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【発明の名称】 医療用防護具セット
【発明者】 【氏名】北條 裕之
【住所又は居所】東京都文京区湯島1丁目12番4号 株式会社ホギメディカル内

【氏名】大久保 謙二
【住所又は居所】東京都文京区湯島1丁目12番4号 株式会社ホギメディカル内

【氏名】徐 吉夫
【住所又は居所】東京都文京区湯島1丁目12番4号 株式会社ホギメディカル内

【要約】 【課題】医療従事者を感染の危険性から確実に守ることができる医療用防護具セットを提供すること。

【解決手段】医療用防護具セットにおける防護ガウン1は、前身頃2と右側身頃3と左側身頃4とを有し、背開きになるように構成されており、更に、前記右側身頃3及び前記左側身頃4の側縁部に複数の留め具7を設け、着用時に前記右側身頃3と前記左側身頃4とを着用者の背面側で留め具7により留めるように構成されると共に、着用者が前記前身頃2を掴んで着用者から見て前方に前記前身頃2を引っ張ることによって前記留め具7が外れて脱衣可能となるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 医療従事者が医療行為にあたり着用する防護ガウンと、前記防護ガウンの上から着用するエプロンと、両眼部防護用のアイシールドと、鼻及び口の防護用のマスクと、頭部防護用のキャップと、から構成されることを特徴とする医療用防護具セット。
【請求項2】 前記防護ガウンは、前身頃と右側身頃と左側身頃とを有し、背開きになるように構成され、前記右側身頃及び前記左側身頃の側縁部に複数の留め具を設け、着用時に前記右側身頃と前記左側身頃とを着用者の背面側で留め具により留めるように構成されると共に、着用者が前記前身頃を掴んで着用者から見て前方に前記前身頃を引っ張ることによって前記留め具が外れて脱衣可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用防護具セット。
【請求項3】 前記エプロンは、頸紐の両端部を前掛け部の上方部分の左右両側にそれぞれ取り付けており、前記頸紐の端部の内の何れか一方には第一の留め具を設け、且つ前記第一の留め具を取り付ける前掛け部には、前記頸紐の一方の端部に設けられた前記第一の留め具と係合するための第二の留め具を設けており、前記頸紐が、着用者の胸部付近で着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用防護具セット。
【請求項4】 前記エプロンは、二本の頸紐が前掛け部の上方部分における左右両側にそれぞれ取り付けられると共に、各頸紐の自由端部にはそれぞれ留め具が設けられており、前記頸紐が、各頸紐に取り付けられた留め具によって着脱できるよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用防護具セット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、菌やウィルスに感染した感染患者あるいは感染物を扱う医療従事者が、医療行為を行う際に着用するのに好適な医療用防護具セットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、医療従事者は、自身の身体から雑菌を患者に感染させないようにすると共に、患者からの血液等の飛散あるいは菌やウィルスの感染患者あるいは感染物から自身が感染しないようにするために、医療用防護具として、防護ガウンとエプロンを着用すると共に頭部にはキャップを,鼻及び口にはマスクを,両眼部にはアイシールドを着用して医療行為を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、感染患者や感染物に触れた手を自分の顔に近付ける行為は、その医療従事者自らがその細菌やウィルスに感染してしまう可能性があることから最も危険な行為とされているが、従来の医療用防護具たる防護ガウンやエプロンは、頸の後ろで紐を結ぶ等して着用するタイプが一般的であり、医療従事者が医療行為終了後にこれらの医療用防護具を脱衣するために頸の後ろで結ばれている紐を解く際に、感染患者や感染物に触れた手を自分の顔に近付けなくてはならない。その結果、医療従事者自身が菌やウィルスに感染してしまうという危険性が十分にあった。
