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【発明の名称】 後パット付き伸縮衣服
【発明者】 【氏名】加藤 好司

【要約】 【課題】ウエストサイズを自在に伸縮させることができるとともに、日本人に多い扁平なヒップラインを改良することができる衣服を提供すること。

【解決手段】後パット付き伸縮ズボン1においては、後ろ中心2aを縫うときには、伸び止め布7は本体10と一緒に縫い付けるが、1対の布袋9はパット出し入れ口9bが縫い付けられないように避けておく。また、このようにパット出し入れ口9bが重なって取り付けられた布袋9の下辺の重なり部分9dと後ろ中心2aの縫い代とを返し縫いで止める。こうして完成した布袋9のパット出し入れ口9bを拡げて、パットを布袋9内に出し入れする。布袋9はネット系素材であり、伸縮性に富むので、このようにパット出し入れ口9bが重なっていても、自由にパットを出し入れすることができる。そして、パット出し入れ口9bが重なっていることによって、パットが抜け落ちてしまう事態が防止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 衣服の後ろ中央2箇所に切替えを利用して形成されたダーツと、該ダーツが開くようにそれぞれ設けられたタックと、前記ダーツのベルト部の延伸部に一端を、前記衣服のベルト部に他端を取り付けられた1対の弾性材と、前記ダーツのベルト部の延伸部と前記弾性材とを前記衣服のベルト部に被さることによって覆う1対のオーバーベルトとを具備する伸縮衣服であって、前記衣服の後ろ中央2箇所のダーツの間の裏側に布袋を取り付け、該布袋の中にパットを収容したことを特徴とする後パット付き伸縮衣服。
【請求項2】 前記布袋は伸縮性の素材で作製されていることを特徴とする請求項1に記載の後パット付き伸縮衣服。
【請求項3】 前記布袋は前記衣服から取り外し自在になっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の後パット付き伸縮衣服。
【請求項4】 前記布袋は複数であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の後パット付き伸縮衣服。
【請求項5】 衣服の後ろ中央2箇所に切替えを利用して形成されたダーツと、該ダーツが開くようにそれぞれ設けられたタックと、前記ダーツのベルト部の延伸部に一端を、前記衣服のベルト部に他端を取り付けられた1対の弾性材と、前記ダーツのベルト部の延伸部と前記弾性材とを前記衣服のベルト部に被さることによって覆う1対のオーバーベルトとを具備する伸縮衣服であって、前記衣服の後ろ中央2箇所のダーツの間の裏側にパットを直接取り付けたことを特徴とする後パット付き伸縮衣服。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ズボン(パンツ)、スカート等の衣服のウエスト部分を衣服の後ろにダーツを取り付けることによって伸縮可能とした伸縮衣服のヒップ部分にパットを入れることによってヒップラインをより美しく見せられる後パット付き伸縮衣服に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者は、先に、布地が折り重ねられて形成されたタックをウエスト部分に備えたズボンやスカート等のウエスト伸縮構造に関する特許を取得している(特許番号第2518803号、第2518804号、第2518807号)。これらの特許発明にかかるウエスト伸縮構造においては、ズボン等に設けられたタックの上部と下部とを弾性材で接続して、タックが開閉することによってウエスト長さを伸縮させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特に婦人物においては、ズボン等のウエスト長さを伸縮させてウエストサイズにフィットさせても、日本人に多い扁平なヒップラインが改良されず、この点の改良が望まれていた。
