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【発明の名称】 ヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造
【発明者】 【氏名】松宮 毅
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【氏名】加藤 齊
【住所又は居所】東京都港区芝浦三丁目18番21号 日本電気エンジニアリング株式会社内

【要約】 【課題】光学装置等のヘルメット装着時、容易に重心位置を適切な位置に調整でき、使用中断時等に装置の変位に伴い自動的に釣り合い錘を変位でき、かつ、設置された装置重量に応じ、釣り合い錘を選択でき、また、釣り合い錘の交換も容易である等の機能を備えた釣り合い錘の自動変位構造を提供する。

【解決手段】光学装置旋回軸と、光学装置取付け旋回レバーと、2個の溝付きホイールと、リフター及びレールに沿い所定の距離だけ移動可能であり引張りばねの両端に接続された2個の釣り合い錘と、一端部がホイールの溝に沿って巻かれることができるケーブルとを有し、レバーを旋回させると、ホイール及びケーブルを介して、釣り合い錘が、ばねに抗して側面を自動的に変位する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘルメット等の外表面の前上部に取付けられ、左右水平方向に所定の長さを有する光学装置旋回軸と、一端に光学装置を取付け、他端が前記旋回軸に旋回可能に取付けられた光学装置取付け用レバーと、前記旋回軸の両側にそれぞれ取付けられ、前記光学装置取付け用レバーとともに回動する2個の溝付きホイールと、ヘルメット裾部の後部から左右側部にかけて装着されたリフター及びレールに沿い所定の距離だけ移動可能であり、かつ引張りばねの両端に接続された2個の釣り合い錘と、左右それぞれの側において、一端が前記ホイールに固定され、他端がそれぞれの側の前記釣り合い錘に固定され、緊張されたケーブルであって、前記一端部がホイールの溝に沿って巻かれることができる該ケーブルと、を有し、前記光学装置の使用の中断時等にレバーを上後方に向けて旋回させると、前記ホイール及びケーブルを介して、前記釣り合い錘が、前記ばねに抗して側面を自動的に変位する構造であることを特徴とする、ヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造。
【請求項2】 前記レバーの旋回可能角度が約180°である、請求項1記載のヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造。
【請求項3】 前記ホイールと前記釣り合い錘との間のケーブルの少なくとも一部を挿入させこれをガイドするためのチューブが、ヘルメット表面左右の所定位置に沿い付けられている、請求項1または2記載のヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造。
【請求項4】 レバーを含む光学装置の重量、該重心の前後方向水平投影移動距離、及び釣り合い錘の重量、該重心の前後方向水平投影移動距離のデータに基づき、最適のホイール溝部直径が決定される、請求項1記載のヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造。
【請求項5】 ホイール溝部直径を変更せずに、光学装置を交換しその重量が変化する場合、それに応じて適切な重量の釣り合い錘を選択し、かつ容易に交換できる、釣り合い錘の取付け部構造を有する、請求項4記載のヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造。
【請求項6】 ヘルメット等の外表面の前上部に取付けられ、左右水平方向に所定の長さを有する光学装置旋回軸と、一端に右単眼用光学装置を取付け、他端が前記旋回軸に旋回可能に取付けられた光学装置取付け用レバーと、前記旋回軸の左側に取付けられ、前記光学装置取付け用レバーとともに回動する1個の溝付きホイールと、ヘルメット裾部の後部から左側部にかけて装着されたリフター及びレールに沿い所定の距離だけ移動可能であり、かつ右端がヘルメット後部中央裾部に固定された引張りばねの左端に接続された1個の釣り合い錘と、左側において、一端が前記ホイールに固定され、他端が前記釣り合い錘に固定され、緊張されたケーブルであって、前記一端部がホイールの溝に沿って巻かれることができる該ケーブルと、を有し、前記単眼用光学装置の使用の中断時等にレバーを上後方に向けて旋回させると、前記ホイール及びケーブルを介して、前記釣り合い錘が、前記ばねに抗して左側面を自動的に変位することを特徴とする、ヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造。
