| 【発明の名称】 |
雨 具 |
| 【発明者】 |
【氏名】高田 敦弘 【住所又は居所】千葉県市原市姉崎海岸5番1号 住友化学工業株式会社内
【氏名】黒田 竜磨 【住所又は居所】千葉県市原市姉崎海岸5番1号 住友化学工業株式会社内
【氏名】花田 暁 【住所又は居所】千葉県市原市姉崎海岸5番1号 住友化学工業株式会社内
【氏名】山田 武 【住所又は居所】千葉県袖ヶ浦市北袖2番1号 住化プラステック株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】耐水性、透湿性に優れ、かつ強度の高い雨具を提供すること。
【解決手段】微細孔を有する熱可塑性樹脂製の多孔性フィルムからなる。微細孔は、フィルムの1方向に伸びる幹フィブリルとこの幹フィブリル間を連結する枝フィブリルとからなる3次元網状組織により形成されており、枝フィブリルの形成密度は、幹フィブリルの形成密度より高い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 微細孔を有する熱可塑性樹脂製の多孔性フィルムからなる雨具であって、前記微細孔は、前記フィルムの1方向に伸びる幹フィブリルとこの幹フィブリル間を連結する枝フィブリルとからなる3次元網状組織により形成されており、前記枝フィブリルの形成密度は、前記幹フィブリルの形成密度より高いことを特徴とする雨具。 【請求項2】 バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式を満たすものである請求項1の雨具、1.20≦2r/d≦1.70。 【請求項3】 前記枝フィブリルは、前記フィルムの最大熱収縮方向に配向している請求項1又は2の雨具。 【請求項4】 前記微細孔は、平均細孔直径dが0.03〜3μmである請求項1〜3のいずれかの雨具。 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィンである請求項1〜4のいずれかの雨具。 【請求項6】 前記ポリオレフィンは、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含む請求項5の雨具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は雨具に関し、詳しくは、耐水性、透湿性、強度に優れた雨具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、レインコート等の雨具には、布にゴムをコーティングした、いわゆるゴム引布、あるいはポリ塩化ビニル等が使用されていた。これらの素材は耐水性に優れていると共に、加工のし易さもあって、レインコート等として多用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゴム引布、あるいはポリ塩化ビニル等を用いた雨具は、透湿性に劣り、実質的にほとんど透湿性を有していないため、特に高温多湿な条件下では、高温高湿の空気が雨具内に籠もり、着用者は耐えがたい不快感にさらされることになる。そして、長時間、そのような雨具を着用していると、皮膚にムレ、カブレ、フヤケといった症状が生じるにいたる。 【0004】一般に、耐水性と透湿性は相反する性質であるため、これら両者を兼ね備えた雨具用材料は製造が難しい。現在、耐水性と透湿性を兼ね備えた素材として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いると共に複雑な工程を経て高い製造コストをかけて製造される微多孔膜を用いるもの、あるいはポリウレタンを湿式コーティングして微多孔層を得るなどの方法が開発されているが、いずれも雨具に使用するには高価すぎたり、強度が乏しく耐用性に問題があるなどの欠点がある。 【0005】そこで、本発明の目的は上記従来技術の有する問題点に鑑みて、耐水性、透湿性に優れ、かつ強度の高い雨具を提供することにある。 【0006】かかる事情に鑑みて、本発明者らは鋭意研究した結果、微多孔性を有し、かつ高強度の材料の開発に成功し、かかる材料が雨具の素材として十分に使用可能であることを見出し、本発明を完成した。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的は各請求項記載の発明により達成される。すなわち、本発明の雨具の特徴構成は、微細孔を有する熱可塑性樹脂製の多孔性フィルムからなり、前記微細孔は、前記フィルムの1方向に伸びる幹フィブリルとこの幹フィブリル間を連結する枝フィブリルとからなる3次元網状組織により形成されており、前記枝フィブリルの形成密度は、前記幹フィブリルの形成密度より高いことにある。 