| 【発明の名称】 |
ポリアセタール樹脂製ファスナー |
| 【発明者】 |
【氏名】岡 美喜夫 【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】縫製時のミシン針等の衝撃によって発生する割れ性を改善したポリアセタール樹脂製ファスナーを提供する。
【解決手段】150℃〜163℃の融点を持つポリアセタール樹脂コポリマーからなる噛合い務歯列4と上下止具1,5及び箱体挿入部7を有するファスナー。本発明で言うポリアセタール樹脂とは、ホルムアルデヒド3量体(トリオキサン)もしくは4量体(テトラオキサン)等の環状オリゴマーと、上記原料とヒンダードフェノール系酸化防止剤を10〜500ppm添加されたエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1・3−シオキソラン、1・4−ブタンジオール、グリコールのホルマールやジグリコールのホルマール等の環状ホルマール等から製造された炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を0.1〜20重量%含有するオキシメチレン−オキシアルキレンポリマーの末端安定化処理を行って得られたポリオキシメチレンコポリマーである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 150℃〜163℃の融点を持つポリアセタール樹脂コポリマーからなる噛合い務歯列と上下止具及び箱体挿入部を有するファスナー。 【請求項2】 ポリアセタール樹脂が3〜20重量%のコモノマー成分を共重合してなるポリアセタール樹脂コポリマーである請求項1に記載のファスナー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、噛合い務歯列と上下止具、及び箱体挿入部が150℃〜163℃のポリアセタール樹脂コポリマーからなるファスナーに関する。 【0002】 【従来の技術】ポリアセタール樹脂は、摺動性、高剛性・高強度、耐薬品性、耐クリープ性に優れた材料であり、自動車、電気・電子部品などの各種機構部品、衣料用途に多く使用されている。ポリアセタール樹脂が衣料用途に使用される理由としては、パークロロエチレン等の耐溶剤性(耐ドライクリーニング性)や繰返し疲労特性、摺動性に優れている為であり、具体的にはバックル、ファスナー及びそのスライダーやボタンなどに使用されている。 【0003】しかしながらポリアセタール樹脂は、高結晶性樹脂である為にポリアミド樹脂に比べ靭性が不足しており、噛合い務歯列等を具えたファスナーを布地に縫製する時に、ミシン針がポリアセタール樹脂製の上下止具及び箱体挿入部に当たり、割れが発生する。またポリアセタール樹脂製の上下止具や箱体挿入部の多くは顔料等で着色した材料を用いる為に更に靭性が低下し、割れも悪化する。その為、ファスナー本体(噛合い務歯列)にはポリアセタール樹脂を、ミシン針が当たる上下止具や箱体挿入部には、ポリアセタール樹脂よりも靭性に優れたポリアミド樹脂が使用されている。市場からは、噛合い務歯列と上下止具の成形加工工程と取付け工程の簡略化が切に望まれている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ポリアセタール樹脂の靭性が改良できれば、布地縫製時の割れ性も改善され、更にはファスナー本体(噛合い務歯列)と上下止具及び箱体挿入部の一体成形が可能となり、工程の簡略化が可能となる。本発明は、これらの問題点を改良したポリアセタール樹脂製ファスナーを提供するものである。 【0005】 【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する為鋭意検討した結果、150〜163℃の融点を持つポリアセタール樹脂コポリマーが有効である事を見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、150℃〜163℃の融点を持つポリアセタール樹脂コポリマーからなる噛合い務歯列と上下止具及び箱体挿入部を有するファスナー、である。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明で言うポリアセタール樹脂とは、ホルムアルデヒド3量体(トリオキサン)もしくは4量体(テトラオキサン)等の環状オリゴマーと、上記原料とヒンダードフェノール系酸化防止剤を10〜500ppm添加されたエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロルヒドリン、1・3−ジオキソラン、1・4−ブタンジオール、グリコールのホルマールやジグリコールのホルマール等の環状ホルマール等から製造された炭素数2〜8のオキシアルキレン単位を0.1〜20重量%含有するオキシメチレン−オキシアルキレンコポリマーの末端安定化処理を行って得られたポリオキシメチレンコポリマーである。 【0007】その分子が線状のみならず分岐構造、架橋構造を有するものであっても良い。また、ポリアセタール樹脂の分子量については、特に制限するものではないが、成形性の観点からメルトフローレート(MFR)が5〜45g/10分のポリアセタール樹脂コポリマーが好ましい。上記ポリアセタール樹脂の中でも、1・3−ジオキソランをコモノマー成分としたポリアセタール樹脂コポリマーが好ましく、1・3−ジオキソランを3〜20重量%共重合させる事により融点を所望の範囲に調整し易く、ミシン縫製時の割れ性に優れ且つ噛合い務歯列と上下止具及び箱体挿入部の一体成形が可能となり好ましい。 【0008】本発明で言うポリアセタール樹脂の融点とは、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定する事ができる。具体的には、ポリアセタール樹脂を室温から200℃で2分間保温させる。その後、10℃/分の速度で130℃まで降温させる。