| 【発明の名称】 |
ヘルメットおよびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】中曽根 一夫 【住所又は居所】栃木県佐野市久保町213 佐野プラスチック株式会社内
【氏名】下川 雄二 【住所又は居所】栃木県佐野市久保町213 佐野プラスチック株式会社内
【氏名】浜詰 正行 【住所又は居所】栃木県佐野市久保町213 佐野プラスチック株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ヘルメットの外観に優れ、かつ生産性に優れたヘルメットおよびその製造方法を提供すること【解決手段】 本発明のヘルメットは、ガラス繊維基材で構成される層と、エチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有し、これらの層に樹脂を充填してなるものである。また、本発明のヘルメットの製造方法は、エチレン系樹脂の不織布を所定の形状に成形する工程と、前記所定の形状に形成されたエチレン系樹脂の不織布に樹脂を充填する工程と、前記樹脂を充填した後にエチレン系樹脂の不織布の少なくとも片面にガラス繊維基材の層を形成し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするものである。
【解決手段】本発明のヘルメットは、ガラス繊維基材で構成される層と、エチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有し、これらの層に樹脂を充填してなるものである。また、本発明のヘルメットの製造方法は、エチレン系樹脂の不織布を所定の形状に成形する工程と、前記所定の形状に形成されたエチレン系樹脂の不織布に樹脂を充填する工程と、前記樹脂を充填した後にエチレン系樹脂の不織布の少なくとも片面にガラス繊維基材の層を形成し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ガラス繊維基材で構成される層と、エチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有し、これらの層に樹脂を充填してなることを特徴とするヘルメット。 【請求項2】 前記エチレン系樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂である請求項1に記載のヘルメット。 【請求項3】 前記エチレン系樹脂の不織布で構成される層が、ヘルメットの外層を形成するものである請求項1または2に記載のヘルメット。 【請求項4】 前記樹脂は、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂である請求項1ないし3のいずれかに記載のヘルメット。 【請求項5】 エチレン系樹脂の不織布を所定の形状に成形する工程と、前記所定の形状に形成されたエチレン系樹脂の不織布に樹脂を充填する工程と、前記樹脂を充填した後にエチレン系樹脂の不織布の少なくとも片面にガラス繊維基材の層を形成し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするヘルメットの製造方法。 【請求項6】 ガラス繊維基材で構成される層とエチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有する予備成形体とを形成する工程と、この予備成形体に樹脂を充填し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするヘルメットの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ヘルメットおよびその製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、ガラス繊維を用いてヘルメットのプリフォームを形成し、そのプリフォームに樹脂を充填することによりヘルメットを成形していた。しかし、上述の方法で得られるヘルメットは、ガラス繊維が表面に現れるため、外観品質に劣っていた。更に、その劣った外観品質を改善するために、ヘルメットを塗装する必要があった。また、ガラス繊維のクロスマットを使った場合はマットの折重なりにより表面にシワが発生することを防止する必要があり、金型に合わせてガラス繊維のクロスマットを切り分け重複しないようにしていたため作業工数が大幅にかかっていた。表面に印刷をする場合、インキがガラス繊維を通してにじむことがあった。更には、ガラス繊維の収束剤と樹脂に含まれるモノマー等との反応によって発生する異物等により、生産性に劣っていた。したがって、ガラスプリフォームを成形しヘルメットを成形するまでは作業工程が長く、異物等が附着することで不良率が高い。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヘルメットの外観に優れ、かつ生産性に優れたヘルメットおよびその製造方法を提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】このような目的は、下記(1)〜(6)に記載の本発明により達成される。 (1)ガラス繊維基材で構成される層と、エチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有し、これらの層に樹脂を充填してなることを特徴とするヘルメット。 (2)前記エチレン系樹脂は、ポリビニルアルコール樹脂である上記(1)に記載のヘルメット。 (3)前記エチレン系樹脂の不織布で構成される層が、ヘルメットの外層を形成するものである上記(1)または(2)に記載のヘルメット。 (4)前記樹脂は、熱可塑性樹脂および/または熱硬化性樹脂である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のヘルメット。 (5)エチレン系樹脂の不織布を所定の形状に成形する工程と、前記所定の形状に形成されたエチレン系樹脂の不織布に樹脂を充填する工程と、前記樹脂を充填した後にエチレン系樹脂の不織布の少なくとも片面にガラス繊維基材の層を形成し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするヘルメットの製造方法。 (6)ガラス繊維基材で構成される層とエチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有する予備成形体とを形成する工程と、この予備成形体に樹脂を充填し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするヘルメットの製造方法。