【0004】そこで、本発明は、ウエストサイズを自在に伸縮させることができるとともに、日本人に多い扁平なヒップラインを改良することができる衣服を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、衣服の後ろ中央2箇所に切替えを利用して形成されたダーツと、該ダーツが開くようにそれぞれ設けられたタックと、前記ダーツのベルト部の延伸部に一端を、前記衣服のベルト部に他端を取り付けられた1対の弾性材と、前記ダーツのベルト部の延伸部と前記弾性材とを前記衣服のベルト部に被さることによって覆う1対のオーバーベルトとを具備する伸縮衣服であって、前記衣服の後ろ中央2箇所のダーツの間の裏側に布袋を取り付け、該布袋の中にパットを収容したものである。
【0006】これによって、この後パット付き伸縮衣服を着用したときには、1対の弾性材の弾性力に抗してタックが開閉することによってダーツが開閉し、着用者のウエストサイズに合わせてベルト周りが伸縮してフィットし、皺等が生ぜず美しいヒップラインになる。そして、2箇所のダーツの間の裏側に布袋を取り付けて中にパットを収容することによって、ヒップラインが丸みを帯びて、日本人に多い扁平なヒップラインが改良されて、より美しいヒップラインが形成される。
【0007】このようにして、伸縮機構付き衣服の後ろ中心の裏側にパットを収容することによって、日本人に多い扁平なヒップラインを改良することができる。
【0008】請求項2の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、請求項1の構成において、前記布袋は伸縮性の素材で作製されているものである。
【0009】これによって、パットを布袋内に入れやすくなり、またパットの大きさも一定範囲内でより大きくすることができる。
【0010】このようにして、パットの出し入れが容易で、より丸みを帯びたヒップラインにすることができる後パット付き伸縮衣服となる。
【0011】請求項3の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、請求項1または請求項2の構成において、前記布袋は前記衣服から取り外し自在になっているものである。
【0012】これによって、衣服を洗濯するとき等には布袋を取り外すことができ、またパットが不要なときにも布袋を取り外すことができる。さらに、パットのサイズを変えたいときにもサイズの異なる布袋と取り替えることによって、中に入れるパットのサイズを自在に変えることができる。
【0013】このようにして、衣服を洗濯するときやパットが不要なときに布袋を取り外すことができ、また好みのヒップラインに応じてパットの大きさを自在に変えることができる後パット付き伸縮衣服となる。
【0014】請求項4の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの構成において、前記布袋は複数であるものである。
【0015】これによって、パットの大きさを後ろ中心に近づくほど大きくする等の変化を持たせることによって、ヒップラインをさらに滑らかにすることができる。
【0016】請求項5の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、衣服の後ろ中央2箇所に切替えを利用して形成されたダーツと、該ダーツが開くようにそれぞれ設けられたタックと、前記ダーツのベルト部の延伸部に一端を、前記衣服のベルト部に他端を取り付けられた1対の弾性材と、前記ダーツのベルト部の延伸部と前記弾性材とを前記衣服のベルト部に被さることによって覆う1対のオーバーベルトとを具備する伸縮衣服であって、前記衣服の後ろ中央2箇所のダーツの間の裏側にパットを直接取り付けたものである。
【0017】一般に衣服は着用者が変わることは稀であるから、着用者に合わせてパットの大きさ・数・位置を固定して衣服の裏側にパットを縫付けてしまっても構わない。また、着用者の体形の変化に対応するには、パットにボタンホールまたはループを付けて、衣服裏側にボタンを取り付ければパットの交換が可能になる。その他にも、スナップ、Zナップ、マジックテープ(登録商標)等を用いることによって、取り付け・取り外しが可能になる。
