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【発明の名称】 ヘッドバンド
【発明者】 【氏名】小林 俊明

【要約】 【課題】操作性が良く、環状の大きさが不意に緩むことがなく、且つ、安価な調整構造を備える。

【解決手段】帯体の一端部20aの面に鋸歯状の突起23を複数設ける。帯体の他端部20bに帯体の一端部20aを挿通するケース25を設け、ケース25内に突起23と係止し得るように係止爪28を押圧付勢する弾性部材27を内装する。弾性部材27には自身の付勢力に抗する側にてケース25外に延出する連結杆29を設ける。ケース25外には、ケース25に対して移動可能に係止されるとともに連結杆29に嵌合連結する引上げレバー30を設ける。そして、突起23と係止爪28との係止によって帯体を環状として一端部20aと他端部20bとを環状の小径方向にのみに相対移動可能とし、引上げレバー30の操作によって一端部20aと他端部20bとを環状の大径方向に相対移動可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 帽体を頭部に対してズレなく支持するヘッドバンドであって、帯体の一端部の面に併設された鋸歯状の複数の突起と、帯体の他端部に設けられ、前記突起と係止し得るように係止爪を弾性部材によって押圧付勢し、該弾性部材の付勢力に抗して前記係止爪を前記突起から離間させる方向に引き上げる引上げレバーを有した係脱機構と、を備え、前記突起と前記係止爪との係止によって前記帯体を環状として前記一端部と前記他端部とを環状の小径方向にのみに相対移動可能とし、前記引上げレバーの操作によって前記一端部と前記他端部とを環状の大径方向に相対移動可能とすることを特徴とするヘッドバンド。
【請求項2】 帽体を頭部に対してズレなく支持するヘッドバンドにおいて、帯体の他端部に設けられ、前記帯体の一端部の面に摩擦部材を押し付けるように弾性部材によって押圧付勢し、該弾性部材の付勢力に抗して前記摩擦部材を前記一端部の面から離間させる方向に引き上げる引上げレバーを有した係脱機構を備え、前記摩擦部材と前記一端部の面との接触によって前記帯体を環状として前記一端部と前記他端部との相対移動を規制し、前記引上げレバーの操作によって前記一端部と前記他端部とを環状の大径方向に相対移動可能とすることを特徴とするヘッドバンド。
【請求項3】 前記係脱機構は、前記帯体の一端部を挿通するとともに前記弾性部材を内装するケースを有し、前記弾性部材に自身の付勢力に抗する側に延出された連結杆を延設し、前記引上げレバーを前記ケースに対して移動可能に係止するとともに、前記連結杆に嵌合連結してなることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のヘッドバンド。
【請求項4】 前記帯体の一端部には、前記係脱機構からの離脱を防止する抜止部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のヘッドバンド。
【請求項5】 前記抜止部材が前記一端部を引く引手をなし、該引手の操作によって前記帯体の環状を小径に調整し得ることを特徴とする請求項4記載のヘッドバンド。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、頭部防護のために用いられるヘルメットを頭部に固定支持するヘッドバンドにかかり、特に頭部の回りへの装着状態を調節できるヘッドバンドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にヘルメットは、外殻となる帽体の内壁面に沿って衝撃吸収材が設けられ、さらに衝撃吸収材の内側に装着体が設けられている。装着体は、帽体の内側にて衝撃吸収材と所定の間隔をおいて取り付けられる十字状の帯体を有したハンモックと、ハンモックに設けられて頭部の回りに装着されるヘッドバンドと、同じくハンモックに設けられた顎紐とからなる。ハンモックは、頂頭部にかかり頭部に対して帽体を浮かせるようにして支持する。ヘッドバンドは、前頭部から側頭部を介して後頭部に至って環状をなして頭部の回りに装着される。これにより、ハンモックを介して帽体および衝撃吸収材が頭部に対して非接触な状態で支持される。また、ヘッドバンドは、環状の大きさが可変でき、頭部の回りへの装着状態を調整できる。顎紐は、一般にハンモックから両側頭部を介して顎に至り、ヘルメットが頭部から脱落するのを防止する。このように、ヘッドバンドは、ヘルメットを着用する着用者の頭部の回りに合うように装着され、ヘルメットを頭部に固定支持する。
