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【発明の名称】 ヘッドバンドおよびそれを用いたヘルメット
【発明者】 【氏名】中曽根 一夫
【住所又は居所】栃木県佐野市久保町213 佐野プラスチック株式会社内

【氏名】下川 雄二
【住所又は居所】栃木県佐野市久保町213 佐野プラスチック株式会社内

【氏名】浜詰 正行
【住所又は居所】栃木県佐野市久保町213 佐野プラスチック株式会社内

【要約】 【課題】本発明の目的は、ヘッドバンドの長さを頭部の周囲の長さと同じにしてもヘルメットの装着が容易となるヘッドバンドおよびそれを備えたヘルメットを提供することである。

【解決手段】本発明のヘッドバンドでは、図3(a)状態で、掛け留め部3の案内部311に、被掛け留め部5を少し挿入する。そして、ヘルメットを頭部に装着し、頭部の周囲のサイズまで被掛け留め部5を挿入する。ヘッドバンド1の長さが頭部の周囲の長さと同程度とした後、第2の部材32を回動して、更にバンド本体2を締め付ける。第2の部材の回動が最終段階にくると、第1の部材31の支持軸316が基板6の側板61に設けられた凹部62に嵌入する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 頭部に当接して使用されるバンド本体と、前記バンド本体の一端側に掛け留め部を備えた支持部と、前記バンド本体の他端側に設けられた長手方向にラチェット歯を有する帯状の被掛け留め部とを有するヘッドバンドであって、前記掛け留め部は、前記被掛け留め部を案内する案内部および前記ラチェット歯と係合する爪を有する第1の部材と、前記第1の部材を変位させる第2の部材とを有していることを特徴とするヘッドバンド。
【請求項2】 前記第2の部材は、支持部に対し支点を中心に回動自在に設置されているものである請求項1に記載のヘッドバンド。
【請求項3】 前記第2の部材は、前記支点の他端側で前記支持部に固定されるロック機構を有するものである請求項1または2に記載のヘッドバンド。
【請求項4】 前記第1の部材は、前記支点より離間した位置を中心として回動自在に設置されているものである請求項1ないし3のいずれかに記載のヘッドバンド。
【請求項5】 前記支持部および被掛け留め部は、バンド本体より下方に向かって延出しているものである請求項1ないし4のいずれかに記載のヘッドバンド。
【請求項6】 頭部に装着した際に両耳部の後方の位置から、それぞれ前記支持部および被掛け留め部は、バンド本体より下方に向かって延出しているものである請求項1ないし5のいずれかに記載のヘッドバンド。
【請求項7】 前記支持部、被掛け留め部およびバンド本体が、樹脂で一体的に形成されているものである請求項1ないし6のいずれかに記載のヘッドバンド。
【請求項8】 前記ラチェット歯は、被掛け留め部がバンド本体を締め付ける方向へ移動することを許容するが、弛緩する方向へは阻止するように構成されているものである請求項1ないし7のいずれかに記載のヘッドバンド。
【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載のヘッドバンドを備えたことを特徴とするヘルメット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドバンドおよびそれを備えたヘルメットに関する。
【0002】
【従来の技術】ヘルメットは、各種工場、工事現場その他の作業場などで広く使用されている。一般にヘルメットは、衝撃吸収材、ハンモック、ヘッドバンド、帽体などから構成されているものである。そして、ヘッドバンドは、着用者の頭部の周囲長さに合わせて調整できるようになっている。
【0003】ヘッドバンドの長さを調整するために、従来のヘッドバンドには、図5に示すように、長尺のヘッドバンド50の一端側に複数の掛け留め突起501を有する掛け留め部502と、他端側に複数の穴503を有する被掛け留め部504とが設けられている。そして、ヘッドバンドの長さを、被掛け留め部504を掛け留め部502に掛け留め位置を調整しながら掛け留める様になっている。掛け留め部502は、掛け留め突起501および案内片505を有している。一方、被掛け留め部504は、複数の掛け留め穴503が長手方向に等間隔で多数個有している。案内片505は、ベルト状の被掛け留め部504をスライド自在に案内するための挿入路を有している。掛け留め突起501と掛け留め穴503は、選択的に係合できるようになっている。
