トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 着物の帯
【発明者】 【氏名】川合 完

【要約】 【課題】普通太鼓を作って帯を結んでも二重太鼓の袋帯にひけをとらないボリュームと重量感の出る軽く安価な帯を提供する。

【解決手段】長尺状の帯本体(2)は全長約370cmであって、2つの折り返し部(36)(38)により3枚重ね構造の普通太鼓(34)を作るためのものである。帯本体(2)は、その表面側に太鼓柄(12)と無地中抜き部(10)と前腹柄(4)とを備えている。太鼓柄(12)が帯本体(2)の垂れ先(14)から約97cmの長さに亘って形成され、太鼓柄(12)の中には、帯本体(2)に普通太鼓(34)を作ったとき、普通太鼓(34)の表側の中心に位置するように主太鼓柄(16)が設けられている。帯本体(2)の裏側は無地部(18)(20)と柄部(22)が形成され、柄部(22)の中に形成された主柄部(24)が表側の主太鼓柄(16)と約同一の位置に形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】全長約370cmの長尺状の帯本体(2)に2つの折り返し部(36)(38)により3枚重ね構造の普通太鼓(34)を作って帯を結ぶための着物の帯であって、前記帯本体(2)は、その表面側に太鼓柄(12)と無地中抜き部(10)と前腹柄(4)とを備え、前記太鼓柄(12)は、前記帯本体(2)に普通太鼓(34)を作ったとき、該普通太鼓(34)の表側の略全域に位置するように前記帯本体(2)の垂れ先(14)から約97cmの長さに亘って形成され、前記帯本体(2)の裏側は無地部(18)(20)と柄部(22)が形成され、該柄部(22)が、前記普通太鼓(34)の表面側の丁度裏側の略全域に位置するように設けられていることを特徴とする着物の帯。
【請求項2】全長約370cmの長尺状の帯本体(2)に2つの折り返し部(36)(38)により3枚重ね構造の普通太鼓(34)を作って帯を結ぶための着物の帯であって、前記帯本体(2)は、その表面側に太鼓柄(12)と無地中抜き部(10)と前腹柄(4)とを備え、前記太鼓柄(12)は前記帯本体(2)の垂れ先(14)から約97cmの長さに亘って形成され、前記太鼓柄(12)の中には、前記帯本体(2)に普通太鼓(34)を作ったとき、該普通太鼓(34)の表側の中心に位置するように主太鼓柄(16)が設けられ、前記帯本体(2)の裏側は無地部(18)(20)と柄部(22)が形成され、該柄部(22)が前記普通太鼓(34)の、前記主太鼓柄(16)が設けられている表面側の丁度裏側の略全域に位置するように設けられていることを特徴とする着物の帯。
【請求項3】前記柄部(22)の中に主柄部(24)を形成し、該主柄部(24)が前記表側の主太鼓柄(16)と約同一の位置に位置するように前記帯本体(2)の裏側に形成されていることを特徴とする「請求項2」に記載の着物の帯。
【請求項4】前記無地中抜き部(10)は前記太鼓柄(12)に隣接して約115cmの長さに亘って形成され、前記前腹柄(4)は前記帯本体(2)の長手方向の一端部である手先(6)から前記無地中抜き部(10)までの間約158cmの長さに亘って形成され、前記前腹柄(4)の中に前腹用主柄(8)を設け、前記前腹用主柄(8)の中心を前記手先(6)より約113cmのところに設定し、前記帯本体(2)に普通太鼓(34)を作った後、余った帯本体(2)を胴に2巻き半すると丁度前腹の中心に前記前腹用主柄(8)の中心が位置するようにしたことを特徴とする「請求項1」又は「請求項2」に記載の着物の帯。
