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【発明の名称】 ヘルメット用の保護具取り付け治具
【発明者】 【氏名】徳山 勲男
【住所又は居所】大阪市東住吉区今川3丁目3番20号 株式会社トーアボージン内

【要約】 【課題】保護面やゴーグル等の保護具が取り付けられたヘルメットの着用者が、保護具の取り付け治具によって怪我をすることがなく、しかも保護具が横滑りすることがない安全性に優れたヘルメット用の保護具取り付け治具を提供すること。

【解決手段】ヘルメットに保護面やゴーグル等の保護具を取り付けるための治具であって、前記保護具が連結される保護具連結部を有する治具基部と、該治具基部から下方に延出されてヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込む挟持部とからなる治具本体と、該治具本体の挟持部におけるヘルメット内面側に位置する部分を被覆するように外嵌される絶縁性の弾性部材からなる被覆体とから構成されてなることを特徴とするヘルメット用の保護具取り付け治具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘルメットに保護面やゴーグル等の保護具を取り付けるための治具であって、前記保護具が連結される保護具連結部を有する治具基部と、該治具基部から下方に延出されてヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込む挟持部とからなる治具本体と、該治具本体の挟持部におけるヘルメット内面側に位置する部分を被覆するように外嵌される絶縁性の弾性部材からなる被覆体とから構成されてなることを特徴とするヘルメット用の保護具取り付け治具。
【請求項2】 前記治具本体が合成樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のヘルメット用の保護具取り付け治具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘルメット用の保護具取り付け治具に関し、より詳しくは保護面やゴーグル等の保護具が取り付けられたヘルメットの着用者が、保護具の取り付け治具によって怪我をすることがなく、しかも保護具が横滑りすることがない安全性に優れたヘルメット用の保護具取り付け治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製造業や電気工事、トンネル工事、建設工事などに従事する作業者は、通常、頭部を保護するためにヘルメットを着用している。また、工事現場の中でも、高熱や強い光を顔面に受ける溶接作業や、多量の粉塵が浮遊する環境下における作業に従事する場合には、頭部保護用のヘルメットに加えて、顔面や目を保護するための保護面やゴーグル等の保護具をヘルメットに装着して使用している。このような保護具は、作業場等において常に着用する必要は無く、特定の作業に従事するときにのみ着用すればよいから、必要な際にヘルメットに取り付けて使用される場合が多い。
【0003】このようなヘルメットへの保護具の取り付けには、例えば図21乃至図23に示すような治具が使用されている。図21に示した治具(A)は、保護面をヘルメットに装着するための治具であって、保護面取り付け用のビス挿入孔(A1)が設けられた治具基部(A2)と、この治具基部(A2)から延出されて屈曲状に形成された挟持部(A3)とから構成されており、ビス挿入孔(A1)からボルトを挿通して保護面に固定し、次いで治具(A)の挟持部(A3)によってヘルメットの側縁部を挟持することによって、ヘルメットに対して保護面を装着するように構成されている。
【0004】図22に示した治具(B)も保護面をヘルメットに装着するための治具であって、保護面取り付け用のビス挿入孔(B1)が設けられた治具基部(B2)と、この治具基部(B2)から延出されて屈曲状に形成された挟持部(B3)とから構成されており、挟持部(B3)はビス(B4)によって押圧される板ばね(B5)を備えている。そして、ビス挿入孔(B1)からボルトを挿通して保護面に治具(B)を固定し、次いで治具(B)の挟持部(B3)によってヘルメットの側縁部を挟持した状態でビス(B4)により板ばね(B5)を押圧することによってヘルメットに対して保護面を装着するように構成されている。
【0005】また、図23に示した治具(C)は、ゴーグルをヘルメットに装着するための治具であって、ゴーグルのバンド係止用のフック部(C1)が設けられた治具基部(C2)と、この治具基部(C2)から延出されて屈曲状に形成された挟持部(C3)とから構成されており、フック部(C1)にゴーグルのバンドを挟み込んで固定し、次いで治具(C)の挟持部(C3)によってヘルメットの側縁部を挟持することによって、ヘルメットに対してゴーグルを装着するように構成されている。