【請求項7】 請求項6において、左右を逆に構成されたことを特徴とする、左単眼使用のための、ヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造に関し、特に光学装置の使用中断等の際に、光学装置の変位に伴い釣り合い錘の変位が自動的に行われる省力的構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヘルメットに取付けられた装置の釣り合い錘は、ヘルメット全体の重量が重くなり、ヘルメット装着者への負担が増加する等の理由で、釣り合い錘の設計がなされていなかった。そして、ヘルメットの重心位置が適切でないことにより、装着者への負担が大きく、装着時の苦痛や装着不能の状態を引き起こす等の問題点が発生していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の問題点を解決するため、本発明の目的は、(1)例えば双眼鏡,単眼鏡,単対物双接眼鏡,ヘルメット装着ディスプレー等の光学装置または電子機器等の装置が、ヘルメットに取付けられた場合、容易に重心位置を適切な位置に調整することができる、(2)ヘルメットに取付けられた装置位置を移動させたことによる、重心位置の変化においても、装置の移動に伴い自動的に釣り合い錘を移動させることにより、ヘルメットの重心位置を適切な位置に調整することができる、(3)ヘルメットに設置された装置重量に応じ、釣り合い錘を選択でき、また、釣り合い錘の交換も容易であり、したがって、ヘルメット装着者の主観的好みに応じた重心位置を作るために、掛かる負荷に対する釣り合い錘の初期位置を設定することができる、(4)釣り合い錘がフレキシビリティに富み、様々な形状のヘルメットに取付けることができる、等の機能を備えた、ヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造は、ヘルメット等の外表面の前上部に取付けられ、左右水平方向に所定の長さを有する光学装置旋回軸と、一端に光学装置を取付け、他端が旋回軸に旋回可能に取付けられた光学装置取付け用レバーと、旋回軸の両側にそれぞれ取付けられ、光学装置取付け用レバーとともに回動する2個の溝付きホイールと、ヘルメット裾部の後部から左右側部にかけて装着されたリフタ及びレールに沿い所定の距離だけ移動可能であり、かつ引張りばねの両端に接続された2個の釣り合い錘と、左右それぞれの側において、一端がホイールに固定され、他端がそれぞれの側の前記釣り合い錘に固定され、緊張されたケーブルであって、一端部がホイールの溝に沿って巻かれることができるケーブルと、を有し、光学装置の使用の中断時等にレバーを上後方に向けて旋回させると、ホイール及びケーブルを介して、釣り合い錘が、ばねに抗して側面を自動的に変位する構造であることを特徴としている。
【0005】なお、本発明の構造は、レバーの旋回可能角度が約180°であることが好ましい。
【0006】また、本発明の構造は、ホイールと釣り合い錘との間のケーブルの少なくとも一部を挿入させこれをガイドするためのチューブが、ヘルメット表面左右の所定位置に沿い付けられていることも好ましい。
【0007】なおまた、本発明の構造は、レバーを含む光学装置の重量、この重心の前後方向動距離、及び釣り合い錘の重量、この重心の前後方向水平投影移動距離のデータに基づき、最適のホイール溝部直径が決定されるものであることが一層好ましい。
【0008】なお、その際、ホイール溝部直径を変更せずに、光学装置を交換しその重量が変化する場合、それに応じて適切な重量の釣り合い錘を選択し、かつ容易に交換できるものであることも好ましい。
【0009】また、単眼専用に設計された構造は、例えば、右単眼用の場合、ヘルメット等の外表面の前上部に取付けられ、左右水平方向に所定の長さを有する光学装置旋回軸と、一端に右単眼用光学装置を取付け、他端が旋回軸に旋回可能に取付けられた光学装置取付け用レバーと、旋回軸の左側に取付けられ、光学装置取付け用レバーとともに回動する1個の溝付きホイールと、ヘルメット裾部の後部から左側部にかけて装着されたリフター及びレールに沿い所定の距離だけ移動可能であり、かつ右端がヘルメット後部中央裾部に固定された引張りばねの左端に接続された1個の釣り合い錘と、左側において、一端が前記ホイールに固定され、他端が釣り合い錘に固定され、緊張されたケーブルであって、一端部がホイールの溝に沿って巻かれることができるケーブルと、を有し、単眼用光学装置の使用の中断時等にレバーを上後方に向けて旋回させると、ホイール及びケーブルを介して、釣り合い錘が、ばねに抗して左側面を自動的に変位することを特徴としている。
