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【発明の名称】 スキーパンツ
【発明者】 【氏名】鈴木 美和
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅5丁目25番1号 株式会社ジャパーナ内

【氏名】鳴海 富貴子
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅5丁目25番1号 株式会社ジャパーナ内

【氏名】西谷 昇
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅5丁目25番1号 株式会社ジャパーナ内

【要約】 【課題】フィット感に優れてスキーを良好に行うことができ、しかも着用者のシルエットも良好にできるスキーパンツを提供すること。

【解決手段】防水性生地または防水加工を施した布からなるアウター布10と、このアウター布10の内側に設けられたインナー布とを少なくとも有したスキーパンツ100において、インナー布を、大腿部と腰部を包み込む二方向伸縮性を有した第1伸縮布31と、この第1伸縮布31に上端にて縫着されるとともに、下方になるに従って幅広となり、かつ横方向にのみ伸縮性を有して、膝蓋部を包み込むことになる第2伸縮布32と、この第2伸縮布32の上端にて縫着されてスキー靴の上部を直接包み込むことになる第3布とにより構成したこと。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 防水性生地または防水加工を施した布からなるアウター布と、このアウター布の内側に設けられたインナー布とを少なくとも有したスキーパンツにおいて、前記インナー布を、大腿部と腰部を包み込む二方向伸縮性を有した第1伸縮布と、この第1伸縮布に上端にて縫着されるとともに、下方になるに従って幅広となり、かつ横方向にのみ伸縮性を有して、膝蓋部を包み込むことになる第2伸縮布と、この第2伸縮布の上端にて縫着されて、スキー靴の上部を直接包み込むことになる第3布とにより構成したことを特徴とするスキーパンツ。
【請求項2】 前記インナー布の第2伸縮布を、自然状態においたときに、その上縁寸法が下縁寸法よりも5〜15%少なくなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスキーパンツ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スキーパンツに関し、特に、防水性のアウターと、内側のインナーとを少なくとも有したスキーパンツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】スキーパンツは、スキーを安全に行えるようにする機能を備えていなければならないことは当然として、着用している人のシルエットを良好にすることも求められている。このため、例えば特許第3000556号掲載公報にても、「シーンズやチノパンツのシルエットを可能にしてタウンウエアとしてもそのまま着用できるとともに、着脱が容易にでき、普段着感覚の着用感を実現しタウンウエアとしても兼用できること」を目的としたスキーパンツが提案されている。
【0003】この特許掲載公報に示されているスキーパンツは、その特許請求の範囲の記載からすると、図9及び図10にも示すように、「パンツ本体2の内側に、インナースパッツ体4を腰部の縫合構造によって内装一体化したスキーパンツにおいて、インナーホットパンツ10をインナースパッツ体4の内側に吊り込み内装した」ものであり、このインナーホットパンツ10によってシーンズやチノパンツのシルエットを可能にしてタウンウエアとしてもそのまま着用できるとともに、着脱が容易にでき、普段着感覚の着用感を実現しタウンウエアとしても兼用できるようにしたものである。なお、図10中の符号7は、雪止めライナーを示している。
【0004】ところで、スキーは、滑走面の状態や進行方向に合わせた膝の屈伸を行うことにより、滑走が良好になるものであるから、スキーパンツとしてはこの膝の屈伸が自在に行えるものでなければならない。換言すれば、膝蓋部50及びその上下部分を、例えば上記特許第3000556号掲載公報に示されたインナースパッツ体4のようなもので完全に包み込んでしまうと、締め付けがきつくなって自由な動きが取れなくなり、膝の周りに対してもまとわり付くように感じられることになる。つまり、余り良好なシルエットを求めるとスポーツウエアとしての機能を十分生かすことができなくなるのである。
