| 【発明の名称】 |
水 着 |
| 【発明者】 |
【氏名】長谷山 彩 【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内
【氏名】稲田 康二郎 【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内
【氏名】本田 秀信 【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号 東レ株式会社東京事業場内
【氏名】伊藤 直明 【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内
【氏名】齋藤 公一 【住所又は居所】滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株式会社滋賀事業場内
【氏名】松尾 正晴 【住所又は居所】大阪府大阪市北区中之島三丁目3番3号 東レ株式会社大阪事業場内
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、塩素臭の原因となる次亜塩素酸の分解能に優れ、塩素臭の消臭性ならびにポリウレタン含有繊維の耐脆化に優れた水着を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の水着は、光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物を用いてなることを特徴とするものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物を用いてなることを特徴とする水着。 【請求項2】該光触媒が、繊維表面上に付着していることを特徴とする請求項1記載の水着。 【請求項3】該光触媒が、繊維重量に対して0.03〜10重量%含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の水着。 【請求項4】ポリウレタン脆化防止確認試験において、該光触媒を含むポリウレタン含有繊維からなる糸の糸切れカ所数が、光触媒を含まないブランクのポリウレタン含有繊維からなる糸に対し、75%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水着。 【請求項5】次亜塩素酸分解能力試験において、該光触媒を含むポリウレタン含有繊維が、次亜塩素酸を50%以上分解せしめる機能を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水着。 【請求項6】該光触媒が、TiO2、SrTiO3、CdS、CdO、CaP、InP、In2O3、CaAs、BaTiO3、K2NbO3、Fe2O3、Ta2O5、WO3、SbO2、Bi2O3、NiO、Cu2O、SiC、MoS2、MoS3、InPb、RuO2、CeO2、リン酸カルシウム被覆型二酸化チタン、および、チタンとケイ素の複合酸化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の水着。 【請求項7】該光触媒が、チタンとケイ素の複合酸化物であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水着。 【請求項8】該光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物が、抗菌性を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水着。 【請求項9】該光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物が、撥水性を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の水着。 【請求項10】光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物を用いてなることを特徴とするボディスーツ。 【請求項11】該光触媒が、TiO2、SrTiO3、CdS、CdO、CaP、InP、In2O3、CaAs、BaTiO3、K2NbO3、Fe2O3、Ta2O5、WO3、SbO2、Bi2O3、NiO、Cu2O、SiC、MoS2、MoS3、InPb、RuO2、CeO2、リン酸カルシウム被覆型二酸化チタン、および、チタンとケイ素の複合酸化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10に記載のボディスーツ。 【請求項12】次亜塩素酸分解能力試験において、該光触媒を含むポリウレタン含有繊維が、次亜塩素酸を50%以上分解せしめる機能を有することを特徴とする請求項10または11に記載のボディスーツ。 【請求項13】光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物を用いてなることを特徴とするインナー。 【請求項14】該光触媒が、TiO2、SrTiO3、CdS、CdO、CaP、InP、In2O3、CaAs、BaTiO3、K2NbO3、Fe2O3、Ta2O5、WO3、SbO2、Bi2O3、NiO、Cu2O、SiC、MoS2、MoS3、InPb、RuO2、CeO2、リン酸カルシウム被覆型二酸化チタン、および、チタンとケイ素の複合酸化物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項13に記載のインナー。 