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【発明の名称】 バンド用中留、バンド、データ通信装置および携帯時計
【発明者】 【氏名】松本 賢一郎
【住所又は居所】長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコーエプソン株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】バンド13を連結するためのバンド用中留としての中留本体15において、生体であるユーザUに接触される第1電極21と、同じくユーザUに接触される第2電極22と、ユーザUを伝送経路の一部として第1電極21および第2電極22を介して外部とデータ通信を行うデータ通信ユニット23と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 バンド部間を連結するためのバンド用中留において、生体に接触される第1電極と、前記生体に接触される第2電極と、前記バンド部の連結時に前記生体を伝送経路の一部として前記第1電極および前記第2電極を介して外部とデータ通信を行うデータ通信部と、を備えたことを特徴とするバンド用中留。
【請求項2】 請求項1記載のバンド用中留において、一方の前記バンド部に連結され、前記第1電極および前記第2電極を有する第1連結部と、他方の前記バンド部に連結され、前記データ通信部を有する第2連結部と、を備えたことを特徴とするバンド用中留。
【請求項3】 請求項2記載のバンド用中留において、前記第1連結部は、前記第1電極が形成された第1枠部材と、前記第2電極が形成された第2枠部材と、前記第2連結部を連結状態で係止するための係止部材を有し、前記第1枠部材および前記第2枠部材を連結するための連結部材と、を備えたことを特徴とするバンド用中留。
【請求項4】 請求項3記載のバンド用中留において、前記第1枠部材は、前記第1電極が電気的に接続された第1接点端子を備え、前記第2枠部材は、前記第2電極が電気的に接続された第2接点端子を備え、前記データ通信部は、前記第2連結部材の係止時に前記第1接点端子に電気的に接続される第1接点部および前記第2接点端子に電気的に接続される第2接点部を備えた、ことを特徴とするバンド用中留。
【請求項5】 請求項4記載のバンド用中留において、前記第1接点端子および前記第2接点端子は、対応する電極の裏面側から当該電極に接するように配置される導電弾性部材と、対応する前記枠部材に形成された貫通孔に前記導電弾性部材に接するように設けられた接点部と、対応する前記枠部材内に前記貫通孔を介して液体が浸入するのを防ぐための防水部材と、を備えたことを特徴とするバンド用中留。
【請求項6】 請求項5記載のバンド用中留において、前記接点部は、軸部および前記軸部の周面に形成された鍔部を有し、前記防水部材は、前記貫通孔側の前記鍔部の面および前記軸部の表面の一部並びにこれらに対向する前記貫通孔の壁の双方に接するように配置される絶縁弾性部材として形成される、ことを特徴とするバンド用中留。
【請求項7】 請求項6記載のバンド用中留において、前記貫通孔は、一部が径の狭い狭径部となっており、前記軸部は、前記絶縁弾性部材とともに前記狭径部内に圧入されていることを特徴とするバンド用中留。
【請求項8】 請求項1記載のバンド用中留において、一方の前記バンド部に連結され、前記第1電極あるいは前記第2電極のいずれか一方を有する第1連結部と、他方の前記バンド部に連結され、前記第1電極あるいは前記第2電極のいずれか他方および前記データ通信部を有する第2連結部と、を備えたことを特徴とするバンド用中留。
【請求項9】 請求項2ないし請求項8のいずれかに記載のバンド用中留において、前記第1連結部は、カバー部材であり、前記第2連結部は、中留本体である、ことを特徴とするバンド用中留。
【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のバンド用中留を備えたことを特徴とするバンド。
【請求項11】 請求項10記載のバンドを備えたことを特徴とするデータ通信装置。
【請求項12】 請求項10記載のバンドを備えたことを特徴とする携帯時計。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバンド用中留、バンド、データ通信装置および携帯時計に係り、特に生体に装着されて用いられるバンド用中留、バンド、データ通信装置および携帯時計に関する。
