| 【発明の名称】 |
雨 具 |
| 【発明者】 |
【氏名】塚根 永芳
【氏名】兵頭 信幸
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、雨合羽、オーバーシューズカバー、下駄カバー、帽子、フードなどの防水性を有する雨具、特に使い捨て可能な雨具を提供する。
【解決手段】片側に、複数の孔を有するか、あるいは多孔性の支持体を有し、他方の側に透湿性を有する無孔性フィルム層を有する、少なくとも2層以上の多層構成であり、水蒸気透過度(JIS Z0208法に準拠して、温度40℃、湿度90%RHの条件で測定)が500g/m2/24H以上である無孔性フィルムから、無孔性フィルム層側が着用時の外側となるよう一部あるいは全てが構成されてなることを特徴とする雨具。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 片側に、複数の孔を有するか、あるいは多孔性の支持体を有し、他方の側に透湿性を有する無孔性フィルム層を有する、少なくとも2層以上の多層構成であり、水蒸気透過度(JIS Z0208法に準拠して、温度40℃、湿度90%RHの条件で測定)が500g/m2/24H以上である無孔性フィルムから、無孔性フィルム層側が着用時の外側となるよう一部あるいは全てが構成されてなることを特徴とする雨具。 【請求項2】 前記支持体が、不織布、レーヨン紙、孔開きフィルム、編物から選ばれることを特徴とする請求項1記載の雨具。 【請求項3】 前記無孔性フィルム層が、ポリウレタン系樹脂および /またはポリエステル系樹脂からなることを特徴とする請求項1または2記載の雨具。 【請求項4】 前記無孔性フィルム層および前記支持体が、ともに生分解性樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の雨具。 【請求項5】 雨合羽、オーバーシューズカバー、下駄カバー、帽子、フードから選ばれる雨具であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の雨具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、雨合羽、オーバーシューズカバー、下駄カバー、帽子、フードなどの防水性を有する雨具、特に使い捨て可能な雨具に関する。 【0002】 【従来の技術】使い捨て用などの簡便な雨具の構成材料としては、ポリエチレン系樹脂フィルムや塩化ビニル系樹脂が広く使用されているが、従来使用されている材料は透湿性が小さいため、着用時に雨具内部に水蒸気や汗などが付着し、蒸れたり、肌と密着したりして着用感が悪かった。また、長時間着用すると運動などによって生じた汗が雨具内に留まるため、内部が濡れて、防水や作業性の向上などの雨具を着用する効果が減少していた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、長時間着用しても雨具内部に水蒸気や汗などが付着しにくく、蒸れたり、肌と密着するなどの着用感の低下を防止し、作業性にも優れる雨具の提供を目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明は、片側に、複数の孔を有するか、あるいは多孔性の支持体を有し、他方の側に透湿性を有する無孔性フィルム層を有する、少なくとも2層以上の多層構成であり、水蒸気透過度(JIS Z0208法に準拠して、温度40℃、湿度90%RHの条件で測定)が500g/m2/24H以上である無孔性フィルムから、無孔性フィルム層側が着用時の外側となるよう一部あるいは全てが構成されてなることを特徴とする雨具である。 【0005】水蒸気透過度を上記範囲とすることにより、長時間着用しても雨具内部に水蒸気や汗などが付着しにくく、蒸れたり、肌と密着するなどの着用感の低下を防止し、作業性にも優れ、また、多層構成であることにより、水の侵入を防止し、透湿性に加えて、フィルムの強度や着用感など他の特性も向上させることができる。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明に使用する無孔性フィルムは、水蒸気透過度(JIS Z0208法に準拠して、温度40℃、湿度90%RHの条件で測定)が500g/m2/24H以上であれば、その構成は特に限定されないが、少なくとも2層以上の多層構成であり、片側に複数の孔を有するか、あるいは多孔性の支持体を有し、他方の側に透湿性を有する無孔性フィルム層を有するフィルムである。 【0007】上記の片側に複数の孔を有するか、あるいは多孔性の支持体としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリウレタン系繊維などからなる不織布、レーヨン紙、孔開きフィルム、木綿やポリエステル繊維などを編んで構成されるメリヤスやパイル地などの編物が挙げられる。これらを使用することにより、コストを抑え、廃棄も容易になるため、使い捨て用の雨具とする場合には有効である。また、支持体として不織布や編物を使用する場合は、雨具内部の湿度が上がったり、開口部などから水が若干侵入した場合でも、不織布や編物が水分を吸収し、直接皮膚や衣服に水滴が接触することが無く、肌触りが向上して、特に着用感に優れる。なお支持体として、編物を使用する場合は厚みの薄い薄地のものを使用するのが着用感などの点から好ましい。 【0008】上記無孔性フィルム層は、例えば、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基、これらの塩などの親水性基、親水性セグメントの導入などにより透湿性を付与した樹脂から構成される。好ましくは、無孔性フィルム層が、上記の透湿性を付与した、ポリエーテル骨格を有するエラストマーであるポリウレタン系樹脂および/またはポリエステル系樹脂からなるのがよい。また、通常のプラスチックと同様に使用できながら、自然界の微生物によって低分子化合物(水と炭酸ガス)に分解可能な生分解性樹脂を使用するのも好ましい。ポリウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂、生分解性樹脂の一部のものは、エラストマー状であり、柔軟性や屈曲性に優れ、また、耐磨耗性に優れるため、雨中での作業での運動や作業を阻害しない。雨具の中でも、オーバーシューズカバー、下駄カバーは耐久性を必要とするが、近距離であれば問題ない。