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【発明の名称】 ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造
【発明者】 【氏名】池田 佳行
【住所又は居所】東京都台東区上野五丁目8番5号 株式会社シヨウエイ内

【要約】 【課題】構造が簡単で,取り付けが容易な,ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造を提供する。

【解決手段】固定側ホック半体17の一端部に第1フランジ21を,またその他端部に外周に複数の切欠き23を有する第2フランジ22をそれぞれ形成し,衝撃吸収ライナ3の内面にペースト状又は液状の接着剤26を盛り,この接着剤26を,それに第2フランジ22を埋入した状態で固化した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘルメット(H)の衝撃吸収ライナ(3)内壁に固定側ホック半体(17)を取り付ける,ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造において,固定側ホック半体(17)の一端部外周に第1フランジ(21)を,またその他端部外周に第2フランジ(22)をそれぞれ形成し,衝撃吸収ライナ(3)の内壁にペースト状又は液状の接着剤(26)を盛り,この接着剤(26)を,それに前記第2フランジ(22)を埋入した状態で固化したことを特徴とする,ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造。
【請求項2】 請求項1記載のヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造において,前記第2フランジ(22)の外周に複数の切欠き(23)を形成したことを特徴とする,ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造。
【請求項3】 請求項1又は2記載のヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造において,前記衝撃吸収ライナ(3)の下端部を覆う布製カバー(4)を支持して衝撃吸収ライナ(3)の内壁に接着された合成樹脂製の支持板(5)により前記接着剤(26)を覆い,この支持板(5)に設けられた透孔(25)を通して前記第2フランジ(22)を前記接着剤(26)に埋入すると共に,前記第1フランジ(21)により前記透孔(25)を閉じることを特徴する,ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,ヘルメットの衝撃吸収ライナの内壁に,ヘッドパッドやチークパッド等の内装部品を接続するのに用いるホックに関し,特に,衝撃吸収ライナの内壁に固着される固定側ホック半体の取り付け構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,かゝるヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造において,衝撃吸収ライナの内壁に配置される固定側ホック半体に,衝撃吸収ライナを貫通する取り付けロッドを一体に形成し,この取りロッドの先端に衝撃吸収ライナの外周面に配置される抜け止め片を取り付けたものや,衝撃吸収ライナの内壁に接着される支持板に固定側ホック半体を鳩目により固着したものが知られている(例えば実開平4−69418号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造は,構造が複雑であるのみならず,その取り付け作業に多くの手間を要するため,コストの低減が困難であった。
【0004】本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,構造が簡単で,取り付けが容易な,前記ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために,本発明は,ヘルメットの衝撃吸収ライナ内壁に固定側ホック半体を取り付ける,ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造において,固定側ホック半体の一端部外周に第1フランジを,またその他端部外周に第2フランジをそれぞれ形成し,衝撃吸収ライナの内壁にペースト状又は液状の接着剤を盛り,この接着剤を,それに前記第2フランジを埋入した状態で固化したことを第1の特徴とする。
