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【発明の名称】 上 衣
【発明者】 【氏名】吉村 弘二
【住所又は居所】大阪府大阪市天王寺区上本町6丁目3番31−109号 ハイハイタウン109号 株式会社テーラーヨシムラ内

【要約】 【課題】

【解決手段】上側のポケット口1である胸ポケットAから、脇ポケットBに通じている下側の取出口2に通じる通路3を設ける。通路3を形成する筒状の生地3a,3aの外側であって、下側の取出口2から突っ込んだ手指の先が届く範囲内に、一対の磁性体4,4を対峙して配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】上側のポケット口1から下側の取出口2に通じる通路3を設けるとともに、少なくとも下側の取出口2より上側に、好ましくは、下側の取出口2の直上に、この通路3を開閉させ得る手段Dを配置したことを特徴とする上衣。
【請求項2】上側のポケット口1が胸ポケットAであり、下側の取出口2が脇ポケットBに通じていることを特徴とする請求項1記載の上衣。
【請求項3】通路3を開閉させ得る手段Dが、一対の磁性体である請求項1記載の上衣。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、眼鏡その他の小物を上側のポケット口から入れて下側の取出口から取り出すことができるようにした上衣に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話、眼鏡その他の小物を携行するに当っては、通常、上衣の胸ポケットや脇ポケット、あるいは、内ポケットに入れて持ち歩いている。また、近年の携帯電話の普及に合わせて、上衣の表側や内側に携帯電話を入れるための専用ポケットを設けたものも販売されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】携帯電話、眼鏡その他の小物を上衣の胸ポケットや脇ポケット、あるいは、内ポケットに入れた場合には、ポケットが膨らんで体裁が悪く、特に、胸ポケットの場合、通常の深さでは入れた物がちょうど胸の上に当り、胸を圧迫する不快感がある。また、脇ポケットや内ポケットに入れた場合には、入れた物が中で斜めになったり、横向くなどみだりに動くことが多い。さらに、内ポケットは通常財布等の深さに合わせてあるから、手を深く差し入れないと取り出しにくく、出し入れが以外に煩わしい。特に、携帯電話のようにかかってくる度ごとにポケットに手を突っ込んで取り出し、通話後においては再びポケットにしまわなければならないものでは、出し入れが煩わしく、その回数も相当多くなる。
【0004】そこで、上側のポケット口からすっと入れて下側の取出口から簡単に取り出すことができれば、出し入れの煩わしさもなくなり、また、上側のポケット口から投入した物を下側の取出口より上側に、好ましくは、取出口の直上に、停留させておくことができれば、ポケットが膨らむこともなく、また、嵩張ることもないので、非常に有利である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような要望に応えることができるようにしたものであって、上側のポケット口1から下側の取出口2に通じる通路3を設けるとともに、少なくとも前記取出口2より上側に、好ましくは、取出口2の直上に、この通路3を開閉させ得る手段Dを配置したものである。
【0006】上側のポケット口1から投入物Tを投入すると、それが通路3内を滑り落ちる。この場合において、少なくとも下側の取出口2より上側、好ましくは、下側の取出口2の直上には、この通路3を開閉させ得る手段Dが配置されており、通常はそれが通路3を閉じているから、上側のポケット口1から投入されて通路3内を滑り落ちて来た投入物Tはその位置で停留せしめられる。したがって、ポケットが膨らむことも少なく、また、嵩張ることも少ない。この停留位置は、上衣を着用する人の身体の比較的出っ張らないところに位置させることができ、それによってポケットの膨らみと嵩張りとをできるだけ無くすことができる。
