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【発明の名称】 エプロン
【発明者】 【氏名】松本 武士
【住所又は居所】大阪市中央区鎗屋町2−3−6 森内久株式会社内

【要約】 【課題】食べこぼし量が多量の場合や水分の多い食品の場合であっても、食べこぼしを確実にポケット内に受け留め、外部に漏れないようにするとともに、エプロンを幼児に装着した後でも簡単にポケット部を形成し、さらに、ポケットの開口部分を大きく開いた状態にできるようにしたエプロンを提供すること。

【解決手段】エプロン本体1に、締付紐6をエプロン本体1の下端と中間部両側縁とに掛け渡し、この締付紐6を引き締めることにより、エプロン本体1の下部を折り返し、かつ下部の両側部を内側に折り込むようにしてポケット部Pを形成するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エプロン本体に、締付紐をエプロン本体の下端と中間部両側縁とに掛け渡し、前記締付紐を引き締めることにより、エプロン本体の下部を折り返し、かつ該下部の両側部を内側に折り込むようにしてポケット部を形成するようにしたことを特徴とするエプロン。
【請求項2】 締付紐に、緩み止め機能を備えた締結具を配設したことを特徴とする請求項1記載のエプロン。
【請求項3】 表生地と裏生地の間に金属箔を配して一体化してなる積層体を用いたことを特徴とする請求項1又は2記載のエプロン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エプロンに関し、特に、幼児や介護を必要とする老人、病人の食事時において、簡易に装脱着できるとともに、垂れやすい汁もの等であっても食べこぼしによって衣服等を汚さないようにしたエプロンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、幼児の衣服が食事時に汚れにくいようにしたエプロンとして、実開平7−44025号公報、実用新案登録第3067614号公報に開示されたものがある。このうち、実開平7−44025号公報に記載の考案は、上部の取付部を幼児の首に巻いて取り付け、食事時にはエプロンの下部に取り付けた止着具にてエプロンの下部を折り返して止着具同士を互いに係着し、ポケット部を形成するようにしたものである。また、実用新案登録第3067614号公報に記載の考案は、エプロンの下部を折り返してホックにて係止し、ポケット部を形成するようにしたものである。このように、エプロンの下部を折り返してポケット部を構成することにより、食事時において幼児が食べこぼしてもポケット部にて受け止めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の幼児用のエプロンにおいては、エプロンの下部を折り返し、単に重ねた状態で、係止具にてこれを係着してポケット部を構成しているので、ポケットの両端部には隙間があり、完全に閉じられていないため、食べこぼした食品、特に、水気の多い食品はエプロンを伝って下方に流れ落ち、ポケット部にて受け止めても、この隙間から外部に漏れ、エプロンをしていても衣服を汚すという問題があった。また、エプロンを幼児に装着した後、エプロン下端部を折り返して係止具を止めてポケット部を構成するようにしているため、ポケット部の開口部分が塞がった状態となりやすく、ポケットの開口部分を大きく開いた状態にできないという問題があった。
【0004】本発明は、上記従来のエプロンの有する問題点に鑑み、食べこぼし量が多量の場合や水分の多い食品の場合であっても、食べこぼしを確実にポケット内に受け留め、外部に漏れないようにするとともに、エプロンを幼児に装着した後でも簡単にポケット部を形成し、さらに、ポケットの開口部分を大きく開いた状態にできるようにしたエプロンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のエプロンは、エプロン本体に、締付紐をエプロン本体の下端と中間部両側縁とに掛け渡し、前記締付紐を引き締めることにより、エプロン本体の下部を折り返し、かつ該下部の両側部を内側に折り込むようにしてポケット部を形成するようにしたことを特徴とする。
