| 【発明の名称】 |
装身具の中留構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】北林 英一 【住所又は居所】東京都西東京市田無町六丁目1番12号 シチズン時計株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】中留を錠止するための錠止装置と、バンドの装着方向の長さ調整をするための、バンドに連結されたスライド板を備える長さ調整装置と、から構成される装身具の中留構造において、上下方向に薄い装身具の中留を提供することである。
【解決手段】中留10を錠止するための錠止装置14と、バンドの装着方向の長さ調整をするための、バンドに連結されたスライド板22を備える長さ調整装置15と、から構成され、錠止装置14と、長さ調整装置15とが平面方向に並列すること、を特徴とする中留。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中留を錠止する錠止装置と、バンドに連結されたスライド板を備える長さ調整装置とから構成され、錠止装置と長さ調整装置とが、平面方向に並列すること、を特徴とする装身具の中留構造。 【請求項2】 錠止装置の上面の延長面と、錠止装置の下面の延長面との間の空間内に、長さ調整装置のスライド板の少なくとも一部が含まれること、を特徴とする請求項1に記載の装身具の中留構造。 【請求項3】 長さ調整装置が、調整プッシュボタンと、調整プッシュボタンを付勢する弾性手段と、スライド板の滑動を止めるように、弾性手段によって付勢された調整プッシュボタンとスライド板とを係合させる係合手段と、調整プッシュボタンとスライド板との係合箇所が複数あること、を特徴とする請求項2に記載の装身具の中留構造。 【請求項4】 錠止装置に、錠止プッシュボタンを含むこと、を特徴とする請求項3に記載の装身具の中留構造。 【請求項5】 係合手段が、調整プッシュボタンに備えられた突起部と、スライド板に備えられた複数の歯型からなること、を特徴とする請求項3に記載の装身具の中留構造。 【請求項6】 突起部が、調整プッシュボタンに螺合されるネジからなること、を特徴とする請求項5に記載の装身具の中留構造。 【請求項7】 調整プッシュボタンに、弾性手段を案内する案内凹部を備えたこと、を特徴とする請求項3に記載の装身具の中留構造。 【請求項8】 案内凹部が、調整プッシュボタンに備えられた有底孔からなること、を特徴とする請求項7に記載の装身具の中留構造。 【請求項9】 弾性手段が、バネ棒からなること、を特徴とする請求項7に記載の装身具の中留構造。 【請求項10】 歯型が、平面視でくし歯、ラチェット歯、方形歯のいずれか一つであること、を特徴とする請求項5に記載の装身具の中留構造。 【請求項11】 錠止プッシュボタンと、調整プッシュボタンを見分けるための識別手段を備えたこと、を特徴とする請求項4に記載の装身具の中留構造。 【請求項12】 識別手段に、錠止プッシュボタンと、調整プッシュボタンの形状が異なること、を特徴とする請求項11に記載の装身具の中留構造。 【請求項13】 識別手段に、錠止プッシュボタンと、調整プッシュボタンの色調が異なること、を特徴とする請求項11に記載の装身具の中留構造。 【請求項14】 長さ調整装置に、上板に取付けられたカバーを被装したことを特徴とする請求項12および請求項13に記載の装身具の中留構造。 【請求項15】 三つ折れ構造の中留であること、を特徴とする請求項13に記載の装身具の中留構造。 【請求項16】 観音開き構造の中留であること、を特徴とする請求項13に記載の装身具の中留構造。 【請求項17】 シングルロック構造の中留であること、を特徴とする請求項13に記載の装身具の中留構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、腕時計、ブレスレット、ネックレス、ベルトなどの装身具の中留に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の装身具の中留としては、特開平8−308616号に記載された構造が知られている。当該公報には、中留を腕時計のバンドに採用した実施例が記載されている。その構造を図12に示す。図12において、この中留100は、上板101と、中板102と、外板103とが、折りたたみ可能に連結されている。 【0003】この中留100には、折りたたんだ状態で、上板101と、一方のバンド104が連結された外板103とを錠止する錠止装置105と、バンドの長さを調整するための長さ調整装置107が備えられている。錠止装置105は、一対のプッシュボタン105aと、2本のスプリング105bと、保持部材105cとから構成され、上板101の下方側に配置されている。