| 【発明の名称】 |
バックル装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】森 信二 【住所又は居所】愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内
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| 【要約】 |
【課題】解除ボタン等の解除部材の不用意な移動に起因するタングプレートの保持解除を防止できるバックル装置を得る。
【解決手段】ロック部材270の基部272から支持片284が延出されており、スライダ350が支持片284の突出方向及びその反対方向へスライド可能に支持されている。タングプレート330の保持状態では、スライダ350の下方から解除ボタン290の係合突起300が干渉している。車両走行時の振動等で解除ボタン290が微小に移動すると、スライダ350もまた同様に移動し、係合突起300とスライダ350との相対的な位置関係が変化しないか、変化したとしてもその変化量は極僅かになる。このためスライダ350は、係合突起300による干渉状態が解除されない。これにより、解除ボタン290が微小変位した場合におけるタングプレート330の保持状態を確実に維持できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長尺帯状のウエビングベルトが挿通孔に挿通されたタングプレートを保持するバックル装置であって、前記タングプレートが挿入される装置本体と、前記装置本体に挿入された前記タングプレートに対して接離移動可能に前記装置本体に設けられ、前記タングプレートへ接近することで前記タングプレートに係合して前記装置本体への前記タングプレートの挿入方向とは反対の離脱方向への前記タングプレートの移動を制限するラッチと、前記装置本体内に設けられ、前記装置本体に挿入された前記タングプレートを前記離脱方向へ付勢するイジェクタと、前記タングプレートへの前記ラッチの接近移動に連動して前記ラッチの前記接近移動とは反対側の規制位置へ移動し、当該規制位置で前記ラッチに干渉して前記タングプレートから離間する方向への前記ラッチの移動を制限する規制部材と、前記規制部材へ機械的に連結されると共に、当該機械的連結を維持したまま前記規制部材に対して前記規制位置から前記規制部材が離脱する方向とは異なる所定の方向へ変位可能で且つ前記所定の方向とは異なる方向への変位が前記規制部材によって制限される規制維持部材と、前記規制部材が前記規制位置に移動した状態で前記規制維持部材に干渉して前記規制位置から離脱する方向への前記規制維持部材の変位を制限すると共に、前記規制部材に対する前記規制維持部材の変位方向に沿った解除方向への所定量以上移動で前記規制維持部材への干渉を解除し、且つ、前記規制位置から離脱する方向へ前記規制部材を押圧する解除部材と、を備えることを特徴とするバックル装置。 【請求項2】 前記規制維持部材を前記解除方向とは反対方向へ付勢する付勢手段を備える、ことを特徴とする請求項1記載のバックル装置。 【請求項3】 前記所定方向若しくは前記所定方向の成分を含む方向へ前記装置本体が移動した際の慣性で移動可能な慣性質量体を前記規制維持部材とした、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバックル装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両のシートベルト装置を構成するバックル装置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両の座席に着座した乗員の身体を拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビングベルトは、その長手方向一端が、例えば、座席側方に設けられた巻取装置の巻取軸に係止されており、他端がこの巻取装置の近傍に設けられたアンカプレートに固定されている。また、ウエビングベルトの長手方向中間部は巻取装置の上方、例えば、車両のセンタピラーの上端側に設けられたスルーアンカの挿通孔を貫通して下方側へ折り返されている。 【0003】このスルーアンカでの折り返し部分と他端との間でウエビングベルトはタングプレートに形成された挿通孔を貫通しており、タングプレートを引っ張ることで巻取装置の巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出される。このウエビングベルトの引出状態で座席を介して巻取装置とは反対側に設けられたバックル装置にタングプレートを連結させることで、ウエビングベルトの装着状態となる。 【0004】上記のように、タングプレートが連結されるバックル装置には、いくつかの種類が存在するが、基本的には、タングプレートの挿入口を有する装置本体、装置本体に挿入されたタングプレートに対して接離移動可能で、タングプレートに接近移動することでタングプレートに形成された透孔を貫通するラッチ、タングプレートを装置本体から押し出す方向へ付勢するイジェクタ、及び、装置本体の外部から押圧されることでタングプレートから離間する方向へのラッチの移動を可能にする解除ボタンを備えている。 