更に2.5℃/分の速度で昇温させた時に、吸熱ピークが検出される。検出された吸熱ピークのピークトップを本発明で言う融点とした。本発明のポリアセタール樹脂コポリマーは、150℃〜163℃の融点を持つことが必要である。ポリアセタール樹脂の融点が163℃よりも高いと靭性が低く、150℃よりも低いと強度低下を招き、本発明の目的とする効果が得られない。 【0009】本発明ポリアセタール樹脂コポリマー製ファスナーは、開離嵌挿具も含まれ、特に限定するものではなく、従来から使用されていた亜鉛ダイキャスト、アルミダイキャストなどの金属や、通常のポリアセタール樹脂、或いは強化ポリアセタール樹脂や熱可塑性樹脂などにより製造された何れのファスナーにも適用できる。本発明のポリアセタール樹脂製ファスナーには、その効果が損なわない範囲で従来公知の添加剤、例えば酸化防止剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤、潤滑剤、滑剤、可塑剤、熱安定剤、耐候剤、防錆剤、窒化硼素やタルク等の核形成剤、ガラスファイバーやガラスビーズ、チタン酸カリウイスカー、ウェラストナイト、炭酸カルシウム等の強化材、顔料など、従来からポリアセタール樹脂に添加されている化合物を添加したポリアセタール樹脂材料を用いる事が可能である。 【0010】具体的には、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕またはトリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などの酸化防止剤や、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物またはその重合体、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩等の熱安定剤が挙げられる。 【0011】ホルムアルデヒド反応性窒素を含む化合物またはその重合体としては、アミノ置換トリアジンやアミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物、ポリアミド樹脂、アクリルアミド及びその誘導体、又はアクリルアミドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られる重合体、アクリルアミド及びその誘導体、又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重合の存在下で重合して得られる重合体、アミン、アミド、尿素及びウレタン等窒素基を含有する重合体を挙げる事ができる。 【0012】アミノ置換トリアジンとしては、例えば、グアナミン(2,4−ジアミノ−sym−トリアジン)、メラミン(2,4,6−トリアミノ−sym−トリアジン)、N−ブチルメラミン、 N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、 N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N’’−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’− ジメチロールメラミン、N,N’,N’’−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン(2,4−ジアミノ− 6−フェニル−sym−トリアジン)、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ− sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、2,4−ジオキシ−6−アミノ−sym−トリアジン(アメライト)、2−オキシ−4,6−ジアミノ−sym−トリアジン(アメリン)、N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン等がある。 【0013】アミノ置換トリアジンとホルムアルデヒドとの共縮合物としては、例えば、メラミン・ホルムアルデヒド重縮合物等がある。これらの中で、ジシアンジアミド、メラミン、及びメラミン・ホルムアルデヒド重縮合物が好ましい。ポリアミド樹脂としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等、及びこれらの共重合物、例えば、ナイロン6/6−6、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等が挙げられる。 【0014】アクリルアミド及びその誘導体、又はアクリルアミドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られる重合体としては、ポリ−β−アラニン共重合体が挙げられる。これらのポリマーは、特公平6−12259号、特公平5−87096号、特公平5−47568号及び特開平3−234729号の各公報記載の方法で製造することができる。アクリルアミド及びその誘導体、又はアクリルアミド及びその誘導体と他のビニルモノマーとをラジカル重合の存在下で重合して得られる重合体は、特開平3−28260号公報記載の方法で製造することが出来る。 【0015】アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、無機酸塩、カルボン酸塩またはアルコキシドとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムもしくはバリウムなどの水酸化物、上記金属の炭酸塩、燐酸塩、珪酸塩、硼酸塩、カルボン酸塩が挙げられる。該カルボン酸塩のカルボン酸は、10〜36個の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸等であり、これらのカルボン酸はヒドロキシル基で置換されていてもよい。