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【発明の名称】 雨 具
【発明者】 【氏名】竹嶋 あすか

【要約】 【課題】簡単に着用することができるとともに、携帯性にも優れ、全身の濡れを防止することができる雨具を提供する。

【解決手段】雨具10は、コート型の上着20と利用者12の靴16全体を覆うオーバーシュー40によって構成されている。これら各部は、防水性かつ柔軟性のある薄膜シートによって形成されている。上着12は、身頃22の正面に設けられた開口部32を頭部から被ることによって、簡単に着脱することが可能である。また、フード26には、つば30を形成するための芯材28が設けられており、これによって正面から風が吹付けても、フード26が利用者の顔面に貼り付かず、良好な視界を得ることができる。オーバーシュー40は、略ソックス形状に形成されており、上端の履き口から靴16を履いたままで足を入れ、固定具49により靴16に装着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 身頃に設けられた開口部を利用者の頭部から被せて着用するコートを備えるとともに、前記コートを、防水性及び柔軟性を有する薄膜シートで形成したことを特徴とする雨具。
【請求項2】 身頃に設けられた開口部を利用者の頭部から被せて着用するコート,前記利用者の下半身を覆うためのズボンないしスカート,を備えるとともに、前記コート及びズボンないしスカートを、防水性及び柔軟性を有する薄膜シートで形成したことを特徴とする雨具。
【請求項3】 前記コートに、前記利用者の頭部を覆うためのフードを設けるとともに、前記コート及びフードを、前記薄膜シートで一体に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の雨具。
【請求項4】 前記フードが、つばを形成するための変形可能な芯材を備えたことを特徴とする請求項3記載の雨具。
【請求項5】 前記雨具の着用状態の調節もしくは着用者に対する固定を行うための調節・固定手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の雨具。
【請求項6】 前記調節・固定手段を、粘着性のテープとしたことを特徴とする請求項5記載の雨具。
【請求項7】 前記利用者の靴を覆うための略ソックス形状の靴用雨具,該靴用雨具を前記利用者の靴に固定するための固定手段,を備えるとともに、前記靴用雨具を、前記薄膜シートで形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の雨具。
【請求項8】 前記固定手段が、伸縮自在なゴム材によって形成されていることを特徴とする請求項7記載の雨具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は雨具に関し、特に、雨具の着脱性及び携帯性の改良に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来、雨具としては、合成樹脂シートなどの防水性の素材からなる雨合羽やレインコートが広く利用されており、一枚で利用するコート型のものや、上着とズボンを併用するタイプのものなどがある。これらは、利用者のほぼ全身を覆うように形成されており、強い風雨時にも利用者が濡れるのを防止する。そして、利用しないときには、専用の収納袋などに収納して持ち運ぶことができるように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した雨具は、ボタンやファスナーなどの各種の留め具,あるいは、袖口やウエスト部分などの調節のためのゴムが利用されているため、収納時にも嵩張ってしまう。また、脱着が面倒であったり、使用後の乾燥や収納の手間などがかかったりするため、常に携帯用の雨具として持ち運ばれるほどには普及していない。
【0004】更に、上述した雨具は、利用者のほぼ全身を覆うことで雨に濡れるのを防ぐことができるが、雨具の裾から露出した部分や靴などについては、風で吹き込んだ雨や地面で跳ね返った雨によって濡れたりすることもあり、雨足によっては、靴に水がしみこんでしまうのを防止することができない。このような事態は、長靴を併用することで避けることができるが、外出中、突然の雨に見舞われたときに、長靴を持ち合わせていることは滅多になく、実際には足元が濡れてしまう事態がしばしば生じる。