【0006】この第1の特徴によれば,固定側ホック半体の第2フランジを衝撃吸収ライニング内壁上の接着剤に埋入すべく,第2フランジを接着剤に押し込むだけで,固定側ホック半体の衝撃吸収ライナへの接着を容易に行うことができる。
【0007】また本発明は,第1の特徴に加えて,前記第2フランジの外周に複数の切欠きを形成したことを第2の特徴する。
【0008】この第2の特徴によれば,接着剤の一部が,第2フランジの複数の切欠きを通って,該フランジの基端部にまで回り込みむことになり,該フランジの接着剤への埋入を確実にすることができ,多数の切欠きにより第2フランジの接着面積が比較的大きくなったことゝ相俟って,固定側ホック半体の衝撃吸収ライナへの接着を確実に行うことができる。
【0009】さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記衝撃吸収ライナの下端部を覆う布製カバーを支持して衝撃吸収ライナの内壁に接着された合成樹脂製の支持板により前記接着剤を覆い,この支持板に設けられた透孔を通して前記第2フランジを前記接着剤に埋入すると共に,前記第1フランジにより前記透孔を閉じることを第3の特徴する。
【0010】さらに本発明は,第1又は第2の特徴によれば,接着剤は支持板の裏面にも接着して,支持板の衝撃吸収ライナ内壁への接着にも寄与し,しかも支持板の透孔は第2フランジにより閉鎖されることになるから,接着剤が透孔から漏れ出すことはなく,良好な外観を保持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
【0012】図1は本発明のヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造を備えた乗車用ヘルメットの縦断側面図,図2は図1の要部拡大図,図3は図2の3−3線拡大断面図,図4は図3中のホックの固定側ホック半体の平面図,図5は同固定側ホック半体の底面図,図6は固定側ホック半体の取り付け要領説明図である。
【0013】先ず,図1及び図2において,参照符号Hは自動二輪車の乗車用ヘルメットを示し,その帽体1は,繊維強化樹脂製のシェル2と,このシェル2の内面に嵌装される発砲スチレン製の衝撃吸収ライナ3とから構成され,その衝撃吸収ライナ3の下端部は布製カバー4により被覆される。このカバー4の外端はシェル2に隠れるよう衝撃吸収ライナ3の外周面に接着され,その内端は衝撃吸収ライナ3の内壁に接着される支持板5に縫着される。
【0014】衝撃吸収ライナ3の内壁には内装パッド6が着脱可能に取り付けられる。この内装パッド6は,使用者の頭部を受けるヘッドパッド7と,使用者の左右の頬を受ける左右一対のチークパッド8とよりなっており,いずれもウレタンフォーム等のクッション材を主体としている。そのヘッドパッド7は,その前後に合成樹脂製で可撓性の取り付け片10,11を備えており,前端の取り付け片10は衝撃吸収ライナ3の前端部に付設された支持板12に着脱自在に凹凸係合され,後端の取り付け片11は,複数のホック13,13…(図には1個のみを示す。)を介して衝撃吸収ライナ3の後端部内壁に着脱可能に取り付けられる。したがって,ヘッドパッド7は,汗等で汚れた場合には,これを帽体1から取り外して,洗濯し得るようになっている。
【0015】またチークパッド8の裏面には取り付け片15が縫着されており,この取り付け片15が複数のホック16,16…を介して衝撃吸収ライナ3の側部内壁に着脱可能に取り付けられる。したがって,チークパッド8も,汗等で汚れた場合には,これを帽体1から取り外して洗濯し得るようになっている。
【0016】上記ホック13,16は何れも同一の構造であるので,ヘッドパッド7側のホック13についてのみ説明する。
【0017】ホック13は,衝撃吸収ライナ3に接着される合成樹脂製の固定側ホック半体17と,取り付け片11に熱かしめ合成樹脂製の可動側ホック半体18とから構成される。図示例の場合,固定側ホック半体17が雌形,可動側ホック半体18が雄形となっている。
【0018】図3〜図5に示すように,固定側ホック半体17は,その一端部外周に第1フランジ21を,またその他端部外周に第1フランジ21より小径の第2フランジ22を備えており,第1フランジ21の前面には,可動側ホック半体18の係合突起18aが弾性的に係合し得る係合凹部17aが開口するように設けられる。また第2フランジ22の外周には,周方向等間隔に並ぶ多数の切欠き23,23…が設けられる。