飽和脂肪族カルボン酸としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、 パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸が挙げられる。不飽和脂肪族カルボン酸は、ウンデシレン酸、オレイン酸、エライジン 酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、ソルビン 酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、プロピオール酸、ステアロール酸などが挙げられる。又、アルコキシドとして、上記金属のメトキシド、エトキシドなど が挙げられる。 【0016】耐候(光)安定剤としては、ベンゾトリアゾール系物質、シュウ酸アニリド系物質、及びヒンダードアミン系物質が好ましい。ベンゾトリアゾール系物質としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル−フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ジ−イソアミル−フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3,5−ビス−(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。シュウ酸アニリド系物質としては、 例えば、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。 【0017】これらの物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。ヒンダードアミン系物質としては、 4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)−カーボネート、ビス(2,2,6,6 −テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)− テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート等が挙げられる。上記ヒンダードアミン系物質はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。 【0018】潤滑剤としては、長鎖のアルコール、低分子量アルコール、脂肪酸、アルコール類と脂肪酸から成るエステル、脂肪族アルコールとジカルボン酸からなるエステル、ポリアルキレングリコール、シリコン化合物が含まれる。ジカルボン酸と脂肪族アルコールからなるエステルとしては、ジカルボン酸が、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカニン酸、ブラシリン酸、マレイン酸、フマール酸、グルタコン酸等であり、脂肪族アルコールが、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、 tert−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、2−ペンタノール、n−ペプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、ベヘニルアルコール、メリシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、オクチルドデシルアルコール、デシルミリスチルアルコール、デシルステアリルアルコール、ユニリンアルコール等の飽和・不飽和アルコール等であり、その両者からなるエステルである。これらのエステルは、モノエステルであってもジエステルであっても、またエステル反応の過程で未反応の脂肪族アルコールやジカルボン酸が其々少量含まれていても構わない。 【0019】また上記ポリアセタール樹脂には、ポリアセタール樹脂以外の樹脂をも混合する事が可能である。混合して用いる事ができる樹脂とは、ポリアセタール樹脂と相溶可能なものであれば特に制限はなく、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエステルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、シリコン化合物、熱可塑性エラストマー、イソシアネート化合物とポリアルキレンオキサイドからなる重合体等を挙げる事ができる。 【0020】ポリアセタール樹脂と他の樹脂との混合物組成物を用いる場合、ポリアセタール樹脂の含有量は50重量%以上である事が必要であり、ポリアセタール樹脂の含有量が少なすぎるとポリアセタール樹脂の特性が損なわれ好ましくない。シリコン化合物としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレンエチルアクリレート共重合体、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン及びテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などのポリオレフィン系樹脂(これらは必要により酢酸ビニルなどの少量のビニル系単量体を含有していても良い)に、以下の式[化1]で示されるポリジメチルシロキサンに代表されるシリコン化合物をグラフト重合する事で得られたものも含まれる。 【0021】 【化1】
