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【発明の名称】 インナー手袋。
【発明者】 【氏名】吉里 明彦
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号 旭化成株式会社内

【氏名】出口 潤子
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号 旭化成株式会社内

【要約】 【課題】天然ゴムラテックスを原料にして製造されるゴム製手袋の内側に着用される、快適で、衛生的なインナー手袋を提供すること。

【解決手段】ラテックス水溶性蛋白質を吸着する成分を有し、インナー手袋1g当たりのラテックス水溶性蛋白質吸着量が20μg以上であることを特徴とするインナー手袋。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ラテックス水溶性蛋白質を吸着する成分を有するインナー手袋であって、インナー手袋1g当たりのラテックス水溶性蛋白質吸着量が20μg以上であることを特徴とするインナー手袋。
【請求項2】 セルロース系繊維及び合成繊維より選ばれた少なくとも一種から形成され、30℃、相対湿度90%における吸湿率が8%以上であって、インナー手袋1kg当たりアミノ基を8meq以上有していることを特徴とする請求項1記載のインナー手袋。
【請求項3】 ラテックス水溶性蛋白質を吸着する成分がキトサン及びポリアミドより選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載のインナー手袋。
【請求項4】 セルロース系繊維が、綿、キュプラレーヨン及びビスコースレーヨンより選ばれた少なくとも一種のマルチフィラメント、ステープル又は不織布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインナー手袋。
【請求項5】 合成繊維が、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン及びポリプロピレンより選ばれた少なくとも一種のマルチフィラメント、ステープル又は不織布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインナー手袋。
【請求項6】 セルロース系繊維がマルチフィラメントであることを特徴とする請求項4記載のインナー手袋。
【請求項7】 合成繊維がマルチフィラメントであることを特徴とする請求項5記載のインナー手袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手に密着して使用される天然ゴムラッテクスから製造されるゴム製手袋の内側に使用されるインナー手袋に関する。更に詳しくは、外科医、歯科医、看護婦等の医療従事者、半導体、製薬、化学、精密機械等の従事者、農業従事者、学校給食及び病院給食、外食産業等の食品製造業従事者、主婦等が、ゴム製の手袋を着用する際に、その内側に着用する快適なインナー手袋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、有害汚染物質からの作業者保護、半導体や精密機器への汚染防止、食中毒防止、手荒れ防止等を目的として、ゴム製の手袋が広く使われている。しかしながら、これらの手袋は通気性が悪く、長時間使用すると汗によって手がべたついて不快感が生じる。近年、HIVやC型肝炎感染予防の為、医療従事者は、ゴム手袋を長時間、かつ、頻繁に着用するようになってきている。天然ゴムから作られたラテックス手袋着用者が重大なアレルギー症状を引き起こす問題が指摘され、ラテックス製手袋着用者の増加に伴ってラテックスアレルギー患者も急増している。ラテックスアレルギーの原因物質は、原料の天然ゴム中に含まれている複数種からなるラテックス水溶性蛋白質である。
【0003】ラテックス水溶性蛋白質とは、ラテックス製品から水又は生理食塩水によって抽出される蛋白質である。ラテックス製品は、ヘビア樹から得られる天然ゴムラテックス樹液を濃縮し、各種の加工を経て作られる。そのラテックス製品中にはアレルギー活性を保持したラテックス水溶性蛋白質が、多いものでは数百μg/g程度残留する。このラテックス製品に残留する水溶性蛋白質が長期にわたって人体と接触することにより、即時型アレルギーを発症することが知られている。
【0004】水溶性蛋白質量が多く含まれる製品を使用した場合、即時型アレルギー発症の危険性が高い。ラテックス製品中の水溶性蛋白質量を減少させることによりアレルギー発症の危険性が低減すると考えられ、ラテックス水溶性蛋白質量を低減させ、ラテックスアレルギーを防止する各種の提案がなされている。例えば、特開平08−283308号公報及び特開平08−283309号公報には、ラテックス製品からラテックス水溶性蛋白質を抽出除去することにより、蛋白質を低減させる方法が開示されている。しかし、ラテックス水溶性蛋白質の完全な除去は不可能であり、かつ、生産コストが高く、すべてのゴム製手袋に適応できていない。