【0004】そこで本発明の目的は、医療行為において感染患者や感染物に触れた後、その手を自らの顔に近付けることなく簡単に脱衣可能であり、着用者である医療従事者を感染の危険性から確実に守ることができる医療用防護具セットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の医療用防護具セットは、医療従事者が医療行為にあたり着用する防護ガウンと、前記防護ガウンの上から着用するエプロンと、両眼部防護用のアイシールドと、鼻及び口の防護用のマスクと、頭部防護用のキャップと、から構成されており、また前記防護ガウンは、前身頃と右側身頃と左側身頃とを有し、背開きになるように構成され、前記右側身頃及び前記左側身頃の側縁部に複数の留め具を設け、着用時に前記右側身頃と前記左側身頃とを着用者の背面側で留め具により留めるように構成されると共に、着用者が前記前身頃を掴んで着用者から見て前方に前記前身頃を引っ張ることによって前記留め具が外れて脱衣可能となるように構成されている。
【0006】また、本発明の医療用防護具セットにおける前記エプロンは、頸紐の両端部を前掛け部の上方部分の左右両側にそれぞれ取り付けており、前記頸紐の端部の内の何れか一方には第一の留め具を設け、且つ前記第一の留め具を取り付ける前掛け部には、前記頸紐の一方の端部に設けられた前記第一の留め具と係合するための第二の留め具を設けており、前記頸紐が、着用者の胸部付近で着脱可能に構成されている。また、前記エプロンは、二本の頸紐が前掛け部の上方部分における左右両側にそれぞれ取り付けられると共に、各頸紐の自由端部にはそれぞれ留め具が設けられており、前記頸紐が、各頸紐に取り付けられた留め具によって着脱できるよう構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態による医療用防護具セットの各種医療用防護具について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態による防護ガウンの構成図である。また、図2では本防護ガウンの着用時の形態を説明する図であり、図2(a)は正面側から見た図、図2(b)は背面側から見た図である。
【0008】<防護ガウンの構成>まず、本実施形態における医療用防護具としての防護ガウン1の構成について説明する。本実施形態の防護ガウン1は、前身頃2と,右側身頃3と,左側身頃4と,両袖5a,5bと,襟部6とを有し、図1に示すように背開きになるように構成されている。また、着用時に右側身頃3と左側身頃4とを閉じるための留め具として、複数の面ファスナ7が取り付けられている。尚、本実施形態では、右側身頃3及び左側身頃4における防護ガウン1の襟部6,並びに防護ガウン1着用時に着用者の腰部及び背中に対応する部分にそれぞれ面ファスナ7が取り付けられているが、襟部6以外における面ファスナ7の取付位置,取付個数,面ファスナ7の大きさや形状等は図1及び図2に示すものに限定されず、任意に設定可能である。
【0009】また、医療従事者は、鼻や口からの細菌感染を防止するためにマスクを着用し、そのマスクの上から更にマスクカバーを装着して医療行為を行うが、本実施形態では、着用者の頸部の保護についても考慮し、防護ガウン1の襟部6にマスクカバーとしてのマスク部分8が設けられ、防護ガウン1とマスク部分8とが一体となっている。前記マスク部分8には、防護ガウン1と同様に背開きになるように構成されており、マスク部分8を背面側で閉じるための留め具として面ファスナ7が取り付けられている。
【0010】尚、本実施形態の防護ガウン1に使用される布地の素材としては、菌やウィルスに対してバリヤー性が高く、また医療行為をし易いように通気性のあるものが好ましいことから不織布が用いられており、更にこの不織布には、水をある程度まで染み込ませないように撥水処理が施されている。
【0011】<留め具による留め方>次に、上記のような構成を有する防護ガウンの留め具による留め方について、図3から図6を参照して以下に説明する。図3から図6は、本実施形態の防護ガウンの襟部に取り付けられた面ファスナ7の構成の具体例をそれぞれ示す図である。尚、本実施形態において、防護ガウンの他の位置及びマスク部分に取り付けられる面ファスナは、襟部に取り付けられる面ファスナと同様、各図に示すように他の面ファスナも取り付けられる。