また、雨合羽とする場合は、ゴルフのようなスポーツを行っても、擦れて耳障りな音が生じることもない。さらに、生分解性樹脂を使用する場合は、特に、自然界での分解性が高く、廃棄後の環境負荷が小さいため、使い捨て用として好適である。なお、無孔性フィルム層に生分解性樹脂を使用する場合は、支持体も生分解性樹脂からなるのが好ましい。 【0009】上記のポリエーテル骨格を有するエラストマーであるポリウレタン系樹脂やポリエステル系樹脂の詳細な構成は特に限定されない。市販されているものとしては、ポリウレタン系樹脂として「E385P386H」(日本ミラクトラン(株)製)、ポリエステル系樹脂として「ペルプレンP−40B」(東洋紡績(株)製)、「ARNITEL PM381」(ポリエーテルエステル オランダ DSM社製)などが使用できる。 【0010】本発明に使用する生分解性樹脂の詳細な構成も特に限定されず、市販されているものとしては、脂肪族系ポリエステルである「セルグリーン P−HB」(ダイセル化学工業(株)製)、芳香族系ポリエステルである「Easter Bio Copolyester GP」(イーストマンケミカル社製)などが使用できる。 【0011】なお、本発明に使用する無孔性フィルムの構成材料には、本発明の作用を損なわない範囲で熱安定剤、酸化防止剤、結晶造核剤、滑剤、帯電防止剤、光安定剤等の添加剤を含有させても良い。 【0012】本発明に使用する無孔性フィルムは、本発明の作用を阻害しない範囲で、上記支持体および無孔性フィルム層以外の他層を有していても良い。 【0013】本発明に使用する無孔性フィルムの厚み、および無孔性フィルムを構成する各層の厚み比率は特に限定されず、水蒸気透過度、強度、柔軟性など所望の無孔性フィルムの物性などに応じて適宜設定される。 【0014】本発明に使用する無孔性フィルムの製造方法も、使用材料に応じ、従来一般的な支持体の形成方法、フィルム形成方法、積層方法を使用できるが、積層方法としてドライラミネート法を使用する場合は、水蒸気等過度が低下することがあるため注意を要する。 【0015】本発明の雨具は、上記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるよう、一部、あるいは全てが構成されてなる。具体的には、雨具として、雨合羽、オーバーシューズカバー、下駄カバー、帽子、フードが挙げられる。雨合羽には、カバーオール(ポンチョ)型、上下セパレート型、コート型、ズボンなどが含まれる。 【0016】本発明の雨具は、低コストで製造でき、軽量であるため、1回もしくは数回の使用後に廃棄する使い捨て用として好適である。特に、生分解性樹脂を使用した場合は、廃棄性にも優れるため、好適である。 【0017】本発明の雨具の製造は、従来のフィルムを用いた製造方法と同様に行うことができ、無孔性フィルム層側が着用時の外側となるよう、型紙などを用い、裁断後の無孔性フィルムを重ねて、あるいは無孔性フィルムを重ねて裁断し、必要箇所を熱や高周波、接着剤等を用いて、溶着、接着、あるいは縫合して成型される。 【0018】 【実施例】以下に、実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1ポリウレタン系樹脂(日本ミラクトラン(株)製、商品名E385P386H)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、190〜220℃の温度で、支持体であるポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、目付量15g/m2)上に押し出して、透湿性を有する厚み30μmの無孔性フィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、カバーオール(ポンチョ)型の雨合羽を作成した。 【0019】実施例2ポリウレタン系樹脂(日本ミラクトラン(株)製、商品名E385P386H)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、190〜220℃の温度で押し出してフィルム成形し、厚み30μmの透湿性を有する無孔性フィルムを得た。該無孔性フィルムを、実施例1と同様の支持体であるポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、目付量15g/m2)上に熱融着によりラミネートして無孔性フィルム層とし、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、上下セパレート型の雨合羽を作成した。 【0020】実施例3ポリエステル系樹脂(東洋紡績(株)製、商品名ペルプレンP−40B)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、190〜220℃の温度で、実施例1と同様の支持体であるポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、目付量15g/m2)上に押し出して、透湿性を有する厚み30μmの無孔性フィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、上下セパレート型の雨合羽を作成した。 【0021】実施例4ポリエステル系樹脂(DSM社製、ポリエーテルエステル、商品名ARNITEL PM381)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、225〜240℃の温度で、実施例1と同様の支持体であるポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、目付量15g/m2)上に押し出して、厚み25μmの透湿性を有する無孔性フィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、上下セパレート型の雨合羽を作成した。 【0022】実施例5ポリエステル系生分解性樹脂(イーストマンケミカル社製、商品名Easter Bio Copolyester GP)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、130〜170℃の温度で、支持体であるポリ乳酸系生分解性樹脂製の不織布(ユニチカ(株)製、「テラマック」G−0303、目付量30g/m2)上に押し出して、透湿性を有する厚み30μmの無孔性フィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、上下セパレート型の雨合羽を作成した。 