【0005】そこで、本発明者等は、スキーパンツとして必要な機能を十分備えるとともに、着用者のシルエットも良好にできるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この種のスキーパンツにおける上記実状に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、膝の屈伸を自在に行え、着用者へのフィット感を向上させながらそのシルエットも良好にできるようにすることである。
【0007】すなわち、本発明の目的とするところは、フィット感に優れてスキーを良好に行うことができ、しかも着用者のシルエットも良好にできるスキーパンツを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、「防水性生地または防水加工を施した布からなるアウター布10と、このアウター布10の内側に設けられたインナー布30とを少なくとも有したスキーパンツ100において、インナー布30を、大腿部と腰部を包み込む二方向伸縮性を有した第1伸縮布31と、この第1伸縮布31に上端にて縫着されるとともに、下方になるに従って幅広となり、かつ横方向にのみ伸縮性を有して、膝蓋部50を包み込むことになる第2伸縮布32と、この第2伸縮布32の上端にて縫着されて、スキー靴の上部を直接包み込むことになる第3布33とにより構成したことを特徴とするスキーパンツ100」である。
【0009】すなわち、この請求項1に係るスキーパンツ100は、アウター布10と、インナー布30とを少なくとも有したものであるが、その内のインナー布30に工夫を施すことによって、フィット感に優れてスキーを良好に行うことができ、しかも着用者のシルエットも良好にできるようにしたものである。なお、以下に示す実施形態のスキーパンツ100にあっては、アウター布10とインナー布30との間に中綿布20を介在させる三重構造のものとしてある。
【0010】インナー布30についての工夫とは、二方向伸縮性を有した第1伸縮布31によって大腿部と腰部を包み込むようにするとともに、横方向にのみ伸縮性を有した第2伸縮布32によって膝蓋部50を包み込むようにし、第3布33によってスキー靴の上部を直接包み込むようにしたことであり、特に、第2伸縮布32を下方になるに従って幅広となるようにしたことである。
【0011】ここで、重要なのは、第2伸縮布32を下方になるに従って幅広なものとなるようにしたことと、この第2伸縮布32の素材として、横方向にのみ伸縮性を有したものを採用したことである。第2伸縮布32を下方になるに従って幅広なものとするということは、図4及び図7の(ロ)等に示すように、人の膝蓋部50の上部側が狭く下部側が広くなることを意味しており、当該第2伸縮布32を使用して形成したインナー布30は、膝蓋部50の上部に対して十分フィットし、かつ膝蓋部50の下側部分については比較的緩くなるということになる。
【0012】つまり、本発明に係るスキーパンツ100は、そのインナー布30を構成している第2伸縮布32として、下方になるに従って幅広なものとなり、横方向にのみ伸縮性を有したものを採用したので、着用者が立っているときには、図1及び図7の(イ)に示すようなシルエットを形成するのである。そして、使用者が膝を曲げたときには、図7の(ロ)に示すように、ふくらはぎの後側とインナー布30との間に余裕部36が形成されることになり、インナー布30は膝下の動きを自由にすることになるのである。
【0013】もし、この第2伸縮布32が上下とも同じ幅であるとすると、図8の(イ)に示すように、インナー布30が膝蓋部50の上部に対して十分フィットしなくなることは当然であり、しかも、膝を曲げたときに、図8の(イ)に示すように、インナー布30がふくらはぎの後側にまとわり付くことになって、非常に使用感が悪くなるのである。
【0014】勿論、スキーヤーの大腿部と腰部については、インナー布30の第1伸縮布31が二方向伸縮性を有したものであるため、その全体にフィットしており、図1にも示すように着用後にヒップアップ効果を高めることができるのである。そして、第3布33は、第2伸縮布32の幅広な下縁に連続するものであり、スキー靴に対する脱着が行えるようにしたものである。
【0015】従って、以上のようなインナー布30を有するスキーパンツ100は、フィット感に優れてスキーを良好に行うことができ、しかも着用者のシルエットも良好にできるものとなっているのである。