【0003】上記ヘッドバンドにおいて、頭部の大きさや形状に合うように環状の大きさを可変する調整構造は、環状の一部が分離され、その一端部に複数の小突起が設けられ、他端部に小突起に係合する孔部が設けられている。そして、小突起と孔部との係合位置を変えることで環状の大きさを可変する。また、別の調整構造として、分離された環状の一端部に鋸歯状の突起が複数併設され、他端部に前記突起の一つと係合する爪を有するとともに、該爪の突起との係合を解除する押しボタンを有した係脱機構が設けられたものがある。そして、一端部を他端部の係脱機構に挿通させることで突起と爪とが係合してそれ以上環状を大きくさせず、且つ、押しボタンを押すことで環状が大きくなって頭部に対して緩ませて調整を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来のヘッドバンドでは、上記調整構造において、通常、環状が分割された部分が後頭部であるため、小突起と孔部との係合が後ろ手の操作となるので、ヘルメットを装着しながらの環状の大きさの調整が困難であるという問題があった。
【0005】また、上記別の調整構造においては、分割された環状の一端部を他端部の係脱機構に挿通させて環状の大きさを調整するので上記調整構造と比較すると操作性は悪くないが、押しボタンが作業中などで不意に押されてしまうとヘッドバンドが緩んでしまいヘルメットが頭部からズレて脱落するという問題がある。なお、上記別の調整構造の多くは、弾性部材で爪が突起側に押され、押しボタンを押した梃子の作用で爪が突起から離れる構成とされているため構成が複雑となってコストが嵩むという問題もある。
【0006】さらに、上記別の調整構造は、環状の一端部と他端部とが分離可能なので、ヘルメットを頭部から外す際に一端部と他端部とを完全に分離させてしまうことが多い。このため、次にヘルメットを使用する時の環状の大きさの調整がし難くなるという問題がある。
【0007】そこで本発明は、上記課題を解消するために、操作性が良く、且つ、不意に緩むことがないとともに安価な調整構造を備えたヘッドバンドを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明による請求項1記載のヘッドバンドは、帽体を頭部に対してズレなく支持するヘッドバンドであって、帯体の一端部の面に併設された鋸歯状の複数の突起と、帯体の他端部に設けられ、前記突起と係止し得るように係止爪を弾性部材によって押圧付勢し、該弾性部材の付勢力に抗して前記係止爪を前記突起から離間させる方向に引き上げる引上げレバーを有した係脱機構と、を備え、前記突起と前記係止爪との係止によって前記帯体を環状として前記一端部と前記他端部とを環状の小径方向にのみに相対移動可能とし、前記引上げレバーの操作によって前記一端部と前記他端部とを環状の大径方向に相対移動可能とすることを特徴とする。
【0009】請求項2記載のヘッドバンドは、帽体を頭部に対してズレなく支持するヘッドバンドにおいて、帯体の他端部に設けられ、前記帯体の一端部の面に摩擦部材を押し付けるように弾性部材によって押圧付勢し、該弾性部材の付勢力に抗して前記摩擦部材を前記一端部の面から離間させる方向に引き上げる引上げレバーを有した係脱機構を備え、前記摩擦部材と前記一端部の面との接触によって前記帯体を環状として前記一端部と前記他端部との相対移動を規制し、前記引上げレバーの操作によって前記一端部と前記他端部とを環状の大径方向に相対移動可能とすることを特徴とする。
【0010】請求項3記載のヘッドバンドは、請求項1あるいは請求項2記載のヘッドバンドにおいて、前記係脱機構は、前記帯体の一端部を挿通するとともに前記弾性部材を内装するケースを有し、前記弾性部材に自身の付勢力に抗する側に延出された連結杆を延設し、前記引上げレバーを前記ケースに対して移動可能に係止するとともに、前記連結杆に嵌合連結してなることを特徴とする。
【0011】請求項4記載のヘッドバンドは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のヘッドバンドにおいて、前記帯体の一端部には、前記係脱機構からの離脱を防止する抜止部材が設けられていることを特徴とする。