【0023】実施例6ポリカプロラクトン系生分解性樹脂(ダイセル化学工業(株)製、商品名セルグリーン P−HB05)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、135〜145℃の温度で、支持体であるポリ乳酸系生分解性樹脂製の不織布(ユニチカ(株)製、「テラマック」G−0303、目付量30g/m2)上に押し出して、厚み30μmの透湿性を有する無孔性フィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、上下セパレート型の雨合羽を作成した。 【0024】比較例1LDPE樹脂(日本ポリケム社製、商品名ノパテックLL UF340)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、180〜200℃の温度で押し出して厚み30μmのフィルムを作成した。該フィルムを用い、裁断、熱融着して、上下セパレート型の雨合羽を作成した。 【0025】比較例2LDPE樹脂(日本ポリケム社製、商品名ノパテックLL UF340)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、180〜200℃の温度で、実施例1と同様の支持体であるポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、目付量15g/m2)上に押し出して、厚み30μmのフィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、上下セパレート型の雨合羽を作成した。 【0026】実施例1〜6、比較例1,2に使用した積層フィルムあるいはフィルムについて、JIS Z0208法に準拠して、温度40℃、湿度90%RHの条件で水蒸気透過度を測定した。また、実施例1〜6、比較例1,2の雨合羽を着用し、外気温25℃の雨天時に、30分間自転車で走行し、雨合羽内部の水滴の付着の程度を目視で確認し、さらに着用感を評価した。これらの結果を表1に示す。 【0027】実施例7ポリウレタン系樹脂(日本ミラクトラン(株)製、商品名E385P386H)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、190〜220℃の温度で、支持体であるポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、目付量15g/m2)上に押し出して、厚み30μmの透湿性を有する無孔性フィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、オーバーシューズカバーを作成した。 【0028】実施例8ポリエステル系樹脂(DSM社製、ポリエーテルエステル、商品名ARNITEL PM381)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、225〜240℃の温度で、実施例1と同様の支持体であるポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、目付量15g/m2)上に押し出して、厚み25μmの透湿性を有する無孔性フィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、オーバーシューズカバーを作成した。 【0029】実施例9ポリエステル系生分解性樹脂(イーストマンケミカル社製、商品名Easter Bio Copolyester GP)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、130〜170℃の温度で、支持体であるポリ乳酸系生分解性樹脂製の不織布(ユニチカ(株)製、「テラマック」G−0303、目付量30g/m2)上に押し出して、厚み30μmの透湿性を有する無孔性フィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記無孔性フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、女性用の下駄カバーを作成した。 【0030】比較例3LDPE樹脂(日本ポリケム社製、商品名ノパテックLL UF340)を、Tダイを備えたフィルム成形機に供給し、180〜200℃の温度で実施例1と同様の支持体であるポリエステル系不織布(東洋紡績(株)製、目付量15g/m2)上に押し出して、厚み30μmのフィルム層を形成し、2層構成の積層フィルムを作成した。該積層フィルムを用い、前記フィルム層側が着用時の外側となるように、裁断、熱融着して、オーバーシューズカバーを作成した。 【0031】実施例7〜9、比較例3のオーバーシューズカバーあるいは下駄カバーを着用し、外気温25℃の雨天時に、30分間約1.5kmを歩行して、カバー内部の水滴の付着の程度を目視で確認し、さらに着用感を評価した。これらの結果を表2に示す。 【0032】 【発明の効果】本発明の雨具は、水や雑菌などの侵入がない材料で構成されながら、長時間着用しても雨具内部に水蒸気や汗などが付着しにくく、蒸れたり、肌と密着するなどの着用感の低下を防止し、作業性にも優れる。 【表1】
【表2】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002901 【氏名又は名称】ダイセル化学工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成13年11月7日(2001.11.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091683 【弁理士】 【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
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| 【公開番号】 |
特開2003−147612(P2003−147612A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月21日(2003.5.21) |
| 【出願番号】 |
特願2001−341975(P2001−341975) |
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