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【発明の名称】 ヘルメットの製造方法
【発明者】 【氏名】加賀谷 勝男

【要約】 【課題】

【解決手段】回収ポリエチレンテレフタレートと多価アルコールとを反応させて得られるグリコール分解物(A)と、α,β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物(B)との反応物を、重合性モノマー(C)に溶解して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び重合開始剤(D)を用いて成形することを特徴とするヘルメットの製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回収ポリエチレンテレフタレートと多価アルコールとを反応させて得られるグリコール分解物(A)と、α,β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物(B)との反応物を、重合性モノマー(C)に溶解して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び重合開始剤(D)を用いて成形することを特徴とするヘルメットの製造方法。
【請求項2】 重合開始剤(D)がベンゾイルパーオキサイドである請求項1記載のヘルメットの製造方法。
【請求項3】 さらに、繊維強化材、充填材、離型剤および/またはトナーを配合した請求項2記載のヘルメットの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回収ポリエチレンテレフタレートを原料として利用した不飽和ポリエステル樹脂を用いて成形されるヘルメットの製造方法に関する。さらに詳しくは回収ポリエチレンテレフタレート(以下、回収PETと言う)と多価アルコールとを反応させて得られるグリコール分解物と、α−β不飽和多塩基酸またはその酸無水物からなる樹脂組成物を必須成分として用いたヘルメット帽体の光沢に優れるヘルメットの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヘルメットは安全帽として工場や土木建築分野を中心に、またバイクなどの乗車帽として安全を確保するために必要不可欠なものとなっている。これらヘルメットの帽体に使われる成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂や、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂が使われている。熱硬化性樹脂を用いる帽体は、樹脂をガラス繊維などの繊維強化材に含浸させた、所謂繊維強化プラスチック(以下、FRPと言う)であり、加熱、加圧されてプレス成形法で製造されている。また、熱可塑性樹脂を用いる帽体は、射出成形法で製造されている。
【0003】熱硬化性FRPヘルメットは、帽体表面の平滑性や光沢などの外観品質に課題を有するものの高強度で耐久性に優れる。他方、熱可塑性ヘルメットは外観品質に優れるが紫外線劣化による長期安定性に欠ける。作業安全性が強く叫ばれる昨今、高強度で耐久性に優れる熱硬化性FRPヘルメットがますます認識されている。しかし、ヘルメットの商品価値を左右する帽体の光沢性に関しては前記の通り満足されていない。
【0004】尚、不飽和ポリエステル樹脂の原料に回収PETを利用する技術は、例えばRoger Calendine等によってModern Plastics International, June 1980 に反応方法、機械的強度、経済性が開示されている。また、特開平11−181067号公報は、保存安定性および硬化性のあるポリエチレンテレフタレートを用いた不飽和ポリエステル樹脂の製造方法について開示されている。さらに特開平11−181072号公報は、破砕、洗浄された含水率0.1以上10重量%以下の回収ポリエチレンテレフタレート(以下、回収PETと言う)を不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いる製造方法が開示されている。しかし、何れの関連公知技術に於いても、ヘルメット等への応用を示唆する内容は何ら開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した熱硬化性FRPヘルメットの課題である光沢性について、不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いることにより、強度を低下させることなく安全性を確保しながら、さらに光沢性に優れるFRPヘルメットの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者はこの目的を達成すべく鋭意検討の結果、回収PETを多価アルコールで分解したグリコール分解物と、α,β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物の縮合反応から得られるオリゴマーを重合性モノマーに溶解した不飽和ポリエステル樹脂組成物に、重合開始剤(D)を用いて成形することが、前記の目的を達成することを見出し、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、回収ポリエチレンテレフタレートと多価アルコールとを高温で反応させて得られるグリコール分解物(A)と、α,β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物(B)との反応物を、重合性モノマー(C)に溶解して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物(以下、回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物と記す。)