ここで上下方向とは図12における上下方向を示す。 【0004】スプリング105bで付勢されたプッシュボタン105aが、外板103に備えられた係合ピン106に係合し、中留100が錠止される。腕時計の携帯者が、プッシュボタン105aをスプリング105bに抗して押すと、プッシュボタン105aと係合ピン106とが離間し、中留100を開くことができる。長さ調整装置107は、錠止装置105と、他方のバンド108に連結されたスライド板109より構成される。 【0005】スライド板109は、錠止装置105の上にスライド可能に配置される。スプリング105bに付勢された錠止装置105のプッシュボタン105aの突起105dが、スライド板109に備えられた複数ある歯109aの一つに係合する。携帯者が、プッシュボタン105aをスプリング105bに抗して押すと、プッシュボタン105aの突起105dとスライド板109の歯109aが離間し、プッシュボタン105aとスライド板109との係合が解除され、スライド板109がスライド可能になる。 【0006】携帯者が、プッシュボタン105aを放すと、プッシュボタン105aの突起105dが、スライド板109に備えられた複数ある歯109aの一つに係合し、スライド板109が停止する。以上の構成により、この中留100はプッシュボタン105aの押圧操作により、スライド板109をスライドさせることで簡単にバンドの長さを調整できるという特徴がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の装身具の中留100は、携帯者が装身具を携帯したままで長さ調整をすることができるが、長さ調整装置107のスライド板109が、錠止装置105の上に配置されているため上下方向に厚くなってしまう。 【0008】本発明の目的は、前記問題を解決し、上下方向に薄い長さ調整可能な装身具の中留を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明の請求項1は、「中留を錠止する錠止装置と、バンドに連結されたスライド板を備える長さ調整装置とから構成され、錠止装置と長さ調整装置とが、平面方向に並列すること」を特徴とする。 【0010】この請求項1の構成により、錠止装置と長さ調整装置が上下方向に配置されている構造に比べて、上下方向に薄い装着方向の長さ調整可能な装身具の中留を提供することができる。 【0011】本発明の請求項2は、「錠止装置の上面の延長面と、錠止装置の下面の延長面との間の空間内に、長さ調整装置のスライド板の少なくとも一部が含まれること」を特徴とする。 【0012】この請求項2の構成により、平面方向に並列した錠止装置と長さ調整装置のスライド板が上下方向にずれていても、上記の空間内に長さ調整装置のスライド板の少なくとも一部が含まれれば、錠止装置と長さ調整装置のスライド板が上下方向に配置されている構造に比べて、上下方向の厚みが薄い中留を提供することができる。 【0013】本発明の請求項3は、「長さ調整装置が、調整プッシュボタンと、調整プッシュボタンを付勢する弾性手段と、スライド板の滑動を止めるように、弾性手段によって付勢された調整プッシュボタンとスライド板とを係合させる係合手段と、調整プッシュボタンとスライド板との係合箇所が複数あること」を特徴とする。 【0014】この請求項3の構成により、携帯者が、調整プッシュボタンを弾性手段の付勢に抗して押圧することで、調整プッシュボタンとスライド板との係合を解除することができる。携帯者が、調整プッシュボタンとスライド板との係合を解除すると、スライド板をスライドさせることができる。携帯者が、スライド板をスライドさせた後、調整プッシュボタンを放すと、調整プッシュボタンとスライド板とが、弾性手段によって付勢されて、別の係合箇所に係合する。よって、携帯者は、装身具を携帯したまま簡単にバンドの長さを調整することができる。 【0015】本発明の請求項4は、「錠止装置に、錠止プッシュボタンを含むこと」を特徴とする。 【0016】本発明の請求項5は、「係合手段が、調整プッシュボタンに備えられた突起部と、スライド板に備えられた複数の歯型からなること」を特徴とする。 【0017】本発明の請求項6は、「突起部が、調整プッシュボタンに螺合されるネジからなること」を特徴とする。この請求項5、6の構成により、簡単な構造で係合手段を提供することができる。 【0018】本発明の請求項7は、「調整プッシュボタンに、弾性手段を案内する案内凹部を備えたこと」を特徴とする。 【0019】この請求項7の構成により、中留の組み立て作業者が弾性手段を調整プッシュボタンの案内凹部に配置することで、弾性手段が案内凹部に係合する。弾性手段が案内凹部に係合すると、弾性手段が調整プッシュボタンに対して落ち着き、組立作業が簡単になる。 