【0008】この構成によれば、フィルムに形成される微細孔に水の浸入を阻止する機能を付加することが可能であるため耐水性に優れ、それでいて空気の流通性は十分に確保されるので透湿性に優れたものとなり、従来技術の雨具のように、高温多湿な環境で不快感を生じることがない。 【0009】しかも、微細孔の構造が、フィルムの1方向に伸びる幹フィブリルと枝フィブリルからなる3次元網状組織により形成されているため、強度の高い雨具を実現できることになる。つまり、枝フィブリルの形成密度が、幹フィブリルの形成密度より高いことによって、最大熱収縮方向、及びそれに直交する方向との力学強度のバランスの優れた雨具となる。従って、雨具を着用したままの動作で、局部的に強い張力がかかるようなことがあったとしても、微細孔径が大きくなり難いため、優れた耐水性、透湿性を維持できる。 【0010】この場合、枝フィブリル、幹フィブリルは、必ずしも直線的に伸びている必要はない。また、幹フィブリルの伸びる方向は、電子顕微鏡写真により確認でき、フィルムの裁断により決定されるので、特に特定されるものではない。「1方向に伸びる」とは、すべての幹フィブリルが直線的に平行に特定方向に伸びていることを要するものではなく、蛇行しつつある程度のばらつきを有して平均的に特定方向に配向していることを意味する。枝フィブリル、幹フィブリルのそれぞれの形成密度は、フィルム1μm2 の面積に存在するフィブリルの数であり、走査型電子顕微鏡によりフィルム表面を観測して求める。具体的には、5×5μm中に存在するフィブリルの数を計測して求める。上記の如き、フィルムの1方向に伸びる幹フィブリルと、この幹フィブリル間を連結する枝フィブリルとからなる3次元網状組織により形成されており、前記枝フィブリルの形成密度より高くなっている孔構造を、ルーファー(loofah)構造と称する。 【0011】従って、本発明によれば、耐水性、透湿性に優れ、かつ強度の高い雨具を提供することができた。 【0012】上記本発明の雨具は、バブルポイント法(ASTM F316−86)により求めた前記微細孔の平均細孔直径d(μm)と、水銀圧入法(JIS K1150)により求めた前記微細孔の平均細孔半径r(μm)とが、下記式を満たすものであることが好ましい。 1.20≦2r/d≦1.70。 【0013】2r/dの値が上記範囲内にあると雨具は、透湿性と強度に特に優れたものとなる。なお、フィルムの強度の点から、2r/dの値は1.65以下であることがより好ましく、1.60以下であることが更に好ましい。多孔性フィルムからなる雨具の膜厚は通常10〜200μmであり、好ましくは10〜150μm、より好ましくは10〜100μmである。厚すぎると軽量性に劣り、薄すぎると物理的強度が十分でなくなる。 【0014】前記枝フィブリルは、前記フィルムの最大熱収縮方向に配向していることが好ましい。 【0015】枝フィブリルが、フィルムの最大熱収縮方向に配向することにより、最大熱収縮方向の機械的強度が高くなる。 【0016】前記微細孔は、平均細孔直径dが0.03〜3μmであることが好ましい。 【0017】平均細孔直径dが0.03μm以上、3μm以下であると、透湿性と強度に特に優れたものとなる。また本発明の雨具に用いられる多孔性フィルムは、ガーレー値が膜厚25μmあたり10〜500秒/100cc、空隙率が40〜80%であることが好ましい。 【0018】前記熱可塑性樹脂がポリオレフィンであることが好ましい。 【0019】ポリオレフィンは強度が高く、化学的な安定性に優れているため、雨具の耐用性が一層高くなる。 【0020】前記ポリオレフィンは、分子鎖長が2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含むことが好ましい。 【0021】このようなポリオレフィンからなる多孔性フィルムは、強度が高く、優れた耐用性を示すので、これを用いた雨具は耐用性に優れたものとなる。2850nm以上のポリオレフィンを10重量%以上含有していることがより好ましく、20重量%以上含有していることが更に好ましく、30重量%以上含有していることが一層好ましい。 【0022】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、以下に詳細に説明する。本実施形態の雨具を構成する多孔性フィルムの主原料である熱可塑性樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン等のオレフィンの単独重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体であるポリオレフィン系樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル−エチレン等の塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ化ビニル系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、シリコーン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、熱可塑性エラストマーやこれらの架橋物などが挙げられる。