、及び重合開始剤(D)を用いて成形することを特徴とするヘルメットの製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いる回収PETとしては特に限定されないが、例えば、フィルム屑、ペットボトルを原料としたものが挙げられる。中でも無色のタイプが好ましい。また、回収PETの形状は特に限定されず、ペレットまたはフレーク状のいずれも使用できる。
【0009】本発明に用いられる回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物は、例えば、下記の方法で得られる。まず、グリコール分解物(A)は、回収PETと多価アルコールとを200℃〜250℃で3時間〜10時間かけてアルコリシス分解反応して得られる。次いで、前記のグリコール分解物(A)とα,β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物(B)とを、200℃〜250℃で5時間〜20時間かけて脱水重縮合反応し後、重合性モノマー(C)で希釈し、必要に応じて安定化剤としての重合禁止剤を添加して、回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物を調製する。
【0010】前記回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いてヘルメットを成形する場合、重合開始剤として、例えばベンゾイルパーオキサイドを、また更に充填材、離型剤およびまたはトナーを配合した樹脂コンパウンドを得る。次いで、あらかじめプリフォーミング成形された繊維強化材を装填した成形金型内に前記樹脂コンパウンドを必要量投入した後、加熱、加圧してFRPヘルメットを成形して得る。
【0011】本発明に用いる多価アルコールとしては、水酸基を1分子中に2個以上含有する化合物であれば特に限定されない。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA・アルキレンオキサイド付加物等のジオール類、トリメチロールプロパンなどのトリオール類、ペンタエリスリトールなどのテトラオール類などが挙げられる。これらの多価アルコール類は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが好ましい。
【0012】回収PETと多価アルコールとの反応比率は、下記の構造式(1)に示される繰り返し単位を回収PETの1モルとして計算した場合、回収PET使用割合はより多くの回収PETを使用する意味からは10モル%以上であることであることが好ましい。また、重合性モノマー(C)への溶解性も点から、90モル%以下であることが好ましい。特に、20モル%以上80モル%以下が好ましい。上記の値が小さいほど、α、β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物(B)を多く使用することができる。α、β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物(B)が多いほど不飽和ポリエステル樹脂が高反応性となり、強度その他の物性が良好となるので、回収PETをより多く利用する観点と物性のバランスを考慮して決定することが好ましい。
【0013】
【化1】

【0014】本発明に使用される回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物に用いられる、α,β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物(B)としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、クロロマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、あるいは、これらのジメチルエステル類などが挙げられる。これらのα,β−不飽和多塩基酸またはその無水物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