【0005】また、タングプレートの透孔を貫通したラッチがタングプレートから離間する方向へ移動することで制限する構造にもいくつかの種類がある。その一例としては、タングプレートから離間する方向へのラッチの移動方向側でラッチにストッパを干渉させる構造がある。 【0006】このような構造の場合、ストッパは、ラッチに干渉した状態で解除ボタンから延出されたアーム等によって干渉されており、解除ボタンがストッパに干渉した状態では、ラッチに対するストッパの干渉を解除できない構造となっている。さらに、この種のバックル装置は、解除ボタンが押圧されて移動することにより、解除ボタンのアーム等によるストッパの干渉が解除されると共に、移動する解除ボタンによってストッパが押圧されてラッチに対する干渉を解除する方向へストッパが移動する構造になっている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、解除ボタンは、ストッパの干渉を解除する方向とは略反対方向側へスプリング等により付勢されているが、僅かではあるが車両の振動等でストッパに対する干渉を解除する方向へ移動できる。 【0008】このような車両の振動等による解除ボタンの移動では、基本的にストッパを押圧してラッチに対する干渉を解除する方向へ移動させることはできない。しかしながら、このような場合でも、解除ボタンによるストッパへの干渉が解除される可能性は残るため、バックル装置によるタングプレートの確実な保持という観点から、更なる改良が切望されていた。 【0009】本発明は、上記事実を考慮して、解除ボタン等の解除部材の不用意な移動に起因するタングプレートの保持解除を防止できるバックル装置を得ることが目的である。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明は、長尺帯状のウエビングベルトが挿通孔に挿通されたタングプレートを保持するバックル装置であって、前記タングプレートが挿入される装置本体と、前記装置本体に挿入された前記タングプレートに対して接離移動可能に前記装置本体に設けられ、前記タングプレートへ接近することで前記タングプレートに係合して前記装置本体への前記タングプレートの挿入方向とは反対の離脱方向への前記タングプレートの移動を制限するラッチと、前記装置本体内に設けられ、前記装置本体に挿入された前記タングプレートを前記離脱方向へ付勢するイジェクタと、前記タングプレートへの前記ラッチの接近移動に連動して前記ラッチの前記接近移動とは反対側の規制位置へ移動し、当該規制位置で前記ラッチに干渉して前記タングプレートから離間する方向への前記ラッチの移動を制限する規制部材と、前記規制部材へ機械的に連結されると共に、当該機械的連結を維持したまま前記規制部材に対して前記規制位置から前記規制部材が離脱する方向とは異なる所定の方向へ変位可能で且つ前記所定の方向とは異なる方向への変位が前記規制部材によって制限される規制維持部材と、前記規制部材が前記規制位置に移動した状態で前記規制維持部材に干渉して前記規制位置から離脱する方向への前記規制維持部材の変位を制限すると共に、前記規制部材に対する前記規制維持部材の変位方向に沿った解除方向への所定量以上移動で前記規制維持部材への干渉を解除し、且つ、前記規制位置から離脱する方向へ前記規制部材を押圧する解除部材と、を備えることを特徴としている。 【0011】上記構成のバックル装置では、イジェクタの付勢力に抗してタングプレートが装置本体に挿入されると、ラッチがタングプレートに接近移動して係合する。これにより、装置本体へのタングプレートの挿入方向とは反対の離脱方向へのタングプレートの移動が制限され、本バックル装置にタングプレートが保持される。 【0012】また、ラッチへのタングプレートの接近移動に連動して、規制部材が規制位置に移動してラッチに干渉する。規制位置はタングプレートに係合したラッチに対して、タングプレートへのラッチの接近移動方向とは反対方向の側に位置する。したがって、この規制位置で規制部材がラッチに干渉することでタングプレートから離間する方向、すなわち、タングプレートに対する係合を解除する方向へのラッチの移動が規制部材に規制され、これにより、離脱方向へのタングプレートの移動規制が維持される。 【0013】一方、規制部材には規制維持部材が設けられており、規制位置に規制部材が位置した状態で解除部材が規制維持部材に干渉することにより、ラッチに対する干渉を解除する方向への規制部材の移動が制限される(すなわち、規制部材は規制維持部材を介して間接的に解除部材に干渉される)。 【0014】この状態で、解除部材を解除方向へ所定量以上移動させると、規制維持部材に対する解除部材の干渉が解除されると共に、この移動で解除部材が規制部材を押圧し、規制位置から離脱する方向へ規制部材を移動させる。これによって、ラッチに対する規制部材の干渉が解除され、ラッチはタングプレートから離間できる。この状態でラッチがタングプレートから離間してタングプレートに対するラッチの係合が解除されるイジェクタの付勢力がタングプレートを装置本体から押し出す。 