| 【発明の名称】 |
合成樹脂製クリップ |
| 【発明者】 |
【氏名】丹羽 健二 【住所又は居所】愛知県名古屋市中区栄5丁目18番11号 株式会社丸善製作所内
|
| 【要約】 |
【課題】被挟持体を奥の方まで挿入可能であり、また、バネ部材を一体形成して部品点数及び組付け工数を低減して安価な合成樹脂製クリップを提供できるようにすること。
【解決手段】先端部に挟持部Bを形成し、後端部に押圧操作部41dを形成した一対の合成樹脂製のクリップ片41,42と、この一対のクリップ片41,42間に配置された略U字形のバネ部材43から成る合成樹脂製のクリップ40において、一対のクリップ片41,42の少なくとも一方のクリップ片41の裏面側に形成した挿し込み孔41bに対し、前記バネ部材43の湾曲部43cが後端側に向くように、このバネ部材43の挿し込み部43aが挿し込み係止されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 先端部に挟持部を形成し、後端部に押圧操作部を形成した一対の合成樹脂製のクリップ片と、該一対のクリップ片間に配置された略U字形のバネ部材から成る合成樹脂製のクリップであって、前記一対のクリップ片の少なくとも一方のクリップ片の裏面側に形成した挿し込み孔に対し、前記バネ部材の湾曲部が後端側に向くように、該バネ部材の挿し込み部が挿し込み係止されていることを特徴とする合成樹脂製クリップ。 【請求項2】 前記一対のクリップ片の他方のクリップ片の裏面側に形成した挿し込み孔に対し、前記バネ部材のもう一方の挿し込み部が挿し込み係止されている請求項1に記載の合成樹脂製クリップ。 【請求項3】 前記一対のクリップ片の他方のクリップ片と前記バネ部材とが合成樹脂で一体に形成されている請求項1に記載の合成樹脂製クリップ。 【請求項4】 前記一対のクリップ片と前記バネ部材との接触拡開支点より後端側に空間領域が形成されている請求項1ないし3の何れかに記載の合成樹脂製クリップ。 【請求項5】 前記空間領域は、前記接触拡開支点より後方に向けてクリップ片の厚さが薄くなるように形成されている請求項4に記載の合成樹脂製クリップ。 【請求項6】 先端部の裏側に挟持部を形成し、略中央部の裏側に挿し込み孔を形成するとともに、後端部の表側に押圧操作面を形成した合成樹脂製のクリップ片と、前記クリップ片の挟持部に対向する挟持部を先端部の裏側に形成し、該挟持部から後方に向かって延長させた可撓部を形成して、該可撓部の後端から略横U字形に湾曲させたバネ部を設け、該バネ部の湾曲部から先端方に延長させた延長端部の裏側に抜け止め係合片を設けた挿し込み部を形成するとともに、後端部の表側に操作保持面を形成した合成樹脂製のクリップ本体とからなり、前記クリップ片の挿し込み孔に、クリップ本体のバネ部の湾曲部から延長させた挿し込み部を挿し込んで、バネ部の弾力により前記各挟持部どうしを接離可能に当接させるとともに、挿し込み部の端部の抜け止め係合片を、前記挿し込み孔の孔縁に係合可能に対応させたことを特徴とする合成樹脂製クリップ。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、バネ力により一対のクリップ片の各挟持部で被挟持体を挟み、各挟持部をバネ力に抗して離間させることで、被挟持体への挟持状態を開放する合成樹脂製クリップに関する。 【0002】 【従来の技術】図6は従来の合成樹脂製クリップの側面図であって、合成樹脂製クリップ01は、先端部02a,03aに挟持部を有する一対の合成樹脂製クリップ片02,03と、被挟持体を弾力的に挟持するためのバネ04とから成り、一対のクリップ片02,03が被挟持体に対して接離可能とするために枢着部05を有していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の合成樹脂製クリップ1はバネ04より挟持部側に枢着部05が存在するために、被挟持体が枢着部05のところでつかえてしまいそれ以上奥には挿入できなかった。