【請求項15】次亜塩素酸分解能力試験において、該光触媒を含むポリウレタン含有繊維が、次亜塩素酸を50%以上分解せしめる機能を有することを特徴とする請求項13または14に記載のインナー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、塩素臭の原因となる次亜塩素酸の分解能に優れ、塩素臭の消臭性ならびにポリウレタン含有繊維の耐脆化に優れた水着に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の水着用素材は、優れた伸縮性を得るためにポリウレタン含有繊維が多く使用されている。しかし、ポリウレタン含有繊維構造物からなる水着は、プール中など、次亜塩素酸濃度が0.5〜3ppmの水に長期にわたりさらされると、繊維の脆化が起こることが知られている。このことから、ポリウレタン含有繊維を使用した水着を長期にわたり使用すると、水着全体のポリウレタン含有繊維が脆化し、特に繰り返し摩擦が起こる部位では、糸切れが起こり、毛羽立つという欠点がある。また最近、水着の使用環境が大きく変わってきており、例えばウォータースライダー等、水着が摩擦にさらされる機会の多い遊戯施設が増加したことにより、ポリウレタン含有繊維に耐脆化性、耐糸切れ性を付与した水着の要望がさらに大きくなってきている。また、殺菌効果を目的として次亜塩素酸をプール水中に添加しているが、従来の水着用素材には、塩素臭の原因物質である次亜塩素酸を積極的に塩化物イオンに分解する能力を持ったものがなく、プール等で使用した後、長期間にわたり、不快な塩素臭が水着より発生するという問題があった。最近の無臭志向もあいまって、この塩素臭の消臭性を有する水着用素材の開発要望も非常に強い状況である。 【0003】これに対し、特許第3134962号公報(特許文献1)、特許第3166878号公報(特許文献2)では、ポリウレタン系弾性繊維中に、塩素による脆化防止物質である金属酸化物を練り込んだ交編編地が提案されている。しかし、これらの脆化防止物質は繊維への練り混みであるため、繊維が弱くなると同時にコストが高くなるという問題があり、また、ウレタン脆化の防止効果も満足できるものではない。また、塩素臭の消臭機能を持たせた水着については未だに得られていないのが実情である。 【0004】 【特許文献1】特許第3134962号公報【0005】 【特許文献2】特許第3166878号公報【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、塩素臭の原因となる次亜塩素酸の分解能に優れ、塩素臭の消臭性ならびにポリウレタン含有繊維の耐脆化に優れた水着を提供せんとするものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の水着は、光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物を用いてなることを特徴とするものである。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明は、前記課題、つまり塩素臭の原因となる次亜塩素酸の分解能に優れ、塩素臭の消臭性ならびにポリウレタン含有繊維の耐脆化に優れた水着について、鋭意検討し、光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物を用いて水着を作成してみたところ、かかる課題を一挙に解決することを究明したものである。 【0009】本発明において、光触媒とは、紫外線により励起され、物質間の電子授受を容易にすることによって有機物を酸化還元する特性を有するものであり、具体的にはアナターゼ型、ルチル型、ペロブスカイト型と呼ばれる結晶型の構造をもつものが含まれる。 【0010】本発明の水着は、かかる光触媒が、塩素臭とポリウレタン含有繊維脆化の原因となる次亜塩素酸を還元し、塩化物イオンに分解する能力を有するということに着目し、これを水着に付与して完成されたものである。 【0011】本発明でいうポリウレタン繊維としては、エーテル系、エステル系など、特に限定されるものではないが、強度的な観点から、エステル系のポリウレタン繊維が好ましく用いられ、 ”ライクラ”(登録商標;東レデュポン(株)製)が好ましく用いられる。また、かかるポリウレタン繊維に混用される、それ以外の繊維としては、合成繊維、天然繊維等、特に限定することなく用いることができる。 【0012】本発明のポリウレタン含有繊維構造物のポリウレタン含有率は、特に限定しないが、好ましくは3〜50重量%の範囲であるのがよい。 【0013】本発明でいう水着とは、例えば、男性用水泳パンツ、女性用水着およびこれに付帯する帽子、腰などに巻き付ける布地、ビーチウエアなど、ポリウレタン含有繊維から構成される水着用衣類や付帯品や装飾品等、全てが含まれるものであるが、構成する布地としては、織物、編物が好ましく、また、不織布も使用することができる。水着を構成する布帛の組織としては、平織、ツイル、サテンなどの織物および丸編、経編などの編物が好ましく使用される。 【0014】本発明の水着を構成する編物として、ポリエステル糸とウレタン糸からなる交編トリコットで例示すると、使用する糸の繊度としては、好ましくは20〜200デシテックスのポリエステル糸で、その単繊維の太さは0.2〜8デシテックスの範囲のものが好ましく用いられる。