【0015】ところで、本バックル装置では、規制維持部材が規制部材に対して解除方向へ変位可能に規制部材に連結されており、車両走行時における振動等によって規制維持部材に干渉している解除部材が解除方向へ移動しようとすると、規制維持部材も同様に解除方向へ移動する。このように、解除方向への所定量未満の解除部材の移動では、解除部材と規制維持部材の相対的な位置関係が変わらないか、相対的な位置関係が変わっても、その変化量が極僅かである。このため、解除方向への所定量未満の解除部材の移動では解除部材による規制維持部材への干渉が解除されることがない。 【0016】しかも、このように規制維持部材は規制部材に対して解除方向へ変位可能であるが、変位した状態でも規制部材との機械的連結は維持され、更に、解除方向及びその反対方向とは異なる方向に対する規制維持部材の変位は規制部材によって制限される。したがって、上記のように規制維持部材が解除方向へ変位しても、規制位置から離脱する方向への規制部材の移動は規制されたままとなる(すなわち、規制維持部材を介した規制部材に対する解除部材の間接的な干渉は解除されない)。 【0017】これにより、例えば、車両走行中における振動等で、解除部材が解除方向へ移動したとしても、このときの移動量が所定量以上でない限り本バックル装置によるタングプレートの保持が解除されることはなく、不用意なタングプレートの保持解除を防止できる。 【0018】なお、本発明において、規制部材は、単一の部品で構成してもよいし、複数の部品を組み合わせて規制部材としてもよい。 【0019】請求項2記載の本発明は、請求項1記載のバックル装置において、前記規制維持部材を前記解除方向とは反対方向へ付勢する付勢手段を備える、ことを特徴としている。 【0020】上記構成のバックル装置では、解除部材が解除方向へ所定量以上移動して規制部材への解除部材の干渉が解除されると、付勢手段の付勢力が規制維持部材を解除方向とは反対方向へ移動させる。これにより、規制維持部材が元の状態に戻る。 【0021】なお、本バックル装置において、付勢手段は解除方向とは反対方向へ規制維持部材を付勢する構成であればよいが、例えば、付勢手段は規制維持部材と規制部材とを連結する構成としてもよい。 【0022】請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2記載のバックル装置において、前記所定方向若しくは前記所定方向の成分を含む方向へ前記装置本体が移動した際の慣性で移動可能な慣性質量体を前記規制維持部材とした、ことを特徴としている。 【0023】上記構成のバックル装置では、例えば、車両走行中の振動等によって、所定方向若しくは所定方向の成分を含む方向へ装置本体が移動し、このときの慣性で解除部材が移動しようとすると、規制維持部材である慣性質量体が同様に慣性で移動する。このため、解除部材と慣性質量体(規制維持部材)との相対体な位置関係が変化しないか、又は、相対的な位置関係の変化が僅かである。これにより、慣性質量体(規制維持部材)を介した解除部材の規制部材に対する干渉が解除されることはない。 【0024】 【発明の実施の形態】<本実施の形態の構成>図1には本発明の一実施の形態に係るバックル装置210の構造が分解斜視図により示されており、図3には本バックル装置210の構造が断面図により示されている。 【0025】図3に示されるように、バックル装置210はケース214を備えている。ケース214は長手方向両端が開口した箱形の筒状部材とされており、その長手方向一端側の開口はアンカ挿入口216とされ、長手方向他端側の開口はタング挿入口218とされている。また、ケース214の内側には装置本体を構成するベース220が収容されている。 【0026】図1及び図3に示されるように、ベース220はケース214の長手方向に沿って長手とされた平板状の底板222を備えている。底板222の長手方向一端側にはアンカ部材としての略板状のアンカプレート224が重ね合わされており、底板222に形成された透孔226と底板222の長手方向に沿って長手とされたアンカプレート224に形成された透孔228とを貫通するリベット230によって、底板222とアンカプレート224とが機械的に連結されている。アンカプレート224はその他端側が車両の座席の側方で車体(何れも図示省略)に固定されており、これにより本バックル装置210が車両に取り付けられている。 【0027】一方、底板222の幅方向両端部からは底板222の厚さ方向に側壁232が立設されており、側壁232の間にはイジェクタ234が配置されている。イジェクタ234の一部は底板222に形成されたガイド孔236に係合しており、ガイド孔236に沿って底板222の長手方向に所定範囲スライド可能とされている。 【0028】また、図6に示されるように、底板222の長手方向一方の側でのガイド孔236の端部からは、係合突起238が突出形成されており、圧縮コイルスプリング240の一端が係止されている。圧縮コイルスプリング240の他端はイジェクタ234の一端へ圧接されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力によりイジェクタ234は底板222の長手方向他端側へ付勢されている。 【0029】一方、図1及び図3に示されるように、バックル装置210はラッチ250を備えている。