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【発明の名称】 水作業用オーバーズボンとオーバーオール
【発明者】 【氏名】中井 大之
【住所又は居所】和歌山県海草郡野上町小畑83番地の1 株式会社久保製作所内

【要約】 【課題】着用者がしゃがんだり座ったりした場合に、ズボンの内部と外部との吸排気が効果的に行われる水作業用オーバーズボンを提供する。

【解決手段】オーバーズボン11における脚部13で膝の内側に該当する位置に、生地を貫通する排気孔を設けることにより、着用者がしゃがんだり座ったりする動作に伴い、ズボン11内部の空気が排気孔や裾口から吸排気されるようにした。これにより、ズボン11内に空気が溜まりにくくなり、ズボン11内部が蒸れにくい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 防水性の生地を用いて形成された水作業用オーバーズボンにおいて、上記オーバーズボンの脚部で膝の内側に該当する位置に、生地を貫通する排気孔を設けたことを特徴とする水作業用オーバーズボン。
【請求項2】 上記排気孔を覆うカバーを、排気孔の周囲の生地に、下方部分を除いて接合した請求項1に記載の水作業用オーバーズボン。
【請求項3】 防水性の生地を用いて形成された水作業用オーバーオールにおいて、上記オーバーオールの脚部で膝の内側に該当する位置に、生地を貫通する排気孔を設けたことを特徴とする水作業用オーバーオール。
【請求項4】 上記排気孔を覆うカバーを、排気孔の周囲の生地に、下方部分を除いて接合した請求項3に記載の水作業用オーバーオール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、漁師や水産加工業者等の、水に濡れる作業に従事する人が、着衣の上から着用し、着衣が濡れるのを防ぐ水作業用オーバーズボンとオーバーオールに関する。
【0002】
【従来の技術】水作業時に着用するオーバーズボンは、防水性に優れた生地を用いてズボン形状に形成され、ウエスト部が締付けゴムで絞られた構造を有し、また、オーバーオールは、同じく防水性に優れた生地を用い、ズボン部分の上端に上着部分となる前見頃と後見頃を連ねて設け、前見頃と後見頃の上端間に肩紐を取り付け、着用時にウエスト部分をベルトや紐で縛るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のようなオーバーズボンやオーバーオールは、使用している生地に通気性がなく、ウエスト部が締付けゴムで絞られたり、ベルトや紐で縛られるため、作業中にしゃがんだり座ったりした場合、図6にオーバーズボン1の例で示すように、膝からウエスト部の間に空気が溜まって膨れた状態になりやすく、しゃがみにくいので座っての作業がしずらいという問題がある。
【0004】また、生地に通気性がないため、オーバーズボンやオーバーオールの内部が湿って蒸れやすく、着用者は作業中に不快感を感じることになる。
【0005】また、ズボンが膨らまないように手で押さえ、ズボン内の空気を脚部の裾口から排出しながらしゃがむこともできるが、しゃがんだり座るごとにこのような作業を行うのは煩わしいことである。
【0006】一方、ズボン内の空気が排出されると、生地が着用者の体に密着することになり、着用者が立ち上がってもズボン内の空気量が元に戻るまでにしばらく時間がかかるため、生地が着用者の下肢にまとわりつくことがある。このため、とりわけ機敏な動作を求められる船上の作業に従事する人は動きづらく、疲れやすくもなり、注意力も緩慢になって事故につながるおそれも生じる。
【0007】そこで、この発明の課題は、着用者がしゃがんだり座ったりした場合に、ズボンの内部と外部との吸排気が効果的に行われ、しゃがんだり座る動作が円滑に行え、立ち上がっても生地のまとわりつきのないオーバーズボンとオーバーオールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決するため、この発明は、防水性の生地を用いて形成された水作業用オーバーズボンにおいて、上記オーバーズボンの脚部で膝の内側に該当する位置に、生地を貫通する排気孔を設けた構成を採用したものである。
【0009】また、別の発明は、防水性の生地を用いて形成された水作業用オーバーオールにおいて、上記オーバーオールの脚部で膝の内側に該当する位置に、生地を貫通する排気孔を設けた構成を採用したものである。
【0010】上記のオーバーズボン及びオーバーオールにおいて、排気孔を覆うカバーを、排気孔の周囲の生地に、下方部分を除いて接合することができる。
【0011】このようなオーバーズボン又はオーバーオールを着用して作業をすると、着用者がしゃがんだときに、ズボン内の湿った空気が空気圧により排気孔から排気されるので、ズボンの内部と外部との吸排気が効果的に行われ、ズボンの内部に湿った空気が溜まりにくく、下腹部も膨らまないので、しゃがんだり座る動作が円滑に行える。
【0012】また、立ち上がったときには、排気孔と裾口の両方からズボン内に空気が吸引されるので、着用者の動作に伴い、ズボン内部の空気が循環し、通気性が確保される。この結果、ズボン内部が蒸れたりせず、また、ズボン内の空気も排出されすぎないので、ズボン生地が着用者の体に密着せず、下肢にまとわりついて着用者の動きを妨げたりすることもない。
【0013】さらに、前記カバーを設けることにより、排気孔を設けた部分に水がかかっても、ズボン内に水が入りにくい。