【0012】請求項5記載のヘッドバンドは、請求項4記載のヘッドバンドにおいて、前記抜止部材が前記一端部を引く引手をなし、該引手の操作によって前記帯体の環状を小径に調整し得ることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明のヘッドバンドが採用されるヘルメットの一例を説明する。図1は本発明のヘッドバンドが採用されるヘルメットの一例を示す側断面図、図2は同ヘルメットの底面図である。
【0014】図1および図2に示すように、ヘルメットは、頭部を覆う帽体1を有している。帽体1は、主に外帽部材2と、緩衝部材3と、内帽部材4とからなる。
【0015】外帽部材2は、帽体1の外形をなすものである。外帽部材2は、例えば硬質で軽量の合成樹脂材からなり、所定の厚さを有して略半球状に形成されている。外帽部材2の内周縁には、後述の内帽部材4や紐体11を係止するピン5が設けられている。ピン5は、本実施の形態では、細径部分の先端に大径部分を有して、外帽部材2の左右対称位置となる前方に二箇所(5a)、前側方に二箇所(5b)、後側方に二箇所(5c)、後方に二箇所(5d)の計八箇所に設けられている。
【0016】緩衝部材3は、前記外帽部材2の内壁に沿って配されるものである。この緩衝部材3は、例えば発泡樹脂などからなり、所定の厚さを有し、外帽部材2の内壁面に沿うように略半球状に形成されている。
【0017】内帽部材4は、前記外帽部材2の内側に配されるものである。この内帽部材4は、外帽部材2側に取り付けられる四つの支持アーム6を有している。各支持アーム6は、略逆Y字状に形成され、二股状とされた各下端部6aが、外帽部材2に設けられた上記各ピン5に係止される。支持アーム6の下端部6aには、逆ダルマ型の係止穴7が形成され、この係止穴7をピン5の大径部分に挿通し、上方にスライドさせてピン5の小径部分に挿通して大径部分にて抜け止めされる。また、四つの支持アーム6のうちの二つは、各下端部6aが、ピン5aとピン5bに係止され、残りの二つは、各下端部6aがピン5cとピン5dに係止される。ゆえに、各支持アーム6は、図2に示すように、略逆Y字状の上端部6bが帽体1の略対角線上で対向する。そして、それぞれ対向する各支持アーム6の上端部6bは、支持ベルト8にて連結されている。各支持ベルト8は、外帽部材2の内部上方にてX字状に交差する。
【0018】上記帽体1には、紐体11が取り付けられている。本実施の形態での紐体11は、顎掛け紐12と、後頭部掛け紐13と、支持紐14とからなる。
【0019】顎掛け紐12は、長手状の帯紐からなり、帽体1の対向する両側部周縁にそれぞれ端部12aが取り付けられる。顎掛け紐12の端部12aは、帽体1の外帽部材2に設けられているピン5のうちの前側方のピン5bに対し、取付部材16を介して取り付けられている。取付部材16は、板片状に形成され、ピン5bに係止されるダルマ型の係止穴16aと、顎掛け紐12を通す通し穴16bとが設けられている。この取付部材16は、図1に示すように、ピン5bに対し、支持アーム6を係止する前に係止される。即ち、取付部材16は、ピン5bに係止され、且つ、支持アーム6によってピン5bから容易に外れないようになっている。また、顎掛け紐12の端部12aは、取付部材16の通し穴16bに通されて折り返し状にして縫着されている。このようにして、帽体1に取り付けられた顎掛け紐12は、帽体1の両側部周縁から略垂下して装着者Aの耳A2の前側から顎A3にかけて連続する。顎掛け紐12には、その中途部分において、着脱可能な連結部材17が設けられている。これにより、顎掛け紐12は、連結部材17を介して分離可能とされている。また、顎掛け紐12は、その長さが調整可能とされている。
【0020】後頭部掛け紐13は、長手状の帯紐からなり、上記顎掛け紐12の耳近傍の部位に端部13aが固定(縫着)されている。後頭部掛け紐13は、顎掛け紐12に対して略鉛直にして固定され、装着者Aの各耳A2の下側を略水平に通過して後頭部A4にかけて連続するように設けられている。また、後頭部掛け紐13は、その長さが調整可能とされている。
【0021】支持紐14は、後頭部掛け紐13における装着者Aの後頭部A4の部位と、帽体1の後頭部周縁との間に介在されている。支持紐14は、長手状の帯紐からなり、各端部14aが帽体1の後頭部周縁に取り付けられる。支持紐14の各端部14aは、帽体1の外帽部材2に設けられているピン5のうちの後方のピン5dに対し、上述した取付部材16を介してそれぞれ取り付けられている。そして、支持紐14は、その中央部を下方に引いて略V字状とされた下端部14bが、後頭部掛け紐13の後頭部部位に取り付けられる。支持紐14の略V字状の下端部14bを後頭部掛け紐13に取り付ける構成は、例えば、後頭部掛け紐13に挿通係止される掛止具18を介して掛け止められる。