ラッチ250は基部252を備えている。ラッチ250の姿勢にもよるが、基部252は概ね両側壁232の対向方向に沿って長手方向で、底板222の長手方向に沿って厚さ方向とされた平板状に形成されている。基部252の長手方向両端部は、両側壁232に形成された支持部としての支持孔254に入り込んでおり、基部252(すなわち、ラッチ250)は支持孔254の内周部に干渉されるまで基部252の長手方向を軸方向として所定角度回動可能に支持されている。 【0030】また、基部252の長手方向中間部側の幅方向一端からは、基部252の幅方向一方へ向けて平板状の連結部256が延出されており、更に、連結部256の基部252とは反対側からは、底板222側へ向けて係合片258が延出されている。 【0031】係合片258の先端部(より詳細に言えば、連結部256との連結部分側とは反対側の端部)は、底板222に形成された貫通孔260に対応しており、ラッチ250が変位することにより、係合片258が貫通孔260に入り込むことができる。 【0032】ラッチ250の係合片258の先端部に対応して上述したイジェクタ234の厚さ方向一方(底板222とは反対側)の面には、載置片262が一体的に設けられている。上述したように、イジェクタ234には圧縮コイルスプリング240の付勢力が作用している。 【0033】但し、基本的に圧縮コイルスプリング240の付勢力以外の外力が作用していない状態での到達位置にイジェクタ234が位置している状態で、概ね、底板222の厚さ方向に沿って係合片258の先端部と対向するように載置片262が設けられており、係合片258の先端部との対向状態で載置片262は係合片258の先端部に干渉して底板222へ接近する方向への係合片258の移動(すなわち、ラッチ250の移動)を規制する。 【0034】また、基部252の長手方向両端側からはストッパ264が延出されている。ストッパ264は、先端側が圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗したイジェクタ234のスライド軌跡上に位置するように形成されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗してイジェクタ234が所定距離スライドすると、イジェクタ234がストッパ264に当接する。 【0035】さらに、ラッチ250の連結部256を介してベース220の底板222とは反対側には規制部材を構成するロック部材270が配置されている。ロック部材270は基部272を備えている。基部272は両側壁232の対向方向に沿って長手方向とされた略角棒状とされている。 【0036】基部272の両端部は両側壁232に形成された係合孔274に入り込んでいる。係合孔274は貫通孔260よりも側壁232の長手方向他端側に形成されており、基部272は自らの長手方向を軸周りに回動可能に側壁232に支持されている。 【0037】また、基部272の長手方向中間部には、略板状の当接部280が形成されている。当接部280は、底板222から離間した状態でのラッチ250の係合片258に対応して形成されており、底板222から離間した状態での係合片258が当接部280に当接する。 【0038】さらに、基部272の長手方向中間部には、細幅板状の被押圧部362が形成されている。被押圧部362は、その幅方向が上述した支持片284の突出方向とは反対方向に対して上方(底板222とは反対側)へ傾斜している。 【0039】また、基部272の長手方向両端側には、一対の支持片284が形成されている。これらの支持片284は、基部272周りのロック部材270の回転姿勢にもよるが、概ね底板222の長手方向に沿って長手とされ、基部272からアンカ挿入口216側へ向けて突出形成された角棒形状とされている。 【0040】これらの支持片284には規制維持部材及び慣性質量体としてのスライダ350が支持されている。図1及び図2に示されるように、スライダ350は、両側壁232の対向方向に沿って長手方向とされた平板状の基部352を備えている。基部352の厚さ方向一方の側(底板222とは反対の上側)には、基部352の長手方向に対向する如く一対の規制壁354が立設されている。 【0041】各規制壁354の互いに対向する側の面とは反対側の面(すなわち、基部352の長手方向外側を向いた面)は規制面とされており、支持片284にスライダ350を支持させた状態では、基部352の長手方向に沿って規制面が支持片284に対向する。 【0042】基部352の長手方向に沿った一方の規制壁354の規制面から他方の規制壁354の規制面までの距離は、基部352の長手方向に沿った一対の支持片284の間隔よりも極僅かに大きい程度とされており、スライダ350が支持片284に対して両側壁232の対向方向に変位しようとすると、支持片284が規制壁354の規制面に干渉してスライダ350の変位を規制する。 【0043】また、基部352の幅方向一端側(アンカ挿入口216側)からは各支持片284に対応して係合片358が立設されている。係合片358は側面視で略L字形状(より詳細には、天地逆になるように回転した略L字形状)に屈曲しており、その一部は基部352の一方の面に略平行な板状の係合部360とされている。 