【0022】(式中のメチル基は水素、アルキル基、フェニル基、エーテル基、エステル基や反応性置換基であるヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基、ビニル基、アリール基、ポリエーテル基、フッ素含有アルキル基などを有する置換基で置換されていても良く、グラフトするためにはビニル基又はアリール基を有する置換基、好ましくはビニル基を有することが必要である。式中nは平均重合度を示し、n=1,000〜10,000の範囲である) ポリオレフィンとは、一般式[化2]で表される少なくとも1種のオレフィン単位から構成されたオレフィン化合物を挙げる事ができる。 【0023】 【化2】
【0024】(R1、R2は水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、エーテル基より選ばれ、それぞれ同一であってもよく、異なっても良い。k=10〜500) またポリオレフィンには、芳香族ビニルモノマー単独、若しくはそれと活性水素含有ビニルモノマーとによりグラフト変性されたポリエチレンも含まれる。芳香族ビニルモノマーは、ベンゼン環を含むビニルモノマーであり、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレンなどのアルキル基置換スチレンなどが含まれる。 【0025】活性水素含有ビニルモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエ チルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシベンジルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレートなどのα,β−不飽和カルボン酸の水酸基含有エステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、アリルアミン、アリルアルコールなどである。 【0026】上記のグラフト変性体を構成するポリエチレンとは、エチレン単位90重量%以上、及びブテン−1やプロピレンなどのビニルモノマー単位10重量%以下からなるポリエチレンである。好ましい分子量は2,000〜1,000,000の範囲にあり、かつ比重が0.91 〜0.98で融点が100〜140℃の範囲にあるものが好適である。具体例としては、ポリエチレンワックス、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどがあげられるが、数平均分子量が2〜5万のエチレンのホモポリマーである低密度ポリエチレンが好ましい。 【0027】そのグラフト変性体における芳香族ビニルモノマー含有量は、グラフト変性体トータルに対し20〜 40重量%である。本発明におけるグラフト変性体のうち好ましいのは、ポリエチレンへのスチレン−α、β−不飽和カルボン酸の水酸基含有エステル共重合体のグラフト重合体であり、上記の芳香族ビニルモノマー単独、若しくはそれと活性水素含有ビニルモノマーとによりグラフト変性されたポリエチレンは、ポリアセタール樹脂100重量部に対して0.5〜25重量部で使用される。 【0028】また上記ポリアセタール樹脂には、イソシアネート化合物とポリアルキレンオキサイド、及び必要により低分子量ジオール化合物を重合して得られる重合体を用いる事も可能である。ここで言うイソシアネート化合物とは、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチルヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、ヘキサメチレンジジイソシアネートの環状3量体から選ばれる少なくとも一種である。 【0029】ポリアルキレンオキサイドとしては、重合度が4〜1,000の範囲のポリエチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体、エチレンオキサイドと1・4−ブタンジオールとの共重合体、エチレンオキサイドとテトラメチレングルコールとの共重合体、ポリプロピレングリコール、ポリ−1・4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコールから選ばれる少なくとも一種である。(共重合体はブロック共重合体でも、ランダム共重合体であっても良い。)また、好ましい重合度は10〜500の範囲である。ポリアルキレンオキサイド成分中のポリエチレンオキサイド成分とポリエチレンオキサイド以外の成分との比率はポリエチレンオキサイド成分が40重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。 【0030】必要により用いられる低分子ジオール化合物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1・4−ブタンジオール、1・6−ヘキサンジオール、重合度4未満のポリアルキレンオキサイド(ポリエチレングリコール、エチレンオキサイドプロピレンオキサイド共重合体、ポリプロピレングリコール、ポリ−1・4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコールなど)を用いることも可能であるが、エチレングリコール、プロピレングリコール、1・4−ブタンジオール、1・6−ヘキサンジオールが好ましい。 【0031】このイソシアネート化合物とポリアルキレンオキサイド、及び必要により低分子量ジオール化合物を重合して得られる重合体は、特開平6−144889号公報、特開平7−316421号公報および特開平8−92476号公報に記載された方法で製造することが出来る。具体的には、押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどを用いて、イソシアネート化合物とポリアルキレンオキサイド、及び必要により低分子量ジオール化合物を反応させることにより得られる。