【0018】これによって、布袋を作製する必要がなくなるので、作製工程が短くなって低コスト化が可能な後パット付き伸縮衣服となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の後パット付き伸縮衣服を主に婦人用パンツ(ズボン)に適用した場合の実施の形態について説明する。なお、婦人用パンツにおいては、通常は前明の部分を右前とする場合が多いが、以下の各実施の形態においては前明の部分を左前とした場合について説明する。また、本発明の後パット付き伸縮衣服は、紳士用ズボン、Gパン、スカート、ワンピース等にも適用できるものである。
【0020】実施の形態1まず、本発明の実施の形態1について、図1乃至図5を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施の形態1にかかる後パット付き伸縮衣服の後ろダーツを閉じたところを示す斜視図、(b)は後ろダーツを開いたところを示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態1にかかる後パット付き伸縮衣服の後ろダーツの裏側を示す部分拡大図である。図3は本発明の実施の形態1にかかる後パット付き伸縮衣服のベルト部分を除いて裏側から伸縮構造を示した部分拡大図である。図4は本発明の実施の形態1にかかる後パット付き伸縮衣服のパットを入れる布袋を示す説明図である。図5は本発明の実施の形態1にかかる後パット付き伸縮衣服の布袋の取り付け方法を示す説明図である。
【0021】図1(a)に示されるように、本実施の形態1の後パット付き伸縮衣服としての後パット付き伸縮ズボン(以下、単に「ズボン」または「パンツ」ともいう。)1は、後ろ中心ベルト部2の左右の延伸部にオーバーベルト3がそれぞれ被さっており、本体はこれらのオーバーベルト3の端部において切り替えられてダーツ4になっている。そして、後ろ中心ベルト部2の左右の延伸部とオーバーベルト3の間に図示しないゴムベルトがそれぞれ縫付けられており、さらにダーツ4の下にタックが設けられていることによって、本実施の形態1のズボン1は伸縮自在になっている。図1(b)がウエスト周りに引張力がかかってウエストが伸びてダーツ4が開いたところを示している。
【0022】婦人体形(腰からお尻の丸み)は千差万別であるため、比較的丸みの少ない後ろ中心よりに1対のダーツ4を設けて伸縮機能を持たせている。後ろ中心よりの位置とは、後ろ中心2aから左右に4.0〜5.0cmくらいの位置を指し、切り替えの両側にコバステッチ(0.2cmステッチ)6を掛けて、切り替え部分を強化するとともにデザイン性を持たせている。ダーツ4が移動してウエストサイズが伸縮しても、皺等が出にくく美しいヒップラインが出る。
【0023】次に、ズボン1の裏側の構造について、図2を参照して説明する。ズボン1の裏側の後ろ中心2aの両側にはウエストサイズの伸び過ぎを防止するための伸び止め布7が縫付けられている。この伸び止め布7は、ダーツ4の縫い止まり位置5よりさらに下に2cmぐらい長くしておく。これによって、ウエストサイズの伸縮時に当り、皺等が出ることがない。後述するように、この伸び止め布7を利用してパットを入れる布袋が形成される。
【0024】次に、ズボン1の裏側の伸縮機構について、図3を参照して説明する。ダーツ4の裏側はタック8になっており、このタック8によってダーツ4部分が伸縮する。ズボン1の後ろ中心2aからタック8の間には、前述の如く伸び止め布7が中縫いされていて、ダーツ4の開き過ぎを規制している。
【0025】次に、パットの取り付け方法について、図4及び図5を参照して説明する。図4に示されるように、左右1枚ずつの伸び止め布7には伸縮素材としてのネット系素材9が底辺9aにおいて縫付けられる。底辺9aは、ダーツ縫いどまり位置(図2,図3参照)よりも1〜2cm上の位置にする。また、底辺9aの中より約3cmは縫わずに開放しておく。ネット系素材9の中よりの辺9bはパットを出し入れする部分になるので、縫い代を折ってステッチを掛けておく。また、ネット系素材9の外よりの辺9cは、伸び止め布7を本体に縫付けるときに一緒に縫付ける。