【0044】基部352と係合部360との間隔は、支持片284の厚さ寸法よりも極僅かに大きい程度に形成されており、各支持片284が対応する係合部360と基部352との間に位置し、係合部360が支持片284に支持されることで支持片284にスライダ350が取り付けられる。この状態では、基部352の厚さ方向に沿ってスライダ350が支持片284に対して変位しようとすると、支持片284が係合部360若しくは基部352に干渉してスライダ350の変位を規制する。 【0045】すなわち、図3及び図5に示されるように、支持片284に対して支持片284の突出方向に沿ったスライダ350の変位は可能であるが、その他の方向へのスライダ350の変位は支持片284がこれを規制する。 【0046】さらに、図1及び図2に示されるように、基部352に対応して上述した両側壁232の互いに対向する側の面には、変位規制手段としての規制突起364が形成されている。これらの規制突起364は、支持片284の突出方向に沿ってスライダ350が所定量変位した状態で基部352に係合するように形成されており、規制突起364が基部352に係合(干渉)することで、それ以上のスライダ350の変位を規制する。 【0047】一方、基部352上には、一対のスプリング係止突起366が立設されている。これらのスプリング係止突起366は、各々が略円柱形状に形成されており、上述した一対の規制壁354の間で自らの半径方向に沿って対向する如く形成されている。 【0048】さらに、これらのスプリング係止突起366の間には、略ブロック状のスプリング係合片368が基部352上に形成されている。 【0049】また、基部352上には、特許請求の範囲で言うところの付勢手段としてのスプリング370が設けられている。スプリング370は、平面視でロック部材270の基部272側へ向けて開口した略凹形状の本体372を備えている。本体372は、上述したスプリング係合片368を介して基部272とは反対側からスプリング係合片368に干渉した状態で基部352上に設けられている。 【0050】さらに、本体372の両端部には、同軸のコイル状に巻かれた係止部374が連続して形成されている。本体372を基部352上に配置した状態では、上述したスプリング係止突起366が係止部374を貫通し、これにより、基部352からの不用意なスプリング370の離脱を防止している。 【0051】また、係止部374を介して本体372とは反対側であるスプリング370の両端部は、ロック部材270の基部272を介してスライダ350とは反対側に回り込んで基部272に係合している。これにより、スライダ350がロック部材270から離間するように支持片284に対して変位すると、スプリング370の付勢力がスライダ350を元の位置へ戻そうとする。 【0052】一方、図1及び図3に示されるように、バックル装置210は解除部材としての解除ボタン290を備えている。解除ボタン290は押圧操作(解除操作)用の押圧部292を備えている。押圧部292は押圧面が底板222の長手方向他端側へ向いた板状で、両側壁232の対向方向に沿って長手方向とされている。 【0053】押圧部292の長手方向両端近傍からは底板222の長手方向一端側へ向けて側壁294が延出されている。これらの側壁294は上述した側壁232の対向方向に沿って互いに対向していると共に、底板222とは反対側の端部が上壁296により連結され、全体的には底板222へ向けて開口した凹形状とされている。 【0054】また、上述した上壁296の押圧部292とは反対側の端部は、上述したロック部材270の基部272に形成された被押圧部362に対応しており、基部272周りのロック部材270所定の回動位置では、押圧部292に押圧力が付与された際の解除ボタン290の移動方向に沿って上壁296の端部と被押圧部362とが対向する。 【0055】両側壁294の押圧部292とは反対側の端部からは、それぞれアーム298が側壁294の対向方向に沿って互いに対向するように延出されている。両アーム298の先端部には、他方のアーム298へ向けて係合突起300が形成されており、側壁232に形成されたガイド孔302に入り込んでいる。ガイド孔302は底板222の長手方向に沿って長手の長孔とされている。係合突起300はガイド孔302の内周部によって底板222の長手方向に沿って所定範囲変位可能とされており、これにより、ガイド孔302によって解除ボタン290の移動方向が底板222の長手方向に規制されている。 【0056】また、両アーム298の係合突起300は、図4に示されるように、上述したスライダ350(基部352)へ干渉可能とされており、ロック部材270がその基部272周りに所定角度上方(すなわち、底板222とは反対側)へ回動した状態では、係合突起300スライダ350の基部352の下側(すなわち、底板222側)から干渉する。これにより、基部272周りのスライダ350の下方への回動が規制される。 【0057】一方、押圧部292とロック部材270との間には、ロック部材270と共に規制部材を構成するストッパ310が配置されている。