【0020】本発明の請求項8は、「案内凹部が、調整プッシュボタンに備えられた有底孔からなること」を特徴とする。この請求項8の構成により、簡単な構造で案内凹部を提供することができる。 【0021】本発明の請求項9は、「弾性手段が、バネ棒からなること」を特徴とする。この請求項9の構成により、簡単な構造で弾性手段を提供することができる。 【0022】本発明の請求項10は、「歯型が、平面視でくし歯、ラチェット歯、方形歯のいずれか一つであること」を特徴とする。 【0023】本発明の請求項11は、「錠止プッシュボタンと、調整プッシュボタンを見分けるための識別手段を備えたこと」を特徴とする。 【0024】この請求項11の構成により、携帯者が、錠止プッシュボタンと調整プッシュボタンを簡単に見分けることができる。 【0025】本発明の請求項12は、「識別手段に、錠止プッシュボタンと、調整プッシュボタンの形状が異なること」を特徴とする。 【0026】本発明の請求項13は、「識別手段に、錠止プッシュボタンと、調整プッシュボタンの色調が異なること」を特徴とする。この請求項12、13の構成により、携帯者が、錠止プッシュボタンと、調整プッシュボタンの見分けが簡単にできる。 【0027】本発明の請求項14は、「長さ調整装置に、上板に取付けられたカバーを被装したこと」を特徴とする。この請求項14の構成により、長さ調整装置が外から見えない。 【0028】本発明の請求項15は、「三つ折れ構造の中留であること」を特徴とする。 【0029】本発明の請求項16は、「観音開き構造の中留であること」を特徴とする。 【0030】本発明の請求項17は、「シングルロック構造の中留であること」を特徴とする。この請求項15、16、17の構成により、さまざまな構造の中留に本発明を適用することができる。 【発明の実施の形態】(実施の形態1) 【0031】以下図面を用いて本発明の実施の形態1を説明する。図1は本発明の時計の実施の形態1の組立図、図2は本発明の時計の実施の形態1の別の組立図、図3は本発明の時計の実施の形態1の分解図、図4は本発明の時計の実施の形態1の組立断面図、図5は本発明の時計の実施の形態1の別の組立断面図、図6は本発明の時計の実施の形態1の第一の動作断面図、図7は本発明の時計の実施の形態1の第二の動作断面図、図8は本発明の時計の実施の形態1の第三の動作断面図、図9は本発明の時計の実施の形態1の第四の動作断面図、図10は本発明の時計の実施の形態1の部品図、図11は本発明の時計の実施の形態1の別の部品図である。 【0032】本発明の装身具の中留10は、上板11と、中板12と、外板13と、から構成される三つ折れ構造の中留10として示される。この中留10は、折りたたまれた閉じた位置で中留10を錠止する錠止装置14と、バンドに連結されたスライド板22を備える長さ調整装置15とを備える。 【0033】錠止装置14は、2個の錠止プッシュボタン16と、2本のコイルバネ17と、2個のネジ18と、錠止プッシュボタン16を保持するための保持部材19から構成される。長さ調整装置15は、2個の調整プッシュボタン20と、調整プッシュボタン20を付勢するための付勢用バネ棒21と、スライド板22と、長さ調整装置カバー23と、長さ調整装置カバー23を上板11に取付けるためのバネ棒24とから構成される。 【0034】詳しくは、本発明の中留10を構成する上板11は、略長方形の平面部11aの長手方向の2辺から下方に向けて垂下した、対向する壁部11bが備えられて、断面U字型に形成されている。ここで上下方向とは、図2から図5における上下方向を示す。 【0035】対向するそれぞれの壁部11bの上下方向における中程には、対向するそれぞれの壁部11bの一方側から、四角窓からなる第一の窓11c、丸孔からなる第一の孔11d、第一の窓に比べて長手方向に長い四角窓からなる第二の窓11e、丸孔からなる第二の孔11fの順に配置される。ここで一方とは、図1から図3および図5における左側を言う。 【0036】対向するそれぞれの壁部11bの下方両端部は、携帯者の皮膚に当たった際に怪我をしにくいように、R形状に形成されている。中板12は、長手方向に大きな円弧をもった略板材から形成されている。ここで、長手方向、短手方向とは、それぞれバンドにおける長手方向、短手方向を言う。 【0037】中板12の長手方向一方端には、連結ピン25を巻着可能な一方の連結ピン保持部26が形成されている。中板12の長手方向他方端には、連結ピン27を巻着可能な他方の連結ピン保持部28が形成されている。ここで他方とは、図1から図3および図5における右側を言う。中板12は、他方の連結ピン保持部28が上板11の第二の孔11fの位置に配置され、連結ピン27により上板11に回動可能に連結される。 