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明のヘルメットおよびその製造方法について詳細に説明する。本発明のヘルメットは、ガラス繊維基材で構成される層と、エチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有し、これらの層に樹脂を充填してなることを特徴とするものである。本発明のヘルメットの製造方法は、エチレン系樹脂の不織布を所定の形状に成形する工程と、前記所定の形状に形成されたエチレン系樹脂の不織布に樹脂を充填する工程と、前記樹脂を充填した後にエチレン系樹脂の不織布の少なくとも片面にガラス繊維基材の層を形成し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするものである。本発明のヘルメットの他の製造方法は、ガラス繊維基材で構成される層とエチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有する予備成形体とを形成する工程と、この予備成形体に樹脂を充填し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするものである。 【0006】まず、ヘルメットについて説明する。本発明のヘルメットは、ガラス基材で構成される層と、エチレン系樹脂の不織布で構成される層とで構成される。これにより、ヘルメットの強度を維持した状態で外観を向上することができる。 【0007】前記ガラス基材で構成される層とは、例えばガラス織布、ガラス不織布、ガラスロービング等が挙げられる。これらの中でもガラスロービングが好ましい。例えば前記ガラスロービングを、30〜60mmに切断して、ヘルメットの形状に収束したプリフォームを形成する。この際、ガラス基材で構成される層の厚さは、特に限定されないが、1〜2.5mmが好ましく、ヘルメットの厚さの85%以上となることが好ましい。 【0008】前記不織布を構成するエチレン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリビニルアルコール、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等のエチレン系重合体、等が上げられる。これらの中でもポリビニルアルコールが好ましい。これにより、充填する樹脂と不織布との密着性を向上することができる。ポリビニルアルコール系樹脂の不織布は、例えばステプル(糸)をカード(串かけ機)にかけて、単繊維にし、計量後ベルトコンベアーにのせて、針(ニードル)で上から何回も打ち込み、繊維間を絡ませて、強い不織布を製造する方法で得ることができる。 【0009】前記不織布は、前記エチレン系樹脂の繊維類を織機で織らずにシート状にして得られる。前記不織布の重量と目つけは、特に限定されないが、200g/m2以下で50〜150μmが好ましく、特に50〜150g/m2で50〜150μmが好ましい。不織布の重量が前記下限値未満であると、樹脂が不織布に含侵しないため、長期の使用等によるヘルメットの表面の劣化を防止する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると樹脂の充填が不充分な場合が有る。また、前記不織布の重量が前記範囲内であると、ヘルメットの表面は滑らかな光沢を得ることができる。 【0010】前記不織布の厚さは、特に限定されないが、5mm〜15mmが好ましく、特に7mm〜10mmが好ましい。不織布の厚さが前記下限値未満であるとヘルメットの劣化を防止する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると樹脂の充填が不充分な場合がある。また、前記不織布の厚さが前記範囲内であると、特にヘルメットの表面に滑らかな光沢を得ることができる。 【0011】前記エチレン系樹脂の不織布は、ヘルメットの外層を形成することが好ましい。これにより、ヘルメットの外観を特に向上することができる。更に、ヘルメットの塗装性を向上することができる。 【0012】本発明のヘルメットでは、これら2つの層に樹脂を充填してなるものである。充填する樹脂としては、例えばポリカーボネート、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これらの中でも、熱硬化性樹脂が好ましい。これにより、ヘルメットの耐薬品性を向上することができる。 【0013】前記樹脂の充填量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂の場合、金型の成形体部分全体の70〜95体積%が好ましく、特に80〜90体積%が好ましい。これにより、ヘルメットの生産性と強度の両立を図ることができる。また、熱硬化性樹脂の場合、金型の成形体部分全体の60〜90体積%が好ましく、特に70〜80体積%が好ましい。これにより、ヘルメットの強度を特に向上することができる。 【0014】前記2つの層に樹脂を充填する方法としては、例えばトランスファー成形(RTM)、プリフォームマッチドメタルダイ成形(PMMD)、コールドプレス成形(CP)方法が挙げられる。熱可塑性樹脂の場合、射出成形が好ましい。また、熱硬化性樹脂の場合、プリフォームマッチドメタルダイ成形(PMMD)が好ましい。これにより、ヘルメットを効率良く生産することができる。 【0015】次にヘルメットの製造方法を説明する。本発明のヘルメットの製造方法は、エチレン系樹脂の不織布を所定の形状に成形する工程と、前記所定の形状に形成されたエチレン系樹脂の不織布に樹脂を充填する工程と、前記樹脂を充填した後にエチレン系樹脂の不織布の少なくとも片面にガラス繊維基材の層を形成し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするものである。 【0016】この本発明のヘルメットの製造方法は、エチレン系樹脂の不織布を所定の形状に成形する工程を有する。これにより、エチレン系樹脂の不織布からなるプリフォームを得ることができる。前記所定の形状とは、いわゆるプリフォームを意味し、具体的には、ヘルメット金型形状を意味する。前記所定の形状に成形する場合、例えば圧縮成形の方法で行うことができる。次に、前記所定形状に形成されたエチレン系樹脂に樹脂を充填する工程を有する。