ストッパ310は、側壁294の対向方向に沿って長手方向とされた板状の基部312を備えている。基部312の長手方向両端側には 一対の略扇状のロック片320が形成されている。ロック片320は連結部256(ラッチ250)の幅方向両端部から延出された当接片278に対応しており、図4に示されるように、ロック片320は当接片278に当接している。 【0058】また、図3に示されるように、ストッパ310と解除ボタン290の押圧部292との間には、圧縮コイルスプリング318が配置されており、その一端は押圧部292の押圧面とは反対側へ当接している。これに対して圧縮コイルスプリング318の他端はストッパ310の基部312に当接しており、これによって、ストッパ310を押圧部292から離間させる方向へ付勢している。 【0059】一方、図4に示されるように、上述した側壁232の間には底板222の長手方向他端側からタングプレート330が挿入される。図1に示されるように、タングプレート330は金属板材により形成された基部332を備えている。基部332にはタングプレート330が側壁232の間に挿入された状態で側壁232の対向方向に沿って長手となる挿通孔としてのスリット孔334が形成されており、長尺帯状のウエビングベルト340の長手方向中間部が挿通される。 【0060】ウエビングベルト340はその基端部が図示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止されており、ウエビングベルト340を巻き取る方向へ巻取軸を付勢するための渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力がウエビングベルト340に作用している。 【0061】また、基部332には挿入板部336が形成されている。挿入板部336は幅寸法が側壁232の間隔よりも小さく、実際にはタングプレート330のうち、挿入板部336が側壁232の間に挿入されることになる(図4参照)。 【0062】挿入板部336には厚さ方向に貫通した貫通孔338が形成されており、挿入板部336が側壁232の間で底板222の長手方向一端側の所定位置に達した状態では、上述した係合片258が貫通可能となり、貫通孔338に係合片258が貫通することで、バックル装置210からのタングプレート330の抜き出しが規制されるようになっている。 【0063】<本実施の形態の作用、効果>次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。 【0064】本バックル装置210では図3に示される非装着状態でタングプレート330の挿入板部336をケース214のタング挿入口218から挿入すると、挿入板部336の先端部がイジェクタ234の端部に当接して押圧し、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗してイジェクタ234を底板222の長手方向一端側へスライドさせる。 【0065】イジェクタ234が底板222の長手方向一端側へ所定量スライドすると、イジェクタ234の載置片262とラッチ250の係合片258との対向状態が解除されると共に、イジェクタ234がラッチ250のストッパ264を押圧して、ラッチ250を回動させる。 【0066】これにより、係合片258の先端部が底板222へ接近移動する。また、この状態では、挿入板部336の貫通孔338と、底板222に形成された貫通孔260とが重なり合う。したがって、この状態では図3に示されるように、回動した係合片258が挿入板部336の貫通孔338と底板222の貫通孔260を貫通する。 【0067】また、ラッチ250が回動することで、ラッチ250の係合片258とロック部材270の当接部280との当接状態が解除される。ここで、ロック片320はストッパ310を介して圧縮コイルスプリング318の付勢力を受けるため、ラッチ250の回動に連動するように圧縮コイルスプリング318の付勢力でロック部材270が上方へ回動し、ロック片320がラッチ250の当接片278に当接する。このため、係合片258が底板222から離間する方向へのラッチ250の回動が規制され、これにより、バックル装置210に対するタングプレート330の装着状態となる(図4図示状態)。 【0068】一方、図4に示されるように、ロック部材270に設けられたスライダ350の基部352は、幅方向一端側で底板222へ接近する方向へラッチ250が回動する以前の状態で解除ボタン290のアーム298に形成された係合突起300に干渉しているが、上記のようにラッチ250が回動して圧縮コイルスプリング318の付勢力でロック部材270が回動することで、係合突起300をアンカ挿入口216へ押圧しながらスライダ350が回動する。 【0069】さらに、所定位置までスライダ350が回動することで係合突起300は基部352による干渉が解除されるため、圧縮コイルスプリング318の付勢力で底板222の長手方向他端側(すなわち、タング挿入口218側)へ解除ボタン290が変位する。これにより、係合突起300が下方(底板222側)から基部352に干渉する。 【0070】これにより、スライダ350の下方への回動が係合突起300により規制される。