| 【発明の名称】 |
スライドファスナー用スライダー |
| 【発明者】 |
【氏名】天神 司
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| 【要約】 |
【課題】スライダーの外観が美しい胴体と引手取付用のカバーとを溶着したスライドファスナー用スライダーを提供する。
【解決手段】スライドファスナー用スライダーは、胴体、引手、引手取付用のカバーの3部材から構成され、胴体の上面にカバーの下端面を収容できる凹状の嵌合溝を設け、カバーにおける下端面の表面の一部、または嵌合溝の底面の一部に外方へ突出する溶着用突部を設け、樹脂製の胴体とカバーとを圧接した状態で超音波加工などによって、溶着用突部を一体に溶着し、溶融樹脂が嵌合溝から外表面へ溢れ出ないように形成し、溶融固化された塊ができない外観の美しいスライダーを作製する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スライダー1の胴体2と、該胴体2の上面に設置する引手取付用のカバー4とを有し、胴体2の上面にカバー4の下端面21を収容する嵌合溝11を設け、下端面21の表面または嵌合溝11の底面の一部に突出する溶着用突部25を設け、胴体2とカバー4とを一体に溶着してなることを特徴とするスライドファスナー用スライダー。 【請求項2】 溶着用突部25は、所定の間隔をあけて複数個突出する形に形成してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。 【請求項3】 溶着用突部25は、連続状に突出する形に形成してなる請求項1記載のスライドファスナー用スライダー。 【請求項4】 溶着用突部25は、カバー4の側壁19の下端面21、またはカバー4の側壁19の下端面21と対面する胴体2の嵌合溝11の底面に配設してなる請求項1、2または3記載のスライドファスナー用スライダー。 【請求項5】 溶着用突部25は、断面四角形を呈する形状に形成してなる請求項1、2または3記載のスライドファスナー用スライダー。 【請求項6】 溶着用突部25は、断面三角形を呈する形状に形成してなる請求項1、2または3記載のスライドファスナー用スライダー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、スライドファスナーにおけるスライダー、特にスライダー胴体の上面に取付柱が存在する自動または半自動停止装置付スライダー、勿論自由スライダーにも用いることができる、胴体と引手を取り付けるためのカバーとの接合機構に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来知られているスライドファスナー用スライダーにおいて、スライダーの胴体の上面に存在する取付柱を引手取付用のカバーで被覆した自動停止装置付スライダー、また胴体の上面へ引手を取り付けるためのカバーを直接取り付けた自由スライダーが知られている。このスライダーは図14に示すように、スライダー胴体の上面にカバーの両側壁の下端部が嵌合できる嵌合溝を設け、この嵌合溝にカバーの両側壁の下端部を嵌め込んだ後、嵌合溝内でカバーの下端部と胴体とを超音波加工などによって、一体に溶着したスライダーが特開昭51−12243号公報に開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】前項で述べた図14に示したスライドファスナー用スライダーは、引手取付用のカバーの両側壁の下端部を胴体の上面に平行状に設けた嵌合溝に嵌め込み、嵌合溝内でカバーの下端部と胴体とを超音波加工などにより一体に溶着したものである。したがってカバーの下端部の表面と嵌合溝の底面全体とが接触した状態で溶着が行われるため、カバーの下端部の表面と嵌合溝の底面の全面が溶融することになり、このためカバーと胴体との溶融量が多く、溶融材料が嵌合溝内から胴体の表面へ溢れ出る事態が発生する。 【0004】嵌合溝内から溢れ出た溶融材料は、胴体の上面、前面、後面およびカバーの側面、前面、後面のいたるところに付着して固形化し、スライダーの美観を損なう結果となり、また胴体の上面およびカバーの側面に付着した溶融材料の塊は、引手を胴体の上面へ倒伏させる際に、引手と接触して引手を胴体の上面へ完全に倒伏させることが難しく、したがって付着した溶融材料の塊を除去する作業が必要であり、スライダーの生産効率を低下させる原因となるなど問題点がある。 【0005】この発明は、上述の問題点を考慮して発明されたものであり、この発明のうち請求項1記載の発明は、引手取付用のカバーの下端部または胴体の表面に凹設した溝内における一部分に突出する溶着用突部を設け、胴体とカバーとを超音波加工などによって溶着しても、溶融材料が過剰に溶融して胴体の表面へ溢れ出て塊が付着することがない形態に形成し、スライダーの美観を損なうことなく体裁のよいスライダー、また引手取付用のカバーを強固に取り付けたスライドファスナー用スライダーを提供することが主たる目的である。 