【0026】図5は、本体10の後ろ中心2aを縫った後の状態を示している。後ろ中心2aを縫うときには、伸び止め布7は本体10と一緒に縫い付けるが、1対の布袋9はパット出し入れ口9bが縫い付けられないように避けておく。また、このようにパット出し入れ口9bが重なって取り付けられた布袋9の下辺の重なり部分9dと後ろ中心2aの縫い代とを返し縫いで止める。こうして完成した布袋9のパット出し入れ口9bを拡げて、パットを布袋9内に出し入れする。布袋9はネット系素材であり、伸縮性に富むので、このようにパット出し入れ口9bが重なっていても、自由にパットを出し入れすることができる。そして、パット出し入れ口9bが重なっていることによって、パットが抜け落ちてしまう事態が防止される。入れるパットの数は、ヒップラインに合わせて1対の布袋9全体にわたって1個でも、左右別々に2個でもよい。
【0027】このように、本実施の形態1のズボン1においては、本体後ろに1対のダーツ4を設けてゴムベルトによって伸縮自在とするとともに、1対のダーツの間に本体10の裏側に布袋9を設けて、この布袋9にパットを入れることによって、日本人女性に多い扁平なヒップラインを補正して、より美しいヒップラインを形成することができる。
【0028】実施の形態2次に、本発明の実施の形態2について、図6を参照して説明する。図6は本発明の実施の形態2にかかる後パット付き伸縮衣服の布袋を示す正面図である。
【0029】図6に示されるように、本実施の形態2の後パット付き伸縮ズボンにおいては、パットを上から出し入れする布袋11を用いている。この布袋11は全体が伸縮性のあるネット系素材で作られており、底辺11dは輪にして折り返し、側面11b,11cは上から下まで中縫いにする。パット出し入れ口11aは、強化のため、また出し入れがし易くするため縫い代を折ってステッチ12を掛けておく。この布袋11の本体への取り付けは、向こう布11eをベルト布に挟んで縫い付けることによって行う。または、三つ折りにして向こう布11eにボタンホールを設け、本体にボタンを縫い付けて取り外しができるようにしても良い。
【0030】このように、本実施の形態2の後パット付き伸縮ズボンにおいては、パットを上から出し入れする布袋11を用いているため、パットの出し入れが着用したままでも容易であるという利点がある。
【0031】実施の形態3次に、本発明の実施の形態3について、図7を参照して説明する。図7は本発明の実施の形態3にかかる後パット付き伸縮衣服の布袋を示す正面図である。
【0032】図7に示されるように、本実施の形態3の後パット付き伸縮ズボンにおいては、布袋13にループ14を縫付けて、本体の後ろ中心裏側にボタンを付け、着脱可能にしている。この布袋13も全体が伸縮性のあるネット系素材で作られており、側面13b,13cは輪にして折り返し、底辺13dは左から右まで中縫いにする。パット出し入れ口13eは布を重ね、強化のため、また出し入れがし易くするため縫い代を折ってステッチ15を掛けておく。そして、上辺13aはループ14を間に挟んで左から右まで中縫いにする。パットは、パット出し入れ口13eから入れて布袋13内に入れ、本体の後ろ中心裏側に取り付けられたボタンにループ14を掛けることによってズボンに取り付けられる。
【0033】このように、本実施の形態3の後パット付き伸縮ズボンにおいては、パットを入れる布袋13を取り外し自在としているため、ズボンを洗濯するとき等には布袋13を取り外すことができ、またパットが不要なときにも布袋13を取り外すことができる。さらに、パットのサイズを変えたいときにもサイズの異なる布袋13と取り替えることによって、中に入れるパットのサイズを自在に変えることができる。
【0034】このようにして、衣服を洗濯するときやパットが不要なときに布袋を取り外すことができ、また好みのヒップラインに応じてパットの大きさを自在に変えることができる後パット付き伸縮衣服となる。
【0035】本実施の形態3においては、ループ14とボタンによって布袋13を取り付け・取り外す方式としているが、その他にも、スナップ、Zナップ、マジックテープ(登録商標)等を用いることによって、布袋13の自由な取り付け・取り外しが可能になる。
【0036】実施の形態4次に、本発明の実施の形態4について、図8を参照して説明する。図8は本発明の実施の形態4にかかる後パット付き伸縮衣服の布袋を示す斜視図である。