【0022】内帽部材4には、図1および図2にて一点鎖線で示す環状のヘッドバンド20が設けられている。ヘッドバンド20の詳細については後述する。
【0023】このように構成された帽体1は、図1にて二点鎖線で示す装着者Aの頭部に装着される。この状態にて、各支持アーム6を連結してX字状に交差した支持ベルト8が、装着者Aの頭頂A1に当接するとともに、ヘッドバンド20が、装着者Aの頭周りに沿って当接する。これにより、外帽部材2および緩衝部材3は、内帽部材4の構成によって装着者Aの頭部に直接接触することなく浮き上がるようにして装着される。
【0024】以下、本発明のヘッドバンドについて説明する。図3は本発明のヘッドバンドを示す展開図、図4は同ヘッドバンドにおける係脱機構を示す分解斜視図、図5(a)(b)は同係脱機構の動作を示す断面図である。
【0025】図3に示すように、ヘッドバンド20は、長手状の帯体を主として構成されている。ヘッドバンド20の長辺の一方には、複数(四個)の腕部21が延設されている。各腕部21は、各支持アーム6の各下端部6a間に延設された取付片6cに対して取り付けられる。腕部21には、係合爪21aが形成されている。一方、取付片6cには、図1および図2に示すように上下に連なる複数の取付穴22が設けられている。ヘッドバンド20は、腕部21の係合爪21aを選択した取付穴22に係合することにより、支持アーム6(内帽部材4)に取り付けられる。なお、取付穴22を選択することにより、ヘッドバンド20の支持アーム6に対する取り付け高さが調整できる。
【0026】ヘッドバンド20をなす帯体の一端部20aの面には、略垂直な平坦面と斜面とを有する鋸歯状の複数の突起23が長手方向に沿って併設されている。また、帯体の他端部20bには、係脱機構24が設けられている。
【0027】図4に示すように、係脱機構24は、合成樹脂性のケース25を有している。ケース25は、下方が開口された箱体をなし、その開口端縁に固定ピン25aが形成されている。固定ピン25aは、帯体の他端部20bに設けられた固定穴26に挿通されるとともに、貫通した先端が溶融されて抜け止めされる。これにより、ケース25が帯体の他端部20bに固定される。
【0028】ケース25内には、弾性部材27が収容される。弾性部材27は、中央部分が下方に撓むように湾曲形成された合成樹脂性の板体からなる。弾性部材27の中央底面には、係止爪28が形成されている。係止爪28は、一側が略垂直な平坦面をなし、他側が湾曲面(あるいは傾斜面でも良い)をなし、平坦面が帯体の一端部20aに形成された各突起23に係止する。また、弾性部材27の中央上面には、上方に延設された連結杆29が形成されている。連結杆29の上端には、大径のフランジ部29aが形成されている。連結杆29の上端は、弾性部材27がケース25に収容された際、ケース25の上面に穿設された穴部25bを貫通して、ケース25の上部に突出する。上記弾性部材27は、ケース25を帯体の他端部20bに固定する前にケース25内に収容される。
【0029】ケース25の外部には、引上げレバー30が取り付けられる。引上げレバー30は、断面略L字状に形成されており、短手側の先端に抜止片31が突設され、長手側の先端に嵌合溝32が穿設されている。抜止片31は、略矢印状に形成され、ケース25の前側面に形成された係止穴25cに挿通係止される。これにより、引上げレバー30の短手側が、上下方向に移動可能で、且つ、ケース25から抜け止めされる。嵌合溝32は、ケース25内に収容された弾性部材27からケース25の上部に突出する連結杆29のフランジ部29aに嵌合する。これにより、引上げレバー30の長手側が、弾性部材27に連結される。ゆえに、引上げレバー30は、抜止片31によりケース25に対して移動可能に係止されるとともに、嵌合溝32によって連結杆29に嵌合連結される。上記引上げレバー30は、ケース25を帯体の他端部20bに固定する前に、弾性部材27の収容とともにケース25の外部に取り付けられる。また、ケース25に取り付けられた引上げレバー30は、ケース25の上面に設けられた略コ字状の段部25eni囲まれて位置決めされる。