【0019】図3に明示するように,上記固定側ホック半体17に対応して,衝撃吸収ライナ3の内壁には凹部24が,また支持板5には透孔25がそれぞれ設けられる。その透孔25は,第1フランジ21より小径で,第2フランジ22よりは大径となっており,したがって第2フランジ22のみが透孔25を通過し得るようになっている。この透孔25を貫通した第2フランジ22は,凹部24に注入された適量の接着剤26により衝撃吸収ライナ3に接着される。
【0020】その接着に際しては,先ず,図6に示すように,衝撃吸収ライナ3の凹部24にペースト状又は液状とした接着剤26,例えば加熱してペースト状にしたホットメルトを支持板5の透孔25から注射器により適量注入して盛り,次いで透孔25を貫通した固定側ホック半体17の第2フランジ22を接着剤26に押し込んで,図3のように接着剤26中に埋入し,しかる後,接着剤26を放冷,固化して固定側ホック半体17の衝撃吸収ライナ3への接着は完了する。
【0021】この1うに,凹部24内の接着剤26に第2フランジ22を押し込むという,極めて簡単な操作により,接着剤26に第2フランジ22を埋入することができて,固定側ホック半体17の衝撃吸収ライナ3への接着を容易に行うことができる。特に,第2フランジ22を接着剤26に押し込んだとき,接着剤26の一部は,第2フランジ22の外周及び多数の切欠き23,23…を通って,該第2フランジ22の基端部にまで回り込みむので,第2フランジ22の接着剤26への埋入が確実であり,また多数の切欠き23,23…により第2フランジ22の接着面積が比較的大きくなることゝ相俟って,固定側ホック半体17の衝撃吸収ライナ3への接着を確実に行うことができる。
【0022】しかも接着剤26は支持板5の裏面にも接着して,支持板5の衝撃吸収ライナ3内壁への接着にも寄与することになる。また支持板5の透孔25は第2フランジ22により閉鎖されることになるから,接着剤26が透孔25から漏れ出すことはなく,良好な外観を保持することができる。
【0023】上記実施例においては,本発明の要旨を逸脱することなく,種々の設計変更が可能である。例えば,上記実施例とは反対に,固定側ホック半体17を雄形に,可動側ホック半体18を雌形にすることもできる。また接着剤26としては,二液性のものや,UV硬化性のものも使用可能である。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の特徴によれば,ヘルメットの衝撃吸収ライナ内壁に固定側ホック半体を取り付ける,ヘルメットにおける固定側ホック半体の取り付け構造において,固定側ホック半体の一端部外周に第1フランジを,またその他端部外周に第2フランジをそれぞれ形成し,衝撃吸収ライナの内壁にペースト状又は液状の接着剤を盛り,この接着剤を,それに前記第2フランジを埋入した状態で固化したので,固定側ホック半体の第2フランジを衝撃吸収ライナ内壁上の接着剤に埋入すべく,第2フランジを接着剤に押し込むだけで,固定側ホック半体の衝撃吸収ライナへの接着を容易に行うことができる。
【0025】また本発明の第2の特徴によれば,第1の特徴に加えて,前記第2フランジの外周に複数の切欠きを形成したので,接着剤の一部が,第2フランジの複数の切欠きを通って,該フランジの基端部にまで回り込みむことになり,該フランジの接着剤への埋入を確実にすることができ,多数の切欠きにより第2フランジの接着面積が比較的大きくされたことゝ相俟って,固定側ホック半体の衝撃吸収ライナへの接着をより確実に行うことができる。
【0026】さらに本発明の第3の特徴によれば,第1又は第2の特徴に加えて,前記衝撃吸収ライナの下端部を覆う布製カバーを支持して衝撃吸収ライナの内壁に接着された合成樹脂製の支持板により前記接着剤を覆い,この支持板に設けられた透孔を通して前記第2フランジを前記接着剤に埋入すると共に,前記第1フランジにより前記透孔を閉じるようにしたので,接着剤は支持板の裏面にも接着して,支持板の衝撃吸収ライナ内壁への接着にも寄与し,しかも支持板の透孔は第2フランジにより閉鎖されることになるから,接着剤が透孔から漏れ出すことはなく,良好な外観を保持することができる。
【出願人】 【識別番号】390005429
【氏名又は名称】株式会社SHOEI
【住所又は居所】東京都台東区上野五丁目8番5号
【出願日】 平成14年4月4日(2002.4.4)
【代理人】 【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
【公開番号】 特開2003−301316(P2003−301316A)
【公開日】 平成15年10月24日(2003.10.24)
【出願番号】 特願2002−102217(P2002−102217)