さらに構成糸の繊度としては、好ましくは30〜80デシテックスで、その単繊維の太さは0.5から4デシテックスのものが着用上より好ましい。また、伸縮性を得るためのウレタン糸としては、好ましくは20から200デシテックス、さらに好ましくは30〜60デシテックスのものが用いられる。 【0015】ナイロン糸とウレタン糸の組合せも、上述のポリエステルとウレタン糸の交編と同様に用いることが可能である。これらの水着用布帛の生地目付は150〜250g/m2 のものが好ましく用いられる。 【0016】また、同じくウレタン含有繊維構造体を用いるボディスーツやインナーにおいても、洗濯時に水道水に含まれる次亜塩素酸にくり返しさらされることにより、脆化が起こることも考えられる。よって本件をボディスーツやインナーに用いることも、ウレタン脆化防止効果を望めるため、好ましい。 【0017】本発明においては、光触媒は、繊維内に練り込まれていても、バインダーとして働く物質とともに繊維表面上に付与されていても良い。触媒作用を効果的に発現させるためには、該触媒作用を受ける物質に光触媒を近接させることが好ましく、練り込み方式では、該物質に近接できる光触媒量が著しく制約され、それだけ触媒作用を受ける物質は少ないこととなる。したがって、本発明の水着においては、かかる光触媒を、繊維表面上に付与する手段により、該物質に多量の光触媒を近接させるのが好ましい。 【0018】かかる光触媒のバインダーとして用いられる物質としては、特に限定しないが、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種の樹脂が好ましい。 【0019】本発明の光触媒の繊維構造物に対する付着量は、少なすぎると、次亜塩素酸の分解速度が低下し、十分な性能が得られにくくなる。また、多すぎると、繊維布帛の複合酸化物による劣化を起こしたり、風合いが硬化したものになり、実用的なものでなくなり、さらに光触媒の酸化分解による繊維自体やバインダー等の分解によって発生する悪臭が発生する傾向があるため、繊維構造物に対する光触媒の付着量は、好ましくは0.03〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲であるのがよい。 【0020】本発明の請求項4でいうポリウレタン脆化防止確認試験は、水中にて布帛に繰り返し引っ張り応力を与えるデマッチャー試験装置を用いて次のように行う。すなわち、染色後の布帛からタテ20cm、ヨコ12cmの同一形状のサンプル布帛を2枚切り取り、一方には光触媒を付与する加工を行い、一方は加工を行わない。この2種の布帛の両端をそれぞれ装置に取り付け、尿素1ppm、次亜塩素酸100ppmの溶液に双方の布帛が浸かるようにした後、両布帛に約80回/分の均一な繰り返し引っ張り応力を与える。この時に、装置に固定されたプラスチック製の半径3.5cmの半球と接触させ、両布帛に約80回/分の均一な繰り返し摩擦応力を与える。摩擦は常に上記次亜塩素酸溶液中にて行う。1時間おきに両布帛の半球に接触していた部位を確認し、光触媒を付与しない布帛において糸切れカ所数が100カ所/inch2付近になったときに両布帛を装置から取り外し、半球に接触していた部位における1平方インチあたりの糸切れカ所数を数える。 【0021】上記のポリウレタン脆化防止の確認試験において、本発明の光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物の糸切れカ所数は、光触媒を含まないポリウレタン含有繊維構造物の75%以下であることが、脆化防止の上から好ましく、かかる光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物からなる水着であると、従来の水着に比べて寿命が飛躍的に長いので好ましい。 【0022】本発明請求項5でいう、次亜塩素酸分解能力試験は、次のように行う。すなわち、タテ5cm、ヨコ5cmのサンプル布帛を2.5ppmの残留塩素濃度を持つ次亜塩素酸水溶液40mlとともに200mlの三角フラスコに入れ、10秒間振とう後、2分放置する。次いで、水溶液と布帛を分離し、水溶液中の遊離残留塩素濃度を、水質検査で一般に用いられているDPD法で測定した。即ち、測定する水溶液にリン酸塩緩衝液を加え、N,N−ジエチル−1,4−フェニレンジアミン(DPD)を加えて呈色させたのち、遊離残留塩素比色測定器(理研光学株式会社製)によって残留塩素濃度の測定を行った。以上のような試験において、本発明の光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物は、次亜塩素酸を50%以上分解することができるものが好ましく使用される。また、次亜塩素酸分解能力試験において、本発明の光触媒を含むポリウレタン含有繊維構造物は、同一布帛で光触媒を含まないものに比べて、次亜塩素酸分解能力を10%以上向上させることができるものが好ましい。すなわち、本発明の水着は、従来の水着に比べて塩素臭の消臭能力を飛躍的に向上させたものであるといえる。 【0023】本発明において光触媒としては、例えば、TiO2、SrTiO3、CdS、CdO、CaP、InP、In2O3、CaAs、BaTiO3、K2NbO3、Fe2O3、Ta2O5、WO3、SbO2、Bi2O3、NiO、Cu2O、SiC、MoS2、MoS3、InPb、RuO2、CeO2、リン酸カルシウム被覆型二酸化チタン、および、チタンとケイ素の複合酸化物から選ばれた少なくとも1種を使用することができる。