又、雨具を構成する熱可塑性樹脂は、1種類あるいは2種類以上の混合物であってもよい。 【0023】熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が強度的に優れ、化学的な安定性に優れており、耐用性の高い雨具を与えることができ、より好適である。 【0024】このようなポリオレフィン系樹脂は、1種類のオレフィンの重合体または2種類以上のオレフィンの共重合体を主成分とする。ポリオレフィン系樹脂の原料となるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセンなどが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂の具体例としては、低密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、ポリ(4 −メチルペンテン−1)、ポリ(ブテン−1)、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。 【0025】特に、ポリオレフィン系樹脂として分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖長ポリオレフィンを含有するフィルムを用いた雨具は、強度に優れており、機械的強度を維持しつつフィルム厚みを薄くすることができるので、これを用いた雨具は軽量性に優れたものにできる。特に、強度の観点からは、ポリオレフィン系樹脂が分子鎖長2850nm以上の長分子鎖長ポリオレフィンを10重量%以上含有していることがより好ましく、20重量%以上含有していることが更に好ましく、30重量%以上含有していることが一層好ましい。 【0026】ポリオレフィンの分子鎖長、重量平均分子鎖長、分子量および重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定し、特定分子鎖長範囲または特定分子量範囲のポリオレフィンの混合比率(重量%)はGPC測定により得られる分子量分布曲線の積分により求めることができる。 【0027】ここに、ポリオレフィンの分子鎖長は、後述するGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の分子鎖長であり、より具体的には以下の手順で求められるパラメータである。 【0028】すなわち、GPC測定の移動相としては、測定する未知試料も分子量既知の標準ポリスチレンも溶解することができる溶媒を使用する。まず、分子量が異なる複数種の標準ポリスチレンのGPC測定を行い、各標準ポリスチレンの保持時間を求める。ポリスチレンのQファクターを用いて各標準ポリスチレンの分子鎖長を求め、これにより、各標準ポリスチレンの分子鎖長とそれに対応する保持時間を知る。尚、標準ポリスチレンの分子量、分子鎖長およびQファクターは下記の関係にある。 分子量=分子鎖長×Qファクター次に、未知試料のGPC測定を行い、保持時間ー溶出成分量曲線を得る。標準ポリスチレンのGPC測定において、保持時間Tであった標準ポリスチレンの分子鎖長をLとするとき、未知試料のGPC測定において保持時間Tであった成分の「ポリスチレン換算の分子鎖長」をLとする。この関係を用いて、当該未知試料の前記保持時間ー溶出成分量曲線から、当該未知試料のポリスチレン換算の分子鎖長分布(ポリスチレン換算の分子鎖長と溶出成分量との関係)が求められる。 【0029】上記雨具に用いるフィルムは、無機充填剤あるいは有機充填剤などの充填剤を含有していてもよく、本発明の目的を妨げない範囲で脂肪酸エステルや低分子量ポリオレフィン樹脂などの延伸助剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの添加剤を含有してもよい。 【0030】上記雨具に用いるフィルムの製造において、例えば分子鎖長が2850nm以上の長分子鎖長ポリオレフィンを含有するポリオレフィン系樹脂を原料とする場合、樹脂原料と無機化合物および/又は樹脂の微粉末とを、強混練できるようセグメント設計した2軸混練機を使用して混練した後、ロール圧延法によりフィルム化し、得られた原反フィルムを延伸機により延伸することによって、目的とするフィルムを製造することができる。延伸に使用する装置としては、公知の延伸装置が限定なく使用可能であり、クリップテンターが好適な手段として例示される。 