この反応は溶剤を用いても良く、この際アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、ジオキサン、メチルエチルケトンおよびトルエンなどの溶媒やジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫ラウレートなどの有機金属化合物やトリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセンなどのアミン類などのウレタン化触媒を用いることも可能である。 【0032】イソシアネート化合物とポリアルキレンオキサイド、及び必要により低分子量ジオール化合物を重合して得られる重合体の分子量はクロロホルムを溶媒として、ゲルパーメーションクロマトグラフで測定したポリスチレン換算分子量で10,000〜500,000の範囲が好ましく、更に好ましくは30,000〜300,000の範囲である。強化材として添加可能なウォラストナイトは、通常天然に存在する天然珪灰石や合成珪灰石を微粉化したもので、この微粉化の過程で細長い針状のものや粒子状(短い棒状)のものが得られる。これらのウォラストナイトは、針状でも粒子状でも、さらにはこれらの併用でも良く、その粒子径は体積平均粒子径で30μm以下である。ウォラストナイトは表面処理されたもの、未表面処理のもの、何れも使用可能である。表面処理剤としては、従来公知のものが使用可能である。 【0033】例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等の各種カップリング処理剤が使用できる。具体的にはN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリスステアロイルチタネート、ジイソプロポキシアンモニウムエチルアセテート、n−ブチルジルコネート等が挙げられる。顔料としては、無機顔料及び有機顔料がある。無機顔料は、樹脂の着色用として一般的に使用されているものをいい、例えば、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、燃成顔料、炭酸塩、燐酸塩、酢酸塩やカーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラツク等をいい、有機顔料は、縮合アゾ系、イソインドリン系、ジスアゾ系、モノアゾ系、アンスラキノン系、複素環系、ペンノン系、キナクリドン系、チオインジコ系、ベリレン系、ジオキサジン系、フタロシアニン系等の顔料である。 【0034】以下、実施例により本発明を詳細に述べる。尚、実施例に記載しているメルトフローレートは、ISO1133(’97)条件Dに準じて測定した。また縫製時の割れ性については、下記の方法により評価・判定した。 (1)割れ性判定:下記判定基準に従った。 ◎印:平板50枚のうち、9割以上が割れなかった○印:平板50枚のうち、8割以上が割れなかった。 ×印:平板50枚のうち、6割以上が割れた【0035】(2)縫製方法:1mm厚の平板(15mm×50mm)とポリエステル製布地を一般家庭用ミシンで縫製し、割れ性を評価した。縫製条件は、下記の通り。 a)使用したミシン:日本シンガー(株)製モナミ NEW EX1748型b)縫製速度:1cm/secc)布地厚さ:1mmd)使用した針の最大径:0.9mmφ【0036】 【実施例1】トリオキサンと立体障害性ヒンダードフェノール系酸化防止剤トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)100ppmを添加した1,3−ジオキソラン(3.5重量%)を共重合し、その後不安定末端処理を行った。得られたポリアセタール樹脂コポリマーの融点とメルトフローレートを測定したところ、融点が163℃、メルトフローレートが30g/10分であった。このポリアセタール樹脂コポリマー100重量部に、ステアリン酸カルシウム0.1部とトリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)0.3重量部、ナイロン6/6重合体0.05重量部、グリセリンモノステアレート0.1重量部をそれぞれ添加し、200℃で造粒し、ペレット化した。これを80℃で5時間乾燥させた後、射出成形機で平板を成形し、布地縫製時の衝撃割れ性の評価を行った。結果を表1に示した。 【0037】 【実施例2〜4、および比較例1】コモノマー量を変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。 【0038】 【実施例5】ポリアセタール樹脂コポリマーの流動性を変えた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。 【0039】 【表1】
【0040】 【発明の効果】本発明のポリアセタール樹脂製ファスナーは、布地縫製時の割れ性が改善される。従来、噛合い務歯列と上下止具及び箱体挿入部には、其々異なる樹脂が使用されている。本発明は、噛合い務歯列と上下止具及び箱体挿入部をポリアセタール樹脂で一体化し、成形加工工程と取付け工程の簡略化を実現するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000033 【氏名又は名称】旭化成株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号
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| 【出願日】 |
平成14年1月31日(2002.1.31) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−219903(P2003−219903A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月5日(2003.8.5) |
| 【出願番号】 |
特願2002−24271(P2002−24271) |
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