| 【発明の名称】 |
面ファスナー雌材及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山本 俊也 【住所又は居所】大阪市堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内
【氏名】皆川 直史 【住所又は居所】山口県岩国市灘町1番1号 東洋紡績株式会社岩国工場内
【氏名】田中 茂樹 【住所又は居所】大阪市堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社本社内
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| 【要約】 |
【課題】雄材を剥離後の毛羽立ちが少なく、鮮明な印刷柄を有し、かつ風合いが柔らかく、通気性があり、小さい剥離音で剥がし易い面ファスナー雌材を提供する。
【解決手段】目付20〜80g/m2、繊度1.1〜33デシテックスの不織布の表面に該不織布繊維による多数のループが形成され、該ループがコーティングされた樹脂加工剤によって固定され、かつ該不織布のループ面又はその反対面が樹脂加工剤を含む着色剤が印刷されてなることを特徴とする面ファスナー雌材であり、さらに不織布の表面にニードルパンチによって多数のループを形成し、該ループを有する面に、樹脂加工剤をコーティング加工し、次いで該コーティング加工面又はその反対面に樹脂加工剤を含む着色剤を印刷することを特徴とする面ファスナー雌材の製造方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】目付20〜80g/m2、繊度1.1〜33デシテックスの不織布の表面に該不織布繊維による多数のループが形成され、該ループがコーティングされた樹脂加工剤によって固定され、かつ該不織布のループ面又はその反対面が樹脂加工剤を含む着色剤で印刷されてなることを特徴とする面ファスナー雌材。 【請求項2】前記不織布表面の繊維ループの密度が少なくとも10〜150個/cm2であることを特徴とする請求項1記載の面ファスナー雌材。 【請求項3】前記繊維ループの平均高さが1〜10mmである請求項1又は2記載の面ファスナー雌材。 【請求項4】前記樹脂加工剤がアクリル系、エチレン共重合物系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ナイロン系、ポリカーボネート系のいずれかである請求項1〜3のいずれかに記載の面ファスナー雌材。 【請求項5】不織布の表面にニードルパンチによって多数のループを形成し、該ループを有する面に、樹脂加工剤をコーティング加工し、次いで該コーティング加工面又はその反対面に樹脂加工剤を含む着色剤を印刷することを特徴とする面ファスナー雌材の製造方法。 【請求項6】前記コーティング加工がグラビア、オフセットグラビア及びフレキソ法のいずれかであることを特徴とする請求項5記載の面ファスナー雌材の製造方法。 【請求項7】前記コーティング加工が全面コーティング、ドット柄又は格子柄のコーティングであることを特徴する請求項6記載の面ファスナー雌材の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は面ファスナー雌材に関し、さらに詳しくは、雄材を剥離後の毛羽立ちが少なく、鮮明な印刷柄を有し、剥がし易く、風合いも柔らかく、剥離音が静かであり、かつ生産性に優れた安価な面ファスナー雌材に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、紙おむつ等の止着用テープとして、面ファスナー方式の物が種々提案されている。面ファスナー方式とは、雄材と雌材が対になっており、雄材はフック型の樹脂成形体である。それに対して雌材はそのフックをつなぎ止める役目を担っている。これらは以前の粘着テープ方式と違って着け剥がしが自在であり、粘着テープの欠点であったつけ間違いによる問題(オムツの破壊或いは赤ん坊の皮膚への接着)を避けることができる。これまでに提案された面ファスナー雌材としては、フィルムと編み物を接着剤で積層したタイプがあった。これは印刷性には優れておりキャラクターデザインにも対応した部材であった。しかしながら生産性も悪く高価な部材となっていた。 【0003】特許第3187423号公報には、2層の異なった繊度及び目付で構成された比較的安価でファスニング性に優れた面ファスナー雌材が提案されているが、この部材においても印刷性に優れておらず、キャラクターデザインには不向きな物であった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、雄材を剥離後の毛羽立ちが少なく、鮮明な印刷柄を有し、かつ風合いが柔らかく、通気性があり、小さい剥離音で剥がし易い面ファスナー雌材を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するために鋭利検討した結果得られたものであり、以下の構成を採用するものである。 1.目付20〜80g/m2、繊度1.1〜33デシテックスの不織布の表面に該不織布繊維による多数のループが形成され、該ループがコーティングされた樹脂加工剤によって固定され、かつ該不織布のループ面又はその反対面が樹脂加工剤を含む着色剤で印刷されてなることを特徴とする面ファスナー雌材。 2.前記不織布表面の繊維ループの密度が少なくとも10〜150個/cm2であることを特徴とする第1記載の面ファスナー雌材。 3.前記繊維ループの平均高さが1〜10mmである第1又は2記載の面ファスナー雌材。 4.