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【発明の名称】 鋲付き運動靴の鋲構造
【発明者】 【氏名】佐藤 光男

【要約】 【課題】比較的固い材質でロックの手応えが得られ、回し過ぎによる破損及び不十分なロックを回避できる構造簡単な鋲付き運動靴の樹脂製鋲構造を得る。

【解決手段】鋲部材7の連結部10を、外周面に半径方向外方に一体に突出する少なくとも1個の係止突起9を設けた中空円筒形状の環状壁部10とし、係止突起9のほぼ中間部に設けた切欠き11によりロック方向側の第1突起9Aと、ロック方向とは反対側の第2突起9Bとに分割し、第1突起9Aにカム面12を設ける。鋲受け部材1には、導入溝孔4と、案内面5と、棚状底面6と、逆回転阻止リブ13と、カム作用リブ14とを設ける。鋲受け部材1に対して鋲部材7を回転する際に、カム作用リブ14は第1突起9Aを介して環状壁部10を半径方向内方に弾性的に押圧変形させ、通過後に環状壁部10の復帰とともに第1突起9Aが切欠き11に嵌合してロックを生ずる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半径方向に拡大して靴底材料に固定されるフランジ部、中心部の底面に形成した導入溝孔、及び前記導入溝孔の軸線方向に延在する内壁に設けた係止窪みを有する鋲受け部材と、底面に少なくとも1個の鋲を支持する鋲支持部、及び前記鋲支持部の頂面から軸線方向に突出し、突出した端部に前記鋲受け部材の導入溝孔に適合する輪郭の係止突起を設けた連結部を有する鋲部材とを具え、前記鋲部材の連結部を前記導入溝孔に軸線方向に導入した後、連結部の軸線の周りに回転することにより前記係止突起が係止窪みに嵌合して前記鋲部材を前記鋲受け部材にロックする鋲付き運動靴の樹脂製鋲構造において、前記鋲部材の連結部を、前記鋲支持部の頂面から軸線方向に一体に突出する中空円筒形状の環状壁部と、この環状壁部の軸線方向遊端における外周面で半径方向外方に一体に突出する少なくとも1個の係止突起とにより構成し、前記係止突起のほぼ中間部に設けた切欠きによって、前記係止突起をロック方向側の第1突起と、ロック方向とは反対側の第2突起とに分割し、前記切欠き側とは反対側の側面を前記環状壁部の外周面に向かって緩やかな勾配をなすカム面を設け、前記鋲受け部材には、前記係止突起付きの環状壁部を導入する導入溝孔と、前記鋲部材の連結部をロック方向に回転するとき前記係止突起の先端を周方向に案内する案内面と、前記連結部の回転の際に前記係止突起の背面が摺動するとともに係止突起の軸線方向の抜けを阻止する棚状底面と、前記鋲部材の連結部の前記導入溝孔に導入後ロック方向とは逆方向の回転の際に前記第2突起の側面に掛合して逆方向回転を阻止するよう前記案内面から半径方向内方に突出する逆回転阻止リブと、前記鋲部材の連結部をロック方向に回転するとき前記第1突起のカム面が掛合するカム作用リブであって、第1突起を介して環状壁部を半径方向内方に弾性的に押圧変形させるとともに前記切欠きに嵌合するよう前記案内面に突設したカム作用リブとを設けたことを特徴とする鋲付き運動靴の鋲構造。
【請求項2】 前記環状壁部の軸線方向遊端における外周面に互いに直径方向に対向する部分で半径方向外方に一体に突出する1対の係止突起を設けた請求項1記載の鋲付き運動靴の鋲構造。
【請求項3】 前記係止突起の第1突起を第2突起よりも半径方向の突出量を僅かに少ない突出量とした請求項1又は2記載の鋲付き運動靴の鋲構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半径方向に拡大して靴底材料に固定されるフランジ部、中心部の底面に形成した導入溝孔、及び前記導入溝孔の軸線方向に延在する内壁に設けた係止窪みを有する鋲受け部材と、底面に少なくとも1個の鋲を支持する鋲支持部、及び前記鋲支持部の頂面から軸線方向に突出し、突出した端部に前記鋲受け部材の導入溝孔に適合する輪郭の係止突起を設けた連結部を有する鋲部材とを具え、前記鋲部材の連結部を前記導入溝孔に軸線方向に導入した後、連結部の軸線の周りに回転することによって前記係止突起が係止窪みに嵌合して前記鋲部材を前記鋲受け部材にロックする鋲付き運動靴の樹脂製鋲構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鋲付き運動靴の樹脂製の鋲構造は、鋲部材の連結部を円柱体とし、この円柱体の先端の近傍で周面から半径方向外方に突出する少なくとも1個のピン状又はカム状の係止突起を設ける。