【0016】また、上記課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、上記請求項1のスキーパンツ100について、「インナー布30の第2伸縮布32を、自然状態においたときに、その上縁寸法が下縁寸法よりも5〜15%少なくなるようにしたこと」である。
【0017】すなわち、この請求項2のスキーパンツ100は、インナー布30を構成している第2伸縮布32を下方になるに従って幅広なものとするにあたって、その程度を、自然状態においた第2伸縮布32の上縁寸法が下縁寸法よりも5〜15%少なくなるようにするといった具体的なものとしたものである。
【0018】この第2伸縮布32の上縁寸法が下縁寸法よりも5〜15%少なくなるようにする必要があるのは、5%よりも少ないと、膝蓋部50の上側部分でのフィット感が十分感じられないからであり、15%より大きいと、逆に膝蓋部50の上側での締め付けがきつくなるからである。中でも第2伸縮布32の上縁寸法が下縁寸法よりも8%程度少なくなるようにするのが、フィット感を十分にし第3布33側での動きを良好にするため、最も適しているものである。
【0019】従って、この請求項2のスキーパンツ100は、フィット感に優れてスキーをより一層良好に行うことができ、しかも着用者のシルエットもより一層良好にできるものとなっているのである。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した各請求項の発明を、図面に示した実施の形態であるスキーパンツ100について説明すると、図1には、本発明に係るスキーパンツ100の着用後の側面図が示してある。このスキーパンツ100は、図1に示したように表面側に現れる第1伸縮布31と、着用者の肌に最も近い、図2に示したインナー布30と、これらのインナー布30とアウター布10との間に配置される中綿布20とからなっているものである。なお、実施形態のものにおいては、中綿布20を全体を通して入れたものを示しているが、この中綿布20は、必要な個所に部分的に入れて実施しても良いことは言うまでもない。
【0021】以上のアウター布10及び中綿布20については、通常一般的に使用されている素材を通常の状態で縫製等を行うものであるため、その詳細は省略するが、本発明のスキーパンツ100では、インナー布30に工夫を凝らしたものであるため、このインナー布30について説明すると、次の通りである。
【0022】図3には、本発明に係るスキーパンツ100の、図1に示した左足側部部を構成するための材料が自然状態で重ねた状態が示してあり、この図3中の(a)は左足の前見頃材料が、また(b)には後見頃材料が示してある。なお、図3の(c)には、図2に位置を示したようなマチ布40の展開図が示してある。
【0023】前見頃を構成する各材料の、その他の材料に対する大きさや縫製位置関係は、図4及び図5に示したようになっている。図4は、図3の(a)部分を拡大して示したものであり、図5は、図4で重ねて示したアウター布10、中綿布20及びインナー布30の各材料を、左から順に別々に示したものである。
【0024】まず、アウター布10については、ポケットやベルト部等の付属部分を形成することは別にして、図5の左側に示したような一枚布で形成するのが基本であり、その場合の材料は、当然、防水性生地または防水加工を施した布である。このアウター布10の直ぐ内側になる中綿布20についても、図5の中央に示したように、一枚布を基本とするものではあるが、次のインナー布30の縫製位置に合わせて縫い合わせることもなされるものであり、その縫製位置は図中の実線で示してある。そして、これらのアウター布10及び中綿布20の関係は、図3及び図4に示した通りである。
【0025】インナー布30は、図5の右側で明瞭に示したように、上から順に、ヒップアップ効果を高めるためのメッシュ34を一部に縫製した第1伸縮布31と、この第1伸縮布31の下縁に縫着される第2伸縮布32と、この第2伸縮布32の下縁に縫着される第3布33とからなるものである。
【0026】第1伸縮布31は、着用者の大腿部と腰部を包み込むことになるもので、縦にも横にも延びる、つまり二方向伸縮性を有する布によって形成したものである。この第1伸縮布31の下縁の自然状態においたときの長さは、図4にも示したように、第2伸縮布32の上縁の長さより短くしてあり、この第1伸縮布31の下縁を第2伸縮布32の上縁に縫着する場合には、図4中の点線で示した位置にまで図中の矢印で示したように引き延ばされるものである。このようにするのは、当該第1伸縮布31側の横方向の伸縮性を十分利用するためであり、図4中に示した膝蓋部50の上部側のフィット感を高めるためである。
