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【発明の名称】 樹脂製ブレスレットとその製造方法
【発明者】 【氏名】高田 静江
【住所又は居所】東京都新宿区高田馬場1丁目23番9号 株式会社フィクス内

【要約】 【課題】従来の樹脂製品に比べて強度、付加価値を高められ、より高級感を出せるような樹脂製ブレスレットの構造とその製法を提案する。

【解決手段】樹脂製ブレスレット1は半円状部材2,3から構成され、半円状部材は一端がコイルスプリング5を通したヒンジピン4によりヒンジ接続されて他端側を開閉することができ、その開閉端部に時計6が取り付けられている。半円状部材は基層A、デザイン層B、表面層Cからなる3層構造を有している。中間層となるデザイン層Bがデザイン性を決定する主要部であり、多色のストライプ模様が形成されている。外側の表面層Cは、デザイン層Bの模様が透けるように透明とされ、これによりデザイン層Bの保護とつや出し感を得られるようになっている。3層構造により板厚を厚くできるので、抜群に耐久性能が高まり、不良発生を心配せずともすむ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂製基層と、この基層上に所定の模様を構成する樹脂製デザイン層と、このデザイン層を覆う透明の樹脂製表面層と、からなることを特徴とする樹脂製ブレスレット。
【請求項2】 基層、デザイン層及び表面層からなる2個の樹脂製半円状部材を一端でヒンジ接続し、そのヒンジ軸に設けたばねによる弾性で前記半円状部材の他端側を開閉できるようにした請求項1記載の樹脂製ブレスレット。
【請求項3】 半円状部材の他端部に時計を取り付けた請求項2記載の樹脂製ブレスレット。
【請求項4】 長尺板状とした樹脂製基層上に、所定の模様を構成するように樹脂製デザイン層を載置し、そしてそのデザイン層を覆うようにして透明な樹脂製表面層を載置することで3層の原料体を形成する過程と、その原料体を熱しつつ上下から圧力を加え、前記3層を熱圧着して一体化する過程と、該熱圧着後の原料体を湾曲させ、ブレスレット状に加工する過程と、を実施することを特徴とする樹脂製ブレスレットの製造方法。
【請求項5】 基層は、その長辺縁部分に土手部を延設した断面コ字状とされ、当該両辺の土手部間にデザイン層を載置できる形状としてある請求項4記載の樹脂製ブレスレットの製造方法。
【請求項6】 デザイン層として、色の異なる樹脂製線状体を基層の土手部間に複数配列する請求項5記載の樹脂製ブレスレットの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製のブレスレット(腕輪)に関する。
【0002】
【従来の技術】市販品のブレスレットは樹脂製と金属製とに大別され、樹脂製ブレスレットは表面ペイントでカラーデザインしたもの、金属製ブレスレットは宝飾を施したものが主流をなしている。
【0003】また、樹脂製と金属製とではその材質上、腕へはめるときの拡開方式が分かれている。すなわち、樹脂製ブレスレットは全体形状をC形とし、樹脂の弾性を利用して広げられるようになったものが主流である。一方、金属製ブレスレットは、2つの半円状部材を一端でヒンジ接続し、そのヒンジ軸にばねを設けて該ばねの弾性で他端側を開閉できるようにした分割形態のものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような材質の違うブレスレットを比べると、当然ながら樹脂製のほうが安価で手に入れやすいが、表面ペイントのため安っぽさを隠しきれない。また、拡開方式についても、金属製のように分割形態としたほうが高級感が出るが、樹脂製の場合に同じ方式とすると、ヒンジ軸に通したばねの端部を保持する部分が脆弱となりやすいため、採用は難しい。この理由から、現在出回っている樹脂製ブレスレットで分割形態をとっている製品は見受けられない。
【0005】本発明はこのような課題を解決するもので、従来に比べより高級感を出せるような樹脂製ブレスレットの構造とその製法を提案する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂製ブレスレットは、樹脂製基層と、この基層上に所定の模様を構成する樹脂製デザイン層と、このデザイン層を覆う透明の樹脂製表面層とからなる3層構造とすることを特徴とする。この構造によると、表面のペイントではなく、内部に埋め込まれたデザイン層とこれを覆う透明の表面層により、表面ペイントとは比べものにならないほどの色つや、重厚感など格段に高級感のあるデザインが得られる。
【0007】このような樹脂製ブレスレットでは、従来のようなC形拡開方式を採用することもできるが、より高級感を出すために、金属製で採用されているような分割形態を採用するのが好ましい。すなわち、上記3層構造とした2個の樹脂製半円状部材を一端でヒンジ接続し、そのヒンジ軸に設けたばねによる弾性で他端側を開閉できるようにした分割形態の拡開方式とすることができる。この場合、3層構造としたことにより厚みをかせげるので、ヒンジ軸に通したばね端部を保持する部分の強度が大きく向上し、従来のような強度的問題を回避することができる。つまり、本発明のように3層構造とすることで金属製ブレスレット同様の拡開方式を採用することが可能となったものである。