【0007】一方、下側の取出口2から通路3内に手指を突っ込んで通路3を開閉させ得る手段Dを開けると、今まで閉じていた通路3が開き、そこに停留せしめられていた投入物Tを取出口2から簡単に取り出すことができる。すなわち、本発明では、上側のポケット口1からすっと入れて下側の取出口2から簡単に取り出すことができるので、出し入れの煩わしさを解消することができる。
【0008】上側のポケット口1が胸ポケットAであり、下側の取出口2が脇ポケットBに通じたものとするのが、最も好ましい。このようにした場合には、上衣の外側であって、しかも、上側に位置する胸ポケットAから投入物Tをすっと投入することができるので、きわめて入れやすく、また、同じく上衣の外側から脇ポケットBに手を突っ込んで下側の取出口2に手指を伸ばすことができるので、上衣を着用したままで、上衣のボタンを外すことなく、きわめて簡単に投入物Tを取り出すことができる。
【0009】通路3を開閉させ得る手段Dとして、一対の磁性体を用いるのが望ましい。一対の磁性体4,4を用いるのが通路3を閉じるのに最も適しており、また、下側の取出口2から手指を伸ばして閉じている通路3を開けるのにも最も適している。なぜならば、一対の磁性体4,4は磁力により常時互いに接近しようとするから、それらを通路3の両側に配置するだけで通路3を自然に閉じることができ、また、下側の取出口2から手指を伸ばして一対の磁性体4,4を離反させるのも簡単であり、さらに、一対の磁性体4,4の離反後そこから手指を離せば、一対の磁性体4,4の磁力により再び通路3を閉じることができるからである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態を、図面に基いて詳細に説明する。図1には、上側のポケット口1が胸ポケットAであり、下側の取出口2が脇ポケットBに通じている上衣であって、上側のポケット口1である胸ポケットAから下側の取出口2に通じる通路3を設けた場合の一例を示す。また、図2には、上側のポケット口1が内ポケットCであり、下側の取出口2が脇ポケットBに通じている上衣であって、上側のポケット口1である内ポケットCから下側の取出口2に通じる通路3を設けた場合の一例を示す。さらに、図3には、上側のポケット口1が胸ポケットAであり、下側の取出口2が脇ポケットBに通じている上衣であって、上側のポケット口1である胸ポケットAから内ポケットCを経由して下側の取出口2に通じる通路3を設けた場合の一例を示す。
【0011】通路3は筒状の生地で形成することができる。図1に示す上衣の場合には、図4に示すように、筒状の生地3aの上端縁を胸ポケットAのポケット袋aの底の一部を開口させた開口部に縫い付けてあり、また、筒状の生地3aの下端縁を脇ポケットBの玉縁Gにおいてそのポケット袋bの上端縁の一部を開口させて下側の取出口2とした開口部に縫い付けてある。このようにすることで、上側のポケット口1である胸ポケットAと下側の取出口2とが連通する。
【0012】図2に示す上衣の場合には、図5に示すように、筒状の生地3bの上端縁を内ポケットCのポケット袋cの底の一部を開口させた開口部に縫い付けてあり、また、筒状の生地3bの下端縁を脇ポケットBの玉縁Gにおいてそのポケット袋bの上端縁の一部を開口させて下側の取出口2とした開口部に縫い付けてある。このようにすることで、上側のポケット口1である内ポケットCと下側の取出口2とが連通する。なお、図2に示す場合には、上前E側の内ポケットCと上前E側の取出口2とを通路3で連通させてあるが、これを下前F側においても実施することができる。この場合には、下前F側の内ポケットCと下前F側の取出口2とが通路3で連通することになる。
【0013】また、図3に示す上衣の場合には、図6に示すように、筒状の生地3cの上端縁を胸ポケットAのポケット袋aの底の一部を開口させた開口部に、また、筒状の生地3cの下端縁を内ポケットCのポケット袋cの側部を開口させた開口部に縫い付けてあり、さらに、別の筒状の生地3dの上端縁を内ポケットCのポケット袋cの底の一部を開口させた開口部に、また、別の筒状の生地3dの下端縁を脇ポケットBの玉縁Gにおいてそのポケット袋bの上端縁の一部を開口させて下側の取出口2とした開口部に縫い付けてある。このようにすることで、上側のポケット口1である胸ポケットAと内ポケットCと下側の取出口2とが連通する。