【従来の技術】従来より、生体(特に人体)を伝送路としてデータ通信を行うデータ通信装置が種々知られている。このようなデータ通信装置においては、通信の容易さを第一に開発されており、ユーザが装着した状態で、通信先のデータ通信装置に設けられた所定の信号端子に接触することによりデータがやりとりされるように構成されているものもある。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】上述したように上記従来のデータ通信装置においては、携帯のため、腕時計本体にデータ通信装置を組み込むような場合には、腕時計本体の設計の自由度が低下してしまうという不具合が生じることとなる。また、上記不具合を回避するため、腕時計にデータ通信装置を外付けするような場合には、バンドなどに取り付けることとなるが、デザイン性の高いバンドのような場合には、デザイン性を損ねるとともに、ユーザにとっても違和感が生じるという新たな不具合が生じることとなる。そこで、本発明の目的は、バンドの装着対象の設計の自由度を向上するとともに、装着時のデザイン性を低下させず、ユーザの違和感も低減することが可能なバンド用中留、バンド、データ通信装置および携帯時計を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、バンド部間を連結するためのバンド用中留において、生体に接触される第1電極と、前記生体に接触される第2電極と、前記バンド部の連結時に前記生体を伝送経路の一部として前記第1電極および前記第2電極を介して外部とデータ通信を行うデータ通信部と、を備えたことを特徴としている。上記構成によれば、データ通信部は、バンド部の連結時に生体を伝送経路の一部として第1電極および第2電極を介して外部とデータ通信を行う。
【0004】この場合において、一方の前記バンド部に連結され、前記第1電極および前記第2電極を有する第1連結部と、他方の前記バンド部に連結され、前記データ通信部を有する第2連結部と、を備えるようにしてもよい。
【0005】また、前記第1連結部は、前記第1電極が形成された第1枠部材と、前記第2電極が形成された第2枠部材と、前記第2連結部を連結状態で係止するための係止部材を有し、前記第1枠部材および前記第2枠部材を連結するための連結部材と、を備えるようにしてもよい。
【0006】さらに前記第1枠部材は、前記第1電極が電気的に接続された第1接点端子を備え、前記第2枠部材は、前記第2電極が電気的に接続された第2接点端子を備え、前記データ通信部は、前記第2連結部の係止時に前記第1接点端子に電気的に接続される第1接点部および前記第2接点端子に電気的に接続される第2接点部を備えるようにしてもよい。上記構成によれば、第2連結部の係止時に第1連結部の第1接点端子にデータ通信部の第1接点部が電気的に接続される。また、第1連結部の第2接点端子にデータ通信部の第2接点部が電気的に接続される。これにより、第1連結部に第2連結部が係止されている状態で、データ通信部は、生体を伝送経路の一部として第1電極、第1接点端子および第1接点部並びに第2電極、第2接点端子および第2接点部を介して外部とデータ通信を行う。
【0007】さらにまた、前記第1接点端子および前記第2接点端子は、対応する電極の裏面側から当該電極に接するように配置される導電弾性部材と、対応する前記枠部材に形成された貫通孔に前記導電弾性部材に接するように設けられた接点部材と、対応する前記枠部材内に前記貫通孔を介して液体が浸入するのを防ぐための防水部材と、を備えるようにしてもよい。上記構成によれば、防水部材により、枠部材内に液体が浸入するのを防ぎつつ、導電弾性部材により第1接点端子および第2接点端子と対応する各電極との導通を確保できる。
【0008】また、前記接点部は、軸部および前記軸部の周面に形成された鍔部を有し、前記防水部材は、前記貫通孔側の前記鍔部の面および前記軸部の表面の一部並びにこれらに対向する前記貫通孔の壁の双方に接するように配置される絶縁弾性部材として形成されるようにしてもよい。上記構成によれば、絶縁弾性部材により防水性と絶縁性とを良好に確保することができる。
【0009】さらに、前記貫通孔は、一部が径の狭い狭径部となっており、前記軸部は、前記絶縁弾性部材とともに前記狭径部内に圧入されているようにしてもよい。上記構成によれば、より一層の防水性を確保できる。
【0010】さらにまた、一方の前記バンド部に連結され、前記第1電極あるいは前記第2電極のいずれか一方を有する第1連結部と、他方の前記バンド部に連結され、前記第1電極あるいは前記第2電極のいずれか他方および前記データ通信部を有する第2連結部と、を備えるようにしてもよい。
【0011】また、前記第1連結部は、カバー部材であり、前記第2連結部は、中留本体である、ようにしてもよい。