【0006】このような治具は、必要に応じて保護具をヘルメットに対して装着することを可能とする点で有用であったが、鉄やばね材などの金属材料から形成されておりヘルメットの側縁部を内側と外側から挟持することによってヘルメットに対して固定する構成とされているため、ヘルメットの内側に突出した治具の端部によって着用者が怪我をしてしまう危険性があった。また、保護面を装着して行う溶接作業等の際に、ヘルメットの内側に突出した治具の端部が着用者の皮膚に接触してしまうことで、作業時に発生する熱や電気がヘルメットから治具を介して作業者に伝わり、作業者が火傷したり感電してしまうといった危険性もあった。
【0007】本願発明者はかかる問題を解決するための手段として、治具を合成樹脂等の絶縁材料から形成することを考えたが、合成樹脂から形成された治具によってヘルメットの側縁部を内側と外側から挟持した場合、少しの外力によって治具が横滑りしてしまい、保護具がずれたり外れてしまう危険性が生じるという新たな問題が発生することが分かった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる実情に鑑みて創出されたものであって、ヘルメット着用者に対する危険性が少なく、外力によって容易に横滑りすることがない、安全性に優れたヘルメットの保護具取り付け治具を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、ヘルメットに保護面やゴーグル等の保護具を取り付けるための治具であって、前記保護具が連結される保護具連結部を有する治具基部と、該治具基部から下方に延出されてヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込む挟持部とからなる治具本体と、該治具本体の挟持部におけるヘルメット内面側に位置する部分を被覆するように外嵌される絶縁性の弾性部材からなる被覆体とから構成されてなることを特徴とするヘルメット用の保護具取り付け治具に関するものである。請求項2に係る発明は、前記治具本体が合成樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のヘルメット用の保護具取り付け治具に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るヘルメット用の保護具取り付け治具(以下、単に取り付け治具と称す)の好適な実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る取り付け治具の第一実施形態を示す斜視図であり、図2はその側面図である。第一実施形態に係る取り付け治具(1)は、ヘルメットに防災面、防熱面、遮光面、防爆面などの保護面を取り付けるための治具であって、合成樹脂製又は金属製の治具本体(2)と、この治具本体(2)に嵌着される被覆体(3)とから構成される。
【0011】図3及び図4はそれぞれ治具本体(2)を示す斜視図及び側面図である。治具本体(2)は、上記した保護面が連結される保護具連結部を有する治具基部(4)と、該治具基部(4)から下方に一体に延出されてヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込む挟持部(5)とからなる薄板状部材である。この例において、治具基部(4)に設けられた保護具連結部(6)は、治具本体(2)の上端近傍に形成された貫通孔からなり、この貫通孔にボルトを挿通することでボルトを介して保護面をヘルメットに対して連結することが可能となっている。
【0012】挟持部(5)は、ヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込むことによって、治具本体(2)をヘルメットに対して挟持固定するための部分であって、この例においては、治具基部(4)の下端部から斜め下向きに延出された延出部(7)と、この延出部(7)の下端部から上方に向けて延出部(7)と平行に折り返された折り返し部(8)とからなる。
【0013】図5は被覆体(3)を示す斜視図であり、図6は被覆体(3)の別の例を示す斜視図である。被覆体(3)は、シリコン樹脂、軟質ゴム、エラストマー等の絶縁性の弾性部材からなる扁平袋状(図5)又は扁平筒状(図6)の部材であって、図1及び図2に示すように、治具本体(2)の挟持部(5)における折り返し部(8)を被覆するように外嵌される。被覆体(3)の幅や長さは、治具本体(2)の折り返し部(8)の形状に応じて適宜設定することができ、特に限定されるものではない。
【0014】図7は本発明に係る取り付け治具の第二実施形態を示す斜視図であり、図8はその側面図である。第二実施形態に係る取り付け治具(1)も第一実施形態の治具と同様に、ヘルメットに防災面、防熱面、遮光面、防爆面などの保護面を取り付けるための治具であって、合成樹脂製又は金属製の治具本体(2)と、この治具本体(2)に嵌着される被覆体(3)とから構成される。
