トップ :: A 生活必需品 :: A43 履物




【発明の名称】 鋲付き運動靴の鋲構造
【発明者】 【氏名】佐藤 光男

【氏名】三島 圭貴

【要約】 【課題】構造簡単であって、強い衝撃や、ねじり応力が加わっても緩むことがない鋲付き運動靴の鋲構造を得る。

【解決手段】少なくとも筒状ナット部2を有して周面が靴底材料に埋設されて固定される鋲受け部材1と、鋲受け部材1の筒状ナット部2の雌ねじ孔2Aに螺合する雄ねじ部5、及びこの雄ねじ部5とは反対方向に突出する少なくとも1個の鋲6Aを支持する鋲支持部6を設けた鋲部材4とよりなる鋲付き運動靴の鋲構造において、鋲受け部材1の筒状ナット部2の雌ねじ孔2Aの奥底面を底面として軸線方向外方に隆起する錘状突起2Bを設け、鋲部材4の雄ねじ部5の先端に、錘状突起2Bの高さにほぼ等しい高さを有しかつ雌ねじ孔2Aに嵌合する冠状突起7を設ける。雄ねじ部5と筒状ナット部2とのねじ付けの際に、冠状突起7が錘状突起2Bにより自動的にカシメられ、緩みのない連結を生ずる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも筒状ナット部を有し、この筒状ナット部の周面が靴底材料に埋設されて固定される鋲受け部材と、前記鋲受け部材の筒状ナット部の雌ねじ孔に螺合する雄ねじ部、及びこの雄ねじ部とは反対方向に突出する少なくとも1個の鋲を支持する鋲支持部を設けた鋲部材とよりなる鋲付き運動靴の鋲構造において、前記鋲受け部材の筒状ナット部の雌ねじ孔の奥底面を底面として軸線方向外方に隆起する錘状突起を設け、前記鋲部材の雄ねじ部の先端に、前記錘状突起の高さにほぼ等しい高さを有しかつ前記雌ねじ孔に嵌合する冠状突起を設けたことを特徴とする鋲付き運動靴の鋲構造。
【請求項2】 少なくとも筒状ナット部を有し、この筒状ナット部の周面が靴底材料に埋設されて固定される鋲受け部材と、前記鋲受け部材の筒状ナット部の雌ねじ孔に螺合する雄ねじ部、及びこの雄ねじ部とは反対方向に突出する少なくとも1個の鋲を支持する鋲支持部を設けた鋲部材とよりなる鋲付き運動靴の鋲構造において、前記鋲部材の雄ねじ部の基端に半径方向外方に突出するフランジ部を設け、このフランジ部から軸線方向に前記雄ねじ部の基端の周囲に片持ち状に僅かに曲げ出した少なくとも1個の条片を設け、前記条片の片持ち基端を雄ねじ部の回転の先行側とし、条片の遊端を雄ねじ部の回転の後尾側とし、前記鋲受け部材の筒状ナット部の端面に、この端面の平面にほぼ直交する段差壁部を生ずる切欠きを少なくとも1個設け、切欠きの周方向の長さは前記条片の周方向の長さにほぼ対応するものとしたことを特徴とする鋲付き運動靴の鋲構造。
【請求項3】 前記切欠きを直径方向に互いに対向する少なくとも1対の切欠きとし、前記条片も直径方向に互いに対向する少なくとも1対の条片とした請求項2記載の鋲付き運動靴の鋲構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも筒状ナット部を有し、この筒状ナット部の周面が靴底材料に埋設されて固定される鋲受け部材と、前記鋲受け部材の筒状ナット部の雌ねじ孔に螺合する雄ねじ部、及びこの雄ねじ部とは反対方向に突出する少なくとも1個の鋲を支持する鋲支持部を設けた鋲部材とよりなる鋲付き運動靴の鋲構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の鋲付き運動靴の鋲構造は、単に、鋲受け部材のナット部の雌ねじ孔と鋲部材の雄ねじ部とのねじ込みによってのみ連結を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来のねじ付けの鋲構造では、たとえねじ付けをしっかりと行っても、運動で強い衝撃や、ねじり応力が加わると緩むことがあり、一旦緩むとねじが回って脱落することがよくあった。