【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、引手取付用のカバーの下端部または胴体の表面に凹設した溝内に設置する溶着用突部は、所定の間隔をあけて設け、溶融材料が溝内における突部間の間隔へ広がり、溝外への溶融材料が流出するのを防いだスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。 【0007】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の目的に加え、引手取付用のカバーの下端部または胴体の表面に凹設した溝内に設置する溶着用突部は、嵌合時において左右に空隙が生ずる形に形成し、溶融材料が溝内における空隙部分へ広がり、溝外への溶融材料が流出するのを防いだスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。 【0008】請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の目的に加え、引手取付用のカバーの下端部または胴体の表面に凹設した溝内に設ける溶着用突部の設置する場所を特定することによって、効率のよい溶着を施すことができ、しかも強度的にも優れた強度を維持できるスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。 【0009】請求項5記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の目的に加え、引手取付用のカバーの下端部、または胴体の表面に凹設した溝内に設ける溶着用突部の形状を断面四角形に形成して溶融量を多くし、強い溶融強度を必要とする大型のスライダーに適した突部を造形したスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。 【0010】請求項6記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の目的に加え、引手取付用のカバーの下端部、または胴体の表面に凹設した溝内に設ける溶着用突部の形状を断面三角形に形成して溶融量を少なくし、溶融強度をそれ程必要としない小型のスライダーに適した突部を造形したスライドファスナー用スライダーを提供することが目的である。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、この発明のうち請求項1記載の発明は、スライダー1の胴体2と、この胴体2の上面に設置する引手取付用のカバー4とを有し、胴体2の上面にカバー4の下端面21を収容する凹状の嵌合溝11を設け、カバー4の下端面21の表面または胴体2の嵌合溝11の底面の一部において外側へ突出する溶着用突部25を設け、樹脂製のスライダー1の胴体2と引手取付用のカバー4とを超音波加工などによって、一体に溶着して形成したスライドファスナー用スライダーを主な構成とするものである。 【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、カバー4の下端面21の表面または胴体2の嵌合溝11の底面の一部に設ける溶着用突部25は、溶着用突部25間に所定の間隔をあけて複数個突出する形に形成したスライドファスナー用スライダーである。 【0013】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加え、カバー4の下端面21の表面または胴体2の嵌合溝11の底面の一部に設ける溶着用突部25は、連続する突条31の左右両側に一定の空隙部分が生ずる形に形成したスライドファスナー用スライダーである。 【0014】請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の構成に加え、カバー4の下端面21の表面または胴体2の嵌合溝11の底面の一部に設ける溶着用突部25は、カバー4における両側の側壁19の下端面21、またはカバー4の側壁19の下端面21と対面する胴体2の嵌合溝11の底面に配設したスライドファスナー用スライダーである。 【0015】請求項5記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の構成に加え、カバー4の下端面21の表面または胴体2の嵌合溝11の底面に設ける溶着用突部25は、所定の間隔を有する方形台27、円錐台30などの突部、または連続する突条31の突部の形状がそれぞれ断面四角形を呈する形に形成したスライドファスナー用スライダーである。 