【0015】また、必要に応じて飽和多塩基酸またはその酸無水物を併用してもよく、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘット酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸などが挙げられる。これらの飽和多塩基酸またはその無水物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】本発明に使用される回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物に用いられる重合性モノマー(C)としては、スチレン系モノマー単独、またはスチレン系モノマーを主成分とし、他の成分として(メタ)アクリル酸系モノマーなどを併用してなる混合物である。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルベンジルアルキルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも、スチレンが好ましい。
【0017】また、併用できる(メタ)アクリル酸系モノマーの代表例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸グリセリルカーボネート、(メタ)アクリル酸イソシアネートメチル、(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0018】本発明に使用する重合性モノマー(C)の添加量は、回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度、反応性等を考慮して、適宜決定すればよいが、例えば、回収ポリエチレンテレフタレートと多価アルコールとを反応させて得られるグリコール分解物(A)と、α,β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物(B)との反応物100重量部あたり、重合性モノマー(C)を30〜200重量部使用することが好ましい。
【0019】本発明に用いられる重合開始剤(D)は、ベンゾイルパーオキサイドが特に好ましいが、本発明の目的を許容できる範囲で他の有機過酸化物を併用することができる。例えば、キュメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド化合物、ターシャリーブチルパーベンゾエートなどのパーエステル化合物、ジキュミルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド化合物が挙げられる。重合開始剤(D)は、本発明に使用される回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物100重量部当たり0.5〜5.0重量部であることが好ましい。
【0020】本発明に用いられる繊維強化材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維など、無機繊維、有機繊維、天然繊維などの各種繊維が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらの繊維強化材は、作業性や、得られるヘルメットの強度、外観、経済性などを考慮して選ばれるが、一種類のみ用いてもよく、また、二種以上を併用してもよい。一般的にはガラス繊維が使われる。これらの繊維強化材の配合量は、本発明に使用される回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物と重合開始剤(D)との合計100重量部当たり10〜60重量部であることが好ましい。
【0021】本発明に用いられる充填材としては、例えば、炭酸カルシュウム、炭酸マグネシュウム、硫酸バリュウム、マイカ、タルク、カオリン、クレー、セライト、アスベスト、パーライト、バライタ、シリカ、ケイ砂、ドロマイト、石灰石、アルミニュウム粉、アルミナ、ガラス粉、水酸化アルミニュウム、三酸化アンチモン、二酸化モリブデンなどが挙げられるが、特に限定されるものでない。これらの充填材は、作業性や得られるヘルメット成型品の強度、外観、経済性などを考慮して選ばれるが、一種類のみ用いてもよく、また二種以上を併用してもよい。通常は、炭酸カルシュウム、水酸化アルミニュウムが使われる。これらの繊維強化材の配合量は、本発明に使用される回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物と重合開始剤(D)の合計100重量部当たり5〜50重量部であることが好ましい。
【0022】本発明に用いられる離型剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸およびこれらの金属塩など挙げられが、特に限定されるものではない。代表的な離型剤としてステアリン酸亜鉛が挙げられる。これら離型剤は、一種類のみ用いてもよく、また二種類以上を併用してもよい。これらの離型剤の添加量は、本発明に使用される回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂と重合開始剤(D)の合計100重量部当たり1〜5重量部であることが好ましい。