【0005】この発明は、以上の点に着目したもので、簡単に着用することができるとともに、携帯性にも優れ、全身の濡れを防止することができる雨具を提供することを、その目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、本発明の雨具は、身頃に設けられた開口部を利用者の頭部から被せて着用するコート,を備えるとともに、前記コートを、防水性及び柔軟性を有する薄膜シートで形成したことを特徴とする。他の発明の雨具は、身頃に設けられた開口部を利用者の頭部から被せて着用するコート,前記利用者の下半身を覆うためのズボンないしスカート,を備えるとともに、前記コート及びズボンないしスカートを、防水性及び柔軟性を有する薄膜シートで形成したことを特徴とする。
【0007】主要な形態の一つは、前記コートに、前記利用者の頭部を覆うためのフードを設けるとともに、前記コート及びフードを、前記薄膜シートで一体に形成したことを特徴とする。他の形態は、前記フードが、つばを形成するための変形可能な芯材を備えたことを特徴とする。更に他の形態は、前記雨具の着用状態の調節もしくは着用者に対する固定を行うための調節・固定手段を備えたことを特徴とする。更に他の形態は、前記調節・固定手段を、粘着性のテープとしたことを特徴とする。
【0008】更に他の形態は、前記利用者の靴を覆うための略ソックス形状の靴用雨具,該靴用雨具を前記利用者の靴に固定するための固定手段,を備えるとともに、前記靴用雨具を、前記薄膜シートで形成したことを特徴とする。更に他の形態は、前記固定手段が、伸縮自在なゴム材によって形成されていることを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0009】
【発明の実施の形態】<実施形態1>……以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。最初に、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態1について説明する。図1には、本実施形態の全体の様子が示されており、図2には、本実施形態の各部の詳細な様子が示されている。
【0010】図1に示すように、本実施形態の雨具10は、利用者12のほぼ全身を覆うコート型の上着20と、利用者12の靴16全体を覆うオーバーシュー40によって構成されている。まず、上着20について説明すると、上着20は、利用者12の胴体部分を覆う身頃22,袖24,頭部を覆うフード26によって構成されている。これら各部は、防水性かつ柔軟性のある薄膜シートによって一体に形成されており、利用者12が、身頃22の正面側に設けられた開口部32を頭部から被ることによって、簡単に着脱することが可能となっている。薄膜シートとしては、例えば、使い捨ての雨具を目的とする場合には、ポリエチレンなどが好適であるが、これに限定されるものではなく、用途に応じて各種の素材のものを利用することができる。
【0011】前記身頃22の胴部は、肩掛け鞄などの荷物14を身に付けた状態でも着用することができるように、胴回りに余裕を持たせるように設定されている。また、フード26には、図2(A)の側面図に示すように、身頃22の後部の襟元ないしフード26の後頭部付近から利用者の額付近の位置にかけて、一本の変形自在な芯材28が設けられている。該芯材28のカーブを調整することによって、つば30を形成し、利用者12の額ないし顔面にフード26が密着して貼り付くのを防止している。すなわち、利用者12の正面から風が吹付けた場合でも、フード26が利用者の顔面を覆うことがなく、安全な視界を確保することができる。前記芯材28としては、例えば、蛇腹式のストローのようなものが利用される。
【0012】図2(B)には、利用者12が、上着20を開口部32から被って着用したあとに、体型に合わせて開口部32の開き具合を調節するための粘着テープ34の一例が示されている。粘着テープ34は、裏面にのりなどが設けられた粘着性のテープであり、同図に示すように、台紙36上に予め所定形状に多数形成されている。利用者12は、台紙36から必要な分だけ粘着テープ34を剥がし、開口部32の開き具合をみながら粘着テープ34で留めて調節し、雨具10が脱げないように固定する。