【0015】図9及び図10はそれぞれ治具本体(2)を示す斜視図及び側面図である。治具本体(2)は、上記した保護面が連結される保護具連結部を有する治具基部(4)と、該治具基部(4)から下方に一体に延出されてヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込む挟持部(5)とからなる薄板状部材である。この例においても、治具基部(4)に設けられた保護具連結部(6)は、治具本体(2)の上端近傍に形成された貫通孔からなり、この貫通孔にボルトを挿通することでボルトを介して保護面をヘルメットに対して連結することが可能となっている。
【0016】挟持部(5)は、ヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込むことによって、治具本体(2)をヘルメットに対して挟持固定するための部分であって、この例においては、治具基部(4)の下端部から下向きに延出された延出部(7)と、この延出部(7)の下端部から上方に向けて延出部(7)と平行に略J字状に折り返された折り返し部(8)と、延出部(7)の内面に取り付けられた板ばね(9)と、この板ばね(9)を折り返し部(8)に向けて押圧するボルトからなる押圧部材(10)からなる。
【0017】この第二実施形態において用いられる被覆体(3)は、上記第一実施形態のものと同じく、シリコン樹脂、軟質ゴム、エラストマー等の絶縁性の弾性部材からなる扁平袋状(図5)又は扁平筒状(図6)の部材であって、図7及び図8に示すように、治具本体(2)の挟持部(5)における折り返し部(8)を被覆するように外嵌される。
【0018】図11は本発明に係る取り付け治具の第三実施形態を示す斜視図であり、図12はその側面図である。第三実施形態に係る取り付け治具(1)は、ヘルメットにゴーグルを取り付けるための治具であって、合成樹脂製又は金属製の治具本体(2)と、この治具本体(2)に嵌着される被覆体(3)とから構成される。
【0019】図13及び図14はそれぞれ治具本体(2)を示す斜視図及び側面図である。治具本体(2)は、上記したゴーグルが連結される保護具連結部を有する治具基部(4)と、該治具基部(4)から下方に一体に延出されてヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込む挟持部(5)とからなる薄板状部材である。この例において、治具基部(4)に設けられた保護具連結部(6)は、治具本体(2)の上端に形成された折り返し部からなり、この折り返し部の隙間にゴーグルのバンドを挟むことでゴーグルをヘルメットに対して連結することが可能となっている。
【0020】挟持部(5)は、ヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込むことによって、治具本体(2)をヘルメットに対して挟持固定するための部分であって、この例においては、治具基部(4)の下端部から斜め下向きに延出された延出部(7)と、この延出部(7)の下端部から上方に向けて延出部(7)と平行に折り返された折り返し部(8)とからなる。
【0021】この第三実施形態において用いられる被覆体(3)も、上記第一実施形態のものと同じく、シリコン樹脂、軟質ゴム、エラストマー等の絶縁性の弾性部材からなる扁平袋状(図5)又は扁平筒状(図6)の部材であって、図11及び図12に示すように、治具本体(2)の挟持部(5)における折り返し部(8)を被覆するように外嵌される。
【0022】本発明に係る取り付け治具において、治具本体(2)は金属又は合成樹脂から形成されるが、使用される金属の種類としては鉄やバネ材などが挙げられる。また、使用される合成樹脂の種類としてはジュラコン(商品名)等のポリアセタール樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネイト等を例示することができるが、これに限定されるものではない。
【0023】以下、上記第一乃至第三実施形態に係る取り付け治具の使用状態について説明する。図15は第一実施形態の取り付け治具(1)の使用状態を示す斜視図であり、図16は第一実施形態の取り付け治具(1)のヘルメット(H)への取り付け方法を示す部分側面図である。第一実施形態の取り付け治具(1)は、図15に示す如く、貫通孔(6)にボルト(B)を挿通することで、ボルト(B)を介して保護面(F)の上枠体(F1)をヘルメット(H)に対して連結することができる。この取り付け治具(1)は、図16示の如く、延出部(7)と折り返し部(8)との間でヘルメット(H)の側縁部を挟持することにより、取り付け治具(1)をヘルメット(H)に固定することができる。