【0016】請求項6記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の構成に加え、カバー4の下端面21の表面または胴体2の嵌合溝11の底面に設ける溶着用突部25は、所定の間隔を有する角錐体26、寄棟形体28、円錐体29などの突部、または連続する突条31の突部の形状がそれぞれ断面三角形を呈する形に形成したスライドファスナー用スライダーである。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、この発明のスライドファスナー用スライダーの実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。 【0018】この発明のスライドファスナー用スライダーは、図1〜6に示すように胴体2、引手3、引手取付用のカバー4の3部材から構成され、このうち少なくとも胴体2、引手取付用のカバー4は、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を用いて射出成形加工によって成形し、形成された胴体2に引手3を枢支する形で載置し、その上方へカバー4を被覆するとともに、カバー4を胴体2の上面へ溶着してスライダー1を作製する。 【0019】スライダー1の胴体2は、上翼板6と下翼板7とを案内柱8で連結し、上翼板6と下翼板7の両側縁にファスナーエレメントをガイドするフランジ9が設置されている。フランジ9はファスナーエレメントの形態によって、上翼板6または下翼板7の一方のみに設置することがある。上翼板6の上面には前後に取付柱10を立設し、場合によってはこの取付柱10にスライダー1の停止機構を配設して自動または半自動停止装置付スライダーに仕上げることができる。 【0020】胴体2の上翼板6に立設する取付柱10は、図3に示すように、胴体2の前方すなわち肩口側と後方すなわち後口側に分割して設け、前後の取付柱10の対向面はそれぞれ傾斜する斜面部12に形成して、引手3の枢軸22をガイドする補助の役目をカバー4の軸受部20と共に行う。そして肩口側の取付柱10の前方と両側の基部、および後口側の取付柱10の後方と両側の基部に、それぞれ引手取付用のカバー4を嵌め込むことができる凹状の嵌合溝11を設ける。 【0021】この嵌合溝11は肩口側の取付柱10の後方における隅角部14、また後口側の取付柱10の前方における隅角部14よりも、ともにやや内側中央に及ぶ形状で凹設して、カバー4の中央部分に形成した肉厚の厚い軸受部20を的確に保持できる形状に形成する。さらに胴体の前端および後端に横設される嵌合溝11内の中央部分に、カバー4を嵌め込んだとき、カバー4が胴体2の左右にずれ動かないようにするため突起13を突設し、カバー4の前壁17、後壁18に切欠いて設けた凹欠部23と嵌合できるように形成する。 【0022】胴体2の取付柱10を被覆するカバー4は、図4、5に示すように全体が船底形の箱体から形成され、カバー4の周囲には前方に前壁17、後方に後壁18、両側に側壁19を設け、両側の側壁19の中央には引手3の枢軸22が挿通できる凹欠状の軸受部20を凹設し、この軸受部20の前後の下端面21を肉厚が厚い形に形成して胴体2の隅角部14に嵌め込むことができるように形成する。また前壁17と後壁18の下端面21の中央部分に倒コ字状に切欠いた凹欠部23を設けて胴体2の前端および後端に突設した突起13と嵌合してカバー4を的確に保持する。 【0023】図5に示すように、カバー4の左右両側壁19における下端面21の表面の一部に、カバー4を胴体2に溶着するための方形台27の溶着用突部25を所定の間隔で複数個縦列状に突設し、カバー4を胴体2に凹設した嵌合溝11に嵌め込んで、胴体2とカバー4とを容易に溶着できるように形成する。 【0024】スライダーの組み立ては、カバー4を胴体2の上面の取付柱10間に引手3の枢軸22を載置した後、図7に示すように、カバー4によって取付柱10を被覆する形で被せてカバー4の下端面21を胴体2の嵌合溝11に嵌め込み保持した後、超音波加工によって溶着用突部25を溶融して嵌合溝11の底部へ溶着する。この際、溶着用突部25はカバー4の下端面21の全面に設置していないので、溶着用突部25の周辺に空隙が存在するため、溶融した樹脂が嵌合溝11内に充填して固化し、嵌合溝11から胴体2の表面へ溢れ出ることがないから、スライダー1の美観を損なうことがなく、また従来品のように溶融した樹脂が胴体表面へ溢れ出して固化して塊を形成することもない。 【0025】この発明のスライダー1は、図6の分解図に示すように、スライダー1の一実施形態として胴体2の上翼板6の取付柱10の周辺に形成する嵌合溝11の深さは、0.5mm程度、幅はカバー4の下端面21の幅と同一に形成し、カバー4の下端面21に形成する溶着用突部25の高さは、0.2mm程度、幅は下端面21の略1/2幅に形成して超音波加工を行って溶着する。なお寸法はスライダー1の大きさによって異なる。 