鋲受け部材には、鋲部材の突起付き円柱体である連結部を軸線方向に導入する導入溝孔を設け、またこの導入溝孔の軸線方向に延在する内壁には連結部の周方向のロック方向回転を可能にするよう係止突起を周方向に案内する周方向案内溝と、この周方向案内溝に係止突起のロック方向回転に抵抗を与えて係止突起を弾性変形させるカム面とを設ける。係止突起が変形してカム面を通過した後、周方向案内溝の最終部分の係止窪みで元の形状に弾発的に復元することにより鋲部材が鋲受け部材にロックされるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の樹脂製の鋲構造では、鋲部材の連結部における係止突起自体が鋲受け部材の導入溝孔に連続する周方向案内溝のカム面で弾性変形する構成であるため、係止突起が変形する際に係止突起自体に大きな応力が加わり、損傷を受け易く、破損する恐れがある。
【0004】また、係止突起を変形し易くするために柔らかい材質の樹脂を使用すると、係止窪みに嵌まっても、嵌まったか否かを認識できず、鋲部材を回しすぎてやはり破損を生ずる危険性がある。
【0005】更に、僅かな変形量で済まそうとすると、取り付けが不完全であったり、外れ易かったりする。
【0006】従って、本発明の目的は、係止突起自体が変形することなく、また柔らかい材質の樹脂を使用することなく、確実に係止窪みにスナップ嵌合し、この嵌合を認識できる連結部を有する構造簡単な鋲付き運動靴の鋲構造を得るにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明鋲付き運動靴の樹脂製鋲構造は、前記鋲部材の連結部を、前記鋲支持部の頂面から軸線方向に一体に突出する中空円筒形状の環状壁部と、この環状壁部の軸線方向遊端における外周面で半径方向外方に一体に突出する少なくとも1個の係止突起とにより構成し、前記係止突起のほぼ中間部に設けた切欠きによって、前記係止突起をロック方向側の第1突起と、ロック方向とは反対側の第2突起とに分割し、前記切欠き側とは反対側の側面を前記環状壁部の外周面に向かって緩やかな勾配をなすカム面を設け、前記鋲受け部材には、前記係止突起付きの環状壁部を導入する導入溝孔と、前記鋲部材の連結部をロック方向に回転するとき前記係止突起の先端を周方向に案内する案内面と、前記連結部のロック方向回転の際に前記係止突起の背面が摺動するとともに係止突起の軸線方向の抜けを阻止する棚状底面と、前記鋲部材の連結部の前記導入溝孔に導入後ロック方向とは逆方向の回転の際に前記第2突起の側面に掛合して逆方向回転を阻止するよう前記案内面から半径方向内方に突出する逆回転阻止リブと、前記鋲部材の連結部をロック方向に回転するとき前記第1突起のカム面が掛合するカム作用リブであって、前記第1突起を介して環状壁部を半径方向内方に弾性的に押圧変形させるとともに前記切欠きに嵌合するよう前記案内面に突設したカム作用リブとを設けたことを特徴とする。
【0008】本発明によれば、鋲部材の連結部を鋲受け部材の導入溝孔に軸線方向に導入した後、連結部の係止突起の先端及び背面を導入溝孔の内壁に設けた周方向に延在する案内面及び棚状底面に沿ってロック方向に回転する。係止突起の第1突起のカム面が案内面に突設したカム作用リブを通過するとき、このカム作用リブは第1突起を介して、鋲部材の連結部である環状壁部を半径方向内方に弾性的に押圧変形させる。第1突起がカム作用リブを通過した後には、鋲部材の連結部である環状壁部は元の形状に弾発的に復元するとともに、カム作用リブは第1突起と第2突起との間の切欠きにスナップ嵌合してロックを生じ、鋲受け部材と鋲部材との間に緩みのない連結を生ずる。本発明によれば、棚状底面における逆回転阻止リブとカム作用リブとの間の空間が第1係止突起のための係止窪みをなす。