本発明は上記に鑑みてなされたもので、被挟持体を奥の方まで挿入可能であり、また、バネ部材を一体形成して部品点数及び組付け工数を低減して安価な合成樹脂製クリップをも必要により提供できるようにしたことを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の合成樹脂製クリップは、先端部に挟持部を形成し、後端部に押圧操作部を形成した一対の合成樹脂製のクリップ片と、該一対のクリップ片間に配置された略U字形のバネ部材から成る合成樹脂製のクリップであって、前記一対のクリップ片の少なくとも一方のクリップ片の裏面側に形成した挿し込み孔に対し、前記バネ部材の湾曲部が後端側に向くように、該バネ部材の挿し込み部が挿し込み係止されていることを特徴としている。この特徴によれば、クリップ片の枢着部等により邪魔されるおそれがなく、しかもバネ部材の湾曲部が後端側に向くように取り付けられているため、被挟持体を奥の方まで挿入可能である。 【0005】本発明の合成樹脂製クリップは、前記一対のクリップ片の他方のクリップ片の裏面側に形成した挿し込み孔に対し、前記バネ部材のもう一方の挿し込み部が挿し込み係止されていることが好ましい。このようにすれば、バネ部材の2つの挿し込み部を双方のクリップ片の挿し込み孔に挿し込むだけで容易にクリップを組付けることができる。 【0006】本発明の合成樹脂製クリップは、前記一対のクリップ片の他方のクリップ片と前記バネ部材とが合成樹脂で一体に形成されていることが好ましい。このようにすれば、部品点数及び組付け工数を低減して安価な合成樹脂製クリップを提供することができる。 【0007】本発明の合成樹脂製クリップは、前記一対のクリップ片と前記バネ部材との接触拡開支点より後端側に空間領域が形成されていることが好ましい。このようにすれば、空間領域の存在によりゴミ等が外部に逃げ易いので、接触拡開支点近傍にゴミが付着してクリップ片の回動を阻害したりする恐れがない。 【0008】本発明の合成樹脂製クリップは、前記空間領域は、前記接触拡開支点より後方に向けてクリップ片の厚さが薄くなるように形成されていることが好ましい。このようにすれば、空間領域を容易に形成することができる。 【0009】更に、上記目的を達成するための本発明の合成樹脂製クリップは、先端部の裏側に挟持部を形成し、略中央部の裏側に挿し込み孔を形成するとともに、後端部の表側に押圧操作面を形成した合成樹脂製のクリップ片と、前記クリップ片の挟持部に対向する挟持部を先端部の裏側に形成し、該挟持部から後方に向かって延長させた可撓部を形成して、該可撓部の後端から略横U字形に湾曲させたバネ部を設け、該バネ部の湾曲部から先端方に延長させた延長端部の裏側に抜け止め係合片を設けた挿し込み部を形成するとともに、後端部の表側に操作保持面を形成した合成樹脂製のクリップ本体とからなり、前記クリップ片の挿し込み孔に、クリップ本体のバネ部の湾曲部から延長させた挿し込み部を挿し込んで、バネ部の弾力により前記各挟持部どうしを接離可能に当接させるとともに、挿し込み部の端部の抜け止め係合片を、前記挿し込み孔の孔縁に係合可能に対応させたことを特徴とする。 【0010】上記構成の合成樹脂製クリップは、クリップ片の挿し込み孔に、クリップ本体のバネ部の湾曲部から延長させた挿し込み部を挿し込むと、該挿し込み部がバネ部の弾力に抗して少し広がりながら嵌まるとともに、該バネ部の弾力により各挟持部どうしが接離可能に当接し、さらに挿し込み部の端部の抜け止め係合片が挿し込み孔の孔縁に係合可能に対応する。従って、クリップ本体からクリップ片が抜け外れることがない。クリップ本体の操作保持面を保持しながら、クリップ片の押圧操作面を押圧すると、可撓部が撓むとともにバネ部の湾曲部から延長させた挿し込み部がバネ部の弾力に抗して開き、当接したクリップ片とクリップ本体の先端の挟持部どうしが拡開する。何れも合成樹脂製のクリップ片とバネ部材を一体形成したクリップ本体とから構成したもので、部品点数及び組付け工数を低減した安価な合成樹脂製クリップを提供することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態について添付図面1ないし図4を参照して説明する。