【0005】ゴム手袋を手に直履きする場合、ゴム手袋は気密性が高い為に、発汗によって手袋内がべたつき、着用感も極めて悪く、さらには汗がラテックス水溶性蛋白質をゴム手袋から溶出させ、それが手の皮膚から浸透するという問題があった。インナー手袋については、従来から色々な提案がある。例えば、特開2000−73213号公報には、防塵手袋用のインナー手袋、実開平6−61917号公報には、べたつきと発塵を改良したゴム手袋用のインナー手袋の提案がある。特開平11−315405号公報には、人体から発生するアンモニアイオンの吸着能を付与した防塵衣が提案されている。しかし、いずれの手袋も、本発明の課題に関連したラテックス手袋用インナー手袋の技術開示や示唆はない。
【0006】炊事用ゴム手袋の下ばき用として、手荒れ防止を目的とした、綿100%製手袋が市販されている。しかし、綿は多量発汗時には繊維表面に水を保持する為に着用時のべたつき感を解消できない。半導体クリーンルーム用ゴム手袋の内履きとしてポリエステル繊維製やナイロン繊維製手袋が市販されている。しかし、これらの手袋は吸湿性に乏しい素材でできているため、着用中の蒸れや発汗によるベタツキ感を解消できず、着用快適性を満足できる水準ではない。その上、綿製及びポリエステル繊維製インナー手袋は、いずれもラテックス水溶性蛋白質を吸着できない。
【0007】
【発明は解決しようとする課題】本発明の課題は、ゴム製の手袋(以下、アウター手袋、という)の内側に着用する、快適で、衛生的なインナー手袋を提供することである。快適とは、汗でべたつかないこと、衛生的とは、アウター手袋中に含まれる有害物質が汗で抽出された場合でもインナ−手袋がそれを吸着することによって、手の皮膚から吸収されにくくなることである。すなわち、従来の綿製、ナイロン繊維製及びポリエステル繊維製の手袋を着用する場合の問題点である、汗によりべたつくことに伴なう不快感及びアウター手袋中から有害物質(例えば、ラテックス水溶性蛋白質)が汗を介在して手の皮膚から浸透する問題を同時に軽減するインナー手袋を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ラテックス水溶性蛋白質を吸着する成分を有するインナー手袋であって、インナー手袋1g当たりのラテックス水溶性蛋白質吸着量が20μg以上であることを特徴とするインナー手袋である。本発明のインナー手袋は、アウター手袋の内側に着用する手袋である。したがって、本発明のインナー手袋は、アウター手袋とは別個の手袋であってもよく、アウター手袋製造時に、型に予めインナー手袋を装着させた後、その表面にゴム層を成膜させて形成された、インナー手袋と一体型のゴム手袋におけるインナー手袋も本発明のインナ−手袋に含まれる。
【0009】本発明のインナー手袋は、アウター手袋から汗により抽出運搬されるラテックス水溶性蛋白質をインナ-手袋によって吸着し、皮膚から体内に浸透するのを阻止又は軽減することを意図している。そのためには、インナー手袋のラテックス水溶性蛋白質吸着量は、インナー手袋1g当たり20μg以上、好ましくは30μg以上、より好ましくは40μg以上である。ラテックス水溶性蛋白質の吸着量がインナー手袋1g当たり20μg未満では本発明の効果が期待できない。本発明のインナー手袋を構成する素材は、好ましくは、セルロース系繊維及び合成繊維より選ばれた少なくとも一種であって、それらの素材の形態は、ステープル、フィラメント及び不織布のいずれでもよい。
【0010】本発明のインナー手袋は、30℃、相対湿度90%におけるの吸湿率が8%以上であって、インナー手袋1kg当たりアミノ基を8meq以上有していることが好ましい。30℃、相対湿度90%という条件は、手袋着用時の手袋内の環境を想定したものである。すなわち、この条件下で本発明のインナー手袋の吸湿率は8%以上であることが好ましく、より好ましくは10%以上、最も好ましくは12%以上である。この条件を満たすことによって、着用時の快適性が一層向上し、手からの発汗抑制の効果が一層向上する。吸湿率が小さくなると手がベタベタして不快感が増加し、これがさらなる発汗につながる。発汗量が多いほど抽出されるラテックス水溶性蛋白質量は増加する。
【0011】本発明のインナー手袋は、1kg当たりアミノ基を8meq以上有することが好ましく、より好ましくは10meq以上、最も好ましくは20meq以上であり、このアミノ基の反応活性を利用してラテックス水溶性蛋白質がインナー手袋に吸着補足される。インナー手袋のアミノ基の量が減少するにつれて有害物質の吸着補足効果が低下する。本発明者等は、アミノ基を有する物質にラテックス水溶性蛋白質吸着効果があることをはじめて見出し、本発明のインナー手袋への応用を試みた。