【0010】そして、左単眼の場合は、上述の右単眼の場合に対し左右を逆に構成されたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】図1(a)は、本発明のヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造の一実施形態例の使用時の側面図であって、光学装置の左半部を省略して示したもの、(b)は、(a)の光学装置の左右を含めた上面図、図2(a)は、本実施形態例の使用中断時の側面図、(b)は、(a)の上面図、図3は、本実施例の使用時における主要部の位置関係を説明するための模式平面図、図4は、本実施例の使用中断時における主要部の位置関係を説明するための模式平面図である。
【0013】図1(a),(b)の光学装置10は、光学装置取付け旋回レバー11を介してヘルメット100に設置されており、釣り合い錘1は、ケーブル5を通じて光学装置取付け旋回レバー11に接続され、ヘルメット100に設置されている。
【0014】図1(a),(b)に示すように、本実施形態例の釣り合い錘の構造の構成は、ヘルメットの前部の光学装置取付け旋回レバー11の動作に連動するためにこのレバー11と共通の旋回軸8に固定された左右2個のホイール4と、左右2個の釣り合い錘1と、ヘルメット100に取付けられた左右2個の釣り合い錘1を移動させるための上下2本のレール21 ,22 と、各釣り合い錘1をそれぞれ収納しレール21 ,22 に係合、滑動する2個のリフター6等から成り、さらに、2個のリフター6は引張りばね7にて接続されており、各リフター6は、光学装置取付け旋回レバー11の左右に設置された2個の溝付きホイール4と、各ケーブル5で繋がれ、ケーブル5はチューブ3の内部を通る構成となっている。
【0015】そして、ケーブル5の一端は溝付きホイール4に固定されており、そのケーブル5は溝付きホイール4が回転をするとき、その回転に応じて溝付きホイール4の溝に嵌って巻かれ、釣り合い錘1を移動させる。
【0016】旋回レバー11は光学装置の使用時に対し不使用時に約180°旋回するので、溝付きホイール4も半回転する。
【0017】レール2およびチューブ3は金属又は、その形状が容易に可変でき、かつ、収縮しない材質で構成されており、ヘルメット100の形状に合わせて取付けることができる。
【0018】(実施形態例の動作の説明)次に、図を用いて本発明の動作の説明を行う。
【0019】ヘルメット100の前部に光学装置10を取付ければヘルメット100の重心位置は前方に偏ることは当然である。そこで、釣り合い錘1を適正に取付け、前方に偏ったヘルメットの重心位置を、適正な位置に設定して、光学装置10の使用を行っているものとする。
【0020】光学装置10の使用の中断時等に、光学装置取付け旋回レバー11を約180°旋回させ、旋回レバー11’の位置,光学装置10’の位置に移動させた時、ヘルメット100の重心位置は、光学装置10の使用時位置から移動することになるが、光学装置10を移動させることによりレバー11に連動するよう設置されたホイール4が稼動しケーブル5を巻き上げ、各釣り合い錘1を収納した各リフター6が移動することにより、自動的にヘルメットの重心位置を、適正な位置にすることができる。
【0021】再び、光学装置10’を光学装置10の位置に移動させた時、左右の各ホイール4は、巻き上げたケーブル5を解き、左右両リフター6をつないだばね7の作用により、釣り合い錘1を収納した両リフター6が元の位置に移動し、自動的にヘルメットの重心位置を適正な位置に戻すことことができる。
【0022】光学装置10をヘルメット100から完全に取り外した場合には、各リフター6からそれぞれの釣り合い錘1を取り除くことにより、ヘルメットの重心位置を簡単に適正な位置にすることができる。
【0023】なお、釣り合い錘1は光学装置10に応じて質量を選択でき、各リフター6に収納することができる。また、ばね7を調整することにより、左右の釣り合い錘1の初期位置を容易に設定できる。
【0024】(本実施形態例に関する設計例)使用時を示す図3の模式平面図および不使用時を示す図4の模式平面図を用いて設計例を述べることとする。
【0025】前提条件として、(1)ヘルメットの外周は真円と見做し、その半径Rを基準とし、(2)レバー旋回軸すなわちホイール軸の中心線がヘルメット前端真上を通過し、(3)レバーの方向は、使用時前方下向きに45°、不使用時後方上向きに45°すなわち、旋回角度は180°、(4)旋回物(レバーと光学装置)の重量をW、重心の旋回半径をtR、(5)釣り合い錘2個の重量計をnW、釣り合い錘の重心の軌道はヘルメット外周の真上と見做し、(6)使用時の釣り合い錘の位置を左右中心線に対し15°に設定し、不使用時にこの15°から43.5°まで28.5°だけ変位することとする。溝付きホイール円弧およびヘルメット円弧に沿うケーブル移動距離が等しいので、その移動に伴う両変位角は両半径に反比例する。したがって、溝付きホイールの半径は(28.5/180)R = 0.158Rとなる。