【0004】しかし、従来、ヘルメットを装着する前に、ヘッドバンドの長さを調整するため、ヘルメットの固定が不充分となる場合があった。すなわち、ヘッドバンドの長さを頭部の周囲の長さと同じにした場合、ヘルメットを装着するのが困難となった。そのため、ヘッドバンドの長さを頭部の周囲の長さより若干長くして、ヘルメットを使用していた。しかし、かかる場合には、頭部からヘルメットが脱落しやすくなってしまうものであり、安全性等に問題があった。また、ヘッドバンドの長さの調整には、毎回、ヘルメットを取り外して掛け留め突起と掛け留め穴の位置調整をする必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ヘッドバンドの長さを頭部の周囲の長さと同じにしてもヘルメットの装着が容易となるヘッドバンドおよびそれを備えたヘルメットを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1)頭部に当接して使用されるバンド本体と、前記バンド本体の一端側に掛け留め部を備えた支持部と、前記バンド本体の他端側に設けられた長手方向にラチェット歯を有する帯状の被掛け留め部とを有するヘッドバンドであって、前記掛け留め部は、前記被掛け留め部を案内する案内部および前記ラチェット歯と係合する爪を有する第1の部材と、前記第1の部材を変位させる第2の部材とを有していることを特徴とするヘッドバンド。
(2)前記第2の部材は、支持部に対し支点を中心に回動自在に設置されているものである上記(1)に記載のヘッドバンド。
(3)前記第2の部材は、前記支点の他端側で前記支持部に固定されるロック機構を有するものである上記(1)または(2)に記載のヘッドバンド。
(4)前記第1の部材は、前記支点より離間した位置を中心として回動自在に設置されているものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のヘッドバンド。
(5)前記支持部および被掛け留め部は、バンド本体より下方に向かって延出しているものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のヘッドバンド。
(6)頭部に装着した際に両耳部の後方の位置から、それぞれ前記支持部および被掛け留め部は、バンド本体より下方に向かって延出しているものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のヘッドバンド。
(7)前記支持部、被掛け留め部およびバンド本体が、樹脂で一体的に形成されているものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のヘッドバンド。
(8)前記ラチェット歯は、被掛け留め部がバンド本体を締め付ける方向へ移動することを許容するが、弛緩する方向へは阻止するように構成されているものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のヘッドバンド。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のヘッドバンドを備えたことを特徴とするヘルメット。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明のヘッドバンドおよびヘルメットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。まず、ヘルメットについて説明する。図1は、本発明のヘルメットを構成する部材の分解斜視図である。本発明のヘルメットは、図1に示すように、帽体10と、ハンモック20と、ヘッドバンド1と、顎紐30とから構成されている。なお、必要に応じて帽体内部に衝撃吸収材を設けても構わない。
【0008】帽体10には、ハンモック20を結合する結合部(不図示)が設けられている。前記ハンモックを結合する結合部は、帽体内に通常4個程度設けられているが、これに限定されるものでは無い。
【0009】ハンモック20は、天部パット201と、帯状体202とを有している。また、ハンモック20は、帯状体202を介してハンモックハンガー203と結合される。帯状体202は、頭部を固定するように6本の帯状体で構成されている。前記帯状体202の数は、特に限定されないが、4本以上が好ましく、特に6本以上が好ましい。これにより、ヘルメットを装着した際の安定性をより向上することができる。ハンモックハンガー203は、顎紐を接合する1対の扇形の部材205と、ハンモックハンガー203を帽体10に接続するためのハンガー部206と、前記帯状体202を挿入する挿入部207とを有している。
