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【発明の名称】 防刃手袋と防刃手袋の製造方法
【発明者】 【氏名】福本 匡克
【住所又は居所】兵庫県龍野市揖西町小神147 富士グロ−ブ株式会社内

【要約】 【課題】防刃機能が高く、嵩張らない防刃手袋を作業効率よく製造する製造方法を提供することを課題とする。

【解決手段】手袋本体の適宜の部位に鎖を両面接着テープで接着した後、当該鎖を手縫いで手袋本体に縫い付けてなる構成である。又、手袋本体の適宜の部位に取付生地を押し当て、鎖より幅広の間隔で並行に縫い糸を縫い付けて、当該取付生地を手袋本体に逢着した後、当該各縫い糸間に鎖を挿通してなる構成である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 手袋本体の適宜の部位に鎖を両面接着テープで接着した後、当該鎖を手縫いで手袋本体に縫い付けてなる防刃手袋。
【請求項2】 手袋本体の適宜の部位に鎖を両面接着テープで接着した後、当該鎖を手縫いで手袋本体に縫い付けることを特徴とする防刃手袋の製造方法。
【請求項3】 手袋本体の適宜の部位に取付生地を押し当て、鎖より幅広の間隔で並行に縫い糸を縫い付けて当該取付生地を手袋本体に逢着した後、当該各縫い糸間に鎖を挿通することを特徴とする防刃手袋の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暴漢等が使用するナイフ、包丁あるいは日本刀等の刃物から手を防獲する防刃手袋の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の凶悪犯罪で凶器として使用されるナイフ、包丁あるいは日本刀等の刃物から手を防御するための防刃手袋は、鎖を縫い付けた生地に、更に手袋の表生地等や、裏生地を合わせた手袋としているため、かさ張りるものであった。
【0003】例えば、特開平11−241898号には、特殊な押さえ金具を使用したミシンで、手袋パーツの第2層材に鎖を縫い付け、この第2層材を第1層材及び第3層材と積層してなる防刃手袋及びその製造方法が開示されている。
【0004】この場合、ミシンの送り歯により第2層材の生地を送り、前記押さえ金具で鎖を押さえて、当該生地に鎖を縫い付けているため、生地の送りと同時に鎖を送らなければならず、縫い付け作業に熟練を要するばかりでなく、別途特殊な押さえ金具を必要とするものであった。さらに、当該鎖を常に伸ばした状態で縫い付けないと、ミシン針の逢着ピッチと鎖の空間とが一致しなくなり、針が鎖の金属部分に当たって折れ、危険であるばかりでなく、この折れた針を交換しなければならない等、作業効率の悪いものであった。
【0005】又、同公報には、鎖の別の取着手法として、鎖を取着すべき第2層材と、伸縮性のある薄い取付生地との間に鎖を挟んで、該鎖の動きを規制するよう少なくとも該鎖の両側を、ミシンで逢着することによって行ってもよいとしている。
【0006】上記の如く、いずれの場合にも、鎖を生地に逢着する際に、鎖が所望の位置から動かないように、又、鎖が蛇行したりしないように、当該鎖を常に伸ばした状態でしっかり押さえながら逢着しないと、ミシンの針が鎖の金属部分に当たって折れ、危険であるばかりでなく、この折れた針を交換しなければならない等、作業効率の悪いものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、防刃機能が高く、嵩張らない防刃手袋を作業効率よく製造する製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載した防刃手袋の製造方法は、手袋本体の適宜の部位に鎖を両面接着テープで接着した後、当該鎖を手縫いで手袋本体に縫い付けてなる構成である。
【0009】この構成によれば、防刃機能が高く、鎖を直接手袋本体に逢着しているので嵩張らない防刃手袋を提供することができ、しかも、予め接着テープで鎖を接着しているので、鎖が所望の位置から動いたり、蛇行したりしないため、手縫い作業が簡単で熟練を必要とせず、又、針が鎖の金属部分に当たって折れたりすることのない作業効率のよいものであり、さらに、手縫いで鎖を縫い付けるので、当該手袋の使用者にとって一番防刃効果が高く、使い勝手のよい位置に鎖を自由に配設することができるものである。
【0010】本発明の請求項2に記載した防刃手袋の製造方法は、手袋本体の適宜の部位に取付生地を押し当て、鎖より幅広の間隔で並行に縫い糸を縫い付けて、当該取付生地を手袋本体に逢着した後、当該各縫い糸間に鎖を挿通してなる構成である。