【0038】外板13は、長手方向に大きな円弧をもった略板材から形成されている。外板13の長手方向一方端には、連結ピン25を巻着可能な一方の連結ピン保持部29が短手方向両端に対向するように形成されている。外板13の長手方向他方端には、連結ピン30を巻着可能な他方の連結ピン保持部31が形成されている。 【0039】外板13の上面には、係合ピン32が植設されている。外板13の一方の連結ピン保持部29と、中板12の一方の連結ピン保持部26とに挿入された連結ピン25により、外板13と中板12とが回動可能に連結されている。外板13の他方の連結ピン保持部31に挿入された連結ピン30により、外板13と他方のバンド33とが連結されている。 【0040】係合ピン32は、円柱状の軸部32aと、係合ピン32上方端に軸部32aより径大に形成された頭部32bと、下部に軸部32aより径大に形成された底部32cと、下方端に円柱状の嵌合部32dが備えられている。係合ピン32は、嵌合部32dを外板13に形成された嵌合孔13aに嵌合された後、係合ピン32の端部がかしめられ、外板13に植設される。 【0041】図2では、係合ピン32と外板13が、かしめにより植設されているが、その方法は接着、溶接など特にこだわらない。図2には、中板12と外板13が、略板状に形成され上下方向に重なった構造が示されているが、中板(図示せず)と外板(図示せず)がそれぞれ、板材(図示せず)と略枠材(図示せず)に形成されて、並列に配置されてもかまわない。 【0042】本発明の中留10の錠止装置14を構成する錠止プッシュボタン16は、図3に示すように一方端に押部16aが形成され、他方端に切欠状の係合部16bが形成される。錠止プッシュボタン16の押部16aは、携帯者が指で触っても怪我をしないように、各稜線および各角は、面取りやR形状に形成されている。錠止プッシュボタン16の押部16aと係合部16bの間には、一方側に開口部16cが備えられた切欠溝16dが形成される。 【0043】錠止プッシュボタン16は、一方側に段状のコイルバネ17を受ける一方側バネ受部16eと、他方側に段状のコイルバネ17を受ける他方側バネ受部16fが形成されている。錠止プッシュボタン16の他方側上面には、ネジ18が螺合されるネジ孔16gが形成されている。錠止プッシュボタン16の押部16a断面は、上板11の第二の窓11eを摺動可能に形成されている。 【0044】保持部材19は、長手方向に開口部19aが備えられた四角柱状に板材が折り曲げられて形成されている。開口部19aの断面は、錠止プッシュボタン16が長手方向に摺動可能な形状に形成されている。図3には、保持部材19が広面積面を底面に、横たわるように図示されている。 【0045】板材の折り曲げ方向の両端部は、上面側広面積面の中央部で当接している。保持部材19の中央には、長穴状の係合ピン32が挿通可能な長穴貫通孔19bが上下面を貫通して備えられている。保持部材19上面には、長穴貫通孔19bを挟んで斜に2ヶ所の四角窓19cが形成されている。保持部材19の両端開口部19aまでの寸法は、上板11の対向するそれぞれの壁部11bの間に収納可能に形成されている。 【0046】錠止装置14の組立作業手順は、以下の通りである。 (1)錠止プッシュボタン16の係合部16bを、それぞれ対向する錠止プッシュボタン16の開口部16cに配置する。 (2)錠止プッシュボタン16の一方側バネ受部16eと他方側バネ受部16fを、それぞれ対向する錠止プッシュボタン16の他方側バネ受部16fと一方側バネ受部16eとの間にコイルバネ17を配置する。 (3)そのままの状態で、いずれかの錠止プッシュボタン16の押部16aから保持部材19の開口部19aを通過させて保持部材19へ挿入する。 (4)コイルバネ17に付勢されて保持部材19の開口部19aから突出している錠止プッシュボタン16の押部16aを指で押して、押部16aを保持部材19内に押し込む。 (5)押部16aを保持部材19内に押し込んだ状態で、保持部材19の四角窓19cからネジ18を通過させ、錠止プッシュボタン19のネジ孔16gにネジ18を螺合する。 【0047】以上のように作業者が、錠止装置14を組み立てると、錠止プッシュボタン16がコイルバネ17に付勢されてもネジ18の頭部が保持部材19の四角窓19cの内縁に当接するため、錠止プッシュボタン16が保持部材19から外れない。 【0048】錠止装置14の上板11への組み込み作業手順は、以下の通りである。 (1)錠止装置14の錠止プッシュボタン16を押し、錠止プッシュボタン16を保持部材19の内部に収納する。 (2)錠止装置14を、錠止プッシュボタン16が保持部材19から突出しないように指やピンセットなどで押さえながら、上板11の両壁部11bの間に収納する。 (3)錠止装置14を指やピンセットで移動して、両錠止プッシュボタン16を上板11の両壁部11bの第二の窓11eの位置に持っていく。 【0049】以上のように作業者が、錠止装置14を上板11へ組み込むと、錠止プッシュボタン16がコイルバネ17に付勢されて、両壁部11bの第二の窓11eから押部16aが突出して係合するため、錠止装置14が上板11から外れない。中留10は、折りたたむと、外板13に植設された係合ピン32が、中板12に形成された係合ピン32が通過可能な窓12aを通過して、係合ピン32の軸部32aにコイルバネ17で付勢された錠止プッシュボタン16の係合部16bがひっかかり錠止される。 【0050】本発明の中留10の長さ調整装置15を構成する調整プッシュボタン20は、図3および図4に示すように、略直方体に形成されている。調整プッシュボタン20の一方端の上面には、四角柱状の係合突起20aが備えられる。調整プッシュボタン20の他方端は、調整押部20bが形成される。調整プッシュボタン20の調整押部20bは、携帯者の皮膚に当たった際に怪我をしにくいように、各稜線および各角は、面取りやR形状に形成されている。調整プッシュボタン20の一方端の側面20cには、有底孔からなるバネ棒受孔20dが形成されている。 【0051】調整プッシュボタン20の下面には、長手方向に切欠溝20eが形成されている。付勢用バネ棒21の軸方向両端には、付勢用バネ棒21内に備えられたコイルバネ(図示せず)に付勢され、出没可能に係着された軸部21aが備えられている。付勢用バネ棒21が、調整プッシュボタン20を付勢する弾性手段を構成する。 【0052】バネ棒受孔20dが、調整プッシュボタン20に備えられた、弾性手段である付勢用バネ棒21を案内する案内凹部を構成する。この構成により、簡単な構造で案内凹部を提供することができる。ここでは、弾性手段に付勢用バネ棒21が使用されているが、コイルバネ(図示せず)であってもかまわない。 【0053】スライド板22は、略長方形の平面部22aを有する板材からなる。スライド板22の長手方向一方端の中程には、連結ピン34を巻着可能な連結ピン保持部22bが延出するように形成されている。連結ピン保持部22bは、スライド板22の一方端の辺より外方に、且つスライド板22の上面延長面よりも下方に位置するように筒状に形成されている。 【0054】スライド板22の平面部22aには、平面視でくし歯状の一対の長さの異なる歯窓22cが形成されている。一対の歯窓22cは、それぞれスライド板22の上下面を貫通している。歯窓22cは、長い歯からなる第一の歯22dと、短い歯からなる第二の歯22eと、第一の歯22dと第二の歯22eとを連結している連結部22fから構成されている。 【0055】歯窓22cは、スライド板22のバンド短手方向中央に対して、連結部22fを中心よりに線対称に一対配置されている。第一の歯22dと第二の歯22eは、それぞれが連結部22fより端を発している。第一の歯22dはスライド板22の他方端側に、第二の歯22eはスライド板22の一方端側にそれぞれ配置されている。 【0056】スライド板22の連結部22f、第一の歯22dおよび第二の歯22eは、調整プッシュボタン20の係合突起20aが摺動可能なように形成されている。スライド板22の連結ピン保持部22bに挿入された連結ピン34により、スライド板22の連結ピン保持部22bに一方のバンド35が連結される。スライド板22の短手方向の外径寸法は、上板11の壁部11bの間を摺動可能なように形成されている。 【0057】長さ調整装置カバー23は、四角中空柱部と、四角中空柱の長手方向一辺に略L型片が延出したような形状をしている。詳しくは、長さ調整装置カバー23は、断面長方形の四角柱状に板材が折り曲げて形成されており、断面長方形の長手方向を2分するように仕切り壁23aが備えられている。図3には、長さ調整装置カバー23が広面積面を底面に、横たわるように図示されている。 【0058】長さ調整装置カバー23には、底面側広面積面の長手方向一辺から外方に延出部23bが形成される。長さ調整装置カバー23の延出部23bの延出方向端部は上方に向かって壁23cが形成される。長さ調整装置カバー23の延出部23bの長手方向両端部には、上方に向かって折り曲げ片状の係合片23dが形成されている。 【0059】延出部23bおよび壁23cの長手方向両端は、長さ調整装置カバー23の開口部23eを含む延出面より内側に位置している。仕切り壁23aに2分された2個の開口部23eのうち、延出部23bと離れている側の開口部23eは、バネ棒36が通過可能な形状に形成されている。 【0060】延出部23bと、壁23cと、壁23cと対向する位置に配置された開口部23eの外壁23fにより、上方に開放された摺動溝部23gが形成される。