これにより、樹脂の充填性を向上し、ヘルメットの外観を向上することができる。さらに、前記樹脂を充填した後にエチレン系樹脂の不織布の少なくとも片面に、ガラス繊維基材で構成される層を形成する工程を有する。これにより、ヘルメットの強度を維持した状態で、外観を向上することができる。 【0017】なお、両層を形成するには、先にガラス繊維基材で構成される層を所定の形状に成形して、その片面にエチレン系樹脂で構成される層を形成してもよいが、エチレン系樹脂の不織布で構成される層は、ヘルメットの外側の層を構成することが好ましい。これによりヘルメットの外観を向上することができる。(後から移動)次いで、成形金型内で加圧成形して所定形状のヘルメットが得られる。 【0018】本発明のヘルメットの他の製造方法は、ガラス繊維基材で構成される層とエチレン系樹脂の不織布で構成される層とを有する予備成形体とを形成する工程、この予備成形体に樹脂を充填し、ヘルメットを成形する工程とを有することを特徴とするものである。(追加)前記予備成形体は、エチレン系樹脂の不織布で構成される層でヘルメット金型形状に成形したものと、ガラス基材で構成される層でヘルメット金型形状に成形したものとから構成される。前記予備成形体に樹脂を充填する場合、その方法は特に限定されないが、予めエチレン系樹脂の不織布で構成される層により形成された予備成形体部に樹脂を充填し、その後にガラス繊維基材で構成される予備成形体部に樹脂を充填することが好ましい。これにより、ヘルメット表面のガラス目の発生を防止でき、外観がより向上する。また、ガラス繊維基材で構成される層とエチレン系樹脂の不織布で構成される層とからなる予備成形体に樹脂を充填することもできる。これにより製造工数を軽減することができる。 【0019】なお、これまで説明したヘルメットの製造方法において、成形は、例えば80〜140℃に加熱した金型を用いて、25〜75tで、2〜3分、加熱加圧して本発明のヘルメットを得ることができる。 【0020】本発明のヘルメットは、例えば産業用のヘルメット、レジャー用のヘルメット等に好適に用いることができる。 【0021】 【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。 【0022】(実施例1) ■エチレン系樹脂の不織布で構成される層の形成エチレン系の不織布としては、ポリビニルアルコールの不織布(KII EQ2ビニロンマット(株)クラレ製、重量150g/m2 、厚み10mm.目つけ100μm)を用いた。この不織布を50cm2に切断し、ヘルメットの雌金型に設置し、約120℃で、3秒成形して、プリフォームを得た。 【0023】■樹脂の充填次に雌金型内■のプリフォーム上に不飽和ポリエステル樹脂(エポラックG152、(株)日本触媒製)200g(充填量:金型の成形体部分全体の75体積%)を流し込んだ。 【0024】■ガラス基材で構成される層の形成ガラス基材としては、ガラスロービング(日東紡績(株)製、品番RS230HF−555AB)及び(日本板硝子繊維(株)製、品番RER231−PF5)をブレンドし、以下の方法でプリフォームを得た。 【0025】ガラス繊維プリフォームの形成前記ガラス繊維を5cmに切断して回転しているスクリーンに落下させた。スクリーンはガラス繊維を吸引するようになっている。そして、スクリーンの反対側から接着剤(プライマルFTP16・日本アクリル化学(株)製)を噴霧して、プリフォームを得た。 【0026】■ヘルメットの製造前記ガラス繊維基材の層で形成されたプリフォームを、エチレン系樹脂不織布のプリフォームと不飽和ポリエステル樹脂の上にセットして、金型温度約120℃、型締圧力約40tで産業用ヘルメットを得た。 【0027】(実施例2)充填する樹脂を不飽和ポリエステル樹脂(ネオポール3702、武田薬品工業(株)製)とした以外は実施例1と同様にした。 【0028】(比較例1)エチレン系樹脂の不織布を用いずに、ガラス繊維(RS230HF−555AB、日東紡績(株)製)と(RER231−PF5、日本板硝子(株)製)をブレンドして、プリフォームの成形を以下のようにした以外は実施例1と同様にした。 【0029】上述の実施例および比較例で得られたヘルメットについて、下記の評価を行った。得られた結果を表1に示す。 ■耐衝撃性試験JIS T8131に基づき労働省型式検定試験の飛来・落下物用試験を行った。なお、試験は、ヘルメットを50℃、2時間処理した後で行った。 ■作業性比較例1のヘルメットを製造する工数を10として、実施例1および2のヘルメットを製造する工数を比較した。 ■外観ヘルメットの外観を目視で評価した。各記号は、以下の通りである。 ◎:ガラス目が無く表面が滑らかで光沢がある。 ○:一部光沢は無いが実用可能レベル。 △:一部ガラス目が有り実用不可。 ×:全体にガラス目があり光沢も無いため実用不可。 【0030】 【表1】
【0031】表から明らかなように、実施例1および2は、生産性およびヘルメットの外観に優れていた。また、実施例1および2は、耐衝撃性にも優れていた。 【0032】 【発明の効果】本発明によれば、作業性を向上した状態でヘルメットの外観を向上することができる。また、特定のエチレン系樹脂の不織布を用いた場合、特に耐衝撃性を向上することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002141 【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社 【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号 【識別番号】500119433 【氏名又は名称】佐野プラスチック株式会社 【住所又は居所】栃木県佐野市久保町213
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| 【出願日】 |
平成14年4月4日(2002.4.4) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−301315(P2003−301315A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月24日(2003.10.24) |
| 【出願番号】 |
特願2002−102960(P2002−102960) |
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