【0014】通路3の大きさは、胸ポケットAから投入した投入物Tを通過させることができる一方、通過中その中で斜めになったり、横向くなどみだりに動くことがない程度の幅と奥行きとするのが望ましい。伸縮性に優れ、さらに、滑りやすい生地、例えば、ナイロンやポリエステル製の生地を用いて通路3を形成すると、投入物Tが滑り落ちやすいので、より有利である。
【0015】そして、少なくとも下側の取出口2より上側に、好ましくは、下側の取出口2の直上に、さらに好ましくは、下側の取出口2から突っ込んだ手指の先が届く範囲内に、前記通路3を開閉させ得る手段Dを配置する。この手段Dが設けられている部分では、通常はそれが通路3を閉じており、上側のポケット口1から投入されて通路3内を滑り落ちて来た投入物Tはその位置で停留せしめられる。一方、脇ポケットBに手を突っ込んで下側の取出口2から手指を伸ばしてこの手段Dを開ければ、今まで閉じていた通路3を開けることができ、そこに停留していた投入物Tを簡単に取り出すことができる。
【0016】通路3を開閉させ得る手段Dとして、図4〜図6には、通路3を形成する筒状の生地の外側に、一対の板状の磁性体4,4を対峙して配置した場合が例示されている。この場合には、一対の磁性体4,4が磁力により常時互いに接近しようとするから、通常はそれが通路3を閉じており、上側のポケット口1から投入されて通路3内を滑り落ちて来た投入物Tはその位置で停留せしめられる。なお、対峙して配置されている一対の磁性体4,4は、磁力により常時互いに接近して通常は通路3を閉じているが、図4〜図6においては、便宜上、一対の磁性体4,4が離反している状態で、また、通路3も開いた状態で表してある。これとは別に、対峙して配置されている一対の磁性体4,4が通路3を閉じている状態を、図7に拡大して示す。一方、脇ポケットBに手を突っ込んで下側の取出口2から手指を伸ばして一対の磁性体4,4を離反させれば、今まで閉じていた通路3を開けることができ、そこに停留していた投入物Tを簡単に取り出すことができる。
【0017】図面には示さないが、通路3を形成する筒状の生地の外側に、磁性体4,4に代えて可撓性を有する棒状あるいは扁平状の素材を配置しておき、通常はそれが通路3を閉じているようにしてもよい。この場合には、可撓性を有する素材が通常は通路3を閉じており、上側のポケット口1から投入されて通路3内を滑り落ちて来た投入物Tはその位置で停留せしめられる。一方、脇ポケットBに手を突っ込んで下側の取出口2から手指を伸ばして可撓性を有する素材を撓ませて口を開ければ、今まで閉じていた通路3を開けることができ、そこに停留していた投入物Tを簡単に取り出すことができる。
【0018】可撓性を有する素材に代えて、一対の面ファスナーを通路3を形成する生地の内面に取り付けておき、通常はそれが通路3を閉じているようにしてもよく、さらに、通路3の途中を開閉させ得る適当な部材があれば、それを用いてもよい。ただし、一対の磁性体4,4を用いるのが通路3を閉じるのに最も適しており、また、下側の取出口2から手指を伸ばして閉じていた通路3を開けるのにも最も適している。なぜならば、一対の磁性体4,4は磁力により常時互いに接近しようとするから、それらを通路3の両側に配置するだけで通路3を自然に閉じることができ、また、下側の取出口2から手指を伸ばして一対の磁性体4,4を離反させるのも簡単であり、さらに、一対の磁性体4,4の離反後そこから手指を離せば、一対の磁性体4,4の磁力により再び通路3を閉じることができるからである。
【0019】図4〜図6においては、一対の磁性体4,4の1つが表地5の裏側に配置されている毛芯6に、もう1つが内ポケットCのポケット袋cのうち毛芯6と対面する面に取り付けられている。一対の磁性体4,4を通路3を形成する生地に直接取り付けずにその外側に位置する生地(毛芯6とポケット袋c)に取り付けてあっても、上述した理由により、通路3を閉じるのに何ら支障はなく、また、その機能が低下することもない。なお、図4〜図6において、7は裏地である。一対の磁性体4,4を毛芯6やポケット袋cなどの生地に直接取り付けずに、その部分を袋状にして磁性体4を着脱させ得るようにすることもできる。このようにしておくと、例えば、クリーニング、あるいは、アイロン掛けに際し、磁性体4を取り外すことができるので、磁力が失われたり、上衣が損傷を受けたり、磁性体4自体が痛まないなどの点で有利である。