前記樹脂加工剤がアクリル系、エチレン共重合物系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ナイロン系、ポリカーボネート系のいずれかである第1〜3のいずれかに記載の面ファスナー雌材。 5.前記不織布の表面にニードルパンチによって多数のループを形成し、該ループを有する面に、樹脂加工剤をコーティング加工し、次いで該コーティング加工面又はその反対面に樹脂加工剤を含む着色剤を印刷することを特徴とする面ファスナー雌材の製造方法。 6.前記コーティング加工がグラビア、オフセットグラビア及びフレキソ法のいずれかであることを特徴とする第5記載の面ファスナー雌材の製造方法。 7.前記コーティング加工が全面コーティング、ドット柄又は格子柄のコーティングであることを特徴する第6記載の面ファスナー雌材の製造方法。 【0006】 【発明の実施の形態】まず、本発明における面ファスナー雌材の不織布の目付は、20〜80g/m2である。目付が20g/m2未満であると、ファスナーが剥がし難くなる傾向があり、目付が80g/m2を超えるとファスナーの剥離力が弱く、乳幼児などの着用者の動きによって外れる場合がある。好ましい目付は30〜80g/m2であり、より好ましくは30〜50g/m2である。 【0007】不織布の繊度は1.5〜33dtexである。太さが1.1dtex未満であるとファスナーの剥離力が弱く、乳幼児などの着用者の動きによって外れる場合がある。太さが33dtexを超えると、ファスナーが剥がし難くなる傾向がある。好ましい太さは2.2〜11dtexであり、より好ましくは2.2〜5.5dtexである。 【0008】本発明に用いられる不織布としては、スパンボンド不織布、短繊維不織布のいずれであってもよい。不織布の素材としては、ポリエチレンテレフタレート(以下PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(以下PTT)、ポリエステルエラストマー(以下PEL)、ポリプロピレン(以下PP)、オレフィン系エラストマー、ポリエチレン(以下PE)、ナイロン、ビニロン、塩化ビニリデンなどの合成繊維、レーヨン、リヨセルなどの再生セルロース繊維、コットン等の天然繊維が使用でき、不織布繊維を接着する繊維としては、低融点成分(2成分以上)を含んだ芯/鞘構造繊維を使用することができ 、その組合わせとしては、PE/PET、低融点ポリエステル/PET、PE/PP、PEL/PET、低融点PP/ PPなどが挙げられる。好ましくはPPを芯成分とする芯/鞘構造繊維のスパンボンド不織布、より好ましくはPETスパンボンド、PTTスパンボンド不織布が挙げられる。 【0009】本発明の面ファスナー雌材のフィルム表面には、繊維ループが5〜150個/cm2存在する。繊維ループの密度が5個/cm2未満であると、ファスナーの剥離力が弱く、乳児などの着用者の動きによって外れる場合がある。繊維ループが150個/cm2を超えると、ファスナーが剥がし難くなる傾向がある。好ましい繊維ループの数は50〜100個/cm2であり、より好ましくは65〜90個/cm2である。 【0010】繊維ループの平均高さは、1〜10mmの範囲である。1mm未満や10mmを超えると、ファスナーの剥離力が弱くなり、乳児などの着用者の動きによって外れる場合がある。好ましい繊維ループの平均高さは3〜9mmであり、より好ましくは6〜8mmである。 【0011】ループの固定と雄材の剥離による毛羽立ち防止のために不織布にコーティング付与する樹脂加工剤(接着剤)の付与量は、不織布の重量に対して20重量%以下である。20重量%を超えると、不織布が堅くなりすぎて、着用者に不快感を与える傾向がある。好ましい付与量は15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。用いられる樹脂加工剤は、アクリル系、エチレン共重合体系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ナイロン系、ポリカーボネート系などである。好ましくはノンホルマリンタイプのアクリル酸エステル系樹脂、より好ましくはノンホルマリンタイプのウレタン系樹脂である。 【0012】さらに印刷と毛羽押さえのためのコーティング方法としては、グラビア法、オフセットグラビア法、フレキソ印刷法で行なわれる。好ましくはオフセットグラビア法である。毛羽押さえと印刷は、両方ともループ面に実施してもよいし、印刷は非ループ面で実施してもよいが、毛羽押さえと印刷の両方をループ面で実施するのが毛羽押さえ効果の点で好ましい。より好ましくは格子柄或いはドット柄による表面樹脂加工である。 【0013】ループ面に印刷を行なわない場合は、毛羽押さえ剤が印刷剤のアンカー剤の役割を担わせるために、印刷剤と毛羽押さえ剤は同一又は類似の樹脂を使用することが好ましく、同一であることがより好ましい。同一系統の樹脂を使用しなければ、湿布条件での耐色落ち性が悪くなり、乳児などのズボン等への色写りが発生してしまうことがある。毛羽押さえコーティング(柄)は全面、格子柄、ドット柄等が行なわれる。好ましくは全面コーティング(柄)である。 【0014】 【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例の評価および特性値は、以下の測定法によった。 (1)厚さ(mm) 面積4cm2、荷重0.5g/cm2で試料の3カ所を測定し、その平均値を求めた。 (2)通気度(cc/cm2・sec) JIS L1096 A法(フラジール形式)に準じて測定した。 【0015】(3)繊維ループ密度(個/cm2) ニードルパンチ加工時に設定したフェルティングニードル(パンチ針)のペネ数(打ち込み本数)を繊維ループ密度とした。 (4)繊維ループの高さ(mm) ニードルパンチ加工時に、設定したヘッドプレートを貫通したフェルティングニードルの先端から第一バーブまでの距離をループの高さとした。 【0016】(5)モニター評価作成したこれらの面ファスナー雌材を、市販の紙オムツ材(雄材がキノコ状フック、スリーエム社製89Y)のフロント部に両面テープ(ニチバン社製・ナイススタック)を用いて貼り付けたものを作成した。これらの作成したオムツについて、5名のモニターによって、面ファスナー部の剥離を行ってもらい、モニター評価を実施した。評価項目は、剥がす際の取り外しやすさ、長時間(2時間以上)使用時におけるファスナー部脱落の有無、印刷鮮明さ、毛羽立ち、柔らかさである。なお、前記キノコ型フックの面ファスナー雄材は、以下のものである。(スリーエム社製:縦及び横のピッチ間隔0.65mm、高さ0.3mm、フック頭部面積0.33mm2) 【0017】判定は、以下の基準で行った。 取り外しやすさ: ○;外しやすい、△;やや外しにくい、×;かなり外しにくい使用時脱落の有無: ○;取れない、△;取れることあり、×;取れやすい印刷鮮明さ: 〇:鮮明 △:ふつう ×:鮮明でない毛羽立ち: ○:ほとんどわからない、△:少し目立つ、×:かなり目立つ柔らかさ:○:柔らかい、△:ふつう、×:堅い【0018】(6)耐色写り性(耐色落ち性) JIS L 0849 摩擦に対する染色堅ろう度試験方法の湿潤試験(摩擦試験機II形(学振形)を使用)に準拠し、摩擦用白綿布は水で濡らして100%湿潤状態にしたものを使用した。試験片10cmの間を30回/分の往復速さで100回往復させた。なお、評価結果は、表1に以下のように表記した。 1〜3級:×、 4級:△ 、5級:○【0019】実施例1ポリエチレンテレフタテートを溶融紡糸し、フィラメントをネット上にランダム捕集した後、フラットローラで軽く圧着して表1に示した太さ、目付のスパンボンド不織布シートを製造した。次いで、得られた不織布シートをニードルパンチマシンに導入し、該不織布の上からニードルを挿入してニードルパンチすることにより、多数のスパンボンドの繊維によるループを形成させた。次いで、該ループを有する不織布面に、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン樹脂をオフセットグラビア印刷法による表面コーティングで該樹脂の含有量が面ファスナー雌材全重量に対して9重量%になるように全面にコーティング樹脂加工し、さらに該コーティング面に前記と同一のポリアクリル酸エステル系エマルジョン樹脂をバインダーとして含有する顔料で3色刷りの印刷を実施して面ファスナー雌材を得た。得られた面ファスナー雌材の評価結果を表1に示した。 【0020】実施例2ポリエチレンテレフタテートを溶融紡糸し、フィラメントをネット上にランダム捕集した後、フラットローラで軽く圧着して表1に示した太さ、目付のスパンボンド不織布シートを製造した。次いで、得られた不織布シートをニードルパンチマシンを用いてニードルパンチにより実施例1と同様に不織布の表面にループを形成させた。次いで、ポリアクリル酸エステル系エマルジョン樹脂にて樹脂の含量が9重量%になるようにコーティング樹脂加工した。さらに印刷用の透明ウレタン樹脂をループ面に2cmピッチの格子柄で目付2g/m2コーティングして、さらにウレタン樹脂をバインダーとして含有する顔料によってループを有しない不織布面(裏面)に、オフセットグラビア印刷法によって3色刷りを実施して面ファスナー雌材を得た。得られた面ファスナー雌材の評価結果を表1に示した。 【0021】実施例3PEL/PETの芯鞘型二成分の複合繊維を溶融紡糸する以外は、実施例1と同様にして、ループを有する長繊維不織布シートを得た。次いで、得られた不織布シートについて、ウレタン樹脂をバインダーとして含有する顔料をフレキソ印刷法によって3色刷りを実施して、さらに毛羽止め耐色落ちを目的に透明ウレタン樹脂を用いて目付2g/m2を表面コーティングして面ファスナー雌材を得た。得られた面ファスナー雌材の評価結果を表1に示した。 【0022】比較例1〜4比較例1は従来の短繊維不織布である市販品(印刷は非ループ面)、比較例2は粘着テープ、比較例3は従来のトリコット編地、比較例4は実施例3で用いたPEL/PET芯鞘型二成分の複合繊維のループを有する不織布シート(目付40g/m2)において、ループ面のコーティング加工をせず、エンボス加工を行なった場合である。これらの評価結果を表1に示した。 【0023】 【表1】
【0024】 【発明の効果】本発明によれば、雄材を剥離後の毛羽立ちが少なく、キャラクターデザインなどの鮮明な印刷柄を有し、かつ風合いが柔らかく、ファスナー面に印刷した際の耐色落ち性が良く、静かな剥離音で剥がし易い面ファスナー雌材を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜2丁目2番8号
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| 【出願日】 |
平成14年4月25日(2002.4.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−310312(P2003−310312A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月5日(2003.11.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−124504(P2002−124504) |
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