【0037】図8に示されるように、本実施の形態4の後パット付き伸縮ズボンの布袋16も全体が伸縮性のあるネット系素材で作られており、側面16b,16cは輪にして折り返し、底辺16dは左から右まで中縫いにする。パット出し入れ口16eは布を重ね、強化のため、また出し入れがし易くするため縫い代を折ってステッチ17を掛けておく。そして、上辺16aは裏側のベルト布の間に挟み込んで縫付ける。これによって、布袋16がズボンに取り付けられる。
【0038】このように、本実施の形態4においては布袋16を本体に縫付けているが、作製工程が少なく低コスト化ができ、見栄えもすっきりしたものになる。
【0039】実施の形態5次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態5は、パットを取り付けるのに布袋を用いず、パットを直接ズボンに取り付けるものである。
【0040】一般に衣服は着用者が変わることは稀であるから、着用者に合わせてパットの大きさ・数・位置を固定して衣服の裏側にパットを縫付けてしまっても構わない。また、着用者の体形の変化に対応するには、パットにボタンホールまたはループを付けて、衣服裏側にボタンを取り付ければパットの交換が可能になる。その他にも、スナップ、Zナップ、マジックテープ(登録商標)等を用いることによって、取り付け・取り外しが可能になる。
【0041】このようにして、本実施の形態5においては、布袋を作製する必要がなくなるので、作製工程が短くなって低コスト化ができる後パット付き伸縮衣服となる。
【0042】実施の形態6次に、本発明の実施の形態6について、図9及至図11を参照して説明する。図9(a)は本発明の実施の形態6にかかる後パット付き伸縮衣服の裏地付きの場合の伸び止め布を縫う位置を示す図、(b)はこれに布袋を取り付けた状態を示す図である。図10は本発明の実施の形態6にかかる後パット付き伸縮衣服の後ろ中心が輪になっている場合の布袋の構造を示す斜視図である。図11は本発明の実施の形態6にかかる後パット付き伸縮衣服の裏側に裏地が付いた状態を示す部分拡大図である。
【0043】図5に示される実施の形態1の場合にはズボンに裏地が付かないので、見栄えを良くするための工夫をしていたが、本実施の形態6の場合にはズボンの全面に裏地が付くため、見栄えを考慮する必要がない。
【0044】図9(a)には、後ズボンの裏側18における後ろ中心18a及び伸び止め布を縫う位置18bが示されている。この上に図9(b)に示されるように、伸び止め布19及びネット系素材20が重ねられて、伸び止め布を縫う位置18bに沿って縫付けられる。本実施の形態6の場合にはズボンの全面に裏地が付くため、伸び止め布19、布袋20が隠れるので図9(b)に示されるように縫い代が出ていても構わない。
【0045】また、図10に示されるように、後ズボン21の後ろ中心21aに縫い目がなく輪になっている場合は、伸び止め布22も後ろ中心を輪にする。そして、2枚のネット系素材23を重ねて、伸び止め布を縫う位置22aにおいて縫付ける。また、ネット系素材23の下辺23bは端から端までコバステッチまたは中縫いで縫付ける。さらに、2枚のネット系素材23が重なったパット出し入れ口23aは、強化のため、またパットの出し入れをし易くするために、折り代を取ってステッチ24を掛けておく。
【0046】そして、図11に示されるように後ズボン21の上にベルト部26,27が縫付けられると、ネット系素材23の上辺と伸び止め布22の上辺も縫付けられて、布袋23が完成する。ここで、裏地28を付ける場合には伸縮する表地のダーツ分と同じ量のタック29を付けておく。表地のダーツが伸縮する場合には、それに伴って裏地28のタック29が伸縮する。また、裏地28の後ろ中心縫い目上から10〜15cmくらいの合わせ目30を縫わないで開けておき、この合わせ目30からパットを布袋23内に出し入れできるようにする。
【0047】このように、後ズボン18,21に裏地28が付く場合には、布袋20,23が裏地28で隠れるので見栄えを気にすることなく作ることができ、布袋の作製がより容易になる。