【0010】ヘッドバンド1は、バンド本体2と、バンド本体2の一端側に掛け留め部3を備えた支持部4と、バンド本体2の他端側に設けられた長手方向にラチェット歯51を有する帯状の被掛け留め部5とを有している。顎紐30は、紐の長さを調整する部材301と、顎紐を結合する部材302と、ハンモックハンガー203に取り付ける取り付け部材303とを有している。
【0011】次に、本発明のヘッドバンドを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。図2ないし4は、本発明のヘッドバンドを詳細に説明するための図である。前述の図1に示した通り、ヘッドバンド1は、バンド本体2と、バンド本体2の一端側に掛け留め部3を備えた支持部4と、バンド本体2の他端側に設けられた長手方向に沿って複数のラチェット歯51を有する帯状の被掛け留め部5とを有している。
【0012】掛け留め部3は、支持部4の一端側の外側(頭部に当接しない側)に設けられている。掛け留め部3は、第1の部材31と、第2の部材32とから構成されている。第1の部材31は、被掛け留め部5を案内する案内部311と、ラチェット歯51と係合する爪312とを有している。案内部311は、爪312の下方に設けられている。案内部311により、被掛け留め部5を容易に挿入することができ、かつ挿入後に爪312と被掛け留め部5との間隔を一定に保持することができる。
【0013】爪312は、第1の部材31と一体的に形成されており、爪312は、第1の部材31の下方向に設けられている。爪312の断面は、一方が垂直面で、他方が斜め面になっている。なお、垂直面と斜め面の向きは、後述するラチェット歯51の垂直面と斜め面の向きと逆になっている。爪312は、弾性変形するものであり、爪312の他端側にある押圧部314を押すと引っ込み、離すと引っかかる構造になっている。押圧部314を離すことにより、ラチェット歯51と係止することができる。
【0014】第1の部材31は、第1の部材31の両側板315からそれぞれ外側に向けて平板上に突出している支持軸316を有している。第1の部材31は、第2の部材32に対して支点321より離間した位置にある支点(支持軸)316を中心に回動自在に設置されている。支持軸316は、第2の部材32と嵌合することができるようになっている。
【0015】第2の部材32は、コ字状のフレーム部材322と、フレーム部材に設けられた指あて部323で構成されている。第2の部材32は、第1の部材31を変位させるものである。第2の部材32は、支持部4上にある2枚の側板61を備えた基板6に設置されている。コ字状のフレーム部材322は、基板6に対し支点321を中心に回動自在に設置されている。第1の部材31の支持軸316は、第1の部材31を第2の部材32に固定するのに用いられる。側板61には、支持軸316を挿入する凹部62が設けられている。
【0016】支持部4は、上述の掛け留め部3を備えている。支持部4と掛け留め部3は、支持部4に設けられた基板6を介して接合される。
【0017】被掛け留め部5に設けられたラチェット歯51は、断面で山型であり、一方側は垂直になっており、他方側は斜めになっている。これにより、爪312でラチェット歯51を係止することができる。ラチェット歯51は、被掛け留め部5の長手方向に複数のラチェット歯51が等間隔で設けられている。また、ラチェット歯51は、被掛け留め部5の幅方向の中央部分に設けられ、かつ、その部分が凸型となっている。ラチェット歯51は、被掛け留め部5がバンド本体2を締め付ける方向へ移動することを許容するが、弛緩する方向へは阻止するように構成されている。これにより、ヘルメット装着の容易性および装着後の安定性を向上することができる。
【0018】支持部4および被掛け留め部5は、バンド本体2より下方に向かって延出するように構成されている。前記支持部および被掛け留め部の下方への延出長さは、特に限定されないが、バンド本体の下部から35〜80mmが好ましく、特に40〜70mmが好ましい。これにより、ヘルメットの装着安定性をより向上することができる。更に詳しく述べると、頭部に装着した際に両耳部の後方の位置から、それぞれ支持部4および被掛け留め部5は、バンド本体2より下方に向かって延出するように設置されている。
【0019】支持部4、被掛け留め部5およびバンド本体2は、樹脂で一体的に形成されているが、使用する樹脂の強度等に応じて、別々に成形しても構わない。バンド本体および被掛け留め部を構成する材料の曲げ弾性率は、特に限定されないが、200〜500Mpaが好ましく、特に250〜450Mpaが好ましい。これにより、バンド本体等に適度な柔軟性を付与することができる。また、掛け留め部を構成する材料の弾性率は、特に限定されないが、1500〜4000Mpaが好ましく、特に2000〜3000Mpaが好ましい。これにより、被掛け留め部をより強固に係止することができる。