かかる光触媒の中でも、酸化還元の能力とコストの点から、好ましくはチタンとケイ素の複合酸化物を用いる。 【0024】本発明に用いられるチタンとケイ素の複合酸化物は、アナターゼ型、ルチル型、ペロブスカイト型と呼ばれる結晶型の構造をもつものが含まれる。かかる複合酸化物の形状としては、次亜塩素酸分解の効果を効率的にする等の点で、粒子状であることが好ましく、特に、多孔質である場合、その次亜塩素酸分解の効果を効率的に発揮するため好ましい。その粒子径が大きすぎたり、比表面積が小さすぎたりすると、分解速度が低下する傾向がある。また次亜塩素酸分解反応は、次亜塩素酸が触媒に吸着し、その後紫外線酸化分解を受ける過程を経ると考えられ、次亜塩素酸の吸着の良し悪しが分解効率に大きく影響を与えると考えられるので、一次粒子径としては、20nm以下で、比表面積が100〜300m2/gであるものが好ましく使用される。ここで、比表面積は、QUANTA CHROME社製 QUANTA SORB OS−8の装置を用い比表面積測定方法に従い測定する。 【0025】本発明においてチタンとケイ素とを含む複合酸化物の製造方法としては、例えば、特公平5−55184号公報に記載された方法が採用される。一般に、チタンとケイ素からなる二元系複合酸化物は、例えば、触媒(第17巻,No.3、72頁1975年)に記載されているように、固体酸として知られ、構成するおのおの単独の酸化物には見られない顕著な酸性を示し、また、高表面積を有する。すなわち、チタンとケイ素とを含む複合酸化物は、酸化チタンと酸化ケイ素を単に混合したものではなく、チタンとケイ素がいわゆる二元系酸化物を形成することにより、その特異な特性が発現するものと認めることのできるものである。さらに、複合酸化物は、次亜塩素酸分解の効果を効率的にする点で、X線回析による分析で、非晶質もしくはほぼ非晶質に近い微細構造を有していることが好ましい。チタンとケイ素の割合は、モル比でチタンが20〜95モル%、ケイ素が5〜80モル%の範囲にあることが好ましい。酸化ケイ素の割合が多くなると、酸化チタンの光触媒活性力が弱まる傾向で、使用目的により最適割合を決めればよい。 【0026】チタンとケイ素を含む複合酸化物の好ましい製造方法として、四塩化チタンをシリカゾルと共に混合し、その中にアンモニア水を滴下添加して、沈殿を生成せしめ、この沈殿物を濾過、洗浄、乾燥後300〜650℃で焼成する。一般的に知られている酸化チタン光触媒と比較して、物質の酸化還元分解特性に優れており、前記如き次亜塩素酸の分解に優れているという特徴を有するものである。 【0027】次に、本発明のポリウレタン含有繊維構造物の製造方法の一例について説明する。 【0028】チタンとケイ素の複合酸化物の水分散液に、バインダーとしてアルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の光触媒による分解性の少ない樹脂を少なくとも1種混合し、これを加工液とする。 【0029】次いで、この加工液にポリウレタン含有繊維構造物を含浸させた後、マングルロールで絞り、ドライ−キュアの工程を経るか、あるいは、この加工液を適当な粘度に調整して、ナイフコーターやグラビアロールコーター、捺染などで塗布した後、200℃以下の温度で固定する。 【0030】本発明においては、ポリウレタン含有繊維構造物が、抗菌性を有していることが好ましい。 【0031】本発明でいう抗菌性は、例えば、無機系抗菌剤並びにピリジン系や第4級アンモニウム塩系等の有機系抗菌剤を、ポリウレタン含有繊維構造物に付与することによって得られる。 【0032】中でも特に2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛、2−クロロ−4−トリクロロメチル−6−(2−フリルメトキシ)ピリジン、2−クロロ−6−トリクロロメチルピリジン、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、1,4−(1−ジヨードメチルスルフォニル)ベンゼン、10,10’−オキシビスフェノキシアルシン、6−(2−チオフェンカルボニル)−1H−2−ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどが好ましく用いられる。 【0033】本発明においては、ポリウレタン含有繊維構造物が、撥水性を有していることが好ましい。 【0034】本発明でいう撥水性は、例えば、フッ素系撥水剤等をポリウレタン含有繊維構造物に付与することによって得られる。 【0035】フッ素系撥水剤としては、C3〜C20のパーフルオロアルケニル基やパーフルオロアルキル基を有するビニル単量体のみの単独重合体や、これらの含フッ素ビニル単量体と、フッ素を含まないビニル単量体との共重合体が好ましく用いられる。ここでいうパーフルオロアルケニル基やパーフルオロアルキル基を有するビニル単量体としては、下記化学式で表されるものなどが好ましく用いられる。 【0036】CH2=CHCOOCH2C7F15CH2=C(CH3)COOCH2C6F12C(CF3)3CH2=CHCOO(CH2)2N(C3H7)SO2C8F17また、フッ素を含まないビニル単量体としては、例えば、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、スチレン、ベンジルアクリレート、ビニルアルキルケトン、無水マレイン酸、イソプレン、シロキサン、ブロックイソシアネートのビニル単量体が挙げられる。