【0048】実施の形態7次に、本発明の実施の形態7について、図12を参照して説明する。図12(a)は実施の形態1のズボン1において表地に皺がよった状態を示す斜視図、(b)はこれを改良するために芯を貼り付けた状態を示す部分拡大図である。
【0049】図12(a)に示されるように、実施の形態1のズボン1においてダーツ4が最大限に引っ張り出されたとき、表地1aの種類によってはつっぱり皺が表にまでひびいて、表地1aに皺31ができることがある。さらに、つっぱり皺だけでなく、つっぱられることによって箇所32の付近のタックが起き上がってくる場合がある。そこで、これらの不具合を防止するために、図12(b)に示されるように、表地1aの裏側に芯33を貼る。芯33の長さは18cm程度とする。これによって、表地1aが補強されて、ダーツ4が最大限に引っ張り出されたときでもつっぱり皺31ができたり、箇所32の付近のタックが起き上がるといった不具合を確実に防止することができる。
【0050】実施の形態8次に、本発明の実施の形態8について、図13を参照して説明する。図13(a)は実施の形態1のズボン1において表地に皺がよった状態を示す部分拡大図、(b)はこれを改良するために芯を貼り付けた状態を示す部分拡大図である。
【0051】実施の形態1のズボン1においては、後ろ中心ベルト2がカーブを描いて作製されているために、表地1aの種類によっては後ろ中心ベルト2の付け際の辺りの表地1aに皺・よれ等34ができる場合がある。そこで、これらを防止するために、図13(b)に示されるように、表地1aの裏側に芯35を貼る。芯35の長さは5cm程度とする。これによって、表地1aが補強されて、後ろ中心ベルト2の付け際の辺り34の皺・よれ等が解消して、見栄えが良くなる。
【0052】実施の形態9次に、本発明の実施の形態9について、図14を参照して説明する。図14(a)は本発明の実施の形態9にかかる後パット付き伸縮衣服としてのスカートを示す背面図、(b)は正面図である。
【0053】図14(a)に示されるように、後パット付き伸縮スカート40も後ろ中心を挟んで左右に1対のダーツ41が設けられており、後パット付き伸縮ズボンと同様にこれらのダーツ41が開閉することによって、オーバーベルト43内にゴムベルトによって引き込まれている後ろ中心ベルト42の延伸部分が引き出されてウエストサイズが伸縮する。そして、後ろ中心ベルト42の下の表地裏側には、上記実施の形態1〜4で説明したようなパット用布袋44が取り付けられて中にパットが入れられることによって、日本人女性に多い扁平なヒップラインを補正して、より美しいヒップラインを形成することができる。また、上記実施の形態5で説明したように、パット用布袋44を用いず、この位置に直接パットを取り付ける方式としても良い。
【0054】なお、図14(b)に示されるように、後パット付き伸縮スカート40の前側には、後ろの1対のダーツ41とバランスをとるために、左右1対のデザイン線45が付けられている。デザイン線45の下端部はスリット46になっている。
【0055】上記各実施の形態においては、本発明の後パット付き伸縮衣服を主に婦人用パンツに適用した場合について説明したが、本発明の後パット付き伸縮衣服は衣服全般について適用できるものであり、紳士用ズボン、Gパン等、さらにはワンピース等にも適用することができ、種々の衣服のヒップライン改良に用いることができるものである。
【0056】後パット付き伸縮衣服のその他の部分の構造、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、衣服の後ろ中央2箇所に切替えを利用して形成されたダーツと、該ダーツが開くようにそれぞれ設けられたタックと、前記ダーツのベルト部の延伸部に一端を、前記衣服のベルト部に他端を取り付けられた1対の弾性材と、前記ダーツのベルト部の延伸部と前記弾性材とを前記衣服のベルト部に被さることによって覆う1対のオーバーベルトとを具備する伸縮衣服であって、前記衣服の後ろ中央2箇所のダーツの間の裏側に布袋を取り付け、該布袋の中にパットを収容したものである。