【請求項5】前記帯本体(2)の垂れ先(14)から約38cmの長さに亘って前記帯本体(2)の裏側に無地部(18)を設け、前記手先(6)から約275cmの長さに亘って前記帯本体(2)の裏側に無地部(20)を設けたことを特徴とする「請求項1」又は「請求項2」又は「請求項3」に記載の着物の帯。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着物用の帯に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、着物用の帯として、袋帯と名古屋帯が知られている。袋帯は礼装用、正装用として用いられている。名古屋帯は、旧来の帯と比べて総丈が短く普通太鼓と呼ばれるお太鼓が作れ、しかも軽くて簡単に結べる方法が考案されたため、主として外出用に用いられているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】袋帯を礼装用として一部残すとしても、その他の正装用(訪問着等)としての袋帯に関しては、高価で結びにくいという問題点がある。袋帯に代わるものとして、総丈が短く軽い帯を正装用として提供することができれば、帯の安定的需要が復活するものと考えられる。しかるに総丈が短く軽い帯を、名古屋帯の結び方即ち普通太鼓で簡単に結ぶと、お太鼓の重量感、ボリューム感が乏しくなり、正装用としては格式に欠けてしまうという問題点が生じる。本発明は上記問題点を解決することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、全長約370cmの長尺状の帯本体2に2つの折り返し部36,38により3枚重ね構造の普通太鼓34を作って帯を結ぶための着物の帯であって、前記帯本体2は、その表面側に太鼓柄12と無地中抜き部10と前腹柄4とを備え、前記太鼓柄12は前記帯本体2に普通太鼓34を作ったとき、該普通太鼓34の表側の略全域に位置するように前記帯本体2の垂れ先14から約97cmの長さに亘って形成され、前記帯本体2の裏側は無地部18,20と柄部22が形成され、該柄部22が、前記普通太鼓34の表面側の丁度裏側の略全域に位置するように設けられていることを特徴とするものである。また本発明は、全長約370cmの長尺状の帯本体2に2つの折り返し部36,38により3枚重ね構造の普通太鼓34を作って帯を結ぶための着物の帯であって、前記帯本体2は、その表面側に太鼓柄12と無地中抜き部10と前腹柄4とを備え、前記太鼓柄12は前記帯本体2の垂れ先14から約97cmの長さに亘って形成され、前記太鼓柄12の中には、前記帯本体2に普通太鼓34を作ったとき、該普通太鼓34の表側の中心に位置するように主太鼓柄16が設けられ、前記帯本体2の裏側は無地部18,20と柄部22が形成され、該柄部22の中に形成された主柄部24が前記表側の主太鼓柄16と約同一の位置に形成されていることを特徴とするものである。また本発明は、前記無地中抜き部10は前記太鼓柄12に隣接して約115cmの長さに亘って形成され、前記前腹柄4は前記帯本体2の長手方向の一端部である手先6から前記無地中抜き部10までの間約158cmの長さに亘って形成され、前記前腹柄4の中に前腹用主柄8を設け、前記前腹用主柄8の中心を前記手先6より約113cmのところに設定し、前記帯本体2に普通太鼓34を作った後、余った帯本体2を胴に2巻き半すると丁度前腹の中心に前記前腹用主柄8の中心が位置するようにしたものである。また本発明は、前記帯本体2の垂れ先14から約38cmの長さに亘って前記帯本体2の裏側に無地部18を設け、前記手先6から約275cmの長さに亘って前記帯本体2の裏側に無地部20を設けたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。図1において、2は本発明に係る着物用の帯本体であり、図1(A)は帯本体2の表側、図1(B)は帯本体2の裏側を示し、帯本体2は表地2aと裏地2bととを縫い合わせた2重布地構成となっている。帯本体2は、全長がくじら尺で9尺8寸(370cm)に設定されている。また、本体2の幅は31cmに設定されている。従来の袋帯は全長が416cmでる。これに比べて本発明に係る帯の全長は46cm短く、その分軽くなっている。4は帯本体2の表面側即ち表地2aに設けられた前腹柄であり、帯本体2の手先6即ち帯本体2の長手方向の一方の端6から158cmの長さに亘って形成されている。前腹柄4の中には前腹用主柄8が設けられ、手先6から113cmのところに前腹用主柄8の中心部分が位置している。