摺動溝部23gは、調整プッシュボタン20が長手方向に摺動可能な形状且つ、調整プッシュボタン20を上方より収納可能なように形成されている。 【0061】付勢用バネ棒21の軸方向両端には、付勢用バネ棒21内に備えられたコイルバネ(図示せず)に付勢され、出没可能なように係着された軸部21aが備えられている。付勢用バネ棒21が、調整プッシュボタン20を付勢する弾性手段を構成する。 【0062】長さ調整装置15の上板11への組み込み作業手順は、以下の通りである。 (1)スライド板22を、スライド板22の第一の歯22dと、上板11の両方の第一の窓11cを結んだ線が一直線上になるようにして、上板11の下に配置する。 (2)調整プッシュボタン20を、調整プッシュボタン20の係合突起20aを第一の歯22dに係合させながら、調整押部20b側より上板11の第一の窓11cに挿入する。 (3)付勢用バネ棒21の両端をそれぞれ両方の調整プッシュボタン20のバネ棒受孔20dに挿入する。 (4)長さ調整装置カバー23の開口部23eにバネ棒24を挿入する。 (5)長さ調整装置カバー23を、長さ調整装置カバー23の摺動溝部23gを両方の調整プッシュボタン20と一直線上に且つ、バネ棒24と上板11の両方の第一の孔11dを結んだ線が一直線上になるようにして、上板11の下に配置する。 (6)長さ調整装置カバー23を、バネ棒24の両先端が開口部23eから突出しないように指やピンセットなどで押さえながら、上板11の両壁部11bの間に収納し、バネ棒24の両先端を上板11の第一の孔11dに係合させる。 (7)両方の調整プッシュボタン20を押し、調整プッシュボタン20の切欠溝20eと、長さ調整装置カバー23の係合片23dとを係合させる。 【0063】以上のように長さ調整装置15を上板11へ組み込むと、長さ調整装置カバー23の開口部23eに挿入したバネ棒24が上板11の第一の孔11dに係合されて、長さ調整装置15が上板11から外れない。調整プッシュボタン20は、付勢用バネ棒21により付勢されても、長さ調整カバー23の係合片23dが、調整プッシュボタン20の切欠溝20eに係合しているため、上板11の第一の窓11cから外方に抜け出さない。 【0064】第一の歯22dが第二の歯22eに比べて歯が長く形成されているのは、付勢用バネ棒21をそれぞれ両方の調整プッシュボタン20のバネ棒受孔20dに挿入する際の作業性を考慮したものである。詳しくは、第一の歯22dのように歯が長いと、携帯者が付勢用バネ棒21の両端をそれぞれ両方の調整プッシュボタン20のバネ棒受孔20dに挿入する際、両方の調整プッシュボタン20の間隔を広くすることができる。 【0065】長さ調整装置15に、上板11に取付けられた長さ調整装置カバー23を被装したことにより、長さ調整装置15が外から見えない。 【0066】次に、長さ調整装置15による長さの調整方法を図5から図9により説明する。図5は、携帯者が腕時計を携帯している状態を示している。図5および図6は、バンドの長い状態が示されている。詳しくは、長さ調整装置15および錠止装置14が中留10の上板11に組み込まれ、中板12と外板13が折りたたまれて、外板13の係合ピン32が錠止装置14の係合部16bに係合されている状態が示されている。 【0067】外板13に連結された他方のバンド33は、錠止装置14に錠止され、中留10に対してバンド長手方向に動かない。スライド板22に連結された一方のバンド35は、スライド板22の第一の歯22dと調整プッシュボタン20の係合突起20aに係止され、中留10に対してバンド長手方向に動かない。 【0068】携帯者が両方の調整プッシュボタン20を指で押すと、図7に示されたように係合突起20aが第一の歯20dに沿って連結部22fの他方端に移動して、調整プッシュボタン20とスライド板22との係合を解除することができる。携帯者が、一方のバンド35を介して、スライド板22を中留10方向に移動させると、図8に示されたように係合突起20aが連結部22fの他方端から一方端に移動する。 【0069】携帯者が両方の調整プッシュボタン20から指を放すと、図9に示されたように両方の調整プッシュボタン20が調整バネ棒21により付勢され、係合突起20aが別の係合箇所である第二の歯22eに係合される。係合突起20aが第二の歯22eに係合されると、一方のバンド35は、上板11に対して押し入れられ、短くなった状態でバンド長さ方向に動かない。 【0070】調整プッシュボタン20に備えられた突起部を構成する係合突起20aと、スライド板22に備えられた複数の歯型からなる連結部22f、第一の歯22dおよび第二の歯22eが、スライド板22の滑動を止めるように、弾性手段によって付勢された調整プッシュボタン20とスライド板22とを係合させる係合手段を構成する。