【0006】このエプロンは、エプロン本体の下端と中間部両側縁とに掛け渡した締付紐を引っ張って引き締めることにより、エプロン本体の下部を折り返し、かつ該下部の両側部を内側に折り込むようにしてポケット部を形成するようにしているので、ポケット部の両側部も完全に閉鎖されるようになり、水分の多い食品でも食べこぼしを完全にポケット部内に受け止めることができ、しかも締付紐を引っ張って引き締めることにより、簡単にポケットポケット部を形成し、さらに、ポケットの開口部分を大きく開いた状態にできる。
【0007】この場合において、締付紐に、緩み止め機能を備えた締結具を配設することができる。
【0008】これにより、ポケット部の形成時、引っ張った締付紐に沿って締結具を移動させるだけの簡単な操作で、締付紐を固定でき、ポケット部の形状を保持することができる。
【0009】また、表生地と裏生地の間に金属箔を配して一体化してなる積層体を用いることができる。
【0010】これにより、表生地と裏生地の間に配した金属箔の作用によって、ポケット部の形状を安定して維持することができ、また、このように変形させても、引き締めた締付紐を緩めれば、金属箔は表生地及び裏生地に皺を生じさせることなく元の状態に戻って、その形状を安定して維持することができ、さらに、金属箔が遮水機能を果たすため、水分の裏生地への浸透を防止することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエプロンの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】図1〜図3に、本発明のエプロンの一実施例を示す。このエプロンは、以下幼児用のものについて説明するが、サイズ及び/又は形状を変えることにより、介護を必要とされる老人用として、さらには病人用として使用することができる。
【0013】図1に、エプロンを未装着で、伸張した状態を示す。このエプロン本体1の構成及び形状は、特に限定されるものではないが、撥水性を有する布地、或いは撥水加工を施した布地よりなる表生地11と、裏生地12と、この表生地11、裏生地12との間に挟むようにして配設し、エプロンに保形性を備えるようにした芯地13との3枚を重ねて構成する。そして、エプロンとしてふさわしい形状に、例えば、幼児の首部に巻き付けるように装着し、この状態でエプロンにて幼児の胸部分を覆うよう変形ピーナツ形に裁断し、この外周縁に沿って縁取布14を縫着し、かつ前記表生地11、芯地13、裏生地12の3枚重ねの布地の周縁部を押さえ込むようにして一体となるように構成する。
【0014】また、このエプロン本体1上部のほぼ中央位置には、幼児の首部に巻き付けて簡易に装着しやすいように、また、幼児の首部を挿入できるよう一部を切り欠いた円弧形の首挿通孔部2を形成する。この首挿通孔部2は、エプロン本体1の上部に連接し、かつ互いに突き合わせ状態にして突設する2つの円弧形舌片状の首巻付片3,3により形成する。
【0015】そして、この円弧形舌片状の首巻付片3,3のうち、その一方の首巻付片3(図1においては右側)の表面側に、2つの面ファスナー41,42を適当な間隔をあけて配設し、また、他方の首巻付片3の裏面側には、1つの面ファスナー43を配設する。そして、幼児の首を、この一部を切り欠いた円弧形の首挿通孔部2に挿入するようにし、次いで対向する舌片状の首巻付片3,3を、図2の矢付方向に互いにその先端部分を重ねて首挿通孔部2を閉じるようにして幼児の首に巻き付け、面ファスナー41,42の1つと、面ファスナー43とが互いに係着することにより、幼児の胸前に添って装着できるようにする。
【0016】また、エプロン本体1には、締付紐6を挿通するための鳩目50,51,52を取り付ける。この鳩目50,51,52は、3個を1組とし、エプロン本体1の左右両側にそれぞれ1組ずつ、左右対称となるようにして配設する。なお、図1においては、左半側には、3個の鳩目50,51,52のみを取り付けた状態を、また右半側にはこの鳩目50,51,52に締付紐6を挿通し、エプロン本体を縫うように配設した状態を示しているが、左右共に鳩目50,51,52に締付紐6を挿通するものである。この場合、最下方の鳩目52は、エプロン本体1の下端に沿う位置に、また、最上方の鳩目50は、エプロン本体1の下部を折り返して形成するポケット部Pの深さが、所定の深さとなる側縁位置に、さらに、中間の鳩目51は、最上方の鳩目50の下方近傍位置に、それぞれ配設するようにする。これには、エプロン本体1の下部を、図2に示すように、エプロン本体1の表側に沿うよう折り返すとき、ポケット部Pの底部は、図1に示す仮想折れ線Mの位置となり、これは上方の鳩目50と最下方の鳩目52のほぼ中間位置となる。また、2番目の鳩目51は、鳩目50の近傍位置であれば特に限定されるものではない。