【0012】一般的に、右側身頃3及び左側身頃4の側縁部に取り付けられる留め具としての面ファスナ7は、図3(a)のように右側身頃3及び左側身頃4の何れか一方の側縁部外面と他方の側縁部内面とに取り付けられており、双方の面ファスナ7を係合することにより両側身頃を留めている。これに対し、本実施形態の防護ガウン1における面ファスナ7は、図3(a)のような一般的な構成とは異なり、図4(a)のように右側身頃3及び左側身頃4双方の側縁部の内面に取り付けられており、この双方の側縁部内面を図4(b)のように対向させて双方の面ファスナ7を係止して防護ガウン1を留めるようにするようになっている。また、マスク部分8についても、防護ガウン1と同様に、頸の後ろで双方の側縁部内面を図4(b)のように対向させて面ファスナ7を係止して留めるようにする。以上のようにして面ファスナ7で右側身頃3及び左側身頃4を留めることにより、防護ガウン1及びマスク部分8の着用が完了し、医療従事者は医療行為を行うこととなる。
【0013】そして医療行為終了後、着用者である医療従事者が、防護ガウン1の前身頃2を掴んで医療従事者から見て前方に向かって前身頃2を引っ張ることにより、図4(b)のような面ファスナ7の留め方から、係合していた各面ファスナ7に図4(b)中矢印方向の引張力が掛かり、その結果、係合していた面ファスナ7が容易に剥離して防護ガウン1及びマスク部分8の背面側が開いた状態となる。これは、図3(a)に示すような従来の面ファスナ7の取り付け方では、前身頃2を引っ張っても図3(b)中矢印方向の引張力が生じるため、背開きの状態にするには大きな力が必要となり、容易に背開きの状態にすることはできないが、本実施形態の防護ガウン及びマスク部分のような構成のため、大きな力を必要とせず、容易に背開きの状態にすることができる。
【0014】このような背開きの状態から、着用者が更に前身頃2を引っ張ることで、着用者は防護ガウン1とマスク部分8とを脱衣することができる。その結果、医療従事者は、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなく、簡単に防護ガウン1及びマスク部分8を脱衣することができる。
【0015】また、右側身頃3及び左側身頃4の側縁部に取り付けられる面ファスナ7において、上記とは異なる構成として、面ファスナ7を図5(a)のように右側身頃3及び左側身頃4双方の側縁部の外面に取り付け、右側身頃3及び左側身頃4の何れか一方の側縁部外面を図5(b)のように内側に折り込んで他方の側縁部外面に対向させ、双方の面ファスナ7を係止することによって防護ガウン1及びマスク部分8を留めるようにしてもよい。このような面ファスナ7の留め方で着用した防護ガウン1及びマスク部分8を医療行為終了後に脱衣する場合、上記実施形態と同様に医療従事者が防護ガウン1の前身頃2を掴んで医療従事者の前方に向かって引っ張ることにより、図5(b)のような面ファスナ7の留め方から、係合していた各面ファスナ7に図5(b)中矢印方向の引張力が掛かるため、まず係合していた面ファスナ7が容易に剥離し、防護ガウン1及びマスク部分8の背面側が開いた状態となる。そして、この背開きの状態で着用者が更に前身頃2を引っ張ることにより、着用者は、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなく防護ガウン1とマスク部分8とを脱衣することができる。
【0016】また、面ファスナ7を図6(a)のように右側身頃3及び左側身頃4双方の側縁部外面に取り付け、双方の側縁部外面を図6(b)のように内側に折り込んで対向させて面ファスナ7を係止して防護ガウン1及びマスク部分8を着用するようにしてもよい。このように着用した防護ガウン1及びマスク部分8を医療行為終了後に脱衣する場合においても、上記実施形態と同様に、医療従事者が防護ガウン1の前身頃2を掴んで医療従事者の前方に向かって引っ張ることにより、まず係合していた面ファスナ7が容易に剥離し、防護ガウン1及びマスク部分8が背開きの状態となり、しかる後に更に前身頃2を引っ張ることにより、着用者は、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなく防護ガウン1とマスク部分8とを脱衣することができる。