【0008】このように分割形態の拡開方式を採用することにより、その開閉する他端部に時計を取り付け、時計を見たいときにはブレスレットを広げて時間を見るような構造とすることもできる。
【0009】以上の樹脂製ブレスレットの製造方法として本発明では、長尺板状とした樹脂製基層上に、所定の模様を構成するように樹脂製デザイン層を載置し、そしてそのデザイン層を覆うようにして透明な樹脂製表面層を載置することで3層の原料体を形成する過程と、その原料体を熱しつつ上下から圧力を加え、3層を熱圧着して一体化する過程と、該熱圧着後の原料体を湾曲させ、ブレスレット状に加工する過程と、を実施することを特徴とした製造方法を提案する。
【0010】このときに使用する長尺板状の基層は、その長辺縁部分に土手部を延設して断面コ字状とし、その両辺の土手部間にデザイン層を載置できる形状としておくと、デザイン層のはみ出し防止に役立つ。また、デザイン層としては、色の異なる樹脂製線状体を基層の土手部間に複数配列するものとしておくと、あたかも虹のようなデザインを仕上げることが簡単にできる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1〜図3に、時計付きブレスレットとした具体例を示している。
【0012】この樹脂製ブレスレット1は、2個の樹脂製半円状部材2,3から構成された分割形態の拡開方式のものである。これら半円状部材2,3は、その一端がヒンジピン4によりヒンジ接続され、そのヒンジピン4にコイルスプリング5を通してある。このコイルスプリング5の端部(点線で示す)は、半円状部材2,3にそれぞれ埋め込まれて保持されており、これにより半円状部材2,3が閉方向へ付勢されている。このコイルスプリング5による弾性で、図3に示すように、他端側を開閉することができるようになっている。
【0013】このヒンジ構造において、従来の1層構造品の場合では板厚が薄いことから、コイルスプリングの端部を保持する保持部が脆弱で付勢力に耐えられずにひび割れを発生する。一方、後述のような3層構造とした本例の場合は板厚を厚くできるので、抜群に耐久性能が高まり、不良発生を心配せずともすむこととなった。
【0014】本例のブレスレット1は、その開閉端部に時計6が取り付けられており、開いたときに時間を見られるようになっている。時計6は、半円状部材2,3のどちらかに接着剤で接着したり、半円状部材2,3のどちらかに形成した肉厚部に差し込むなどの適宜手法で取り付け可能である。
【0015】各半円状部材2,3は、それぞれ樹脂製基層A、樹脂製デザイン層B、樹脂製表面層Cからなる3層構造を有している。腕に接触することになる内側の基層Aは、白色等の適当な色を付けてある。その上の中間層(埋め込み層)となるデザイン層Bは、ブレスレット1のデザイン性を決定する主要部であり、本例では多色のストライプ模様(虹色等)が形成されている。そして、外側の表面層Cは、デザイン層Bの模様が透けるように透明とされ、これによりデザイン層Bの保護とつや出し感を得られるようになっている。デザイン層Bの模様はストライプ以外にも、花柄や動物など、樹脂形状を工夫することで様々な模様を形成することができる。
【0016】このような3層構造の半円状部材2,3は、図4及び図5に示す手法にて製造されている。
【0017】まず、図4に示すように、基層Aは、ブレスレット1の半円分の長さをもつ長尺板状の樹脂製で、その長辺縁部分に沿って土手部A1,A2が延設され、断面コ字状を有している。この基層Aの土手部A1と土手部A2とに挟まれた土手部間A3の窪みに、複数の樹脂製線状体B1,B1,…を配列してなるデザイン層Bが載置される。その線状体B1,B1,…は一歩一本色が異なり、虹のような模様が構成されるようになっている。そして、デザイン層Bを載置した上から、透明樹脂製の表面層Cが載置され、3層が積み重ねられた原料体がつくられる。
【0018】この原料体を、3層がずれないように位置決めしつつ上下から型で挟み込み、熱しつつ徐々にプレスすることで、3層が互いに熱圧着され一体化する。この一体化した原材料を、弱い熱を加えながら湾曲させると、図5に示す3層構造の半円状部材が製造される。これにヒンジ接続部や時計を接着等で取り付け、ばね端部差し込み用の穴を開ければ、図1〜図3に示すようなブレスレット1を作成することができる。あるいは、基層Aの端部を予めヒンジ接続や時計取り付け用の形状に型形成しておく手法でもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明の樹脂製ブレスレットは、基層、デザイン層、表面層の3層構造としたことで、デザイン的にも強度的にも優れ、従来樹脂品とは比べものにならないような高級感を発揮させられる。また、金属製品と同じような分割形態の拡開方式を採用することができるので、必要な時だけ開いて見られる腕時計とするなど、付加価値を付けることも容易である。
【出願人】 【識別番号】500050756
【氏名又は名称】株式会社フィクス
【住所又は居所】東京都新宿区高田馬場1丁目23番9号
【出願日】 平成14年4月5日(2002.4.5)
【代理人】 【識別番号】100067644
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 裕
【公開番号】 特開2003−289915(P2003−289915A)
【公開日】 平成15年10月14日(2003.10.14)
【出願番号】 特願2002−104327(P2002−104327)