【0026】カバー4の下端面21に所定間隔で突設する溶着用突部25の形状は、図5に示す断面四角形の方形台27であってもよく、図8に示す断面三角形の角錐体26、図9に示す断面三角形の寄棟形体28、図10に示す断面三角形の円錐体29、図11に示す断面四角形の円錐台30であってもよい。さらに図12に示すようにカバー4の下端面21の略全長にわたって一条または二条の断面三角形あるいは断面四角形の突条31を突設してもよい。なお、溶着用突部25の形状は上記以外の形状であってもよい。たとえば断面四角形の角柱体、円柱体から形成してもよい。 【0027】各種形態の溶着用突部25は、カバー4の下端面21のみに配設する必要はなく、胴体2の上翼板6に凹設した嵌合溝11内の表面に設置することもできる。たとえば図13に示すように取付柱10の両側に設けた嵌合溝11内の表面に所定の間隔をおいて溶着用突部25を突設し、または両側の空隙のある一条の突条31を突設して、カバー4の平坦な下端面21と圧接して超音波加工によって溶着してもよい。 【0028】 【発明の効果】この発明のスライドファスナー用スライダーは、以上説明したとおりの構成であり、この構成によって下記の効果を奏するものである。 【0029】この発明のうち請求項1記載の発明は、スライダーの胴体と、胴体の上面に設置する引手取付用のカバーとを有し、胴体の上面にカバーの下端面を収容する嵌合溝を設け、下端面の表面または嵌合溝の底面の一部に突出する溶着用突部を設け、胴体とカバーとを一体に溶着したことによって、カバーの下端面と胴体の嵌合溝の底面とが全面的に接触せず、周辺に空隙のある溶着用突部により接触するため、過剰に溶融することを防ぎ、溶融材料が嵌合溝内から溢れ出ることがなく美観の優れたスライダーが得られる。さらに従来品の如く嵌合溝から溢れ出て固化した塊がないので、引手の正常な倒伏操作ができる効果がある。 【0030】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、溶着用突部は、所定の間隔をあけて複数個突出する形に形成したことによって、所定間隔の溶着用突部間に溶融材料が流れ込み充填するので、溶融材料が嵌合溝外へ溢れ出るのを効果的に防止できる効果がある。 【0031】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加え、溶着用突部は、連続状に突出する形に形成したことによって、突条の溶着用突部の両側に形成された空隙部分に溶融材料が流れ込み充填するので、溶融材料が嵌合溝外へ溢れ出るのを効果的に防止できる効果がある。 【0032】請求項4記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の効果に加え、溶着用突部は、カバーの側壁の下端面、またはカバーの側壁の下端面と対面する胴体の嵌合溝の底面に配設したことによって、胴体の長手方向すなわち縦方向において溶着するので、効果的な溶着強度が得られ、かつ溶融材料が胴体の前後面へ溢れ出る弊害を未然に防ぐことができる効果がある。 【0033】請求項5記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の効果に加え、溶着用突部は、断面四角形を呈する形状に形成したことによって、溶着用突部を形作る材料の量が多く、胴体とカバーの溶着強度を強くすることができ、強い溶着強度を必要とする大型サイズのスライダーの作製に適した効果がある。 【0034】請求項6記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明の効果に加え、溶着用突部は、断面三角形を呈する形状に形成したことによって、溶着用突部を形作る材料の量が少なく、嵌合溝から溶融材料が溢れ出ることがなく、大きな溶着強度を必要としない小型スライダーの作製に適した効果があるなど、この発明が奏する効果はきわめて顕著である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006828 【氏名又は名称】ワイケイケイ株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年2月15日(2002.2.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070529 【弁理士】 【氏名又は名称】縣 一郎 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−235615(P2003−235615A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月26日(2003.8.26) |
| 【出願番号】 |
特願2002−37752(P2002−37752) |
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