実施の形態1では、歯型の歯窓22cが平面視でくし歯状に形成されているが、図10および図11に示されるように、ラチェット歯(図10)、方形歯(図11)のいずれか一つであってもかまわない。 【0071】実施の形態1では、係合突起20aが調整プッシュボタン20と一体に形成されているが、係合突起20aが調整プッシュボタン20に備えられたネジ孔(図示せず)に螺合されるネジ(図示せず)であっても、作用効果は変わらない。よって携帯者は、時計を携帯した状態で第一の歯22dと第二の歯22eの長手方向のピッチ分だけバンドを短くすることができる。 【0072】反対に、携帯者が両方の調整プッシュボタン20を指で押すと、図8に示されたように係合突起20aが第二の歯22eに沿って連結部22fの一方端に移動する。携帯者が、一方のバンド35を介して、スライド板22を中留10から離す方向に移動させると、図7に示されたように係合突起20aが連結部22fの一方端から他方端に移動する。 【0073】携帯者が両方の調整プッシュボタン20から指を放すと、図6に示されたように両方の調整プッシュボタン20が調整バネ棒21により付勢され、係合突起20aが第一の歯22aに係合される。係合突起20aが第一の歯22aに係合されると、一方のバンド35は長くなった状態でバンド長さ方向に動かない。 【0074】よって携帯者は、時計を携帯した状態で第一の歯22dと第二の歯22eのバンド長さ方向のピッチ分だけバンドを長くすることができる。よって、携帯者は装身具である時計を携帯したまま簡単にバンドの長さを調整することができる。 【0075】図6から図9に示すように、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20の形状が異なるため、携帯者が、錠止プッシュボタン16と調整プッシュボタン20を簡単に見分けることができる。詳しくは、錠止プッシュボタン16の押部16aは、バンド長手方向に長い直方体であり、調整プッシュボタン20の調整押部20bはバンド長手方向に短い直方体であるため、携帯者は、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20とを簡単に見分けることができる。 【0076】この錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20の形状が異なることが、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20を見分けるための識別手段を構成する。このような識別手段として、錠止プッシュボタン16の押部16aを角柱状にし、調整プッシュボタン20の調整押部20bを円柱状にするなど、様々な手段が考えられる。 【0077】実施の形態1では、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20の形状が異なる構成を示しているが、他の識別手段として、それぞれのプッシュボタンの押部の色調を変えてもかまわない。 【0078】たとえば、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20をステンレス材で作るならば、調整プッシュボタン20のみに金色の被膜を湿式メッキや乾式メッキで被覆すれば良い。すると、錠止プッシュボタン16の押部16aの色調はステンレス材の白銀色、調整プッシュボタン20の調整押部20bの色調は金色となる。よって、携帯者は、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20を、それぞれの色調によって見分けることができる。 【0079】あるいは、錠止プッシュボタン16に黒色被膜が被膜され、調整プッシュボタン20に金色被膜が被膜されるなどのように、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20に、互いに異なる色調の被膜が被覆されても良い。また、上記の湿式メッキや乾式メッキの被膜に換えて、塗装膜や印刷膜が採用されてもかまわない。 【0080】さらに他の識別手段として、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20の表面仕上げが、互いに異なるようにしても良い。この場合、たとえば、錠止プッシュボタン16の押部16aの表面が鏡面に仕上げられ、調整プッシュボタン20の調整押部20bの表面が梨地に仕上げられる。すると、携帯者は、外観ばかりでなく、指に触れた感触によっても、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20とを区別することができる。 