【0012】本発明に有効な、アミノ基を有する物質として、キトサン及びポリアミドが好ましく、より好ましくはキトサンである。キトサンは、カニ殻やエビ殻等に含まれるキチンを、高温、高濃度でアルカリで処理することによって得られ、分子量50万程度のアミノ基を持つ高分子物質である。ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12等、末端にアミノ基を有する高分子物質である。分子量については特に制限はないが、ポリアミド中の末端アミノ基濃度が高い方が好ましい。
【0013】キトサン及びポリアミドのようなアミノ基を有する物質そのものから繊維を製造してインナー手袋として使用したり、アミノ基を有する物質をボールミル等を用いて微粒子にして繊維中に練り込んだり、手袋作成前後に公知のバインダーを用いてアミノ基を有する物質を繊維表面にコーテングして固着させてもよい。本発明に用いられるセルロース系繊維としては、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン(ポリノジックを含む)及び綿より選ばれた少なくとも一種のマルチフィラメント、ステープル又は不織布等が挙げられる。単糸繊度は0.5〜5dtex、総繊度は20〜220dtexが好ましい。
【0014】本発明で用いられる合成繊維としては、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリル繊維、レギュラータイプのポリエチレンテレフタレート繊維、常圧可染タイプのポリエチレンテレフタレート繊維、超高速紡糸タイプのポリエチレンテレフタレート繊維、ポリオレフィン繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリテトラメチレンテレフタレート繊維またはそれらの共重合体繊維より選ばれた少なくとも一種のマルチフィラメント、ステープル又は不織布が挙げられ、好ましくはポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリテトラメチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン繊維およびポリプロピレン繊維より選ばれた少なくとも一種のマルチフィラメント、ステープル又は不織布が用いられる。合成繊維の単糸繊度は0.5〜5dtex、総繊度は20〜220dtexが好ましい。
【0015】これらの繊維から形成された手袋は、30℃、相対湿度90%における吸湿率が8%以上になるように上記の繊維素材を組み合わせて用いるのが好ましい。インナー手袋は手に直接密着して使用される為、作業中のインナ−手袋の擦過による皮膚への物理刺激が小さい方がより好ましい。なぜなら、皮膚がインナー手袋によって擦過され、そのとき、手に小さな傷があれば、そこから有害物質であるラテックス水溶性蛋白質が吸収されやすくなる。この観点から、インナー手袋を構成するは繊維はマルチフィラメントの方が短繊維からなる紡績糸よりも好ましい。
【0016】セルロース系繊維及び合成繊維の単糸の断面形状は丸、扁平、三角、L、T、W、Y、π、八葉、八輝、十字、ドッグボーン等の多角形型、多葉型、中空型、不定形等の各種の形状が挙げられる。毛細管現象による手の平の汗水処理を効率的に行なう上から、表面に溝を有するW型又はL型断面の合成繊維が好ましい。本発明に用いられるセルロース系繊維や合成繊維には、目的に応じてさらに二酸化チタン等の艶消し剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、絹から得られるセリシン等の保湿剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が付着または含有されていてもよい。
【0017】これらの合成繊維やセルロース系繊維は、それぞれ単独で、又は混繊や引き揃えられた糸として手袋編み機によってインナー手袋に成形される。例えば、合成繊維は、単独又は混繊や引き揃えられた糸として、セルロース系繊維と共に複合繊維に加工して使用することができる。セルロース系繊維と合成繊維からなる複合繊維は、セルロース系繊維と合成繊維を、引き揃え、合燃、又は混繊、又は混繊後仮撚り、又は仮撚り後に混繊された、総繊度が40〜440dtex、好ましくは、60〜300dtexのものである。