【0011】この構成によれば、防刃機能が高く、鎖を手袋本体と取付生地との間に配設しているので嵩張らない防刃手袋を提供することができ、しかも、取付生地を逢着した後に鎖を配しているため、逢着作業が簡単で熟練を必要とせず、又、ミシン針が鎖の金属部分に当たって折れたりすることのない作業効率のよいものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
【0013】(実施例1)本発明に係る防刃手袋Aの製造方法は、図1に示すように、手袋本体1の適宜の部位に鎖aを両面接着テープで接着した後、当該鎖aを手縫いで手袋本体1に縫い付けるものである。
【0014】手袋本体1は、掌側部5と甲側部6が一体となった本体パーツ2、親指パーツ3、袖ゴム4とで構成されてなるものである。
【0015】この本体パーツ2及び親指パーツ3は、布、ゴム、ビニール、皮革、その他の繊維生地等で形成してなるものである。特に、耐切創性に強いアラミド系繊維(例えば、ケプラ、トワロン、トーメックス等)からなる生地を使用したものが軽量で、嵩張らないので好適である。
【0016】本体パーツ2は、図2に示すように、親指を除いた手と同形の掌側部5と甲側部6とを人差し指側の折目7を介して展開した一体形状に形成し、この折目7の下方に親指取付穴8を設けてなるものである。
【0017】親指パーツ3は、図3に示すように、親指と同形とし、親指の掌側部11と甲側部12を折目13を介して展開した形状に形成してなるものである。
【0018】袖ゴム4は、本体パーツ2の掌側及び甲側に筒状に縫い合わせて手首部14を構成するものである。
【0019】次ぎに、本発明の防刃手袋Aの製造方法について説明する。
【0020】まず、親指パーツ3の掌側部11に、鎖を取り付ける所望の位置に両面接着テープ(図示せず)を接着し、その上から鎖aを貼り付け、当該鎖aを手縫いで縫付け、図3に示す状態とした後、折目13で折曲して重ね、縫い代で縫い合わせて袋状に親指形状に形成する。
【0021】この鎖付き親指パーツ3の付け根部15を、前記本体パーツ2の親指取付穴8の縫い代部(図示せず)に縫い合わせる。
【0022】この親指パーツ3付き本体パーツ2の掌側部5に、鎖を取り付ける位置に両面接着テープ(図示せず)で鎖aを接着し、その鎖aを本体パーツ2に手縫いで縫付ける。
【0023】そして、前記本体パーツ2の掌側部5と甲側部6とを折目7で折曲して重ね、小指側の周縁及び各指部の各縫い代を縫い合わせて、本体パーツ2の掌側及び甲側の下端に袖ゴム4を筒状に縫い合わせて手首部14を形成し、図1に示すように、掌側に鎖aを縫い付けてなる防刃手袋Aとするものである。
【0024】なお、手首部14にも同様にして鎖aを配設するようにしてもよい。又、鎖aは、ステンレススチール等の鉄製あるいは炭素繊維等の防刃機能の高い材質のものを使用する。
【0025】ここで、ミシンで鎖を縫い付けるのではなく、手縫いで鎖を縫い付けているので、例えば、手袋本体の掌側中央には小さな鎖を渦巻き状に配置するといったように、当該手袋の使用者にとって一番必要とする位置に鎖を自由に配設することができる。さらに、鎖の大小を取付部位に応じて指定して、取付けることもできるものである。
【0026】又、本発明では両面接着テープを使用して鎖を接着してから縫い付けるため、鎖が所望の位置から動いたり、伸びたり蛇行したりせず、縫い付け作業中に鎖が剥がれる心配もなく、手縫い作業が簡単で熟練を必要とせず、又、針が鎖の金属部分に当たって折れたりすることのない作業効率のよいものである。
【0027】さらに手縫いで鎖を手袋本体に取り付ける際に、鎖の輪の部分に取付糸を通すので、刃物や物を掴んだりする場合でも鎖が取付け糸を保護する格好となり、糸切れの問題もない。
【0028】なお、手縫いに使用する縫い糸は、耐切創性に強いアラミド系縫い糸(例えば、ケプラ、トワロン、トーメックス等)を使用する。
【0029】鎖を縫い付ける縫い糸の方向は、鎖と同じ縦方向でも、横方向でもよく特に限定するものではない。
【0030】前記実施例では、鎖付き親指パーツを本体パーツに取り付けた後に、本体パーツに鎖を縫い付けた例で説明したが、手袋本体の製造手順や鎖を縫い付ける手順は特に限定するものではない。
【0031】(実施例2)本発明に係る防刃手袋Bの製造方法は、図4に示すように、手袋本体41の適宜の部位に取付生地61、63を押し当て、鎖bより幅広の間隔で並行に縫い糸62、64を縫い付けて、当該取付生地61、63を手袋本体41に逢着した後、当該各縫い糸62、64間に鎖bを挿通してなるものである。
【0032】実施例1と同様に、手袋本体41は、掌側部45と甲側部46が一体となった本体パーツ42、親指パーツ43、袖ゴム44とで構成されてなるものである。