【0081】さらに他の識別手段として、錠止プッシュボタン16の押部16aと、調整プッシュボタン20の調整押部20bとのいずれか一方に、識別表示が付けられても良い。この場合、たとえば、調整プッシュボタン20の調整押部20bのみに、赤い丸点などのマークや、アルファベットなどの文字が付される。これらのマークや文字は、印刷、塗装、湿式メッキ、乾式メッキ、プレスによる刻印、あるいはレーザーマーキングなどの手法で形成される。 【0082】あるいは、識別表示として、調整プッシュボタン20の調整押部20bのみに、上下に貫通した穴や、有底の凹部や、突出した凸部が機械加工によって形成されても良い。当然のことながら、錠止プッシュボタン16の押部16aと、調整プッシュボタン20の調整押部20bとに、互いに異なる識別表示を付加してもかまわない。すると、携帯者は、識別表示の有無、あるいは違いによって、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20とを区別することができる。 【0083】さらに他の識別手段として、錠止プッシュボタン16を金属から作り、調整プッシュボタン20を合成樹脂から作るなどのように、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20の素材を異ならせても良い。すると、携帯者は、外観ばかりではなく、指に触れた感触によっても、錠止プッシュボタン16と、調整プッシュボタン20とを区別することができる。 【0084】さらにまた、すでに知られた技術であるが、錠止プッシュボタンを1つにすることもできる。すると錠止プッシュボタンの押部は1個、調整プッシュボタンの調整押部は2個となるため、携帯者は、数の違いにより錠止プッシュボタンと、調整プッシュボタンとを区別することができる。これも、当然のことながら、錠止プッシュボタンの押部を2個、調整プッシュボタンの調整押部を1個としてもかまわない。 【0085】上記のような、形状違いによる識別手段、色調違いによる識別手段、表面仕上げ違いによる識別手段、識別表示による識別手段、素材違いによる識別手段、および数の違いによる識別手段うち、それぞれ別個に実施してもかまわないが、2つ以上を組合せて実施することも可能である。 【0086】実施の形態1では、バンドの長手方向に第一の歯22d、第二の歯22eと、調整プッシュボタン20とスライド板22との係合箇所が複数である2本の溝が備えられているが、溝の本数は2本以上であれば特に制限されない。 【0087】錠止装置14と長さ調整装置15は平面方向に並列に配置されているため、錠止装置105と長さ調整装置107のスライド板109が上下方向に配置されている構造に比べて、上下方向の厚みが薄い中留を提供することができる。 【0088】図5に示されたように、錠止装置14の上面の延長面と、錠止装置14の下面の延長面との間の空間内に、長さ調整装置15のスライド板22の少なくとも一部が含まれていれば、錠止装置14と長さ調整装置15のスライド板22が上下方向がずれていても、錠止装置105と長さ調整装置107のスライド板109が上下方向に配置されている構造に比べて、上下方向の厚みが薄い中留を提供することができる。 【0089】詳しくは、図5における、錠止装置14の上面の延長面と、錠止装置14の下面の延長面との間の空間内に含まれる厚み寸法Lの分、錠止装置105と長さ調整装置107のスライド板109が上下方向に配置されている構造に比べて、上下方向の厚みが薄い中留を提供することができる。 【0090】実施の形態1には、三つ折れ構造の中留が示されているが、観音開き構造の中留(図示せず)やシングルロック構造の中留(図示せず)などさまざまな構造の中留に本発明を適用することができる。 【0091】 【発明の効果】本発明は、上下方向に薄い長さ調整可能な装身具の中留を提供することができる効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001960 【氏名又は名称】シチズン時計株式会社 【住所又は居所】東京都西東京市田無町六丁目1番12号
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| 【出願日】 |
平成13年12月19日(2001.12.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−180418(P2003−180418A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月2日(2003.7.2) |
| 【出願番号】 |
特願2001−385937(P2001−385937) |
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