【0013】次に、オーバーシュー40について説明する。オーバーシュー40は、利用者12の靴16全体を覆うためのものであり、略ソックス形状に形成されている。このようなオーバーシュー40の素材としては、上述した上着20と同様に、防水性及び柔軟性を有した薄膜のシートが利用され、例えば、ポリエチレンなどが好適であるが、それ以外の素材のものを利用してもよい。また、前記上着20と同一素材としてもよいし、異なる素材を用いるようにしてもよい。
【0014】図2(C)には、このようなオーバーシュー40を靴16に着用した状態が拡大して示されている。同図に示すように、オーバーシュー40は、固定具49によって、利用者12の靴16に装着される。固定具49としては、靴16の形状・大きさに合わせて装着することができるように、伸縮性のあるゴム材などが利用されるが、携帯性などの観点から、例えば、輪ゴムが好適である。図示の例は、2つの輪ゴム48を締結して、2つの環状部を有する固定具49を構成した例である。
【0015】このような固定具49によってオーバーシュー40を靴16に固定するときには、締結部47を甲42に位置するようにして、一方の環状部を土踏まず44に引掛けて、他方の環状部を踵46に引掛けるようにする。このように伸縮自在の固定具49を用いることにより、靴16の形状・大きさにかかわらず、オーバーシュー40を確実に装着することができる。なお、ここでは土踏まず44及び踵46で固定しているため、オーバーシュー40の底が破けた場合でも、靴16の表面を覆っている部分がずれることはなく、靴16が濡れるのを防止することが可能である。また、必要に応じて、オーバーシュー40の上端部(履き口)を別の輪ゴム48で留めることにより、ずり落ちを防止するようにしてもよい。
【0016】次に、本実施形態の作用を説明する。利用者12は、突然の雨に遭遇したときには、携帯している雨具10を取り出し、上着20を開口部32から被って着用し、粘着テープ34で開口部32の適宜位置を止めて調節し雨具10を固定する。そして、オーバーシュー40の上端部から、靴16を履いた状態で足を入れ、固定具49によってオーバーシュー40を固定するとともに、必要に応じて、他の輪ゴム48によって上端部に衣服の裾を入れて固定する。これにより、利用者12の全身を雨水などによる濡れや汚れから防ぐことができる。このような雨具10の利用後は、適宜個所を引っ張って雨具10を破り、そのまま廃棄する。
【0017】このように、本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1)身頃22に設けられた開口部32を頭部から被って雨具10の上着20を着用することとしたので、着脱が容易である。
(2)雨具10を防水性及び柔軟性を有する薄膜シートによって形成することとしたので、折り畳んだ時にも嵩張ることなく、携帯性に優れ、不意の雨などにも対処することができる。
(3)靴16全体を覆うオーバーシュー40を設けることとしたので、衣服の裾や靴16が濡れるのを防止することができる。
(4)粘着テープ34による調節・固定を行うこととしたので、上着20のサイズを利用者の体形よりも大き目として着脱を容易とするとともに、着用状態を利用者の体形に合うように調整することができる。
(5)前記オーバーシュー40を、伸縮性の固定具49で固定することとしたので、靴16の形状・サイズにかかわらず、確実に装着することができる。
(6)フード16の正面部につば30を設けることとしたので、フード16が利用者12の顔面に貼り付くことなく、快適な視界を得ることができる。
【0018】<実施形態2>……次に、図3及び図4を参照して、本発明の実施形態2について説明する。上述した実施形態では、上着をコート型として、一枚で利用者12のほぼ全身を覆うこととしたが、本実施形態は、雨具を上着(ないしコート)とズボンに分けた構成としたものである。図3は、本実施形態の全体を示す図であり、図4は、本形態のズボンの着用時の様子を示す図である。
【0019】図3に示すように、本実施形態の雨具50は、上着60,利用者12の下半身を覆うためのズボン70,上述した実施形態1と同様のオーバーシュー40によって構成されている。上着60は、基本的には上述した実施形態1の上着20と同様であるが、ズボン70を別途設けるため、その身頃の丈は若干短めに設定されており、例えば、利用者12の臀部を覆う程度の身丈に設定されている。なお、上着60についても、上述した実施形態1と同様に、荷物14を身に付けたままで着用することができるように、身頃の胴回りは余裕をもって大きめに設定されている。これら上着60,ズボン70,オーバーシュー40の素材については、上述した実施形態1と同様である。