【0030】また、ケース25の対向する左右側面には、それぞれ切欠部25dが形成されれている。切欠部25dは、ケース25が帯体の他端部20bに固定された際に帯体の一端部20aを挿通する長穴をなす。
【0031】このような構成において、図5(a)に示すように、帯体の一端部20aをケース25の切欠部25dに挿通することにより、弾性部材27の弾性力によって係止爪28が押圧付勢されて、帯体の一端部20aに形成された各突起23に係止する。この係止により帯体が環状とされる。上記の如く、突起23は鋸歯状に形成されており、その平坦面と、係止爪28の平坦面とが当接することにより互いに係止する。また、突起23の斜面と係止爪28の湾曲面とは互いに係止せず係止爪28が突起23を乗り越えることが可能である。これにより、帯体の環状の大きさを小さくするように、帯体の一端部20aと他端部20bを小径方向(図5(a)中の矢印■方向)にのみ相対移動させて、帯体の環状の大きさを頭部の周囲の大きさに合わせることが可能となる。ゆえに、ヘッドバンド20は、帽体1を装着者Aの頭部に対してズレなく支持する。
【0032】また、図5(b)に示すように、引上げレバー30を上方(図5(b)中の矢印■方向)に引き上げることにより、連結杆29を介して弾性部材27の付勢力に抗して係止爪28を突起23から離間させる。これにより、帯体の一端部20aと他端部20bとを環状の大径方向(図5(b)中の矢印■方向)にも相対移動できるようにして、帯体の環状の大きさを頭部の周囲から緩ませることが可能となる。
【0033】なお、引上げレバー30は、その短手側の抜止片31がケース25の係止穴25cに係止されており、上記引き上げ操作に際して引き上げ量が規制される。これにより、引上げレバー30および弾性部材27の破損を防ぐことが可能となる。また、図4に示すように、引上げレバー30の短手側の外面の形状を手指を添えるように湾曲形成したり、手指が掛かる突起を設けることにより、引上げレバー30の操作を容易にできる。
【0034】ところで、図3に示すように、帯体の一端部20aには、抜止部材33が設けられている。抜止部材33は、ケース25に設けられた切欠き部25dがなす長穴に挿通されない大きさとされている。抜止部材33は、帯体の一端部20aに設けられた穴34に係合する係合部33aを介して一端部20aに取り付けられる。抜止部材33を帯体にの一端部20aに取り付けるのは、一端部20aを係脱機構24に挿通した後に行う。抜止部材33は、帯体の一端部20aにおける係脱機構24(帯体の他端部20b側)からの離脱を防止する。これにより、ヘルメットを装着する際、予め帯体の一端部20aが係脱機構24に挿通された状態なので装着が容易である。また、ヘッドバンド20の環状を緩める際には、係脱機構24からの帯体の一端部20aの抜けを気にせず操作することが可能である。
【0035】なお、抜止部材33は、帯体の一端部20aを引く引手として用いられる。すなわち、引手を摘むことによって、帯体の環状の大きさを小径に調整する操作を容易に行うことが可能である。特に、係脱機構24が後頭部に位置する際には、後ろ手の操作となるので、抜止部材33を引手として用いることにより、ヘルメットの装着が迅速に行うようになる。
【0036】以下、本発明のヘッドバンドの他の実施の形態を説明する。図6(a)は本発明のヘッドバンドの他の実施の形態を示す断面図、図6(b)は動作図を示す断面図である。なお、以下に説明する他の実施の形態において、上述した実施の形態と同一または同等部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0037】図6(a)に示すように、ヘッドバンド20をなす帯体の一端部20aの面は、上述の突起23が設けられておらず平坦に形成されている。また、弾性部材27の底面には、摩擦部材35が設けられている。摩擦部材35としては、ゴム材(天然・合成)あるいはゲル材などが考えられる。
【0038】このような構成において、図6(a)に示すように、帯体の一端部20aをケース25の切欠部25dに挿通することにより、弾性部材27の弾性力によって摩擦部材35が押圧付勢されて、帯体の一端部20aの面に接触する。この接触により帯体が環状とされる。上記の如く、摩擦部材35は、帯体の一端部20aとの接触により帯体の一端部20aと他端部20bとの相対移動を規制して帯体の環状の大きさを維持する。ゆえに、ヘッドバンド20は、帽体1を装着者Aの頭部に対してズレなく支持する。