【0006】10は無地中抜き部、12は太鼓柄であり、垂れ先14即ち帯本体12の長手方向の他方の端14から97cmの範囲に亘って形成されている。この太鼓柄12の中には、主太鼓柄16が設けられている。垂れ先14から71cmのところに主太鼓柄16の中心部分が位置している。帯本体2の裏側即ち裏地2bは図1(B)に示すように、大部分が無地部18,20であり、無地部20は、手先6から275cmの長さの領域に亘って形成され、無地18は垂れ先14から38cmの長さの領域に亘って形成されている。太鼓柄12の裏に相当する部分には、柄部22が形成され、この柄部22の中に主柄部24が設けられている。柄部22は無地部18と無地部20との間に設けられている。表側の主太鼓柄16の中心と裏側の主柄部24の中心は表裏略同一の位置に設定されている。
【0007】次に図2乃至図11を参照して帯を結ぶ動作について説明する。
第1手順:まず、図2に示すように、帯本体2を裏返しにし、垂れ先14より85cmのところに枕26を置く。また好みに応じて、枕26の位置は垂れ先14より80cm乃至87cmでも良い。点線部分は、折り曲げ部分を示している。
第2手順:次に胴に巻く部分30を枠32の中に通して、図3に示すように直角に折り曲げる。
第3手順:次に、太鼓柄12の部分を枕26にピッタリ添わせて図4に示すように表側にする。
第4手順:次に図5に示すように、垂れ先14から所定の部分を2つに折り返してお太鼓34を作る。このお太鼓34は、袋帯34は、袋帯の二重太鼓に対して普通太鼓と呼ばれる。このお太鼓34の部分の説明的な側面断面図が図11に示されている。お太鼓34は、図11に示すように、2つの折り返し部36,38によって作られる。図6はお太鼓34の裏側を示している。
【0008】第5手順:次に図7に示すように返しの山の部分と裏側とをセットでクリップで止める。
第6手順:次に図8に示すように、帯本体2の2つ折りにした部分30を胴に2巻き半すると手先6が胴の前にくる。手先6の部分を下巻きとともにクリップ42で止める。
第7手順:次に図9に示すように、クリップ42で止めてある手先6の部分のみはがしてお太鼓の中に収める。
第8手順:次に図10に示すように、帯締め44を締めてクリップ42を取って出来上がりである。
上記した手順において、図5,図7に示すお太鼓34には、表側と裏側に太鼓柄12と柄部22が配置される。これにより、お太鼓34の部分に従来の袋帯の二重太鼓に勝るとも劣らない重量感、ボリューム感が生じる。しかも、帯本体2を図10に示すように胴に二巻きした状態において、前腹用主柄8が前腹の丁度中心に位置するように設定されている。通常は、帯を胴に一巻きし、図柄を胴の前の中心に位置させた後、帯の余った部分を胴のうしろでたたみ込み、お太鼓の中に入れる。
【0009】しかるに、本実施形態では、帯本体2を胴に一巻きした後更にもう一度胴に巻いて帯本体2を二重巻きとする。このとき、前腹用主柄8の中心が丁度胴の前の中心に位置するように設定されている。胴のうしろの改良帯枕に止めた帯本体2を胴に二重に巻いたとき、女性の体型に個人差が存するが、帯本体2の胴前の中心の位置は、手先の端6から丁度約113cmとなることが実験的に確認された。従って、前腹用主柄8は、帯本体2を胴に二巻き半すると、丁度胴前即ち正面の中心に位置することになる。
【0010】
【発明の効果】本発明は上述の如く構成したので、普通太鼓を作っても、お太鼓の表と裏に図柄が出るので袋帯の二重太鼓とほぼ同じような重量感及びボリューム感を出すことができる。そのため、名古屋帯の軽さと結び易さで袋帯の格式を保つことができる。また、普通太鼓を作り二巻き半で結べるので帯を極めて簡単に結ぶことができる等の効果が存する。
【出願人】 【識別番号】501075866
【氏名又は名称】川合 完
【出願日】 平成14年3月11日(2002.3.11)
【代理人】 【識別番号】100067758
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 綾雄
【公開番号】 特開2003−268614(P2003−268614A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−64721(P2002−64721)