中でも、ブロックイソシアネートのビニル重合体を含む共重合体を主成分とする含フッ素ポリマーが好適である。 【0037】これらの抗菌剤や撥水剤は、前述の加工液に混合して繊維構造物に付与もできるし、また、撥水剤のみ、または抗菌剤のみで同様の加工液を作り、同様の工程で繊維構造物に付与もできる。 【0038】 【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。 【0039】なお、実施例中における各種の品質評価方法としては、下記の方法を用いた。 <抗菌性評価>評価方法は、繊維製品新機能評価協議会が定める統一試験法を採用し、試験菌体は黄色ぶどう球菌株を用いた。試験方法は、加工技術(Vol.33,No.8(1998)p.487)にあるように、滅菌試験布に上記試験菌を注加し、18時間培養後の生菌数を計測し、殖菌数に対する菌数を求め、次の基準にしたがった。 【0040】log(B/A)>1.5の条件下、log(B/C)を菌数増減値差とし、2.2以上を合格とした。 【0041】ただし、Aは無加工品の接種直後分散回収した菌数、Bは無加工品の18時間培養後分散回収した菌数、Cは加工品の18時間培養後分散回収した菌数を表す。 <撥水性評価>JIS L−1092 シャワー法 で、撥水度の級判定を行った。数字が大きいほど、撥水性が良好なことを示す。 【0042】実施例1カチオン可染ポリエステル(5−ナトリウムイソフタル酸を3.6モル%共重合したポリエチレンテレフタレート)繊維フィラメント糸(50デシテックス、24フィラメント)と、ウレタン繊維(”ライクラ”(登録商標)T−152B)からなるトリコット編地(ウェール密度62.5本/インチ、コース密度100本/インチ)を編成した。ウレタン繊維の交編率は16%であった。この生機を通常の方法で染色加工した。すなわち、生機を精練剤を含む温水中を通しリラックス・精練した後、乾燥、中間セット、染色(カチオン染料)を行った。 【0043】次いで、下記の加工剤、使用量で、A,Bを混合した加工液を調合した。 A、チタンとケイ素の複合酸化物 (濃度20%) 1.1重量%平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150m2 /gであるチタンとケイ素の複合酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものを用いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 0.4重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 1.8重量%これに上記染色後の繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ76重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触媒を含む布地を得、水着に縫製した。 【0044】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験および次亜塩素酸分解能力試験をして、結果を表1に示した。 【0045】実施例2実施例1と同様のポリエステル /ウレタン交編トリコットの染色したものを用意し、下記の加工剤および使用量で、A,Bを混合した加工液を調合した。 A、リン酸カルシウム被覆型二酸化チタン (濃度20%) 1.1重量%平均一次粒子径が15nm、平均比表面積が125m2 /gであるリン酸カルシウム被覆型二酸化チタンを水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.75μmとしたものを用いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 0.4重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 1.8重量%これに上記染色後の繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ72重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触媒を含む布地を得、水着に縫製した。 【0046】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験および次亜塩素酸分解能力試験をして、結果を表1に併記した。 【0047】実施例3実施例1と同様のポリエステル /ウレタン交編トリコットの染色したものを用意し、下記の加工剤および使用量で、A,Bを混合した加工液を調合した。 A、BaTiO3 (濃度20%) 1.1重量%平均一次粒子径が9nm、平均比表面積が170m2 /gであるBaTiO3を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.2μmとしたものを用いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 0.4重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 1.8重量%これに上記染色後の繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ75重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触媒を含む布地を得、水着に縫製した。 