【0027】この第1伸縮布31の下縁を第2伸縮布32の上縁に縫着するにあたっては、両者を大きく重ねることがなされることもあるが、そのようにするのは、二方向伸縮性を有する第1伸縮布31に中綿布20を取り付けるのが困難であるため、第2伸縮布32によってこの二方向伸縮性を少し抑えて、中綿布20の取り付けをし易くするためである。勿論、この第1伸縮布31の下縁から以下の第2伸縮布32について、下方に順に幅広とすることは言うまでもない。
【0028】なお、図4中の左側の点線の下端は、第2伸縮布32の左端より内側に位置しているが、そのあいた第2伸縮布32の部分に図3の(c)に示したマチ布40の一部を縫着できるようにするためである。
【0029】第2伸縮布32は、図4に示したように、着用者の膝蓋部50を包み込むものであり、この膝蓋部50に対するフィット感を高めるために、横方向の伸縮性のみを有した布材料によって形成したものである。そして、この第2伸縮布32においては、図4及び図5に示したように、下方になるに従って幅広となるようにしてある。
【0030】この第2伸縮布32の下方幅広状態としては、この第2伸縮布32を図5等に示した自然状態においたときに、その上縁寸法が下縁寸法よりも5〜15%少なくなるものである。この第2伸縮布32の上縁寸法の下縁寸法に対して少なくなる量が、5%よりも少ないと、膝蓋部50の上側部分でのフィット感が十分感じられなくなり、15%より大きいと、逆に膝蓋部50の上側での締め付けがきつくなる。中でも第2伸縮布32の上縁寸法が下縁寸法よりも8%程度少なくなるようにするのが、フィット感を十分にし第3布33側での動きを良好にするため、最も適しているものである。
【0031】第3布33は、従来技術を示す図10に示された雪止めライナー7となる部分を構成するものであり、伸縮性は特に必要がないものの、防水性生地または防水加工を施した布によって形成したものである。また、この第3布33は、図1にも示したように、その下端にゴムなどを入れてスキー靴への締着を行う締着部35とするための余裕を有しているものである。つまり、この第3布33は、図4等に示したように、アウター布10や中綿布20の下端から少し突出する長目のものとされるものである。
【0032】図6は、図3の(b)及び(c)に示した材料を拡大して示したものであるが、これらの材料についての説明は、この図6中に、図4及び図5中に示した材料と同等のものについて使用した同一符号を付することにより、省略する。なお、この図6中で示したマチ布40は、その矢印で示したように、インナー布30側の第2伸縮布32に対して縫着されるものである。
【0033】
【発明の効果】以上、詳述した通り、まず、請求項1の発明においては、上記の実施形態にて例示した如く、「防水性生地または防水加工を施した布からなるアウター布10と、このアウター布10の内側に設けられたインナー布30とを少なくとも有したスキーパンツ100において、インナー布30を、大腿部と腰部を包み込む二方向伸縮性を有した第1伸縮布31と、この第1伸縮布31に上端にて縫着されるとともに、下方になるに従って幅広となり、かつ横方向にのみ伸縮性を有して、膝蓋部50を包み込むことになる第2伸縮布32と、この第2伸縮布32の上端にて縫着されて、スキー靴の上部を直接包み込むことになる第3布33とにより構成したこと」にその構成上の特徴があり、これにより、フィット感に優れてスキーを良好に行うことができ、しかも着用者のシルエットも良好にできるスキーパンツ100を提供することができるのである。
【0034】また、請求項2に係る発明は、上記請求項1のスキーパンツ100について、「インナー布30の第2伸縮布32を、自然状態においたときに、その上縁寸法が下縁寸法よりも5〜15%少なくなるようにしたこと」に特徴があり、フィット感に優れてスキーをより一層良好に行うことができ、しかも着用者のシルエットもより一層良好にできるスキーパンツ100を提供することができるのである。
【出願人】 【識別番号】591115763
【氏名又は名称】株式会社ジャパーナ
【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区名駅5丁目25番1号
【出願日】 平成13年9月28日(2001.9.28)
【代理人】 【識別番号】100083932
【弁理士】
【氏名又は名称】廣江 武典
【公開番号】 特開2003−105605(P2003−105605A)
【公開日】 平成15年4月9日(2003.4.9)
【出願番号】 特願2001−302446(P2001−302446)