【0018】インナー手袋に吸着補足されたラテックス水溶性蛋白質は、直接、皮膚に接触しないことが好ましい。その為、好ましくは、ラテックス水溶性蛋白質を吸着する素材とラテックス水溶性蛋白質を吸着しない素材とからインナー手袋を構成し、その際、手袋の肌側には、主としてラテックス水溶性蛋白質を吸着しない繊維、外側には主として吸着する繊維で手袋を成形する編織組織を用いることが好ましい。その為、手袋を構成する布帛として、通常、織物、編物又は不織布が用いられるが、本発明のインナー手袋の場合、フィット性が要求される為、編物が好適である。さらに、別の方法として、インナー手袋の肌側はべたつき感を低減し、ラテックス水溶性蛋白質の接触を避ける意味から、肌に接する部分は疎水性繊維が表面に多く表われる編織組織が好ましい。逆にアウター手袋に接する側には水溶性蛋白質を吸着する繊維や親水性繊維を配し、効率的に吸着させる為に、インナー手袋の外側は親水性繊維が表面に多く表われる編織組織が好ましい。使用する編織機及び染色加工方法は編織地に使われる素材に適した公知の方法を用いることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明に用いる性能の評価方法は以下の通りである。
(1)ラテックス水溶性蛋白質の吸着量測定方法市販の天然ゴム製手袋(東レラテックス手術用手袋MG(商標)、東レ・メディカル(株)社製 )を用い、JIS T9010−1999にしたがって分析する。
【0020】以下、前記JISの概略を説明する。ゴム手袋を約1cm角に裁断し、その2gを50mlの蓋付きプラスチック製チューブに入れ、室温下、りん酸緩衝生理食塩水10ml中で2時間、振とう機を用いて激しく振とうした後、上澄み液5mlを取り、水中に含まれる水溶性蛋白質量を分析する。このときの水中に含まれる水溶性蛋白質量をAμgとする。前記と同じゴム手袋を用い、プラスチック製チューブに裁断したゴム手袋片2gと裁断したインナー手袋片を1gを入れ、同じ手順で、室温下、りん酸緩衝生理食塩水10ml中で2時間、振とう機を用いて激しく振とうした後、上澄み液5mlを取り、水中に含まれる水溶性蛋白質量を分析する。このときの水中に含まれる水溶性蛋白質量をBμgとする。
【0021】インナー手袋1g当たりの水溶性蛋白質の吸着量を次式より算出する。
水溶性蛋白質の吸着量=(A−B)(μg/g)
(2)吸湿率の測定試料を30℃、相対湿度90%の下で24時間調湿し、次式により水分率(%)を算出する。
吸湿率(%)=[(吸湿後の質量−絶乾質量)/(絶乾質量)]×100(3)アミノ基濃度の測定通常の中和滴定法で求める。試料の手袋10gを1Lビーカーに精秤し(Wg)、フェノール/メタノール(9/1)溶液400mlを加えて試料を溶解または十分浸漬させる。攪拌しながら常温でチモールブルーを指示薬として0.05NのHCl(力価F)で滴定し、黄色から赤に変わる点を終点とする。加えたHCl量がAml、空試験がBmlであった時、次式により算出する。
アミノ基濃度(meq/Kg)=[(A−B)×F×1000×0.05]/W【0022】(4)着用快適性の評価アウター用ゴム手袋として、(1)で用いた市販の天然ゴム製手袋の下に、本発明のインナー手袋及び比較用手袋を着用して、23℃、相対湿度45%の環境内で3時間軽作業を行う。軽作業後の手袋着用時の快適性評価を、手のべたつき感を中心にして5名のパネラーにより官能評価を行う。官能評価は、以下基準にしたがい、その平均値で表す。また手にかゆみを感じた場合は自己申告させる。
さらさらして大変快適:4点快適 :3点快適性に劣る :2点べたべたして不快 :1点【0023】
【実施例1】キトサン(コーヨーキトサンSK−50(商標)、甲陽ケミカル(株)社製)をボールミルで微粒化し、これを繊維固形分に対し2質量%の割合で練りこんだ56dtexのキュプラフィラメント糸(ベンベルグ(登録商標)、旭化成(株)社製)と、84dtexのポリエステルW断面フィラメント糸(テクノファイン(登録商標)、旭化成(株)社製)をインターレース仮撚り法により複合し、140dtexの加工糸を得た。この加工糸2本を合撚し、13ゲージの島精機(株)社製全自動シームレス手袋編機NEW SFG―13ゲージL3を用いて手袋に編み立て、次の条件にて仕上げ加工を行った。
セット80℃、5分精錬70℃、20分水洗5分得られたインナー手袋の30℃、相対湿度90%における吸湿率は11.2%であった。各種の評価結果を表1に示す。この手袋をインナー手袋として着用した場合の着用快適性は非常に優れたものであり、手のかゆみを申告する者はいなかった。
【0024】
【実施例2】167dtexのキュプラフィラメント糸(ベンベルグ(登録商標)、旭化成(株)社製)と167dtexの丸断面ポリエステルフィラメント糸(旭化成(株)社製)を300回/m合撚し、実施例1と同様の方法で手袋に編み立てた。この手袋を実施例1と同じ条件にて仕上げ加工を行った。この手袋の表面に、ボールミルで微粉砕したキトサン(コーヨーキトサンSK−10(商標)、甲陽ケミカル(株)社製)を、ポリビニールアルコールの水溶液に分散溶解した溶液を塗布して、乾燥した。この手袋の30℃、相対湿度90%における吸湿率は14.8%であった。各種の評価結果を表1に示す。この手袋をインナー手袋として着用した場合、着用快適性は非常に優れたものであり、手のかゆみを申告する者はいなかった。