【0017】さらに、本発明の防護ガウン1における他の構成として、図7のように右側身頃3及び左側身頃4の何れか一方(本実施形態では、右側身頃)の側縁部外面に引張紐9の一端部を固着しておき、上述の如く右側身頃3及び左側身頃4を面ファスナ7により留めて防護ガウン1及びマスク部分8を着用する際に、前記引張紐9を肩に掛けて引張紐9の他端部を医療従事者の前面側に垂らした状態で着用するようにしてもよい。このように着用した防護ガウン1及びマスク部分8を医療行為終了後に脱衣する場合、医療従事者が前記引張紐9を医療従事者の前方に向かって引っ張ると、面ファスナ7が容易に剥離し、防護ガウン1及びマスク部分8が背開きの状態となり、しかる後に更に引張紐9を引っ張ることにより、着用者は、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなく防護ガウン1とマスク部分8とを脱衣することができる。
【0018】尚、本発明の上記防護ガウン1の右側身頃3及び左側身頃4に腰紐を設けてもよく、このように腰紐を設けることにより、着用者は、着用時に腰紐を結んで確実に防護ガウン1を身体に着用することができる。勿論、脱衣時に感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることはない。また、この防護ガウン1に取り付ける腰紐を留め具により留めるように構成してもよい。具体的には、一方の腰紐の一端部を右側身頃3に固着し且つ他端部には留め具として第一の面ファスナを設け、他方の腰紐の一端部を左側身頃4に固着し且つ他端部に前記第一面ファスナと係合するための第二の面ファスナを設ける。そして、図4(b),図5(b)もしくは図6(b)に示すような形態で第一面ファスナと第二面ファスナとを係合させて腰紐を留めることにより、腰紐を結ばずに留めることができる。
【0019】更に、上記のような面ファスナを用いた腰紐としては、図8(a)のように、第二の面ファスナ4bを他方の腰紐4aの一端部(自由端部)ではなく、腰紐4aの中間付近に取り付けてもよい。このように第二面ファスナ4bを取り付けることで防護ガウンは図8(b)のような形態で着用されることとなるが、医療行為終了時に着用者がこの防護ガウンを脱衣する場合には、他方の腰紐4bの一端部を掴んで下方に引っ張ることにより、係合した双方の面ファスナ3b,4bを容易に外すことができる。また、このような構成にすることで腰紐3a,4aを短くすることができるため、医療行為中に汚れた腰紐3a,4aが脱衣時に着用者の背中に極力触れないようになるという利点がある。
【0020】また、医療行為中に患者から血液が多量に飛散する可能性が高い場合等に、医療従事者は予め防護ガウン1の上からエプロンを着用して医療行為を行うが、このエプロンについても、図9のように構成することで、着用者である医療従事者が感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなく脱衣することができるようになる。以下、本発明の医療用防護具であるエプロン10について説明する。
【0021】本発明のエプロン10の腰紐11は、スリット11aが入った前結び式となっており、この腰紐11に引っ張りの負荷がかかることで、腰紐11自体が切れるようになっている。また頸紐12は、頸の後ろで結んで留めるものではなく、前で留めるように構成されている。具体的には、頸紐12の一端部をエプロン10の前掛け部10aの上方部分における左右何れか一方の側(図9では着用者から見て右側)に固着し、他端部には留め具として第一の面ファスナ7aを設け、更に頸紐の固着箇所とは反対側(図9では着用者から見て左側)の前掛け部10aの前面には、頸紐12の他端部に設けられた第一面ファスナ7と係合するための第二の面ファスナ7bを設けている。
【0022】以上のように構成されたエプロン10によれば、前記第一面ファスナ7a及び第二面ファスナ7bによって着用者は胸部付近で頸紐12の着脱を行うことができるため、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなく頸紐12を外すことができる。更に着用者は、上記のように頸紐12を外してからエプロン10の前掛け部10aを掴んで前方に向かって引っ張ることにより、スリット11aの入った腰紐11を切断することができるため、素早くエプロンを脱衣することができる。