【0012】また、上記各バンド用中留を備えてバンドを構成しても良い。さらにこのバンドを備えたデータ通信装置あるいは携帯時計を構成しても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[1]第1実施形態図1は、実施形態のデータ通信システムの概要構成図である。データ通信システム10は、ユーザUの腕に通信機能を内蔵したバンド13により装着された携帯時計11と、バンド13とユーザUを伝送路の一部として接続され、バンド13との間で通信を行うとともに、各種制御を行う通信制御装置12と、を備えている。
【0014】図2は実施形態のバンド13の一部の装着時における外観斜視図である。また、図3は、バンド13の一部の非装着時における外観斜視図である。さらに図4は、バンド13の一部の非装着時における部分断面図である。バンド13は、大別すると、バンド駒(バンド部)14、14Aと、中留本体(第2連結部)15と、上蓋(カバー部材;第1連結部)16と、を備えている。中留本体15は、第1電極21が形成された第1枠体(第1枠部材)15Aと、第2電極22が形成された第2枠体(第2枠部材)15Bと、上蓋16を係止するための係止突起(係止部材)15Cを有し、第1枠体15Aおよび第2枠体15Bを連結するための連結部(連結部材)15Dと、を備えている。この場合において、第1枠体15Aには、上蓋16を係止突起15Cにより連結部15Dに係止した状態、すなわち、バンド13の装着状態において、上蓋16内に設けられたデータ通信ユニット(データ通信部)23に後述の第1電極21を電気的に接続するための第1接点端子41が設けられている。そして、第1枠体15Aの第1接点端子41が設けられた側と反対側の面には、接着絶縁部材21Aを介して信号端子として機能する第1電極21が設けられている。また、第2枠体15Bには、バンド13の装着状態において、上蓋16内に設けられたデータ通信ユニット23に後述の第2電極22を電気的に接続するための第2接点端子43が設けられている。そして、第2枠体15Bの第2接点端子43が設けられた側と反対側の面には、絶縁部材を介して接地端子として機能する第2電極22が設けられている。
【0015】また、第1電極21と第2電極22は、常時ユーザUの腕表面に接触した状態で携帯時計11が装着されるようになっている。また、第1電極21および第2電極22は、電極となりうる導電材料により構成されている。導電材料としては、金等の貴金属、超硬合金、ステンレス鋼、チタン系合金などが用いられる。また、第1電極21あるいは第2電極22の厚さは、携帯時に必要な強度および加工性、デザイン性を考慮して適宜設定される。この結果、ユーザである生体との間で導通を確実に確保でき、突起物もないため、バンド13の外観がスリムとなって、通信機能を備えていてもユーザに違和感を与えることがない。さらに第1電極21は、接着絶縁部材21Aにより第1枠体15Aの所定の表面に接着固定されている。接着絶縁部材21Aとしては、いわゆる接着剤や、両面テープなどが考えられる。同様に第2電極22についても図示しない接着絶縁部材により第2枠対15Bの所定の表面に接着固定されている。さらに上蓋16は、アーム18Aと連結ピン19Aにより回動可能に連結されており、アーム18Aと中留本体15とは、連結ピン19Bにより回動可能に連結されている。同様にバンド駒14Aは、アーム18Bと連結ピン19Cにより回動可能に連結されており、アーム18Bと中留本体15とは、連結ピン19Dにより回動可能に連結されている。この場合において、バンド駒14A、中留本体15、アーム18A、18B、連結ピン19A〜19Dは、バンド用中留(中留金具)を構成している。
【0016】ここで、接点端子の構造について説明するが、第1接点端子41および第2接点端子43の構造は同一であるので、第1接点端子41を例として説明する。図5に第1接点端子近傍の拡大図を示す。第1接点端子41は、鍔部62および軸部63を有する略独楽形状をなしており、鍔部62は軸部63の略中央部分に形成されている。鍔部62の第1電極21側の面62Aには、導電弾性部材である導電バネ66が第1電極21の裏面および面62Aを押圧可能な状態で配置されている。一方、鍔部62の第1枠体15A側の面62Bには、絶縁弾性部材64が貫通孔42に内周面との間に介在するようにされるとともに、貫通孔42の狭径部42A内に第1接点端子41の軸部63の一方の先端が圧入されている。従って、絶縁弾性部材64は、第1接点端子41と第1枠体15Aとの間の絶縁を確保しつつ、第1電極21側から水などの液体が第1枠体15A内に浸入しないように防水部材としても機能している。