【0023】本発明に於いて、必要に応じトナー(着色剤)を添加して使用できる。例えば、チタンホワイト、カーボンブラックなど無機顔料類や、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッドなど有機顔料類があり、色相に応じて各種の着色剤を併用することができる。尚、一般的には、顔料を不飽和ポリエステル樹脂などのラジカル共重合性不飽和ポリエステル樹脂に均一分散させたトナーとして添加する場合が多い。これらのトナー(着色剤)の添加量は、本発明に用いられる回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂と重合開始剤(D)の合計100重量部当たり、0.1〜5重量部であることが好ましい。
【0024】本発明のヘルメットの製造方法は、まず繊維強化材であるガラスストランドを所定の長さに切断しながら吸引されている網目状予備成形型に供給することによって、所定の長さに切断されたチョップドストランドを網目状予備成形型に吸い付けるとともにスプレーガンによってバインダーを散布した後、加熱して乾燥させることにより、例えば、ほぼヘルメット帽体の形をしたチョップストランドからなるプリフォームを形成させる。チョップストランドは、3〜8cmの長さに切断することが好ましい。バインダーとしては、例えば、アクリル樹脂系バインダー、ポリエステル樹脂系バインダーなどを使用することができる。プリフォームは50〜100℃で0.5〜5分間加熱して乾燥させることが好ましい。プリフォームを加熱して乾燥させる手段としては、例えば、熱風吹き付け乾燥機などが挙げられる。
【0025】本発明に於いては、前記のプリフォームを使用してプレス成型法により、熱硬化性FRPヘルメットを成形する。プリフォーム内に回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂を仕込み、雌金型内へセットした後に、プリフォームを雌金型と雄金型の間に挟んで加圧、加熱することにより、熱硬化性FRPヘルメットを得る。尚、型締め圧力は、70〜150kg/cmとすることが好ましい。雌金型の加熱温度は100〜150℃とすることが好ましく、雄金型の加熱温度は90〜130℃とすることが好ましい。加熱、加圧時間は2〜10分間とすることが好ましい。
【0026】上述の方法によって得られた熱硬化性FRPヘルメットは、周辺にチョップストランドがはみ出しているので、これをエアーナイフ、ハサミなどで切断除去し、周端面を滑らかにするためにグラインダー若しくはエンドレスベルトで研磨して丸みを持たせた後に、着装体取り付け用の穴を明けてヘルメットの完成品とする。
【0027】
【実施例】以下、参考例、実施例および比較例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、例中の部および%は全て重量基準とする。
【0028】参考例1(本発明に用いられるPET含有率50モル%の回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物の調製)
加熱攪拌が可能な反応容器に、プロピレングリコール91部、回収PET192部を仕仕込み攪拌しながら210℃まで昇温する。210℃で5時間回収PETのアルコール分解反応を行う。次に150℃まで降温した後、無水マレイン酸98部仕込み再び210℃まで昇温して脱水縮重合反応を行う。再昇温5時間を目安に不揮発分55%のスチレンモノマー溶液の酸価が10mg−KOH/g以下であることを確認後、190℃まで冷却してハイドロキノンを0.12部添加した。さらに150℃まで冷却してから、あらかじめターシャリーブチルカテコール0.24部添加されたスチレンモノマー242部へ溶解後、速やかに60℃以下に冷却して、PET含有率50モル%の回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物(I)を得た。
【0029】参考例2(本発明に用いられるPET含有率25モル%の回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂の調製)
加熱攪拌が可能な反応容器に、プロピレングリコール258部、回収PET192部を仕込み攪拌しながら210℃まで昇温する。210℃で4時間回収PETのアルコール分解反応を行う。次に150℃まで降温した後、無水マレイン酸196部および無水フタル酸148部を仕込み再び210℃まで昇温して脱水縮重合反応を行う。再昇温5時間を目安に不揮発分55%のスチレンモノマー溶液の酸価が10mg−KOH/g以下であることを確認後、190℃まで冷却してハイドロキノンを0.25部添加した。さらに150℃まで冷却してから、あらかじめターシャリーブチルカテコール0.5部添加されたスチレンモノマー493部へ溶解後、速やかに60℃以下に冷却して、PET含有率25モル%の回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂(II)を得た。
【0030】参考例3(従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物の調製)
加熱攪拌が可能な反応容器に、プロピレングリコール167部、無水マレイン酸98部および無水フタル酸148部を仕込んだ後、210℃まで昇温する。210℃で6時間を目安に不揮発分55%のスチレンモノマー溶液の酸価が10mg−KOH/g以下であることを確認後、190℃まで冷却してハイドロキノンを0.12部添加した。さらに150℃まで冷却してから、あらかじめターシャリーブチルカテコール0.24部添加されたスチレンモノマー251部へ溶解後、速やかに60℃以下に冷却して、従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物(III)を得た。