【0014】また、排気孔を、膝の内側に該当する位置に設けることにより、排気孔が腹部や着衣で閉塞されることもないので、より良好に給排気が行われる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0016】図1に示す水作業用オーバーズボン11は、防水性に優れた生地Aで形成されており、股上部分12とこの股上部分12の下部両側に連ねて設けた一対の脚部13とからなるズボン形状となり、ズボン11の内側には、ポリエステルの布張りが施され、股上部分12のウェスト部14には、締付けゴムが取り付けられている。
【0017】図2に示す水作業用オーバーオール21は、防水性に優れた生地Aで形成されており、股上部分22とこの股上部分22の下部両側に連ねて設けた一対の脚部23とからなるズボン部分24の上端に、上着部分となる前見頃25と後見頃26を連ねて設け、前見頃25と後見頃26の上端間に肩ベルト27を取り付け、着用時にズボン部分24ウエスト部をベルトや紐で縛るようになっている。
【0018】上記水作業用オーバーズボン11及び水作業用オーバーオール21において、一対の脚部13、23には、膝の内側に該当する位置に、生地Aを貫通する排気孔31が設けられ、この排気孔31は外カバー32と内カバー33で覆われている。
【0019】前記排気孔31は、図3乃至図5のように、上下に長い角孔状に形成され、脚部13、23の幅方向に複数を一定の間隔配置で並べ、これを上下二列の配置で設けた例を示したが、排気孔31の形状とその大きさや数等は自由に設定することができる。
【0020】上記外カバー32は、図4および図5に示すように、横に並ぶ排気孔31を全て覆える長さと、排気孔31の上下開口寸法よりも広い幅を有し、前記生地Aと同じ材質の帯状生地片からなり、この外カバー32を脚部13、23の外面に、横に並ぶ排気孔31を全て覆うように重ね、その上縁と両側縁を脚部13、23の生地Aに接着することにより、下縁が脚部13、23の生地Aと遊離し、かつ、脚部13、23の生地Aとの対向面間に隙間Bが形成されるようにした状態で取り付けられている。
【0021】なお、図示の例では、外カバー32の下縁は複数箇所を脚部13、23の生地Aに対して点接着34し、外カバー32の下縁が不必要に開くことのないようにした例を示している。
【0022】また、内カバー33は、図3乃至図5に示すように、横に並ぶ排気孔31を全て覆える長さと、排気孔31の上下開口寸法よりも少し広い幅を有し、前記生地Aと同じ材質の帯状生地片からなり、この内カバー33を脚部13、23の内面に、横に並ぶ排気孔31を全て覆うように重ね、その上縁と下縁を脚部13、23の生地Aに接着することにより、両端が脚部13、23の生地Aと遊離した吸排口Cとなり、かつ、脚部13、23の生地Aとの対向面間に隙間Dが形成されるようにした状態で取り付けられている。
【0023】このようなオーバーズボン11やオーバーオール21を着用して作業をすると、着用者がしゃがんだときに、ズボン内の湿った空気が空気圧により排気孔31から排気されるので、ズボンの内部に湿った空気が溜まりにくく、下腹部が膨らまない。また、立ち上がったときには、排気孔31と裾口の両方からズボン内に空気が吸引されるので、着用者の動作に伴い、ズボン内部の空気が循環し、通気性が確保される。この結果、ズボン内部が蒸れたりせず、また、ズボン内の空気量が排気孔からの吸気によって適度に確保されるので、ズボンの生地Aが着用者の体に密着せず、下肢にまとわりついて着用者の動きを妨げたりすることもない。
【0024】さらに、排気孔31を設けた部分に水がかかっても、前記外カバー32によりズボン内に水が入りにくい。また、排気孔31は、脚部13、23の膝の内側に該当する位置に設けられているので、腹部や着衣で閉塞されることがない。
【0025】また、内カバー33が脚部13、23の内部で排気孔31を覆っているので、オーバーズボン11やオーバーオール21を着脱するとき、足を排気孔31に突っ込むようなことがないと共に、外カバー32及び内カバー33と生地Aとの間に、それぞれ前記隙間B、Dを形成することにより、排気孔31が外カバー32と内カバー33で閉塞されることもないので、より良好な通気性が得られる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る水作業用オーバーズボン及びオーバーオールは、脚部に設けた排気孔で通気性を確保することができ、しかも、この排気孔を脚部の膝の内側に該当する位置に設けたので、屈伸動作で空気が最も出入りしやすい位置となり、着用者の動きに伴って、ズボン内の空気が循環し、ズボンの下腹部が膨らんだりズボン内が蒸れたりせず、ズボン生地が着用者の下肢にまとわりつくこともない。また、前記カバーによって、排気孔からのズボン内への水の浸入を防止することができる。さらに、カバーの下方部分と生地との間に隙間を形成することにより、吸排気がより良好となる。
【0027】したがって、着用者は動きやすくなり、不快感や疲労感を覚えることがなく、座っての作業もしやすくなるので、水作業における作業性が損なわれず、ひいては作業中における安全性の向上にも寄与することとなる。
【0028】また、脚部の内カバーによって、排気孔を覆うようにすると、オーバーズボンやオーバーオールを着脱するとき、排気孔に脚を突っ込むようなことがない。
【出願人】 【識別番号】592141765
【氏名又は名称】株式会社久保製作所
【住所又は居所】和歌山県海草郡野上町小畑83番地の1
【出願日】 平成13年11月12日(2001.11.12)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二 (外2名)
【公開番号】 特開2003−147614(P2003−147614A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−345866(P2001−345866)