さらに、上述したように、スライダ350は、その基部352、規制壁354、及び係合部360により支持片284の突出方向及びその反対方向以外の方向への変位が規制されていることから、スライダ350の回動が規制されることでロック部材270の下方への回動が間接的に係合突起300により規制される。したがって、係合突起300によるスライダ350の回動規制を解除しない限り、ロック部材270を回動させることはできず、更には、ラッチ250の当接片278に対するロック片320の当接状態を解除できない。 【0071】一方、このような当接片278に対するロック片320の当接状態で、圧縮コイルスプリング318の付勢力に抗して解除ボタン290の押圧部292を押圧して、解除ボタン290をケース214の内側へ所定量以上押し込むと、係合突起300と基部352との対向状態が解除されてスライダ350の回動規制が解除される。さらに、解除ボタン290を押し込むことで解除ボタン290の上壁296の端部が被押圧部362を押圧する。これにより、支持片284は底板222へ接近する方向へロック部材270が基部272周りに回動する。また、このようにロック部材270が基部272周りに回動することで、基部272に押圧されたストッパ310が回動し、これにより、ラッチ250の当接片278に対するロック片320の当接状態が解除される。 【0072】また、解除ボタン290を押し込むことで解除ボタン290の一部がラッチ250に干渉し、解除ボタン290によってラッチ250が押し上げられる。これにより、係合片258が底板222の貫通孔260及び挿入板部336の貫通孔338から抜け出る。この状態では、基本的にタングプレート330の挿入方向とは反対の離脱方向への移動が規制されていないため、イジェクタ234を介した圧縮コイルスプリング240の付勢力で、タングプレート330がケース214から抜け出る。これにより、バックル装置210に対するタングプレート330の装着解除状態となる。 【0073】ところで、バックル装置210に対するタングプレート330の装着状態で、車両走行中の振動等が解除ボタン290に作用すると、押圧力を付与していないにも関わらず解除ボタン290がケース214内へ僅かに移動することがある。 【0074】ここで、図5に示されるように、本バックル装置210では、係合突起300が下方から干渉するスライダ350は、支持片284に対してその突出方向へ変位可能であるため、上記の振動時の慣性で基部352(すなわち、スライダ350)が解除ボタン290と同様に変位する。 【0075】上述したように、支持片284に対するスライダ350の変位方向は、基本的に支持片284の突出方向及びその反対方向のみとされ、それ以外の方向の変位は規制される。このため、このようにスライダ350が変位した状態であっても、スライダ350が支持片284に支持されることで、ロック部材270の回動がスライダ350を介して係合突起300に規制される。したがって、この状態であってもバックル装置210に対するタングプレート330の装着状態を確実に維持できる。 【0076】さらに、上記のように、通常の解除操作(解除ボタン290の押圧操作)では、所定量以上係合突起300が移動するが、この場合には、上記の振動とは異なって基本的にスライダ350が慣性で移動することはなく、解除ボタン290だけが押圧力で移動する。したがって、上述した解除が円滑に行なわれる。 【0077】また、上記の振動時や係合突起300との摩擦等によって、スライダ350が所定量変位すると、両側壁232に形成された規制突起364がスライダ350の基部352に干渉し、それ以上の基部352の変位を規制する。これにより、スライダ350と支持片284との機械的な連結が不用意に解除されることはない。しかも、スプリング370の付勢力がスライダ350を元の位置に戻す。このため、スライダ350と支持片284との機械的な連結を維持できる。 【0078】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るバックル装置では、不用意なタングプレートの保持解除を防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003551 【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所 【住所又は居所】愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月14日(2001.12.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079049 【弁理士】 【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−180408(P2003−180408A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月2日(2003.7.2) |
| 【出願番号】 |
特願2001−380940(P2001−380940) |
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