【0020】図1、図4に例示されている場合には、上側のポケット口1である胸ポケットAから投入物Tを投入する。すると、投入物Tは胸ポケットAのポケット袋aの底に形成されている開口部から通路3を経て下側の取出口2の直上にある一対の磁性体4,4のところで停留せしめられる。一方、脇ポケットBに手を突っ込んで下側の取出口2から手指を伸ばして一対の磁性体4,4を離反させて口を開ければ、今まで閉じていた通路3を開けることができ、そこに停留していた投入物Tを簡単に取り出すことができる。この場合においては、上から入れるのも下から取り出すのも全て上衣の外側(表側)から行うことができるので、きわめて便利である。
【0021】図2、図5に例示されている場合には、上側のポケット口1である内ポケットCから投入物Tを投入する。すると、投入物Tは内ポケットCのポケット袋cの底に形成されている開口部付近であって下側の取出口2の直上にある一対の磁性体4,4のところで停留せしめられる。一方、脇ポケットBに手を突っ込んで下側の取出口2から手指を伸ばして一対の磁性体4,4を離反させて口を開ければ、投入物Tは通路3を経て下側の取出口2に達し、投入物Tを下側の取出口2から簡単に取り出すことができる。
【0022】図3、図6に例示されている場合には、上側のポケット口1である胸ポケットAから投入物Tを投入する。すると、投入物Tは胸ポケットAのポケット袋aの底の一部を開口させた開口部から、内ポケットCのポケット袋cの側部を開口させた開口部を経て内ポケットCのポケット袋cに達し、その底に形成されている開口部付近であって下側の取出口2の直上にある一対の磁性体4,4のところで停留せしめられる。一方、脇ポケットBに手を突っ込んで下側の取出口2から手指を伸ばして一対の磁性体4,4を離反させて口を開ければ、投入物Tは通路3を経て下側の取出口2に達し、投入物Tを下側の取出口2から簡単に取り出すことができる。
【0023】このように、ここに例示した場合にあっては、いずれの場合でも、上側のポケット口1(胸ポケットの場合と内ポケットの場合とがある)から投入物Tを投入するだけで、それを上衣内で下側の取出口2側に導くことができ、その途中において投入物Tを一対の磁性体4,4(通路3を開閉させ得る手段Dの一例)により一旦停留させ、しかる後、脇ポケットBに手を突っ込んで下側の取出口2から手指を伸ばすだけで、下側の取出口2から簡単に取り出すことができる。
【0024】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、上側のポケット口から入れて下側の取出口から簡単に取り出すことができるので、出し入れの煩わしさもなくなり、また、上側のポケット口から投入した物を下側の取出口より上側に、好ましくは、取出口の直上に、停留させておくことができるので、ポケットが膨らむこともなく、また、嵩張ることもないなどの利点を有する。
【0025】請求項2記載の発明によれば、上衣の外側であって、しかも、上側に位置する胸ポケットから投入物を投入することができるので、きわめて入れやすく、また、同じく上衣の外側から脇ポケットに手を突っ込んで下側の取出口に手指を伸ばすことができるので、上衣を着用したままで、上衣のボタンを外すことなく、きわめて簡単に投入物を取り出すことができるという利点を有する。
【0026】請求項3記載の発明によれば、一対の磁性体の磁力を利用して通路を自然に閉じることができ、また、下側の取出口から手指を伸ばして一対の磁性体を離反させるのも簡単であり、さらに、一対の磁性体の離反後そこから手指を離せば、一対の磁性体の磁力により再び通路を閉じることができるという利点を有する。
【出願人】 【識別番号】597150577
【氏名又は名称】株式会社テーラーヨシムラ
【住所又は居所】大阪府大阪市天王寺区上本町6丁目3番31−109号 ハイハイタウン109号
【出願日】 平成14年1月21日(2002.1.21)
【代理人】 【識別番号】100103654
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 邦彦 (外2名)
【公開番号】 特開2003−213510(P2003−213510A)
【公開日】 平成15年7月30日(2003.7.30)
【出願番号】 特願2002−11589(P2002−11589)