【0004】従って、本発明の目的は、構造簡単であって、強い衝撃や、ねじり応力が加わっても緩むことがない鋲付き運動靴の鋲構造を得るにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、第1の本発明鋲付き運動靴の鋲構造は、前記鋲受け部材の筒状ナット部の雌ねじ孔の奥底面を底面として軸線方向外方に隆起する錘状突起を設け、前記鋲部材の雄ねじ部の先端に、前記錘状突起の高さにほぼ等しい高さを有しかつ前記雌ねじ孔に嵌合する冠状突起を設けたことを特徴とする。
【0006】この第1の発明によれば、鋲部材の雄ねじ部を鋲受け部材の筒状ナット部の雌ねじ孔にねじ込む最終段階で、雄ねじ部の先端の冠状突起が筒状ナット部の雌ねじ孔の奥底面の錘状突起により拡開し、自動的にカシメを生じて筒状ナット部の内面と雄ねじ部の拡開した冠状突起との間の摩擦掛合が大きくなり、鋲受け部材と鋲部材との緩みのない連結を生ずる。
【0007】更に、第2の本発明鋲付き運動靴の鋲構造は、鋲部材の雄ねじ部の基端に半径方向外方に突出するフランジ部を設け、このフランジ部から軸線方向に前記雄ねじ部の基端の周囲に片持ち状に僅かに曲げ出した少なくとも1個の条片を設け、条片の片持ち基端を雄ねじ部の回転の先行側とし、条片の遊端を雄ねじ部の回転の後尾側とし、鋲受け部材の筒状ナット部の端面に、この端面の平面に直交する段差壁部を生ずる切欠きを少なくとも1個設け、切欠きの周方向の長さは、前記条片の周方向の長さにほぼ対応するものとしたことを特徴とする。
【0008】この第2の発明によれば、鋲部材の雄ねじ部を鋲受け部材の筒状ナット部の雌ねじ孔にねじ込む最終段階で、鋲部材のフランジ部から軸線方向に雄ねじ部の基端の周囲に片持ち状に僅かに曲げだした条片が筒状ナット部の端面の切欠き段差を通過して切欠きの空間内に嵌合する。この状態になると、ねじが緩む方向に回転しようとしても、条片の遊端が切欠きの段差壁部に衝合してこの回転は不能となり、緩みのないねじ連結が自動的に得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、図面につき本発明の好適な実施の形態を示す。
【0010】図1は、第1の発明の好適な実施の形態を示す。この実施の形態においては、鋲受け部材1は、筒状ナット部2とこの筒状ナット部2の基端から半径方向に突出するフランジ部3を有し、これら筒状ナット部2及びフランジ部3の周面が靴底材料に埋設されて固定される。第1の本発明によれば、鋲受け部材1の筒状ナット部2の雌ねじ孔2Aの奥底面を底面として軸線方向外方に隆起する錘状突起2Bを設ける。この錘状突起は、円錐形、又は三角錐等の角錐形状とすることができる。この錘状形状の頂角は好適には40度〜120度とする。
【0011】鋲部材4は、鋲受け部材1の筒状ナット部2の雌ねじ孔2Aに螺合する雄ねじ部5、及びこの雄ねじ部5とは反対方向に突出する少なくとも1個の鋲6Aを支持する鋲支持部6を設ける。第1の本発明によれば、鋲部材4の雄ねじ部5の先端に、錘状突起2Bの高さにほぼ等しい高さを有しかつ雌ねじ孔2Aに嵌合する冠状突起7を設ける。図示の実施の形態の場合、冠状突起7を設ける端部とは反対側の雄ねじ部5の端部に取付カラー5Aを一体に設け、この取付カラー5Aに鋲支持部6を連結する。
【0012】この冠状突起7の内径は雌ねじ孔2Aの奥底面の直径よりも小さく、従って、この第1の本発明によれば、鋲部材4の雄ねじ部5を鋲受け部材1の筒状ナット部2の雌ねじ孔2Aにねじ込む最終段階で、雄ねじ部5の先端の冠状突起7が筒状ナット部2の雌ねじ孔2Aの奥底面の錘状突起2Bにより拡開し、自動的にカシメを生じて筒状ナット部2の内面と雄ねじ部5の拡開した冠状突起7との間の摩擦掛合が大きくなり、鋲受け部材1と鋲部材4とが緩みのない連結を生ずることになる。冠状突起7が容易に拡開変形することができるようにするため、冠状突起7の基端側の壁厚を薄くする又は先端から基端に向けて徐々に薄くすると好適である。