【0020】ズボン70は、同図に示すように、利用者12の衣服(図示の例ではズボン)74の上に着用するものであり、そのサイズは、全体的に余裕をもって大きめに設定されている。特に、ウエスト部72については、着脱の容易性を図るため、太めに設定されている。このようなズボン70を着用する方法が、図4に示されている。同図(A)に示す方法は、ズボン70に足を通してウエスト部72を引き上げたあと、ウエスト部72の余った部分を折り畳んで、粘着テープ34で留めた例である。同図(B)に示す例は、図の矢印に示すように、ウエスト部72を、その下に着ている衣服74のウエスト部分の内側に押し込んで固定した様子を示している。同図(C)に示す例では、ウエスト部72を、上半身の衣服(図示の例ではシャツ)76に直接粘着テープ34で留めた状態が示されている。このように、いずれかの方法によって、ズボン70が装着される。
【0021】本実施形態の効果は、基本的には上述した実施形態1と同様であるが、雨具50を上着60とズボン70に分けた構成としたので、足さばきがよく、例えば、自転車やバイクなどの運転をする場合などに、特に好適である。
【0022】<実施形態3>……次に、図5を参照して、本発明の実施形態3について説明する。本実施形態の雨具80は、上述した実施形態2と同様に、上着60と下半身を覆うスカート90に分けた構成となっている。スカート90は、上端のウエスト部92から足を通してはく構成となっており、ウエスト部92をシール34などで調整して利用者12に合うように装着される。なお、ウエスト部92の調整の方法としては、上述した実施形態2と同様である。このように、本実施形態によれば、雨具80を、上着60とスカート90に分けた構成とすることにより、女性が衣服をズボンにはき換える必要がなく、着脱が容易である。
【0023】<他の実施形態>……本発明には数多くの実施形態があり、以上の開示に基づいて多様に改変することが可能である。例えば、次のようなものも含まれる。
(1)上述した雨具の素材は一例であり、必要に応じて、各種の公知の素材を利用することができる。例えば、安価な素材を利用して生産コストを低く抑えることにより、使い捨ての雨具として使用することが可能である。
(2)雨具の形状・サイズも一例であり、必要に応じて適宜変更してよい。また、色彩や模様についても同様に、必要に応じて適宜変更可能である。また、発光塗料や反射塗料を利用するようにしてもよい。これにより、視界の悪い場所や夜間においても利用者の存在が明らかとなり、特に、高齢者や子供の安全を確保することができる。
【0024】(3)粘着テープや輪ゴムも一例であり、同様の効果を奏する各種のものを利用することができる。もちろん、その色彩や模様などについても適宜変更してよい。
(4)粘着テープは、身頃正面やウエスト部の調節・固定のために利用するだけでなく、例えば、袖口の長さを調節したり、身頃やズボンあるいはスカートなどの丈を調節するために利用するようにしてもよい。もちろん、フードの大きさを調整するのに利用するようにしてもよい。
(5)前記形態では、フードを利用することとしたが、例えば、傘などを併用することにより、フードを省くようにすることも可能である。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、防水性及び柔軟性を有する薄膜シートによって雨具のコートを構成し、該コートの身頃に設けられた開口部を頭部から被って着用することとしたので、簡単な構成でありながら着脱が容易であり、更には、折り畳んだ時にも嵩張ることがなく、携帯性に優れているという効果が得られる。また、靴全体を覆う靴用雨具を併用することにより、足元が濡れるのを防止し、利用者の全身を覆うことができる。
【出願人】 【識別番号】501440813
【氏名又は名称】竹嶋 あすか
【出願日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【代理人】 【識別番号】100090413
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 康稔
【公開番号】 特開2003−147611(P2003−147611A)
【公開日】 平成15年5月21日(2003.5.21)
【出願番号】 特願2001−347193(P2001−347193)