【0039】また、図6(b)に示すように、引上げレバー30を上方(図6(b)中の矢印■方向)に引き上げることにより、連結杆29を介して弾性部材27の付勢力に抗して摩擦部材35を帯体の一端部20aの面から離間させる。これにより、帯体の一端部20aと他端部20bとを環状の大径方向(図6(b)中の矢印■方向)に相対移動できるようにして、帯体の環状の大きさを頭部の周囲から緩ませることが可能となる。
【0040】このように、摩擦部材35を備えた構成では、突起23と係止爪28とが係止する上述の実施の形態と比較して、帯体の一端部20aと他端部20bとの相対位置を任意の状態で規制することが可能なので、環状の大きさのフリーな調整を行うことが可能となる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるヘッドバンドは、帯体の他端部に設けられた係脱機構として、帯体の一端部の面に併設された鋸歯状の複数の突起と係止し得るように係止爪を弾性部材によって押圧付勢し、弾性部材の付勢力に抗して係止爪を突起から離間させる方向に引き上げる引上げレバーを有している。これにより、突起と係止爪との係止によって帯体を環状として一端部と他端部とを環状の小径方向にのみに相対移動可能とし、引上げレバーの操作によって一端部と他端部とを環状の大径方向に相対移動可能とする。したがって、環状が分割された部分が後頭部であっても操作性がよい。また、引上げレバーの引上げによる操作のため、従来の押しボタンのように作業中などで不意に操作されて環状が緩むようなことがない。さらに、引上げレバーが係止爪を突起から離間させる方向に引き上げるため、従来の押しボタンを押した梃子の作用で爪が突起から離れる構成に対して構成が簡素化されるのでコストを低減することができる。
【0042】また、帯体の他端部に設けられた係脱機構として、帯体の一端部の面に摩擦部材を押し付けるように弾性部材によって押圧付勢し、弾性部材の付勢力に抗して摩擦部材を一端部の面から離間させる方向に引き上げる引上げレバーを有している。これにより、摩擦部材と一端部の面との接触によって帯体を環状として一端部と他端部との相対移動を規制し、引上げレバーの操作によって一端部と他端部とを環状の大径方向に相対移動可能とする。したがって、環状が分割された部分が後頭部であっても操作性がよい。また、引上げレバーの引上げによる操作のため、従来の押しボタンのように作業中などで不意に操作されて環状が緩むようなことがない。さらに、引上げレバーが摩擦部材を一端部の面から離間させる方向に引き上げるため、従来の押しボタンを押した梃子の作用で爪が突起から離れる構成に対して構成が簡素化されるのでコストを低減することができる。
【0043】また、前記係脱機構は、帯体の一端部を挿通するとともに弾性部材を内装するケースを有し、弾性部材に自身の付勢力に抗する側に延出された連結杆を延設し、引上げレバーをケースに対して移動可能に係止するとともに、連結杆に嵌合連結してなる。このように構成することにより、部品点数が減少して製造コストを低減することができる。また、係止爪(摩擦部材)を突起(一端部の面)から離間させる方向に引き上げる引上げレバーの操作を実現することができる。
【0044】帯体の一端部に係脱機構からの離脱を防止する抜止部材を設けたことにより、ヘルメットを頭部から外す際に一端部と他端部とを完全に分離させてしまうことがない。したがって、ヘルメットを装着する際、予め帯体の一端部が係脱機構に挿通された状態なので装着が容易である。また、帯体の環状を緩める際に、係脱機構からの帯体の一端部の抜けを気にせず操作することができる。
【0045】また、抜止部材が一端部を引く引手をなすように構成すれば、引手を摘むことによって、帯体の環状の大きさを小径に調整する操作を容易に行うことができる。特に、係脱機構が後頭部に位置する際に後ろ手の操作となるのが、抜止部材を引手として用いることにより、ヘルメットの装着を迅速に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】500337141
【氏名又は名称】小林 俊明
【出願日】 平成14年1月21日(2002.1.21)
【代理人】 【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
【公開番号】 特開2003−213514(P2003−213514A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−11630(P2002−11630)