【0033】取付生地61、63は、多少伸縮性があり、比較的薄い布、ゴム、ビニール、皮革、その他の繊維生地等で形成してなるもので、材質は特に限定するものではないが、耐切創性に強いアラミド系繊維(例えば、ケプラ、トワロン、トーメックス等)からなる生地を使用したものが軽量で、嵩張らないので好適である。
【0034】次ぎに、防刃手袋Bの製造方法について説明する。
【0035】まず、親指パーツ43の掌側部51の鎖を取り付ける所望の位置に、親指パーツ43の掌側部51と略同形とした取付生地61を押し当て、鎖より幅広の間隔で並行に縫い糸62を縫い付けて、当該取付生地61を親指パーツ43に逢着した後、当該各縫い糸62間に鎖bを挿通して、図6に示す状態とした後、折目53で折曲して重ね、縫い代で縫い合わせて袋状に親指形状に形成する。
【0036】又、図5に示すように、本体パーツ42の掌側部45の鎖を取り付ける位置に、本体パーツ42の掌側部45と略同形とした取付生地63を押し当て、鎖より幅広の間隔で並行に縫い糸64を縫い付けて、当該取付生地63を逢着した後、当該各縫い糸64間に鎖bを挿通して、本体パーツ42を形成する。
【0037】前記鎖付き親指パーツ43の付け根部55を、前記本体パーツ42の親指取付穴48の縫い代部(図示せず)に縫い合わせる。
【0038】そして、前記本体パーツ42の掌側部45と甲側部46とを折目47で折曲して重ね、小指側の周縁及び各指部の各縫い代を縫い合わせて、本体パーツ42の掌側及び甲側の下端に袖ゴム44を筒状に縫い合わせて手首部54を形成し、図4に示すように、掌側に鎖bを配設した防刃手袋Bとするものである。
【0039】なお、手首部54にも同様にして鎖bを配設するようにしてもよい。又、鎖bは、ステンレススチール等の鉄製あるいは炭素繊維等の防刃機能の高い材質のものを使用する。
【0040】又、前記防刃手袋Bを裏返して、各取付生地61、63が内側になるようにして使用してもよい。
【0041】このように、防刃手袋Bは、袖ゴムを使用していることと相俟って、裏表を兼用して使用することができるため、咄嗟に当該手袋を装着する際に便利である。
【0042】前記実施例では、鎖付き親指パーツと鎖付き本体パーツとを別々に作成し、この本体パーツに親指パーツを縫い付けた例で説明したが、手袋本体の製造手順は特に限定するものではない。
【0043】前記二つの実施例では、手袋本体を本体パーツ、親指パーツ、袖ゴム(手首部)とで構成した例で説明したが、本体パーツに手首部を予め形成して袖ゴムを省略したものとしてもよく、手袋本体の構成は、嵩張らないものであればよく、特に限定するものではない。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に係る防刃手袋の製造方法は、防刃機能が高く、嵩張らない防刃手袋を提供できるものである。
【0045】薄くて嵩張らずポケット等に収まりやすいので、携帯に便利であり、必要な時のみ装着することが可能になる。さらに、必要であれば本発明の防刃手袋を装着した上に、更に別の手袋を装着することで、防刃効果を更に向上させると共に防寒効果や耐衝撃性もアップさせることもできるものである。
【0046】手縫いで鎖を縫い付ける方法にあっては、当該手袋の使用者にとって一番防刃効果が高く、使い勝手のよい位置に鎖を自由に配設することができる。両面接着テープで鎖を接着してから縫い付けるため、縫い付け作業中に鎖が剥がれる心配もなく、縫い付け作業効率のよいものである。手縫いで鎖を手袋本体に取り付ける際には、鎖の輪の部分に取付糸を通すので、刃物や物を掴んだりする場合でも鎖が取付け糸を保護する格好となり、糸切れの問題もないものである。
【0047】取付生地を使用する方法にあっては、防刃機能が高く、鎖を手袋本体と取付生地との間に配設しているので嵩張らない防刃手袋を提供することができ、しかも、取付生地を逢着した後に鎖を配しているため、逢着作業が簡単で熟練を必要とせず、又、ミシン針が鎖の金属部分に当たって折れたりすることのない作業効率のよいものである。さらに、防刃手袋の裏表を兼用して使用することができるため、咄嗟に当該手袋を装着する際に便利である。
【出願人】 【識別番号】594068099
【氏名又は名称】富士グロ−ブ株式会社
【住所又は居所】兵庫県龍野市揖西町小神147
【出願日】 平成13年7月9日(2001.7.9)
【代理人】 【識別番号】100083172
【弁理士】
【氏名又は名称】福井 豊明
【公開番号】 特開2003−27314(P2003−27314A)
【公開日】 平成15年1月29日(2003.1.29)
【出願番号】 特願2001−208047(P2001−208047)