このような構成とすることにより、第1接点端子41は、貫通孔42内に圧入され、その一方の先端41Aがデータ通信ユニット23の第1接点部23A(図4参照)に当接され、鍔部62の面62Aが導電バネ66を介して第1電極21と電気的に接続される。従って、第1接点端子41および導電バネ66は、第1電極21とデータ通信ユニット23を構成する回路パターンとを電気的に導通状態とする。この結果、第1接点端子41および絶縁弾性部材64が防水性を確保した状態で、第1接点端子41および導電バネ66は、第1接点部23A、ひいては、データ通信ユニット23を構成する回路との間で導通を確保することができる。さらに、接着絶縁部材21Aの一部がはがれたような場合でも、第1接点端子41、導電バネ66および絶縁弾性部材64は防水性を確保しつつ導通状態を維持でき、動作を継続することが可能となる。
【0017】図6はデータ通信ユニット23の概要構成ブロック図である。データ通信ユニット23は、大別すると、第1接点部23A、第2接点部23B、信号送受信部31、変/復調部32、ウェイクアップ信号検出部33、コントローラ34、メモリ35および電池36を備えている。信号送受信部31は、第1接点部23Aからの受信信号を変調受信信号として変/復調部32に出力するとともに、変/復調部32からの変調送信信号を第1接点部23Aを介して、通信制御装置12側に送信する。変/復調部32は、信号送受信部31からの変調受信信号を復調して受信データとしてコントローラ34に出力するとともに、コントローラ34からの送信データを変調して変調送信信号として信号送受信部31に出力する。ウェイクアップ信号検出部33は、データ通信ユニット23の省電力待機モード時に通信制御装置12から第1接点部23Aを介して入力されるウェイクアップ信号を検出して、データ通信ユニット23を通常動作モードに移行させる。この場合において、省電力待機モード時には、電池36からの電力は、コントローラ34を構成する制御回路の一部およびウェイクアップ信号検出部33にのみ供給され、信号送受信部31、変/復調部32およびメモリ35には供給されていない。
【0018】コントローラ34は、図示しないCPU、制御用プログラムが格納されたROM、各種データを一時的に格納するRAM、各種の入出力インターフェースを備え、データ通信ユニット23全体の制御を行うとともに、通信制御装置12からの受信データおよび通信制御装置12への送信データの管理を行う。メモリ35は、EEPROM、NVRAMなどの不揮発性メモリにより構成され、各種データを記憶する。電池36は、電源としてデータ通信ユニット23全体に電力を供給する。
【0019】図7に通信制御装置12の概要構成ブロック図を示す。通信制御装置12は、大別すると、信号送受信部51、変/復調部52、ウェイクアップ信号生成部53、コントローラ54、記憶装置55、タッチパネルディスプレイ56、通信インターフェース57および電源58を備えている。信号送受信部51は、タッチパネルディスプレイ56を介してデータ通信ユニット23側からの受信信号を変調受信信号として変/復調部52に出力するとともに、変/復調部52からの変調送信信号をタッチパネルディスプレイ56を介して、データ通信ユニット23側に送信する。変/復調部52は、信号送受信部51からの変調受信信号を復調して受信データとしてコントローラ54に出力するとともに、コントローラ54からの送信データを変調して変調送信信号として信号送受信部51に出力する。
【0020】ウェイクアップ信号生成部53は、コントローラ54の制御下で、ウェイクアップ信号を生成し、タッチパネルディスプレイ56を介して、データ通信ユニット23側に送出する。コントローラ54は、図示しないCPU、制御用プログラムが格納されたROM、各種データを一時的に格納するRAM、各種の入出力インターフェースを備え、通信制御装置12全体の制御、データ通信ユニット23からの受信データおよびデータ通信ユニット23への送信データの管理、通信インターフェース57を介した外部のサーバコンピュータなどとの間の通信制御などを行う。記憶装置55は、半導体メモリあるいはハードディスクなどの外部記憶装置を備えて構成され、各種データを記憶する。タッチパネルディスプレイ56は、コントローラ34の制御下で、データ通信ユニット23との間での各種データの送受信および各種情報の表示を行う。通信インターフェース57は、外部のサーバコンピュータなどとの間の通信インターフェース機能を提供する。電源58は、通信制御装置12全体に動作用の電力を供給する。