【0017】3個1組の鳩目50,51,52には、1本の締付紐6を挿通するようにする。この締付紐6は、鳩目50にエプロン本体1の裏面側より表面側へ挿通した後、隣接する鳩目51にエプロン本体1の表面側より裏面側へ挿通し、その後、最下方の鳩目52にエプロン本体1の裏面側より表面側へ挿通する。なお、この締付紐6の両端が、鳩目50,51,52より抜け出ないように、抜止用の抜止具61,62を一体に係着するか、或いは鳩目50,52の紐通孔の径よりも大径となるよう締付紐6の端部を直接結びつけるようにしてもよい。
【0018】また、この締付紐6には、鳩目50を挿通した端部側で抜止具61との間に緩み止め機能を備え、釦を押すことにより締付紐6の締結状態を解除できる締結具63を挿通する。これにより、図2に示すように、抜止具61を矢付方向へ引き、エプロン本体1の下部を折り返してポケット部を形成するとき、この締付紐6を引っ張ると、エプロン本体1の下部は、仮想折れ線Mより2つ重ねになるよう折り曲げられるとともに、下部両側は仮想中折れ線N,Nより断面V字形に折り込まれるようになりポケット部Pが形成されるようにする。このとき、V字形に内側に折り込まれるエプロン本体1の下部両側部分の内側面が、図3に示すように、ほぼ接するまで締付紐6を引っ張り、その後、締結具63を締付紐6に沿って移動させ、エプロン本体裏面側に密着するようにしてその位置で締付紐6を締結することにより、エプロン本体1の下部を折り返して形成したポケット部Pの形状が保持される。なお、このポケット部Pの上面開口面積は、この締付紐6の引っ張り度により任意に調整できるものである。
【0019】ところで、本実施例のエプロン本体1は、撥水性を有する布地、或いは撥水加工を施した布地よりなる表生地11と、裏生地12と、この表生地11、裏生地12との間に挟むようにして配設し、エプロンに保形性を備えるようにした芯地13との3枚を重ねて構成するようにしているが、特に、表生地11と裏生地12の間に金属箔からなる芯地13を配して一体化してなる積層体を用いることが好ましい。
【0020】この場合のおいて、表生地11と裏生地12には、通常、エプロンに用いられる織布、編布、不織布、人工皮革、合成樹脂フィルム等の任意の材料を用いることができ、布を構成する繊維の種類も、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリプロピレン、ポリウレタン、アセテート、レーヨン等の合成繊維、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維等の任意の繊維を用いることができる。なお、表生地11と裏生地12を構成する布には、エプロンの用途等に応じて、コーティング、ラミネート等の表面処理を施すことができる。
【0021】表生地11と裏生地12の間に配設する芯地13としての金属箔には、アルミニウム、亜鉛、銀等の適度の柔軟性と折り曲げに対する耐性及び復元性を備えた、厚さ数十μm〜数百μm程度の金属箔を用いることができる。
【0022】そして、表生地11及び裏生地12と芯地13としての金属箔を、適宜の接着剤(表生地11及び裏生地12と芯地13としての金属箔を接着し、剥離しないものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ウレタンフッ素樹脂、ポリエステル共重合樹脂等の任意の接着剤)を使用して、接着、一体化して、積層体を得るようにする。
【0023】このようにして得たエプロンは、表生地11と裏生地12の間に芯地13としての金属箔を配して一体化してなる積層体を用いるようにしているので、金属箔の作用によって、ポケット部Pの形状を安定して維持することができ、また、このように変形させても、引き締めた締付紐6を緩めれば、金属箔は表生地11及び裏生地12に皺を生じさせることなく元の状態に戻って、その形状を安定して維持することができ、さらに、金属箔が遮水機能を果たすため、水分の裏生地への浸透を防止することができる。