【0058】これによって、この後パット付き伸縮衣服を着用したときには、1対の弾性材の弾性力に抗してタックが開閉することによってダーツが開閉し、着用者のウエストサイズに合わせてベルト周りが伸縮してフィットし、皺等が生ぜず美しいヒップラインになる。そして、2箇所のダーツの間の裏側に布袋を取り付けて中にパットを収容することによって、ヒップラインが丸みを帯びて、日本人に多い扁平なヒップラインが改良されて、より美しいヒップラインが形成される。
【0059】このようにして、伸縮機構付き衣服の後ろ中心の裏側にパットを収容することによって、日本人に多い扁平なヒップラインを改良することができる。
【0060】請求項2の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、請求項1の構成において、前記布袋は伸縮性の素材で作製されているものである。
【0061】これによって、請求項1に記載の効果に加えて、パットを布袋内に入れやすくなり、またパットの大きさも一定範囲内でより大きくすることができる。
【0062】このようにして、パットの出し入れが容易で、より丸みを帯びたヒップラインにすることができる後パット付き伸縮衣服となる。
【0063】請求項3の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、請求項1または請求項2の構成において、前記布袋は前記衣服から取り外し自在になっているものである。
【0064】これによって、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、衣服を洗濯するとき等には布袋を取り外すことができ、またパットが不要なときにも布袋を取り外すことができる。さらに、パットのサイズを変えたいときにもサイズの異なる布袋と取り替えることによって、中に入れるパットのサイズを自在に変えることができる。
【0065】このようにして、衣服を洗濯するときやパットが不要なときに布袋を取り外すことができ、また好みのヒップラインに応じてパットの大きさを自在に変えることができる後パット付き伸縮衣服となる。
【0066】請求項4の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つの構成において、前記布袋は複数であるものである。
【0067】これによって、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の効果に加えて、パットの大きさを後ろ中心に近づくほど大きくする等の変化を持たせることによって、ヒップラインをさらに滑らかにすることができる。
【0068】請求項5の発明にかかる後パット付き伸縮衣服は、衣服の後ろ中央2箇所に切替えを利用して形成されたダーツと、該ダーツが開くようにそれぞれ設けられたタックと、前記ダーツのベルト部の延伸部に一端を、前記衣服のベルト部に他端を取り付けられた1対の弾性材と、前記ダーツのベルト部の延伸部と前記弾性材とを前記衣服のベルト部に被さることによって覆う1対のオーバーベルトとを具備する伸縮衣服であって、前記衣服の後ろ中央2箇所のダーツの間の裏側にパットを直接取り付けたものである。
【0069】一般に衣服は着用者が変わることは稀であるから、着用者に合わせてパットの大きさ・数・位置を固定して衣服の裏側にパットを縫付けてしまっても構わない。また、着用者の体形の変化に対応するには、パットにボタンホールまたはループを付けて、衣服裏側にボタンを取り付ければパットの交換が可能になる。その他にも、スナップ、Zナップ、マジックテープ(登録商標)等を用いることによって、取り付け・取り外しが可能になる。
【0070】これによって、布袋を作製する必要がなくなるので、作製工程が短くなって低コスト化が可能な後パット付き伸縮衣服となる。
【出願人】 【識別番号】591169836
【氏名又は名称】加藤 好司
【出願日】 平成14年2月14日(2002.2.14)
【代理人】 【識別番号】100089738
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 武尚
【公開番号】 特開2003−239125(P2003−239125A)
【公開日】 平成15年8月27日(2003.8.27)
【出願番号】 特願2002−36994(P2002−36994)