【0048】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験および次亜塩素酸分解能力試験をして、結果を表1に併記した。 【0049】実施例4実施例1と同様のポリエステル /ウレタン交編トリコットの染色したものを用意し、下記の加工剤および使用量で、A,Bを混合した加工液を調合した。 A、TiO2 (濃度20%) 1.1重量%平均一次粒子径が5nm、平均比表面積が145m2 /gであるTiO2を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.4μmとしたものを用いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 0.4重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 1.8重量%これに上記染色後の繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ77重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触媒を含む布地を得、水着に縫製した。 【0050】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験および次亜塩素酸分解能力試験をして、結果を表1に併記した。 【0051】実施例5ポリアミド繊維のナイロン6フィラメント:44デシテックス、10フィラメントと、44デシテックスのウレタン繊維(”ライクラ”(登録商標)T−152B)を用いて、トリコット編地(ウェール密度32本/インチ、コース密度95本/インチ)を作成した。 【0052】ウレタン繊維の交編率は21%であった。この生機を通常の方法で染色加工した。すなわち、生機を精練剤を含む温水中を通しリラックス・精練(60℃×20秒)した後、乾燥(120℃×30秒)、中間セット(185℃×1分)、染色(酸性染料)を行った。 【0053】次いで、下記の加工剤、使用量でA,Bを混合した加工液を調合した。 A、チタンとケイ素の複合酸化物 (濃度20%) 0.8重量%平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150m2 /gであるチタンとケイ素の複合酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものを用いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 0.5重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 2.0重量%これに上記染色後の繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ80重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、175℃で1分間熱セットし、繊維表面に光触媒を含む布地構造物を得、女性用水着を縫製した。 【0054】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験および次亜塩素酸分解能力試験をして、結果を表1に示した。 【0055】実施例6実施例5と同様のナイロン/ウレタン交編トリコットの染色したものに、下記の加工剤および使用量で、A,Bを混合した加工液を調合した。 A、チタンとケイ素の複合酸化物 (濃度20%) 10.0重量%平均一次粒子径が7nm、平均比表面積が150m2 /gであるチタンとケイ素の複合酸化物を水溶液の分散体にし、平均粒子径が0.3μmとしたものを用いた。 B、アルキルシリケート系樹脂(濃度20%) 6.5重量% シリコーン系樹脂(濃度45%) 25.5重量%かかる加工液:40部に更に糊剤を120部の割合にて調合し、スクリーンで印捺、プリント加工を行った。付着薬液量は布帛重量に対し、95重量%であった。印捺後、120℃で2分乾燥した後、180℃で1分間過熱蒸気で熱処理し、糊剤を洗浄し、仕上げた。このようにして、繊維表面に光触媒を含む布地構造物を得、女性用水着を縫製した。 【0056】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験および次亜塩素酸分解能力試験をして、結果を表1に併記した。 【0057】実施例7実施例1と同様のポリエステル /ウレタン交編トリコットの染色したものについて実施例4と同様の加工液にて同様の処理を行ったものを用意し、下記の加工剤および使用量で加工液を調合した。 A、抗菌剤(2−ピリジルチオール−1−オキシド亜鉛) 0.02重量%これに上記繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ72重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触媒と抗菌剤を含む布地を得、水着に縫製した。 