【0031】上述の無機化合物の微粉末としては、平均粒子径が0.03〜1μmの酸化アルミニウムや水酸化アルミニウム、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが例示される。特に、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムを使用し、フィルム作製後に、酸性水により溶解、除去することが、安定した特性を有する雨具用材を得る上で好適である。 【0032】雨具を構成する熱可塑性樹脂は、放射線の照射により架橋されていてもよい。熱可塑性樹脂が架橋されているフィルムは、非架橋の熱可塑性樹脂からなる雨具よりも耐熱性や強度において優れる。 【0033】上記雨具に用いるフィルムは、厚み10〜100μm程度の薄膜であることがより好ましく、フィルムを構成する熱可塑性樹脂が放射線照射により架橋されていることが更に効果的である。通常は、フィルムを薄膜化すると、膜強度が低下してしまうという問題がある。これに対して、本発明にかかる雨具に用いるフィルムでは、その膜厚が10〜100μm程度であって、かつ、それを構成する熱可塑性樹脂が放射線の照射により架橋されているフィルムは、透湿性が特に優れており、かつ高い強度を有する雨具を与え得る。 【0034】本発明の雨具を製造するにあたり、その素材となる熱可塑性樹脂が架橋されているフィルムは、非架橋の熱可塑性樹脂を用いて製造した多孔性フィルムに対して、更に放射線を照射することにより得ることができる。 【0035】架橋のために多孔性フィルムに照射する放射線の種類は特に限定されないが、ガンマー線、アルファー線、電子線などが好ましく用いられ、生産速度や安全性の面から電子線の使用が特に好ましい。 【0036】放射線源としては、加速電圧が100〜3000kVの電子線加速器が好ましく用いられる。加速電圧が100kVより小さいと電子線の透過深さが充分でなく、3000kVより大きいと装置が大掛かりとなって、コスト的に好ましくない。放射線照射装置の例としては、バンデグラーフ型などの電子線走査型装置やエレクトロンカーテン型などの電子線固定・コンベア移動型装置などが挙げられる。 【0037】放射線の吸収線量は0.1〜100Mradであることが好ましく、0.5〜50Mradであることがより好ましい。吸収線量が0.1Mradより小さい場合には樹脂を架橋させる効果が充分でなく、100Mradより大きい場合は強度が著しく低下するため好ましくない。 【0038】本発明の雨具に用いるフィルムに放射線を照射するときの照射雰囲気は、空気中としてもよいが、窒素など不活性ガス雰囲気であることが好ましい。 【0039】 【実施例】以下、本発明を更に具体的に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。実施例および比較例に示す雨具用フィルムの物性は、下記の評価方法により測定した。 【0040】[評価方法] (1)耐水性評価フィルムの耐水圧(単位:mm水柱)をJIS L1092に規定されている静水圧A法(低水圧法)に準じて測定した。耐水圧が高いほど、耐水圧性は優れる。 【0041】(2)透湿性評価フィルムの透湿度(単位:g/m2 ・day)をJIS Z0208に規定されているカップ法に準じて測定した。透湿度が高いほど、透湿性は優れる。 【0042】(3)通気性評価フィルムの膜厚25μmあたりのガーレー値(秒/100cc)は、JISP8117に準じて、B型デンソメーター(東洋精機製)にて測定した。ガーレー値が小さいほど、通気性は優れる。 【0043】(4)フィルム厚み測定フィルムの厚みは、山文電気社製、オフラインシート厚み計(TOF2 Var3.22)を用いて、幅方向、長さ方向にわたり、10点で厚みを測定し、全測定値の平均値を算出した。 【0044】(5)平均細孔直径ASTM F316−86に準拠し、バブルポイント法により、Perm−Porometer(PMI社製)にて平均細孔直径d(μm)を測定した。 【0045】(6)平均細孔半径JIS K1150に準拠し、水銀圧入法により、オートポア III9420(MICROMERITICS社製)にて平均細孔半径r(μm)を測定した。尚、平均細孔半径を求めるにあたり、0.0032〜7.4μmの範囲の細孔半径分布を測定した。 【0046】(7)突刺強度直径12mmのワッシャーにて固定したフィルムに、直径1mm、針先曲率半径0.5mmの金属製の針を、200mm/分の速さで突き刺した際に、孔が開口する最大荷重(N)を測定し、突刺強度とした。 