやすくするため、うちわ10の板状紙14に比べて相対的に薄く形成されるのが一般的である。そのために、第一ハーブ粉1は板状紙54(紙層54a)のほぼ全体にわたって漉き込まれる。また、うちわの場合のように紙漉き工程に代えて塗布工程を採用することは、扇子においては一般的ではない。
【0042】ところで、扇子50の板状紙54における第一ハーブ粉1の混合割合(添加量)は、うちわの場合と比べて1/10程度に抑えるのが望ましい。すなわち、紙重量が100重量部に対してハーブ粉漉き込み量が2〜20重量部になるよう調製するとよい。これは、第一ハーブ粉1の混合割合を大きくすると、板状紙54が厚くなって折り目54cを形成しにくくなること、及び折り目54cで第一ハーブ粉1が剥離しやすくなることがその主な理由である。また、後述するように、扇子50とセットで取扱われる扇子袋60がハーブ乾燥物の収納スペースを備える場合には、その分第一ハーブ粉1の混合割合は低減化される。
【0043】(2)裁断・貼り合せ工程竹製の親骨51と中骨52を組み立てて、要53で開閉可能に止めておく(図7(a))。紙漉き工程で得られた一対の板状紙54,54を所定の大きさに裁断した後、中骨12を挟んで対向するように配置し、上記第二ハーブ粉2が混合された接着剤層55にて貼り合わせる(図7(b)(c))。
【0044】(3)折り目付け工程貼り合わせられた板状紙54,54に対して半径方向の折り目54cを円弧方向に沿って複数形成し、扇子50が完成する(図7(d))。なお、折り目付けは貼り合せ前に行ってもよい。
【0045】次に、扇子50は、図8に示すような扇子袋60に収納されて、セット(扇子ユニット)で取扱われることがある。扇子袋60は全体が布地で構成されており、布地を断面逆U字状に折り曲げて内外二重の筒状構造に形成し、その内外壁62a,62b間にハーブの原形を乾燥したハーブ乾燥物3を収納するハーブ収納部62が形成されている。その結果、内壁62aの内側(すなわち扇子袋60の中心部)には、扇子50を収納する扇子収納部61が形成され、ハーブ収納部62はこの扇子収納部61の周囲を取り囲むような環状形態をなしている。また、内壁62aの下縁間及び外壁62bの下縁と内壁62aの下端部との間は、それぞれ縫い目62c,62dによって縫着される。これによって、扇子収納部61の下方部は閉じられ、一方上方部には扇子収納部61に連通する開口部63が形成されている。そして、開口部63を絞って塞ぐための紐65が挿通される紐通し部64が、ハーブ収納部62の上端縁に沿って環状に形成されている。
【0046】このような扇子袋60は、次のようにして組み立てられ、使用される。内外壁62a,62b間のハーブ収納部62にハーブ乾燥物3を収納するとともに、縫い目62dで内外壁62a,62bを縫い合わせることによって、図8(c)で示されるような展開状態の布地(扇子袋素材)が得られる。次に、紐通し部64に直交する上下方向の軸を中心としてこの展開状態の布地を丸め、内壁62a下縁を縫い目62cで縫い合わせることにより、同図(a)(b)に示す筒状の扇子袋60が完成する。
【0047】扇子袋60に扇子50を収納して持ち運びすることにより、扇子袋60が揉まれたり擦れたりして、ハーブ乾燥物3から芳香を発する。その結果、扇子袋60のハーブ収納部62に収納されたハーブ乾燥物3の発する香りと、扇子50の板状紙54に付随された(すなわち漉き込まれた又は塗布された)第一ハーブ粉1の発する香り又は接着剤層15に混合された第二ハーブ粉2の発する香りとの相乗効果によって高い芳香性が得られる。
【0048】しかも、扇子50を扇子袋60に収納することにより、扇子袋60のハーブ乾燥物3からの芳香は直接的に扇子50にも及び、扇子50の第一ハーブ粉1あるいは第二ハーブ粉2から発する香りを強める働きをする。そのため、第一ハーブ粉1や第二ハーブ粉2の香りの持続期間を長く保てることにもなる。また、このような扇子の入った扇子袋を洋服タンス等に入れておけば、タンスの防虫効果もある。
【0049】なお、ハーブ乾燥物3は、ハーブの原形(花穂(つぼみ)、茎、葉等)を、30〜37℃の範囲で所定期間加熱し、葉緑素成分の大半が残るように乾燥したものが望ましい。このように、ハーブ乾燥物3は粉砕してハーブ粉にしていないので、香りの持続性が高く、扇子袋60の繊維(布地)間からのこぼれ落ちが防止される。また、ハーブ乾燥物3は、第一ハーブ粉1あるいは第二ハーブ粉2と互いに同系統のハーブの原形を加工して得られたものを用い、香りの同一性をとることが、香りを強化する上で望ましい。
【出願人】 【識別番号】501242158
【氏名又は名称】内田 宏
【出願日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【代理人】 【識別番号】100095751
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 正倫
【公開番号】 特開2003−88412(P2003−88412A)
【公開日】 平成15年3月25日(2003.3.25)
【出願番号】 特願2001−283997(P2001−283997)