【0024】図17は第二実施形態の取り付け治具(1)の使用状態を示す斜視図であり、図18は第二実施形態の取り付け治具(1)のヘルメット(H)への取り付け方法を示す部分側面図である。第二実施形態の取り付け治具(1)は、図17に示す如く、貫通孔(6)にボルト(B)を挿通することで、ボルト(B)を介して保護面(F)の上枠体(F1)をヘルメット(H)に対して連結することができる。この取り付け治具(1)は、図18示の如く、板ばね(9)と折り返し部(8)との間でヘルメット(H)の側縁部を挟んで押圧部材(10)で板ばねを押圧することにより、取り付け治具(1)をヘルメット(H)に固定することができる。
【0025】図19は第三実施形態の取り付け治具(1)の使用状態を示す斜視図であり、図20は第二実施形態の取り付け治具(1)のヘルメット(H)への取り付け方法を示す部分側面図である。第三実施形態の取り付け治具(1)は、図19に示す如く、治具基部(4)の上端に形成された保護具連結部(6)を構成する折り返し部の隙間にゴーグル(G)のバンド(D)を挟むことでゴーグル(G)をヘルメット(H)に対して連結することができる。この取り付け治具(1)は、図20示の如く、延出部(7)と折り返し部(8)との間でヘルメット(H)の側縁部を挟持することにより、取り付け治具(1)をヘルメット(H)に固定することができる。
【0026】上記した第一乃至第三実施形態の取り付け治具(1)をヘルメット(H)の側縁部に取り付けた状態において、被覆体(3)が折り返し部(8)を被覆するように外嵌されているので、取り付け治具(1)のヘルメット内面側に位置する部分が被覆体(3)によって覆われる。ここで、治具本体(2)が被覆体(3)が絶縁性の弾性部材から形成されていることによって、治具本体(2)が金属製であってもヘルメットの内側に突出した取り付け治具(1)の折り返し部(8)が着用者に当たって怪我をする危険性がなく、また熱や電気の伝導が遮られるので作業者が感電したり火傷したりする危険性も無い。また、治具本体(2)を合成樹脂から形成した場合、このような危険性をより確実に防止することができるとともに、被覆体(3)が取り付けられることで取り付け治具(1)が外力によって容易に横滑りすることがない。
【0027】以上、本発明に係る取り付け治具の実施形態について図面を参照しつつ説明したが、図示したものはあくまでも一例であって、取り付け治具を構成する治具本体の形状は図示例のものに何ら限定されず、ヘルメットの形状に応じて治具本体の形状(特に挟持部の形状)を適宜変更することが可能である。すなわち、本発明においては、保護具が連結される保護具連結部を有する治具基部と、該治具基部から下方に延出されてヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込む挟持部とからなるものである限り、治具本体の形状は特に限定されるものではない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発明はヘルメットに保護面やゴーグル等の保護具を取り付けるための治具であって、前記保護具が連結される保護具連結部を有する治具基部と、該治具基部から下方に延出されてヘルメットの側縁部を内外両面から挟み込む挟持部とからなる治具本体と、該治具本体の挟持部におけるヘルメット内面側に位置する部分を被覆するように外嵌される絶縁性の弾性部材からなる被覆体とから構成されてなることを特徴とするヘルメット用の保護具取り付け治具であるから、ヘルメットの内側に突出した取り付け治具の端部によって着用者が怪我をする危険性がなく、また取り付け治具に接触することによる作業中の感電や火傷も防ぐことができる。また、取り付け治具が外力によって容易に横滑りすることがないため、保護具がずれたり外れたりすることがなく作業を安全に行うことができる。請求項2に係る発明は、前記治具本体が合成樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のヘルメット用の保護具取り付け治具であるから、ヘルメット着用者の怪我や感電、火傷などの事故をより確実に防ぐことができる。また、取り付け治具が外力によって容易に横滑りすることがないため、保護具がずれたり外れたりすることがなく作業を安全に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】390017112
【氏名又は名称】株式会社トーアボージン
【住所又は居所】大阪府大阪市東住吉区今川3丁目3番20号
【出願日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【代理人】 【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
【公開番号】 特開2003−27321(P2003−27321A)
【公開日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願番号】 特願2001−218906(P2001−218906)