【0021】次にデータ通信システム10の概要動作について説明する。以下の説明においては、ユーザUは、携帯時計11を右手首に直接装着しているものとして説明する。また、データ通信ユニット23は、省電力待機モードとなっており、電池36からの電力は、コントローラ34を構成する制御回路の一部およびウェイクアップ信号検出部33にのみ供給されているものとする。図8は、バンド13の装着状態の説明図である。ユーザUが携帯時計11を右手首URに直接装着した状態において、図8に示すように第1電極21および第2電極22は右手首URに接触している。さらに第1電極21の裏面には、導電バネ66を介して第1接点端子41が電気的に接続されている。
【0022】この状態において、上蓋16を係止突起15Cにより連結部15Dに係止した状態、すなわち、バンド13の装着状態となっており、上蓋16内に設けられたデータ通信ユニット23の第1接点部23Aが第1接点端子41に電気的に接続されている。同様に上蓋16内に設けられたデータ通信ユニット23の第2接点部23Bが第2接点端子43に電気的に接続されている。従って、第1電極21は、導電バネ66、第1接点端子41および第1接点部23Aを介して、データ通信ユニット23の信号送受信部31およびウェイクアップ信号検出部33に電気的に接続されることとなる。同様に、第2電極22は、第2接点端子43および第2接点部23Bを介して、データ通信ユニット23のコントローラ34に接続されることとなる。そしてユーザUが通信制御装置12のタッチパネルディスプレイ56に右手の指を接触させる。この結果、図9に点線で示すように、タッチパネルディスプレイ56、ユーザUの右手、第1電極21、(導電バネ66、第1接点端子41、第1接点部23A)、データ通信ユニット23の内部回路、(第2接点部23B、第2接点端子43、導電バネ、第2電極22、ユーザU)、グランドGND、通信制御装置12の内部回路、タッチパネルディスプレイ56という経路で信号経路が形成されることとなる。このとき、通信制御装置12のコントローラ54は、ユーザUがタッチパネルディスプレイ56に接触したことを検出し、ウェイクアップ信号生成部53を制御して、ウェイクアップ信号を生成させ、タッチパネルディスプレイ56、ユーザUの右手URの指を介して、データ通信ユニット23側に送出する。
【0023】これにより、ウェイクアップ信号が第1電極21、導電バネ66および第1接点端子41並びにデータ通信ユニット23の第1接点部23Aを介してウェイクアップ信号検出部33に入力される。ウェイクアップ信号検出部33は、入力されたウェイクアップ信号を検出し、コントローラ34に通知し、データ通信ユニット23を通常動作モードに移行させる。これにより、省電力待機モード時には、電池36からの電力が供給されていなかった信号送受信部31、変/復調部32、メモリ35に供給される。これに伴い、コントローラ34は、図示しないROM内の制御プログラムに従って、所定のデータをメモリ35から読み出し、変/復調部32、信号送受信部31および第1接点部23A並びに第1接点端子41、導電バネ66および第1電極21を介して、通信制御装置12に送出する。すなわち、コントローラ34は、メモリ35から読み出した所定の送信データ(例えば、IDデータ、コマンドデータなど当該データ通信システム10の目的に応じた任意のデータ)を変/復調部32により変調し、信号送受信部31により増幅して変調電圧信号として、第1接点部23Aと第2接点部23Bとの間、ひいては第1電極21と第2電極22との間に印加することとなる。
【0024】一方、通信制御装置12の送受信部51は、タッチパネルディスプレイ56を介してデータ通信ユニット23側から変調電圧信号が入力されると、入力された変調電圧信号の波形成形、増幅などを行って、変/復調部52により復調し、受信データとしてコントローラ54に出力する。これによりコントローラ54は、図示しないROM内の制御プログラムに基づいて、記憶装置55に受信データを記憶し、あるいは、通信インターフェースを介してドアを開ける、各種装置を起動するなどの制御を行う。さらに必要に応じて、タッチパネルディスプレイ56の表示画面上に認証の完了や、入場を許可する旨などの各種情報を表示したり、所定の送信データを変/復調部52により変調し、信号送受信部51により増幅して変調電圧信号として、タッチパネルディスプレイ56を介してデータ通信ユニット23側に送信することとなる。