【0031】実施例1直径11ミクロンのガラスフィラメントを50本集束させたガラスストランドを5cmの長さに切断しながら、吸引されている網目状予備成形型に供給することによって、切断されたチョップドストランドを網目状成形型に吸い付けるとともに、スプレーガンによってプライマーHA−16(日本アクリル化学社製ポリアクリル酸エマルジョン系バインダー)を散布した後、熱風吹き付け乾燥によって80℃で2分間乾燥させてヘルメット帽体の形状をしたガラス繊維プリフォームを得た。前記プリフォーム内に参考例1で調製した回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物(I)を87部、ナイパーFF(日本油脂社製50%ベンゾイルパーオキサイド)2.3部、炭酸カルシュウム13部、ステアリン酸亜鉛1.5部、ポリトングリーンJ−851(大日本インキ化学工業社製着色トナー)2部からなる成形材料を仕込み、プリフォームをヘルメット帽体雌金型内にセットした後、プリフォームを雌金型と雄金型との間に挟んで110kg/cmの圧力で加圧しながら雌金型を115℃に加熱するとともに雄金型を100℃で3分間加熱してガラス含有率35%の熱硬化性FRPヘルメットを得た。得られたFRPヘルメットの周辺にはみ出しているがチョップドストランドをハサミで切断除去し、グラインダーで研磨して周端面を滑らかにした後、着装体取り付け用の穴を明けて熱硬化性FRPヘルメットの完成品を得た。得られた完成品の熱硬化性FRPヘルメットについて、外観光沢性およびJIS規格T−8131に従って耐貫通テストを行った試験結果を表1に示す。
【0032】実施例2実施例1と同様に作製されたガラス繊維プリフォーム内に、参考例2で調製した回収PET変性不飽和ポリエステル樹脂組成物(II)を87部、ナイパーFF(日本油脂社製50%ベンゾイルパーオキサイド)2.3部、炭酸カルシュウム13部、ステアリン酸亜鉛1.5部、ポリトングリーンJ−851(大日本インキ化学工業社製着色トナー)2部からなる成形材料を仕込み、プリフォームをヘルメット帽体雌金型内にセットした後、プリフォームを雌金型と雄金型との間に挟んで110kg/cmの圧力で加圧しながら雌金型を115℃に加熱するとともに雄金型を100℃で3分間加熱してガラス含有率35%の熱硬化性FRPヘルメットを得た。得られたFRPヘルメットの周辺にはみ出しているがチョップドストランドをハサミで切断除去し、グラインダーで研磨して周端面を滑らかにした後、着装体取り付け用の穴を明けて熱硬化性FRPヘルメットの完成品を得た。得られた完成品の熱硬化性FRPヘルメットについて、外観光沢性およびJIS規格T−8131に従って耐貫通テストを行った試験結果を表1に示す。
【0033】比較例1実施例1と同様に作製されたガラス繊維プリフォーム内に、参考例3で調製した従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物(III)を87部、ナイパーFF(日本油脂社製50%ベンゾイルパーオキサイド)2.3部、炭酸カルシュウム13部、ステアリン酸亜鉛1.5部、ポリトングリーンJ−851(大日本インキ化学工業社製着色トナー)2部からなる成形材料を仕込み、プリフォームをヘルメット帽体雌金型内にセットした後、プリフォームを雌金型と雄金型との間に挟んで110kg/cmの圧力で加圧しながら雌金型を115℃に加熱するとともに雄金型を100℃で3分間加熱してガラス含有率35%の熱硬化性FRPヘルメットを得た。得られたFRPヘルメットの周辺にはみ出しているがチョップドストランドをハサミで切断除去し、グラインダーで研磨して周端面を滑らかにした後、着装体取り付け用の穴を明けて熱硬化性FRPヘルメットの完成品を得た。得られた完成品の熱硬化性FRPヘルメットについて、外観光沢性およびJIS規格T−8131に従って耐貫通テストを行った試験結果を表1に示す。
【0034】
【表1】

【0035】表1中の測定条件として、耐貫通テストはJIS−T−8131に準じて測定した。
方法:FRPヘルメットを貫通して貫通用粘土製治具への侵入深さを測定した。
測定条件ストライカの重さ:1.8kgストライカの先端角度:60度落下高さ:60cm【0036】
【発明の効果】本発明に於いて、回収PETを原料として用いた不飽和ポリエステル樹脂からなるFRPヘルメットは、従来の回収PETを用いない不飽和ポリエステル樹脂を使用したFRPヘルメットに較べ、強度を低下させることなく外観光沢性を大幅に向上させることができる。
【出願人】 【識別番号】000002886
【氏名又は名称】大日本インキ化学工業株式会社
【出願日】 平成14年3月19日(2002.3.19)
【代理人】 【識別番号】100088764
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 勝利
【公開番号】 特開2003−278023(P2003−278023A)
【公開日】 平成15年10月2日(2003.10.2)
【出願番号】 特願2002−76087(P2002−76087)