【0058】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験、次亜塩素酸分解能力試験、抗菌性評価をして、結果を表1に併記した。 実施例8実施例5のナイロン/ウレタン交編トリコットの染色したものについて実施例6と同様の加工液にて同様の処理を行ったものを用意し、下記の加工剤および使用量で、A,B,Cを混合した加工液を調合した。 A、フッ素系撥水剤(濃度20%) 0.10重量%B、メラミン樹脂(濃度80%) 0.07重量%C、有機アミン系架橋剤 0.01重量%これに上記繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ72重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触媒と抗菌剤を含む布地を得、水着に縫製した。 【0059】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験、次亜塩素酸分解能力試験、撥水性評価をして、結果を表1に併記した。 実施例9ナイロン繊維フィラメント糸(44デシテック)と、ウレタン繊維(”ライクラ”、100デシテックス)からなるラッセル編地(目付200g/m2)を編成した。ウレタン繊維の交編率は25%であった。この生機を通常の方法で染色加工した。すなわち、生機を精練剤を含む温水中を通しリラックス・精練した後、乾燥、中間セット、染色(酸性染料)を行った。 【0060】次いで、実施例1と同様の加工液に上記繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ70重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触媒を含む布地を得、ボディスーツに縫製した。 【0061】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験を行い、結果を表1に併記した。 実施例10ナイロン繊維フィラメント糸(50デシテックス、24フィラメント)と、ウレタン繊維(”ライクラ”)からなるベア天竺編地(目付250g/m2、28G)を編成した。ウレタン繊維の交編率は10%であった。この生機を通常の方法で染色加工した。すなわち、生機を精練剤を含む温水中を通しリラックス・精練した後、乾燥、中間セット、染色(酸性染料)を行った。 【0062】次いで、実施例7と同様の加工液に上記繊維布帛を浸し、マングルロールでピックアップ80重量%で絞り、130℃で2分乾燥した後、180℃で1分間熱処理し、繊維表面に光触媒を含む布地を得、インナーに縫製した。 【0063】この布地について、ポリウレタン脆化防止確認試験を行い、結果を表1に併記した。 【0064】比較例1実施例1で用いた染色上がり時点での繊維布帛について、ポリウレタン脆化防止確認試験、次亜塩素酸分解能力試験および抗菌性評価を行い、結果を比較、評価して(比較例1とした)、表1に示した。 【0065】比較例2実施例5、実施例6で用いた染色上がり時点での繊維布帛について、ポリウレタン脆化防止確認試験、次亜塩素酸分解能力試験および撥水性評価を行い、比較、評価をして(比較例2とした)、結果を表1に示した。 【0066】 【表1】
【0067】表1から明らかなように、実施例1〜4のものは、比較例1のものに比較して、ポリウレタン脆化防止性および次亜塩素酸分解能については、極めて優れたレベルの機能を発揮していることがわかる。 【0068】なお、本布地の縫製製品である水着について、実着用した結果、ポリウレタン脆化防止性および次亜塩素酸分解能については、同様に優れたレベルの効果、機能を発揮していることを確認できた。 【0069】また、表1から明らかなように、実施例5〜6のものは、比較例2のものに比較して、ポリウレタン脆化防止性、次亜塩素酸分解能について、極めて優れたレベルの機能を発揮していることがわかる。 【0070】これら実施例5〜6および比較例2の各生地を用いて同一パターンで女性用水着を縫製し、プールでの実着用での結果、実施例5〜6の品で生地の脆化および塩素臭が少ないことを確認できた。 【0071】 【発明の効果】本発明によれば、塩素臭の原因となる次亜塩素酸の分解能に優れ、塩素臭の消臭性ならびにポリウレタン含有繊維の耐脆化に優れた水着を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003159 【氏名又は名称】東レ株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
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| 【出願日】 |
平成14年9月13日(2002.9.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2003−183912(P2003−183912A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月3日(2003.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−267901(P2002−267901) |
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