【0025】以上の説明のように、本実施形態によれば、バンド13を連結するためのバンド用中留としての中留本体15において、生体であるユーザUに接触される第1電極21と、同じくユーザUに接触される第2電極22と、ユーザUを伝送経路の一部として第1電極21および第2電極22を介して外部とデータ通信を行うデータ通信ユニット23と、を備えているので、携帯時計11の外観を損ねることなく、また、携帯時計11内にデータ通信ユニットを備える場合と比較して携帯時計11の設計の自由度を確保してデータ通信を行うことが可能となる。また、バンド用中留内に第1電極21、第2電極22およびデータ通信ユニット23を設けることが可能であるので、バンド全体のデザインへの影響が小さく、バンド自体のデザインの自由度を向上させ、様々なバンドに適用することが可能となる。
【0026】[2]実施形態の変形例以上の説明においては、中留本体としていわゆる両開き方式(観音開き方式)の場合を例として説明したが、バンドが二つに分離する二つ折方式、バンドが二つに分離しない三折れ方式(通常三折れ方式)、上蓋側面に設けられた操作ボタンの操作により着脱を簡単に行える三折れ方式(ワンタッチ三折れ方式)、バンドのアジャスト位置を自由に設定できるスライド方式、バンドが二つに分離するとともに、バンドとの一体感が表現でき一体感を得ることができバングル形式のものに用いられるバネフック方式などの様々な方式の中留本体に適用することが可能である。
【0027】また、以上の説明においては、第1電極21が形成された第1枠体(第1枠部材)15Aと、第2電極22が形成された第2枠体(第2枠部材)15Bと、上蓋(カバー部材)16を係止するための係止突起(係止部材)15Cを有し、第1枠体15Aおよび第2枠体15Bを連結するための連結部(連結部材)Dを備え、第1枠体15Aに第1電極21が導電バネ66を介して電気的に接続された第1接点端子41を設け、第2枠体15Bに第2電極22が図示しない導電バネを介して電気的に接続された第2接点端子43を設け、データ通信ユニット(データ通信部)に上蓋16の係止時に第1接点端子41に電気的に接続される第1接点部23Aおよび第2接点端子43に電気的に接続される第2接点部23Bを備える構成を取っていたが、例えば、二つ折れ方式やバネフック方式のようにバンドが二つに分離する方式のバンド用中留においては、データ通信ユニット(データ通信部)を有する第1連結部と、バンドを構成するバンド部の連結時に第1連結部と連結されるとともに、第1電極および第2電極を有する第2連結部と、を備えるようにしてもよい。あるいは、二つ折れ方式やバネフック方式のようにバンドが二つのバンド部に完全に分離する方式のバンド用中留において第1電極および第2電極のうちいずれか一方と前記データ通信部とを有する第1連結部と、バンドの連結時に第1連結部と連結されるとともに、第1電極および第2電極のうちいずれか他方を有する第2連結部と、を備えるようにしてもよい。
【0028】以上の説明においては、携帯時計のバンドのバンド用中留にデータ通信ユニット(データ通信部)を設ける構成としていたが、これに限らず、さまざまな直接生体に接触可能な状態で装着される装身具(例えば、ブレスレット、アンクレットなど)に送受信機能を内蔵させる構成を採ることが可能である。
【0029】また、以上の説明においては、送受信機能を内蔵させる構成を採っていたが、データウェイクアップ信号の受信をのぞき、データ送信機能のみを持たせるようにしたり、データ受信機能のみを持たせるようにすることも可能である。また、以上の説明においては、データ通信ユニットは、非通信時に省電力待機モードとなるように構成していたが、バンド部の非連結状態をマイクロスイッチなどの連結状態を検出する構成を設け、バンド部の非連結状態においては、全ての電源供給を遮断するように構成することも可能である。これにより、一層の消費電力低減を図り、長期に渡って安定したデータ通信を行うことができる。以上の説明においては、生体として人間の場合についてのみ説明したが、人間以外の動物等の生体についても適用が可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、バンドの装着対象の外観を損ねることなく、装着対象の設計の自由度を確保してデータ通信を行うことが可能となる。また、バンド全体のデザインへの影響が小さく、バンド自体のデザインの自由度を向上させ、様々なバンド、ひいては、様々な携帯時計に適用することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目4番1号
【出願日】 平成14年5月15日(2002.5.15)
【代理人】 【識別番号】100091823
【弁理士】
【氏名又は名称】櫛渕 昌之 (外1名)
【公開番号】 特開2003−325209(P2003−325209A)
【公開日】 平成15年11月18日(2003.11.18)
【出願番号】 特願2002−140385(P2002−140385)