図1はクリップ片1の断面図、図2はクリップ本体21の断面図、図3は合成樹脂製クリップCの一部切欠正面図、図4は合成樹脂製クリップCの挟持部3,23を拡開した状態の断面図である。 【0012】図1に示すようにクリップ片1は合成樹脂製の一体成形品であって、先端部2の裏側に挟持部3が形成され、該挟持部3に後述するクリップ本体21の嵌合凹部24に嵌まる挟持歯4が形成されている。クリップ片1の裏側の左右両端部には、後端から先端にかけて側壁5,5が形成され、該側壁5,5により挿し込み溝6が形成されている。該挿し込み溝6の挿し込み方向の端部には、ストッパ壁7が形成されている。側壁5,5は略中央部において、橋絡壁8により橋絡され後方からストッパ壁7に向かって挿し込み孔9が形成されている。また、クリップ片1の後端部の表側には、滑り止め突条10を設けた押圧操作面11が形成されている。 【0013】図2に示すようにクリップ本体21は合成樹脂製の一体成形品であって、先端部22の裏側に前記クリップ片1の挟持部3に対向する挟持部23が形成されている。該挟持部23には、クリップ片1の挟持歯4が嵌まる嵌合凹部24が形成されている。クリップ本体21の裏側には、挟持部3から後方の左右両端部に側壁25,25が形成され、該側壁25,25により溝部26が形成されている。 【0014】該挟持部23には、該嵌合凹部24の後側から溝部26と平行に後方に向かって延長させた可撓部27が形成されている。該可撓部27の後端からは略横U字形に湾曲させたバネ部28が一体に設けられている。該バネ部28の湾曲部28aは先端方に少し下方に延長させるとともに、その延長端部の裏側に抜け止め係合片29を設けた挿し込み部30が形成されている。また、クリップ本体21の後端部の表側を外側に傾斜させた操作保持面31が形成されている。該操作保持面31に連続する後部には、ベルトや紐等を側部から装着可能な装着部32が形成されている。 【0015】図3及び図4に示すように合成樹脂製クリップCは、クリップ片1の挿し込み孔9に、クリップ本体21のバネ部28の湾曲部28aから延長させた挿し込み部30を湾曲部28aが後方に向くように挿し込むだけで製作できる。 【0016】挿し込み部30を挿し込むと、該挿し込み部30がバネ部28の弾力に抗して少し広がりながら挿し込み孔9に嵌まり、該バネ部28の弾力により挟持部3,23どうしが接離可能に当接する。さらに挿し込み部30の端部の抜け止め係合片29が挿し込み孔9の孔縁9aに係合可能に対応する。従って、クリップ本体21からクリップ片1が抜け外れることがない。 【0017】クリップ本体21の操作保持面31を保持しながら、クリップ片1の押圧操作面11を押圧すると、可撓部27が撓むとともに、バネ部28の湾曲部28aから延長させた挿し込み部30がバネ部28の弾力に抗して開き、当接したクリップ片1の先端部2の挟持部3とクリップ本体21の先端部22の挟持部23どうしが、バネ部28の弾力に抗して拡開する(図4)。クリップ片1の方を押圧操作面11とし、クリップ本体21の方を操作保持面31としているが、クリップ片1の方を操作保持面とし、クリップ本体21の方を押圧操作面としてもよく、これら双方の面を総称して押圧操作部と呼ぶ。 【0018】また、図4に示すように、挿し込み部30とクリップ片1との接触線は、クリップ片1の先端部を拡開する時の支点となっており、この接触拡開支点Pより後方のクリップ片1とバネ部28との間は、積極的に空間領域が形成されるように構成されている。そのために、クリップ片1裏面の接触拡開支点Pより後方に向けて厚さが薄くなるようにテーパ状に形成されている(図1参照)。このように構成することによりクリップ片1の回動を円滑にし、且つ埃等が接触拡開支点P近傍に噛み込んでクリップ片1の回動がロックすることがないよう、埃が外部に逃げ易くなっている。なお、空間領域をクリップ片1に形成するのに、テーパ状とするだけでなく、例えば接触拡開支点P近傍に窪み部を設けるようにしてもよい。 【0019】上記したようにバネ部28を一体形成した合成樹脂製のクリップ本体21と、合成樹脂製のクリップ片1とから構成した合成樹脂製クリップCは、部品点数及び組付け工数を低減して安価に提供することができる。