【0026】使用時のトルクバランス;
(R+tR/√2)×W = R×Cos15°×nWここで、t=0.2とすれば、1+0.2×0.707 = 0.966×nn =1.182・・・・釣り合い錘2個の重量計は、装置とレバーの重量の18,2%増しとなる。
【0027】不使用時のトルクバランス;
(R−tR/√2)×W = R×Cos43.5°×nW左辺 1−0.2×0.707 = 0.859右辺 0.725×1.182 = 0.8570.859 ≒0.857・・・・使用中断時もほぼバランスがとれる。
【0028】以上の計算は、上述のように多くの前提条件に基づいているものであり、目的に応じ、これらの条件を変更して一層精密に設計できることは言うまでもない。
【0029】(発明の他の実施形態例)本発明の他の実施形態例について図面を参照して説明する。
【0030】図5(a)は、第2の実施形態例の使用時の側面図、(b)は、(a)の上面図、図6(a)は、本実施形態例の使用中断時の側面図、(b)は、(a)の上面図である。
【0031】第2の実施形態例は単眼の光学装置の場合であり、右単眼の場合を図示したものである。
【0032】釣り合い錘1は、ヘルメット100の重心位置に対して光学装置10と、点対象な位置に取付け、釣り合い錘1,チューブ3,ホイール4,ケーブル5,リフター6は、いずれもヘルメット100の片側のみに設置されている。そして、ばね7の片側はリフター6につながれ、もう片方はレール21 ,22 の中間に接続されている。この状態にて、(実施例の動作の説明)で述べた動作を行うことができ、同様な効果が期待できる。
【0033】また、片側のみに設定することにより、ヘルメット100に掛かる全体重量の低下が図られ、装着者への負担を軽減できる効果がある。
【0034】本実施形態例に関する設計例の説明は、第1の実施形態例の場合に準ずるので、省略する。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、ヘルメット等の外表面の前上部に取付けられ、左右水平方向に所定の長さを有する光学装置旋回軸と、一端に光学装置を取付け、他端が旋回軸に旋回可能に取付けられた光学装置取付け用レバーと、旋回軸の両側にそれぞれ取付けられ、光学装置取付け用レバーとともに回動する2個の溝付きホイールと、ヘルメット裾部の後部から左右側部にかけて装着されたリフタ及びレールに沿い所定の距離だけ移動可能であり、かつ引張りばねの両端に接続された2個の釣り合い錘と、左右それぞれの側において、一端がホイールに固定され、他端がそれぞれの側の前記釣り合い錘に固定され、緊張されたケーブルであって、一端部がホイールの溝に沿って巻かれることができるケーブルと、を有し、光学装置の使用の中断時等にレバーを上後方に向けて旋回させると、ホイール及びケーブルを介して、釣り合い錘が、ばねに抗して側面を自動的に変位する等の構造とすることにより、光学装置等が、ヘルメットに取付けられた場合、容易に重心位置を適切な位置に調整することができ、使用中断時等に装置位置の移動に伴い自動的に釣り合い錘を移動させることにより、ヘルメットの重心位置を適切な位置に調整することができ、かつ、設置された装置重量に応じ、釣り合い錘を選択でき、また、釣り合い錘の交換も容易であり、したがって、ヘルメット装着者の主観的好みに応じた重心位置を作るために、掛かる負荷に対する釣り合い錘の初期位置を設定することができる、等の機能を備えたヘルメット等に装着された釣り合い錘の自動変位構造を提供することができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号
【識別番号】000232047
【氏名又は名称】日本電気エンジニアリング株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝浦三丁目18番21号
【出願日】 平成13年10月19日(2001.10.19)
【代理人】 【識別番号】100088328
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
【公開番号】 特開2003−129323(P2003−129323A)
【公開日】 平成15年5月8日(2003.5.8)
【出願番号】 特願2001−322325(P2001−322325)