【0009】このスナップ嵌合は作業する人にロックの手応えを与え、回し過ぎをなくすことができるとともに、不十分な回しによる脱落を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、図面につき本発明の好適な実施の形態を示す。
【0011】図1は、第1の発明の好適な実施の形態を示す。この実施の形態においては、樹脂製の鋲受け部材1には、半径方向に拡大して靴底材料に固定されるフランジ部2と、中心部3の底面3Aに形成した導入溝孔4と、及び導入溝孔4の軸線方向に延在する内壁から周方向に延在する案内面5と、この案内面に沿って半径方向内方に突出する棚状底面6とを設ける。 更に、鋲受け部材1には、図面で見て上側を図示しないカバープレートによってカバーする。
【0012】図2に示すように、樹脂製の鋲部材7には、底面に少なくとも1個の鋲(図示せず)を支持する鋲支持部8と、鋲支持部8の頂面から軸線方向に突出し、突出した端部に鋲受け部材1の導入溝孔4に適合する輪郭の少なくとも1個の係止突起9を設けた連結部10とを設ける。本発明によれば、この連結部10を鋲支持部の頂面から軸線方向に一体に突出する中空円筒形状の環状壁部10により構成し、この連結部である環状壁部10は内壁10A及び底壁10Bを有する。
【0013】図示の実施の形態では、環状壁部10の軸線方向遊端における外周面に互いに直径方向に対向する部分で半径方向外方に一体に突出する1対の係止突起9を設け、係止突起9の第1突起9Aは第2突起9Bよりも半径方向の突出量を僅かに少なくする。
【0014】係止突起9のほぼ中間部に切欠き11を設け、係止突起9をロック方向側の第1突起9Aと、ロック方向とは反対側の第2突起9Bとに分割する。第1突起9Aの切欠き11側とは反対側の側面を環状壁部10の外周面に向かって緩やかな勾配をなすカム面12を設ける。
【0015】鋲部材7の連結部10を鋲受け部材1の導入溝孔4に導入するとき、鋲部材7の連結部10の第2突起9Bに隣接する逆回転阻止リブ13を案内面5から半径方向内方に突出させて設ける。これにより、連結部10をロック方向とは逆方向に回転しようとすると、第2突起9Bがこの逆回転阻止リブ13に掛合してロック方向とは逆方向の回転を阻止する。
【0016】鋲部材の連結部をロック方向に若干の角度にわたり回転するとき第1突起9Aのカム面12が掛合するカム作用リブ14を案内面5から半径方向内方に突出するよう設ける。第1突起9Aのカム面12がカム作用リブ14に掛合し、若干の抵抗に抗してこのカム作用リブ14を通過するするとき、第1突起9Aを介して環状壁部10を半径方向内方に弾性的に押圧変形させる。
【0017】カム面12がカム作用リブ14を通過した後、環状壁部10の半径方向内方の変形は元の形状に弾発的に復帰するとともに、第1突起9Aが切欠き11に嵌合してロックを生ずる。このロックには取付作業者に手応えを感じさせるとともに、第1突起9Aが切欠き11に嵌合した後にはロック方向の回転も逆方向の回転も不可能になるので、取付作業者はロック状態を確認することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明鋲付き運動靴の樹脂製鋲構造によれば、従来のように係止突起自体の弾性変形ではなく、係止突起を設けた環状壁部の弾性変形であるため、係止突起を変形し易くするために柔らかい材質の樹脂を使用することなく、従って、取付作業者はロックの確かな手応えを感ずることができるようになり、回し過ぎによる破損や不十分なロックを回避することができる。
【出願人】 【識別番号】597008968
【氏名又は名称】有限会社 佐藤製作所
【出願日】 平成14年2月19日(2002.2.19)
【代理人】 【識別番号】100081307
【弁理士】
【氏名又は名称】仁平 孝
【公開番号】 特開2003−235609(P2003−235609A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2002−41947(P2002−41947)