しかもクリップ片1とクリップ本体21はバネ部28のみで連結されているので、従来のクリップの如く枢着部に邪魔されることなく、被挟持体挿入領域A(図4)はバネ部28の湾曲部28aのところまで利用可能である。 【0020】図5は本発明の第2の実施形態のクリップの断面図で、(a)は挟持部が閉じた状態を示し、(b)は挟持部が開放された状態を示している。本第2実施形態のものは、第1の実施形態のものに比べ、被挟持体挿入領域がバネ部材があるところまで利用可能である点で共通するが、部品点数が一対のクリップ片とバネ片の3点ある点で異なっている。 【0021】図5(a)において、クリップ40は第1のクリップ片41と第2のクリップ片42と略U字形のバネ部材43とで構成され、略U字形バネ部材43の両側の一対の挿し込み部43a、43aが、挟持歯41cと嵌合凹部42cとで構成される挟持部Bに向かって第1及び第2のクリップ片41、42の挿し込み溝41a,42aより挿し込み孔41b、42b内に挿し込まれ、湾曲部43Cは後方に向かって配置されることになる。 【0022】バネ部材43の先端の抜け止め係合片43b、43bが挿し込み孔41b、42bの端縁41b’,42b’と係合することで両クリップ片41,42がバネ部材43から外れないようになっている。 【0023】この挟持状態においては、第1のクリップ片41の先端に形成されている挟持歯41cが第2クリップ片42の嵌合凹部42cに嵌入している。被挟持体挿入領域Aは、挟持歯41cと嵌合凹部42cとで構成される挟持部Bよりバネ部材43の湾曲部43cに至るまであり、被挟持体を奥深く挿入することができる。 【0024】第2クリップ片42の前方部には、紐等を挿通してクリップ40を保持できる装着部45が形成されており、また、両クリップ片41,42の後端側は挟持部Bを開放するための押圧操作面41d、42dを有する押圧操作部が形成されている。この装着部45は第1クリップ片41の方に設けるようにしてもよい。 【0025】押圧操作面41d、42dを押圧操作すると、両クリップ片41,42とバネ部材43との接触拡開支点P、P’が拡開の中心線となって、図5(b)に示すように、両クリップ片41,42はバネ力に抗して拡開し、挟持部Bが開放する。 【0026】本実施例においても、クリップ片41,42裏面の接触拡開支点P、P’より後方に向けてクリップ片の厚さが薄くなるようにテーパ状に形成され、クリップ片41,42の回動を円滑にし、且つゴミ等が接触拡開支点P、P’近傍に噛み込んでクリップ片41、42の回動がロックすることがないよう、ゴミが外部に逃げ易くなっている。 【0027】このように本発明の第2実施形態のクリップは、一対のクリップ片41,42と略U字形のバネ部材43とで構成され、略U字形のバネ部材43の両側の挿し込み部43aを、バネ部材43の湾曲部43cが後方に向くように、それぞれのクリップ片41,42に形成した挿し込み孔41b、42bに挿し込むことにより、挟持部Bとバネ部材43の湾曲部43cまでの距離、即ち被挟持体の挿入領域Aを長くとれるようにしたものである。また、この第2実施形態で用いられているバネ部材の材質は特に限定されるのもではなく、合成樹脂製のものに限らず、金属製のものであってもよい。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591070831 【氏名又は名称】株式会社丸善製作所 【住所又は居所】愛知県名古屋市中区栄5丁目18番11号
|
| 【出願日】 |
平成14年3月7日(2002.3.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099357 【弁理士】 【氏名又は名称】日高 一樹 (外3名)
|
| 【公開番号】 |
特開2003−88406(P2003−88406A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月25日(2003.3.25) |
| 【出願番号】 |
特願2002−62555(P2002−62555) |
|