【0047】(実施例1)炭酸カルシウム(商品名:スターピゴット15A、白石カルシウム社製、平均粒子径0.15μm)30vol%と、ポリエチレン粉末(ハイゼックスミリオン340M,三井化学製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)70重量%とポリエチレンワックス(ハイワックス110P,三井化学製、重量平均分子量1000、融点110℃)30重量%の混合ポリエチレン樹脂70vol%とを強混練できるようセグメント設計した2軸混練機(プラスチック工学研究所製)を使用して混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物中の分子鎖長2850nm以上のポリエチレンの含有率は、27重量%であった。この樹脂組成物をロール圧延(ロール温度150℃)することにより、約80μmの膜厚の原反フィルムを作製した。 【0048】得られた原反フィルムをテンター延伸機により延伸温度110℃で約5倍に延伸しloofah構造の多孔性フィルムからなる雨具用材を得た。得られた雨具用材の表面の走査電子顕微鏡写真を図1に示す。図1のV方向に蛇行しながら配向しているやや太めの繊維が幹フィブリルであり、V方向と直交する方向(最大熱収縮方向)に枝フィブリルが形成されている。図1から明らかなように、枝フィブリルの形成密度は、幹フィブリルよりも高い。幹フィブリルと枝フィブリルにより、多数の微細な孔が形成されている。 【0049】この実施例1にて得られた雨具用フィルムの耐水性、通気度、膜厚、平均細孔直径d、平均細孔半径r並びに2r/d、突刺し強度の測定結果を表1に示す。 【0050】(実施例2)炭酸カルシウム(商品名:ビゴット10、白石カルシウム社製、平均粒子径0.1μm)30vol%と、ポリエチレン粉末(ハイゼックスミリオン340M、三井化学製、重量平均分子鎖長17000nm、重量平均分子量300万、融点136℃)70重量%とポリエチレンワックス(ハイワックス110P、三井化学製、重量平均分子量1000、融点110℃)30重量%の混合ポリエチレン樹脂70vol%とを実施例1で使用したのと同じ2軸混練機を使用して混練して樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をロール圧延(ロール温度150℃)することにより、約60μmの膜厚の原反フィルムを作製した。 【0051】得られた原反フィルムをテンター延伸機により延伸温度110℃で約5倍に延伸し、loofah構造の多孔性フィルムからなる雨具用材を得た。得られた雨具用フィルムの物性等を表1に示す。 【0052】(比較例1)市販されている多孔性フィルムを雨具として使用したときの耐水性、通気度、膜厚、平均細孔直径d、平均細孔半径r並びに2r/d、突刺し強度の測定結果を表1に示す。この多孔性フィルムは、高ドラフト比(引取速度/押出速度)にて成形したポリプロピレン層/ポリエチレン層/ポリプロピレン層という層構成の積層フィルムに結晶化熱処理を施した後、これを低温延伸し、次いで高温延伸して結晶界面を剥離させて成形したフィルムであり、loofah構造を有するものではない。 【0053】 【表1】
表1から分かるように、実施例1及び2は、比較例1に比べてガーレー値が顕著に小さく、また、突刺強度は顕著に高い。すなわち、実施例1及び2では、耐水性および強度に優れると共に、通気性および透湿性にも優れる雨具用フィルムが得られたことが分かる。これらのフィルムを用いることにより、耐水性、透湿性および強度に優れた雨具を得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002093 【氏名又は名称】住友化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
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| 【出願日】 |
平成14年5月10日(2002.5.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092266 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 崇生 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−328219(P2003−328219A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月19日(2003.11.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−134935(P2002−134935) |
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