【0025】
【実施例3】キトサン(コーヨーキトサンSK−50(商標)、甲陽ケミカル(株)社製)をボールミルで微粒化し、これを繊維に対して5質量%練りこんだ86dtexのキュプラフィラメント糸(ベンベルグ(登録商標)、旭化成(株)社製)を、167dtexのポリトリメチレンテレフタレート繊維(ソロ(登録商標)、旭化成(株)社製)と300回/m合撚し、実施例1と同様の方法で手袋に編み立て、仕上げ加工を行った。この手袋の30℃、相対湿度90%における吸湿率は8.7%であった。各種の評価結果を表1に示す。この手袋をインナー手袋として着用した場合、肌触り、フィット感がよく、着用快適性は非常に優れたものであり、手のかゆみを申告する者はいなかった。
【0026】
【実施例4】167dtexのキュプラフィラメント糸(ベンベルグ(登録商標)、旭化成(株)社製)を167dtexのナイロン66フィラメント糸(レオナ(登録商標)、旭化成(株)社製)を用い、300回/m合撚し、実施例1と同様の方法で手袋に編み立てた。この手袋を実施例1と同じ条件にて仕上げ加工を行った。この手袋の30℃、相対湿度90%における吸湿率は16.6%であった。各種の評価結果を表1に示す。この手袋をインナー手袋として着用した場合の着用快適性に優れたものであり、手のかゆみを申告する者はいなかった。
【0027】
【比較例1】綿30‘Sを用いて、実施例1と同様の方法で手袋に編み立てた。この手袋を実施例1と同じ条件にて仕上げ加工を行った。この手袋の30℃、相対湿度90%における吸湿率は17.6%であった。各種の評価結果を表1に示す。この手袋をインナー手袋として着用した場合、着用初期は快適であったが約30分後には4名がべたついて不快であると判定し、そのうちの1名は手のかゆみを申告した。
【0028】
【比較例2】56dtexのキュプラフィラメント糸(ベンベルグ(登録商標)、旭化成(株)社製)を86dtexのポリエステルW断面フィラメント糸(テクノファイン(登録商標)、旭化成(株)社製)を用いて、インターレース仮撚り法により複合し、140dtexの加工糸を製造した。この加工糸2本を合撚し、実施例1と同様の方法で手袋に編み立てた。この手袋を実施例1と同じ条件にて仕上げ加工を行った。この手袋の30℃、相対湿度90%における吸湿率は9,7%であった。各種の評価結果を表1に示す。この手袋をインナー手袋として着用したところ、4名は着用感は快適に劣ると判定し、1名が不快で手のかゆみを申告した。
【0029】
【比較例3】33dtexのナイロン66フィラメント糸(レオナ(登録商標)、旭化成(株)社製)と167dtexのキュプラフィラメント糸(ベンベルグ(登録商標)、旭化成(株)社製)を用いて、インターレース仮撚り法により複合し、200dtexの加工糸を得た。この加工糸2本を合撚し、実施例1と同様の方法で手袋に編み立てた。この手袋を実施例1と同じ条件にて仕上げ加工を行った。この手袋の30℃、相対湿度90%における吸湿率は23.7%であった。各種の評価結果を表1に示す。この手袋をインナー手袋として着用した結果、3名は着用感は快適、1名は快適性に劣ると判定し、1名が不快で手のかゆみを申告した。
【0030】
【比較例4】111dtexのポリエステルフィラメント糸(旭化成(株)社製)を2本300回/mで合撚し、実施例1と同様の方法で手袋に編み立てと、仕上げ加工を行った。この手袋の30℃、相対湿度90%における吸湿率は0.6%であった。各種の評価結果を表1に示す。この手袋をインナー手袋として着用したところ、蒸れ及び発汗が生じ、着用感は全員不快と判定し、2名が手のかゆみを申告した。
【0031】
【表1】

【0032】
【発明の効果】本発明のインナー手袋は、ゴム製や合成樹脂製の手袋の内側に着用するものであって、特に、天然ゴムラテックスを原料にして製造されるゴム製手袋の内側に着用されるインナ−手袋として有用である。本発明のインナ−手袋は、吸湿性が高く、長時間作業しても汗でベタベタせず快適で、更に、ゴム手袋中に含まれるラテックス水溶性蛋白質を吸着補足する為、汗によりゴム手袋から溶出した有害物質に対して皮膚を保護する効果がある。
【出願人】 【識別番号】000000033
【氏名又は名称】旭化成株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号
【出願日】 平成13年8月27日(2001.8.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−64513(P2003−64513A)
【公開日】 平成15年3月5日(2003.3.5)
【出願番号】 特願2001−256619(P2001−256619)