【0013】図2には第2の本発明の好適な実施の形態を示す。図2の(a),(b)には第2の本発明の鋲受け部材11を示し、図2の(c),(d)には鋲部材14を示す。
【0014】この実施の形態においては、鋲受け部材11は、図2の(a)及び(b)に示すように、筒状ナット部12とこの筒状ナット部12の基端から半径方向外方に突出するフランジ部13を有し、これら筒状ナット部12及びフランジ部13の周面が靴底材料に埋設されて靴底(図示せず)に固定される。鋲部材14は、図の(c)及び(d)に示すように、鋲受け部材11の筒状ナット部12の雌ねじ孔12Aに螺合する雄ねじ部15、及びこの雄ねじ部15の基端側で半径方向外方に突出するフランジ部として構成し少なくとも1個の鋲(図示せず)を支持する鋲支持部16を一体に設ける。
【0015】第2の本発明においては、鋲部材14の雄ねじ部15の基端に半径方向外方に突出するフランジ部として構成した鋲支持部16から軸線方向に雄ねじ部15の基端の周囲に片持ち状に僅かに曲げ出した少なくとも1個の、図示の実施の形態では、直径方向に互いに対向する1対の条片17を設ける。更に、条片17の片持ち基端を雄ねじ部15の回転の先行側とし、条片17の遊端17Aを雄ねじ部15の回転の後尾側とする。
【0016】更にまた、鋲受け部材11の筒状ナット部12の端面12Bに、この端面の平面にほぼ直交する段差壁部18を生ずる少なくとも1個の、図示の実施の形態では直径方向に互いに対向する1対の切欠き19を設ける。切欠き19の周方向の長さは条片17の周方向の長さにほぼ対応するものとする。
【0017】この第2の本発明によれば、鋲部材14の雄ねじ部15を鋲受け部材11の筒状ナット部12の雌ねじ孔12Aにねじ込む最終段階で、鋲部材14のフランジ部を構成する鋲支持部16から軸線方向に雄ねじ部15の基端の周囲に片持ち状に僅かに曲げだした条片17が筒状ナット部12の端面の切欠き19の段差壁部18を通過して切欠き19の空間内に嵌合する。この状態になると、ねじが緩む方向に回転しようとしても、条片の遊端17Aが切欠き19の段差壁部18に衝合してこの回転は不能となり、緩みのないねじ連結が自動的に得られることになる。
【0018】
【発明の効果】本発明の第1の発明においては、鋲部材の雄ねじ部と鋲受け部材の筒状ナット部とのねじ付けの際に、雄ねじ部の先端の冠状突起が筒状ナット部の雌ねじ孔の奥底面の錘状突起により自動的にカシメられ、簡単かつ安価な構成によって鋲受け部材と鋲部材との緩みのない連結を生ずることができるようになる。
【0019】更に、本発明の第2の発明においては、鋲部材の雄ねじ部と鋲受け部材の筒状ナット部のねじ付けの際に、鋲部材のフランジ部から軸線方向に雄ねじ部の基端の周囲に片持ち状に僅かに曲げだした条片が筒状ナット部の端面の切欠き段差を通過して切欠きの空間内に嵌合してねじが緩む方向に回転しようとしても、条片の遊端が切欠きの段差壁部に衝合して回転は不能となり、簡単かつ安価な構成により緩みのないねじ連結が自動的に得られる。
【出願人】 【識別番号】597008968
【氏名又は名称】有限会社 佐藤製作所
【出願日】 平成14年2月19日(2002.2.19)
【代理人】 【識別番号】100081307
【弁理士】
【氏名又は名称】仁平 孝
【公開番号】 特開2003−235608(P2003−235608A)
【公開日】 平成15年8月26日(2003.8.26)
【出願番号】 特願2002−41935(P2002−41935)