【0020】次に本発明のヘルメットおよびヘッドバンドの動作について説明する。ハンモック20とハンモックハンガー203とは、ハンモック20の帯状体202をハンモックハンガーの挿入部207に挿入して結合される。また、ハンモックハンガー203と、ヘッドバンド1とは、ヘッドバンド1に設けられた突起部をハンモックハンガー203の楕円形状の挿入部に挿入して結合される。
【0021】また、ハンモックハンガー203と顎紐30とは、顎紐30を接続する1対の扇形の部材205と顎紐30に設けられた接続部材303とを介して結合される。次に、ハンモック20と、ヘッドバンド1と、顎紐30が取り付いたハンモックハンガー203は、帽体10のハンモックハンガー結合部材(不図示)に結合される。これにより、本発明のヘルメットを得ることができる。
【0022】次に、ヘッドバンドの動作について説明する。本発明のヘッドバンドを用いたヘルメットを頭部に装着する場合、次のように行う。まず、図3(a)および図4の状態で、掛け留め部3の案内部311に、被掛け留め部5を少し挿入する。そして、ヘルメットを頭部に装着し、頭部の周囲のサイズまで被掛け留め部5を挿入する。この際、掛け留め部3の爪312と被掛け留め部5のラチェット歯51とが係合し、被掛け留め部5はバンド本体を締め付ける方向には移動するが、弛緩する方向には移動しない。
【0023】ヘッドバンド1の長さを頭部の周囲の長さと同程度とした後、第2の部材32を回動して、更にバンド本体2を締め付ける。この際、ヘッドバンドは掛け留め部および被掛け留め部に設けられたラチェット機構により長さが緩まない。第2の部材の回動が最終段階にくると、第1の部材31の支持軸316が基板6の側板61に設けられた凹部62に嵌入する。これにより、ヘッドバンドの長さがロックされ、元に戻らなくなっている。従って、ヘルメットの装着時の安定性を向上することができる。ヘルメットの装着時の安定性が向上すると、作業時の安全性を向上することができる。すなわち、本発明のヘッドバンドは、一段階目で頭部の周囲の長さにほぼ合致するようにヘッドバンドを締め付けた後、二段階目で第2の部材の回動により、ヘッドバンドを更に締め付けることができ、その後、ロック機構により固定する。これにより、確実に頭部にベルトを締め付けることができ、ヘルメット装着時の安定性に優れる。その結果、安全性を向上することができるものである。
【0024】支持部4と被掛け留め部5は、バンド本体2から下方に向かって延出するように構成されているので、後頭部の下側でバンド本体が固定されることになる。これにより、ヘルメットの装着安定性を更に向上することができる。従来のヘルメットでは、バンド本体の位置が通常の日本人が有する頭部の形に添わないものであったが、これに対して本発明のヘッドバンドでは日本人の頭部の形状にヘッドバンドを添うように、ヘッドバンドの掛け留め位置を下方向に変えたものである。
【0025】ヘルメットを脱着するときは、支持軸316の凹部62への嵌合を解除し、締め付ける際と逆方向に第2の部材32を回動させることで、バンド本体2の長さを容易に弛緩することができ、脱着可能となる。また、ヘッドバンド1の長さを弛緩するときは、第1の部材31の爪312を押してラチェット歯51との係合を外して被掛け留め部5を引き出す。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、ヘッドバンドの長さを頭部の周囲の長さと同じにしてもヘルメットの装着が容易となるヘッドバンドおよびそれを備えたヘルメットを提供することができる。また、掛け留め部を備えたバンド本体の支持部および帯状の被掛け留め部をバンド本体より下方向に延出させた場合、ヘルメットの装着時の安定性をより向上することができる。ヘルメットの装着時の安定性を向上させることにより、作業時の安全性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東品川2丁目5番8号
【識別番号】500119433
【氏名又は名称】佐野プラスチック株式会社
【住所又は居所】栃木県佐野市久保町213
【出願日】 平成14年1月22日(2002.1.22)
【代理人】 【識別番号】100091292
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 達哉 (外1名)
【公開番号】 特開2003−221724(P2003−221724A)
【公開日】 平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願番号】 特願2002−13269(P2002−13269)