【0024】次に、このエプロンの使用について説明する。幼児の胸部に、本発明のエプロンを装着するには、胸部前面にエプロンを添わせ、かつ幼児の首に首巻付片3,3を巻き付けるようにして面ファスナー41又は42と、面ファスナー43とを係着する。これにより、幼児の胸部に添って、エプロンを装着することができる。この状態でも使用することができるが、このようにエプロンを幼児にあてがうだけでは食べこぼしを受け止めることができない場合、エプロン本体1の下部を折り返してポケット部Pを形成する。これは、エプロン本体1の下端両側部に挿通した締付紐6を引っ張ることにより、ポケット部Pは仮想折れ線Mより2つ重ねになるよう折り曲げられ、折り返されると同時に、エプロン本体1の両側端部は、仮想中折れ線N,Nより断面V字形に内側に折り込まれるようになってポケット部Pが、隙間を生じることなく簡単に形成される。
【0025】このようにして、ポケット部Pが、エプロン本体1の下部を2つ折りとするとともに、両側部分をV字形に内側に折り込んでいるため、ポケット部両側部分に隙間がなく、エプロン本体1と一体に形成されるので、食べこぼしが多くても、さらには水分の多い食品でも確実にポケット部Pにて受け留められ、衣服を汚すことがない。また、この締結具63をエプロン本体1の裏面側に接するまで移動させることにより締結された締付紐6が緩むことがないため、エプロン本体1の下部の折り返しにより形成されたポケット部Pの形状を確実に保持することができる。この場合、締付紐6の引張度及び締結具63の移動に応じてポケット上端の開口面積が定められる。これにより、エプロン本体1を幼児に装着した後でも簡易に、迅速にポケット部Pを形成することができる。また、締結具63を締付紐6の端側へ移動させることにより、エプロン本体1の下部の折り返し及び折り込みが伸張するようになってポケット部Pは簡単に解消される。
【0026】以上、本発明のエプロンについて、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0027】
【発明の効果】本発明のエプロンによれば、エプロン本体の下端と中間部両側縁とに掛け渡した締付紐を引っ張って引き締めることにより、エプロン本体の下部を折り返し、かつ該下部の両側部を内側に折り込むようにしてポケット部を形成するようにしているので、ポケット部の両側部も完全に閉鎖されるようになり、水分の多い食品でも食べこぼしを完全にポケット部内に受け止めることができ、しかも締付紐を引っ張って引き締めることにより、簡単にポケットポケット部を形成し、さらに、ポケットの開口部分を大きく開いた状態にできるので、幼児等がどのような食べ方をしても食べこぼしを受け留め、衣服を汚すことがない。
【0028】また、締付紐に、緩み止め機能を備えた締結具を配設することにより、ポケット部の形成時、引っ張った締付紐に沿って締結具を移動させるだけの簡単な操作で、締付紐を固定でき、ポケット部の形状を保持することができる。
【0029】また、表生地と裏生地の間に金属箔を配して一体化してなる積層体を用いることにより、表生地と裏生地の間に配した金属箔の作用によって、ポケット部の形状を安定して維持することができ、また、このように変形させても、引き締めた締付紐を緩めれば、金属箔は表生地及び裏生地に皺を生じさせることなく元の状態に戻って、その形状を安定して維持することができ、さらに、金属箔が遮水機能を果たすため、水分の裏生地への浸透を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】598056272
【氏名又は名称】森内久株式会社
【住所又は居所】大阪市中央区鎗屋町2−3−6
【出願日】 平成14年5月27日(2002.5.27)
【代理人】 【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治 (外1名)
【公開番号】 特開2003−342811(P2003−342811A)
【公開日】 平成15年12月3日(2003.12.3)
【出願番号】 特願2002−152041(P2002−152041)