【0023】尚、上記エプロン10の腰紐11は、スリット11aが入っているため、着用者が前掛け部10aを掴んで前方に向かって引っ張ることにより、スリット11aの入った腰紐11を切断して素早くエプロンを脱衣することができるよう構成されているが、腰紐11の素材として、ある一定の方向には切断されやすく他方向には切断されにくいような素材の強度に方向性のある不織布を用いても、上記と同様の効果を得ることができる。具体的には、エプロン10の腰紐11を、腰紐11の幅方向と不織布の切断されやすい方向とが一致したものにすることで、着用者は腰紐11を幅方向に容易に切断することができ、その結果、素早くエプロンを脱衣することができる。
【0024】更に、上記エプロン10に取り付けられる上記第二面ファスナ7bの形状を、上下方向に長い略矩形形状とすることで、着用者が第一面ファスナ7aと第二面ファスナ7bとの係合位置を変えることにより簡単に頸紐の長さを調節することができる。
【0025】また本発明のエプロン10によれば、着用者は、上述の如く胸部付近で頸紐12の着脱を行うことで、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなく頸紐12を外すことができるように構成しているが、上記防護ガウンと同様に、着用者の頸の後ろで留め具により頸紐を留めるように構成してもよい。具体的には、図10(a)のように、頸紐12aの一端部をエプロン10の前掛け部10aの上方部分における左右何れか一方の側に固着し、他端部には留め具として第一の面ファスナ7aを設け、更に頸紐の固着箇所とは反対側の前掛け部10aの上方部分にも、同様に頸紐12bの一端部を固着し且つ他端部に第一面ファスナ7aと係合するための第二の面ファスナ7bを設ける。そして、図4(b),図5(b)もしくは図6(b)に示すような形態で頸紐12a,12bを留めることにより、着用者の頸の後ろで、頸紐12a,12bを結ばずに留めることができる。
【0026】そして、このような構成のエプロン10によれば、医療従事者がエプロン10の前掛け部10aを掴んで医療従事者の前方に向かって引っ張ることにより、まず係合していた面ファスナ7a,7bが容易に剥離して頸紐12a,12bが外れた状態となり、しかる後に更に前掛け部10aを引っ張ることにより、着用者は、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなくエプロン10を脱衣することができる。
【0027】また図10(b)のように、頸紐12aの一端部をエプロン10の前掛け部10aの上方部分における左右何れか一方の側に固着し、他端部には留め具として第一の面ファスナ7aを設け、更に頸紐の固着箇所とは反対側の前掛け部10aの前面に第二の面ファスナ7bを取り付けると共に、頸紐12bの一端部には前記第一面ファスナ7aと係合するための第三の面ファスナ7cを、他端部には第二面ファスナ7bと係合するための第四の面ファスナ7dを設けてもよい。そして、図4(b),図5(b)もしくは図6(b)に示すような形態で頸紐12aの第一面ファスナ7aと頸紐12bの第三面ファスナ7cとを留めることにより、着用者の頸の後ろで頸紐12a,12bを結ばずに留めることができる。尚、この頸紐12aは、エプロン10の前掛け部10aの左右何れか一方側における上方部分を紐状になるようにカットすることで作製し、第三面ファスナ7cとの留め具として図10(b)のような構成としてもよい。
【0028】そして、このような構成により、医療従事者は、前掛け部10aを掴んで医療従事者の前方に向かって引っ張ることにより、まず係合していた面ファスナ7a,7cが容易に剥離して頸紐12a,12bが外れた状態となり、しかる後に更に前掛け部10aを引っ張ることにより、着用者は、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなくエプロン10を脱衣することができる。また、この構成において、第二面ファスナ7bの形状を上下方向に長い略矩形形状とすると、着用者が第二面ファスナ7bと第四面ファスナ7dとの係合位置を変えることにより簡単に頸紐の長さを調節することが可能となる。
【0029】また、通常なら図9のような構成でも十分に安全性は確保されるが、特に患者の出血が多量であり、医療行為中に頸紐に患者の血が付着してしまう場合等は、脱衣時に胸部から肩部,頸部へと頸紐が回って外れる際に頸部等に血が付着する危険性がある。そこで、図10(b)のような構成にすることで、医療従事者は、前掛け部10aを掴んで医療従事者の前方に向かって引っ張ることによって、面ファスナ7a,7cが容易に剥離して頸紐12a,12bが外れた状態となり、しかる後に更に前掛け部10aを引っ張ることにより、第四面ファスナ7dの設けられた頸紐12bの端部は胸部から肩部,頸部へと回って外れることなく、エプロン10を脱衣することができる。このように、図10(b)の構成によれば、より高い安全性の確保を実現することができる。
【0030】尚、頸紐12a,12bのみならず腰紐11についても、図4(b),図5(b)もしくは図6(b)に示すような形態で留め具により留めるように構成することで、腰紐11にスリット11aを設けなくとも上記と同様の効果を得ることができる。また、エプロン10の構成を、上記防護ガウン1の如く着用者の背面で図2のように面ファスナにより留めるように構成しても、同様の効果を得ることができる。
【0031】尚、本発明のエプロン10に使用される布地の素材としては、上記防護ガウン1と同様に、菌やウィルスに対してバリヤー性が高く、また医療行為をし易いように通気性のあるものが好ましいことから不織布が用いられている。この不織布には撥水/防水素材あるいは吸水/防水素材が用いられ、フィルム加工した防水素材によってバリヤー性の確保が実現されている。
【0032】更に医療従事者は、医療用防護具としてマスクを口部に着用し,上記のような防護ガウン1とエプロン10を着用する他に、頭部にキャップを,両眼部にアイシールドを着用して医療行為を行うが、このアイシールドを、略矩形の透明フィルムの上縁部に両面粘着テープを取り付けて構成することにより、アイシールドの両面粘着テープをキャップに貼り付けるだけで、アイシールドを簡単に装着することができ、着脱が容易となる。また、上述の如く簡単な構成であるため、通常のようにゴーグル型のアイシールドを着用する場合と比べ、透明フィルムに曇りが生じることがなく、更に、軽量であるために医療行為の邪魔になることもないという利点がある。
【0033】尚、本発明のマスク部分8付の防護ガウン1,エプロン10,アイシールドに加えてマスクとキャップに使用される素材を安価なものにすれば、医療用防護具を全て使い捨て可能とすることができるため、医療用防護具を全てまとめて廃棄することで、医療用防護具が新たな感染源となり得る虞がなくなり、より一層安全性の確保を図ることができる。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のマスク部分付の防護ガウン,エプロン,アイシールドに加えてマスクとキャップから成る医療用防護具セットを着用することにより、菌やウィルスの感染患者あるいは感染物から、着用者たる医療従事者が感染しないようにできる。また医療従事者は、本発明の医療用防護具たるマスク部分付防護ガウン及びエプロンを着用することにより、感染患者や感染物に触れた後の手を自らの顔に近付けることなく脱衣することができるため、感染の危険性を一層低減させることができる。更に、マスク部分付の防護ガウン,エプロン,アイシールド,マスク及びキャップを全て使い捨て可能とすることにより、これらの医療用防護具が新たな感染源となり得る虞がなくなり、より一層の安全性の確保が図られる。
【出願人】 【識別番号】000137052
【氏名又は名称】株式会社ホギメディカル
【住所又は居所】東京都港区赤坂2丁目7番7号
【出願日】 平成14年3月6日(2002.3.6)
【代理人】 【識別番号】110000073
【氏名又は名称】特許業務法人プロテック
【公開番号】 特開2003−268610(P2003−268610A)
【公開日】 平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願番号】 特願2002−60957(P2002−60957)